First Year
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Harry視点
「あの、ここ空いてる?」
そっと中を覗くと、紺色の髪を揺らしながらその子は顔を上げた。
『空いてるよ、どうぞ』
凛とした静かな声で告げ、愛らしく紫の瞳を細めて微笑んだその子はおそらく自分と同じくらいの年齢だ。
ありがとう、と向かい側に座るとその子はパタンと音をたてて膝の上に置いた本を閉じた。
思わず顔を顰める。膝の上に置かれた本は自分たちの年齢には難しそうで、分厚かった。
「君も、新入生?」
尋ねるとこくりと頷いた。
『君も、ということはあなたも?』
首を傾げて尋ねるその子に、大きく頷いて見せると嬉しそうに笑った。
『そっかぁ、同じだね。あ、俺はフィル。フィル・アイル。よろしくね』
ふわっと微笑んだその子…フィルに目を見開く。
『…もしかして女の子だと思ってた?』
少し困ったように笑うフィルはどこからどう見ても女の子にしか見えない。ゆっくりと頷くと、フィルはやっぱり?と少し笑った。
「あ、僕はハリー。ハリー・ポッターだよ」
まだ自己紹介をしていなかったと思い出し、慌てて言うとフィルは一瞬だけ驚いたような表情を見せた。しかしすぐに微笑みを浮かべると
『君がハリー・ポッターか。ヴォルデモートに勝つなんてどんな子だろうと思っていたけど、普通に俺と同じ子供でなんだか安心したよ』
とくすくす笑った。
「今…」
『ん?』
「ヴォルデモート、って」
『…あぁ、普通は‘‘名前を言ってはいけないあの人”なんだっけ?』
「えっと…多分?」
『ふぅん?でも、名前を恐れるなんて馬鹿らしくない?いくら怖い人だからって名前にびくつく必要、ないだろ?』
なんて悪戯っぽく笑うフィルにつられて笑った時、コンパートメントの扉が開いた。
「ここ、空いてる?他のところ空いてなくて」
『空いてるよ、どうぞと言いたいところだけれど…ハリー、いいかい?』
「うん、もちろん」
「ありがとう。僕はロナルド・ウィーズリー。ロンって呼んで。ところで今ハリーって言った?」
『言ったよ。俺はフィル・アイル。よろしく、ロン』
「…驚いた、君、男の子なの?」
目を見開くロンにフィルは苦笑し、そうだよ、とだけ短く返す。
「僕がハリー・ポッターだよ、よろしく」
「…ねぇ、アレあるの?」
「アレ?」
「傷跡」
なぜか声量を落とすロンに額の傷跡を見せると嬉しそうにしていた。
談笑していると扉が開かれた。
ブロンドの髪をオールバックになでつけた少年が入ってきて言った。
「ここにハリー・ポッターがいると聞いたんだけれど」
「僕がハリーだよ」
僕にわざわざ会いにくるなんて、と思っていると少年はこちらを見た。
「君がハリー・ポッターか。僕はドラコ・マルフォイ。」
少年が名乗ると後ろでロンが笑った。マルフォイはロンを睨みつけた。
「僕の名前がおかしいか?名乗らなくてもいい。その赤毛にそばかす。ウィーズリーの子供だろう?金もないのに育てきれない量の子供を産んだって父上が言っていた。」
喧嘩腰のマルフォイにロンは肩を竦める。
「魔法族にも良い家系とよくない家系がある。僕が教えてあげよう」
とマルフォイは手を差し伸べてきた。
「友達くらい自分で選べる」
と突っぱねると、こちらを睨んできたが、間に割って入ったフィルが
『そこまでにしないか、マルフォイ。君は友の選び方を教える前に友達の作り方を覚えてきた方がいい。』
と淡々と伝えると顔を真っ赤にして去って行った。
それから少しして、今度は車内販売が回ってきた。
「坊ちゃんたち、何か要る?」
「…あ〜、いいや、僕、自分のがある」
…美味しそうなお菓子、食べたそうな目。
「ぜーんぶちょうだい!」
ポケットからお金を出して言えば、2人はそれぞれに反応した。
「すっげぇや…!」
『お〜、ハリーってば太っ腹♪』
「百味ビーンズの味にはね…チチッ」
『?ロン、そのネズミはペット?』
「あぁ、そうだよ。スキャバーズ。かっこ悪いだろ?」
フィルの質問に肩を竦めるロンにちょっとね、と返すとロンは目を輝かせて言った。
「今からこいつを黄色に変えようか!」
ロンが杖を構え、呪文を唱えようとした時にコンパートメントの扉が開かれた。扉の方を見るとふわふわとして豊かな栗色の髪に少し前歯の出た女の子が立っていた。
『どうかしt「ヒキガエルを見なかった?ネビルのが逃てしまったの」』
フィルの声に被せるようにして女の子は要件を伝えると、ロンの手元の杖に目をとめた。
「あら、魔法をかけるの?やってみせて」
ロンは少し驚いた後、気を取り直して咳払いをした。
「お日様、雛菊、とろけたバター…このデブネズミを黄色に変えよっ!」
…
「その呪文、合っているの?何も起こらなかったようだけど。私は簡単なものしか試していないけれど、ちゃんと効いたわよ。」
その後、ハーマイオニー・グレンジャーと名乗った女の子は僕の眼鏡を治し、嵐のように去って行った。
彼女の言い方にムッとしていたロンは今はすっきりした顔をしている。それと言うのも、ハーマイオニーがローブに着替えることを勧めて出て行く時、フィルが笑顔でこう言ったからである。
『グレンジャー、ヒキガエルを探すなら通路の真ん中ではなく隅を探したらどうだい?それから、ネクタイが少し曲がっているよ』
ロンは、少し顔を赤くして、
「ご丁寧にどうも!」
とコンパートメントを出て行くハーマイオニーの姿に満足したようだった。
そして、間も無くホグワーツ特急は動きを止めた。
「あの、ここ空いてる?」
そっと中を覗くと、紺色の髪を揺らしながらその子は顔を上げた。
『空いてるよ、どうぞ』
凛とした静かな声で告げ、愛らしく紫の瞳を細めて微笑んだその子はおそらく自分と同じくらいの年齢だ。
ありがとう、と向かい側に座るとその子はパタンと音をたてて膝の上に置いた本を閉じた。
思わず顔を顰める。膝の上に置かれた本は自分たちの年齢には難しそうで、分厚かった。
「君も、新入生?」
尋ねるとこくりと頷いた。
『君も、ということはあなたも?』
首を傾げて尋ねるその子に、大きく頷いて見せると嬉しそうに笑った。
『そっかぁ、同じだね。あ、俺はフィル。フィル・アイル。よろしくね』
ふわっと微笑んだその子…フィルに目を見開く。
『…もしかして女の子だと思ってた?』
少し困ったように笑うフィルはどこからどう見ても女の子にしか見えない。ゆっくりと頷くと、フィルはやっぱり?と少し笑った。
「あ、僕はハリー。ハリー・ポッターだよ」
まだ自己紹介をしていなかったと思い出し、慌てて言うとフィルは一瞬だけ驚いたような表情を見せた。しかしすぐに微笑みを浮かべると
『君がハリー・ポッターか。ヴォルデモートに勝つなんてどんな子だろうと思っていたけど、普通に俺と同じ子供でなんだか安心したよ』
とくすくす笑った。
「今…」
『ん?』
「ヴォルデモート、って」
『…あぁ、普通は‘‘名前を言ってはいけないあの人”なんだっけ?』
「えっと…多分?」
『ふぅん?でも、名前を恐れるなんて馬鹿らしくない?いくら怖い人だからって名前にびくつく必要、ないだろ?』
なんて悪戯っぽく笑うフィルにつられて笑った時、コンパートメントの扉が開いた。
「ここ、空いてる?他のところ空いてなくて」
『空いてるよ、どうぞと言いたいところだけれど…ハリー、いいかい?』
「うん、もちろん」
「ありがとう。僕はロナルド・ウィーズリー。ロンって呼んで。ところで今ハリーって言った?」
『言ったよ。俺はフィル・アイル。よろしく、ロン』
「…驚いた、君、男の子なの?」
目を見開くロンにフィルは苦笑し、そうだよ、とだけ短く返す。
「僕がハリー・ポッターだよ、よろしく」
「…ねぇ、アレあるの?」
「アレ?」
「傷跡」
なぜか声量を落とすロンに額の傷跡を見せると嬉しそうにしていた。
談笑していると扉が開かれた。
ブロンドの髪をオールバックになでつけた少年が入ってきて言った。
「ここにハリー・ポッターがいると聞いたんだけれど」
「僕がハリーだよ」
僕にわざわざ会いにくるなんて、と思っていると少年はこちらを見た。
「君がハリー・ポッターか。僕はドラコ・マルフォイ。」
少年が名乗ると後ろでロンが笑った。マルフォイはロンを睨みつけた。
「僕の名前がおかしいか?名乗らなくてもいい。その赤毛にそばかす。ウィーズリーの子供だろう?金もないのに育てきれない量の子供を産んだって父上が言っていた。」
喧嘩腰のマルフォイにロンは肩を竦める。
「魔法族にも良い家系とよくない家系がある。僕が教えてあげよう」
とマルフォイは手を差し伸べてきた。
「友達くらい自分で選べる」
と突っぱねると、こちらを睨んできたが、間に割って入ったフィルが
『そこまでにしないか、マルフォイ。君は友の選び方を教える前に友達の作り方を覚えてきた方がいい。』
と淡々と伝えると顔を真っ赤にして去って行った。
それから少しして、今度は車内販売が回ってきた。
「坊ちゃんたち、何か要る?」
「…あ〜、いいや、僕、自分のがある」
…美味しそうなお菓子、食べたそうな目。
「ぜーんぶちょうだい!」
ポケットからお金を出して言えば、2人はそれぞれに反応した。
「すっげぇや…!」
『お〜、ハリーってば太っ腹♪』
「百味ビーンズの味にはね…チチッ」
『?ロン、そのネズミはペット?』
「あぁ、そうだよ。スキャバーズ。かっこ悪いだろ?」
フィルの質問に肩を竦めるロンにちょっとね、と返すとロンは目を輝かせて言った。
「今からこいつを黄色に変えようか!」
ロンが杖を構え、呪文を唱えようとした時にコンパートメントの扉が開かれた。扉の方を見るとふわふわとして豊かな栗色の髪に少し前歯の出た女の子が立っていた。
『どうかしt「ヒキガエルを見なかった?ネビルのが逃てしまったの」』
フィルの声に被せるようにして女の子は要件を伝えると、ロンの手元の杖に目をとめた。
「あら、魔法をかけるの?やってみせて」
ロンは少し驚いた後、気を取り直して咳払いをした。
「お日様、雛菊、とろけたバター…このデブネズミを黄色に変えよっ!」
…
「その呪文、合っているの?何も起こらなかったようだけど。私は簡単なものしか試していないけれど、ちゃんと効いたわよ。」
その後、ハーマイオニー・グレンジャーと名乗った女の子は僕の眼鏡を治し、嵐のように去って行った。
彼女の言い方にムッとしていたロンは今はすっきりした顔をしている。それと言うのも、ハーマイオニーがローブに着替えることを勧めて出て行く時、フィルが笑顔でこう言ったからである。
『グレンジャー、ヒキガエルを探すなら通路の真ん中ではなく隅を探したらどうだい?それから、ネクタイが少し曲がっているよ』
ロンは、少し顔を赤くして、
「ご丁寧にどうも!」
とコンパートメントを出て行くハーマイオニーの姿に満足したようだった。
そして、間も無くホグワーツ特急は動きを止めた。