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1巡目「しらせ」

某県・大舘市火内町。
昔、「火葬場公園」なんて名前の公園があった場所に研究所が建った。
というのも、これは幼馴染みの空野巡(めぐる)が、20歳の誕生日に研究所が欲しいと言ったものだから、俺の親父が建ててくれたものなのだが。
ちなみに、研究所なんて言ったらテレビで見るようなウイルス発見とか、なんとか細胞の開発に成功とか、何だか自分にはよく分からない事をしてそうな場所でしかないのだが、これは個人の印象。
巡の研究所は怪奇現象とか都市伝説とか、要はオカルト研究所だ。
大学生の頃は研究所によく集まって、やってはいけない儀式とか、本当に下らないことを全力でやっていた。現在25歳。そんな事をしている場合ではないと周りの声が刺さって痛い。
それでも巡と俺、それともう2人で研究(という名の、周りからみると遊びであろう事)を続けていた。

「しらせ、しらせ、しらせ。しらせは何?しらせは誰?」

…呪文だろうか?

「 和(やまと)。しらせの噂に気をつけろ。」

巡は厨二病か何かだろうか…。
という心配は置いておき、その時に火内町の中学で噂になっていた「しらせさん」の話から始めようと思う。
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