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零人目、透明人間。

今日は記念すべき日である。
明日も記念すべき日である。
毎日誰かにとって良い日であり、また、悪い日でもある。

今日は、あなたに良い日でしたか?
悪い日だと嘆いても、命はあるのだから、いいと思って下さい。私は本当の『悪い日』を知っています。

では、私の『悪い日』の話をしましょう。
あの日の朝も、いつもの様に職場へ向かっていました。「おはようございます。」と、不意に声をかけられ振り向くと、その声の主は、いつも通り過ぎている喫茶店の店主…マスターとでも呼びましょう。私と彼はいつもそこで挨拶を交わしているだけの、顔見知り。彼はいつも開店前に掃除をしていました。

…私は彼に恋をしていました。平均的な背丈ですがスタイルも良く、人柄も柔らかい雰囲気、優しい声をしていて。まあ、私には釣り合わない人だと思っていたので、憧れているだけで精一杯でした。

その日の帰りに、私は彼の喫茶店に足を運んだのです。
それが、私の終わりでした。
それが、私の『悪い日』でした。
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