NL短編
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「こいつジョリーって言うんだ。な?ジョリー」
サマトキがそういって、ぼくの頭をモシャモシャなでたその日から、ジョリーって呼ばれるようになった。
だから、ぼくの名前はジョリー。サマトキの友達。
だから、ネムもぼくの友達なんだ。
「今日からずっと一緒だぞ。寝る時もゴハンも。おやつだって半分コだ」
「食いしん坊のおにいちゃんが、半分でがまんできるわけないよーだ」
さっきから、どんぐりみたいなまんまるの目でぼくを見ているネムがそういった。
「うるさいやい!ネムにはさわらせない!」
「えー?!そんなのいやだよー!あたしだってジョリーが大好きなの!」
「ぎゃん!!」
ネムがぼくの耳をひっぱる。ぼくはらんぼうなネムがいっぺんでキライになった。
でもいつのまにか、ネムはぼくより大きくなって。らんぼうしなくなって。
「ジョリー!こっちこっち!」
サマトキと同じぐらい仲良しになった。かけっこした。ボールもっていった。
いつも、サマトキの帰りを待ちながら、一緒に遊ぶのを楽しみにしていた。
ネムとサマトキと、いっぱいいっぱい遊んで楽しかった。
それなのに。ずっと一緒にいたかったのに。
……合歓がいなくなっちゃった。
「……っ。合歓、必ず取り戻す」
泣いてるの?かなしそうだよ、左馬刻。
ぼくがいるよ。そばをはなれないよ。
『私は、私の意思で此処にいる』
『私は、私の信じる力と正義で、この世界を正す』
あの時の合歓のことば。合歓の決意。
でも帰ってくるよ。合歓は左馬刻が大好きだから……。
今はかなしくてくやしくても、左馬刻はきっと合歓をたすけられるよ。
だから……。それまでぼくがそばにいるよ。
いつまでだって、合歓が帰ってくるのを待つよ。
「ありがとな、ジョリー。お前、ふかふかだな。俺の心までふかふかにしてくれるみてぇだ」
左馬刻の涙がぼくの頭にポタポタおちていって。つつーっておちていって。
びしょびしょになっちゃったけど、かわりに左馬刻はにっこり笑ってくれた。
「ただいま。お兄ちゃん」
「合歓。」
ほら、かえってきたよ。合歓は帰ってきたよ。
また一緒に遊べるよ。合歓と左馬刻と。
だから左馬刻……。いいんだよ。ぼくは合歓に会えたから。
お願いが叶ったから、幸せなんだよ。
合歓がぼくをだきしめて、ふわふわとなでている。
ありがとう。合歓はぼくをあっためてくれるんだね。
そばにいるよ。合歓と左馬刻のそばに。
ーーあの日も今も。
2022.01.11
サマトキがそういって、ぼくの頭をモシャモシャなでたその日から、ジョリーって呼ばれるようになった。
だから、ぼくの名前はジョリー。サマトキの友達。
だから、ネムもぼくの友達なんだ。
「今日からずっと一緒だぞ。寝る時もゴハンも。おやつだって半分コだ」
「食いしん坊のおにいちゃんが、半分でがまんできるわけないよーだ」
さっきから、どんぐりみたいなまんまるの目でぼくを見ているネムがそういった。
「うるさいやい!ネムにはさわらせない!」
「えー?!そんなのいやだよー!あたしだってジョリーが大好きなの!」
「ぎゃん!!」
ネムがぼくの耳をひっぱる。ぼくはらんぼうなネムがいっぺんでキライになった。
でもいつのまにか、ネムはぼくより大きくなって。らんぼうしなくなって。
「ジョリー!こっちこっち!」
サマトキと同じぐらい仲良しになった。かけっこした。ボールもっていった。
いつも、サマトキの帰りを待ちながら、一緒に遊ぶのを楽しみにしていた。
ネムとサマトキと、いっぱいいっぱい遊んで楽しかった。
それなのに。ずっと一緒にいたかったのに。
……合歓がいなくなっちゃった。
「……っ。合歓、必ず取り戻す」
泣いてるの?かなしそうだよ、左馬刻。
ぼくがいるよ。そばをはなれないよ。
『私は、私の意思で此処にいる』
『私は、私の信じる力と正義で、この世界を正す』
あの時の合歓のことば。合歓の決意。
でも帰ってくるよ。合歓は左馬刻が大好きだから……。
今はかなしくてくやしくても、左馬刻はきっと合歓をたすけられるよ。
だから……。それまでぼくがそばにいるよ。
いつまでだって、合歓が帰ってくるのを待つよ。
「ありがとな、ジョリー。お前、ふかふかだな。俺の心までふかふかにしてくれるみてぇだ」
左馬刻の涙がぼくの頭にポタポタおちていって。つつーっておちていって。
びしょびしょになっちゃったけど、かわりに左馬刻はにっこり笑ってくれた。
「ただいま。お兄ちゃん」
「合歓。」
ほら、かえってきたよ。合歓は帰ってきたよ。
また一緒に遊べるよ。合歓と左馬刻と。
だから左馬刻……。いいんだよ。ぼくは合歓に会えたから。
お願いが叶ったから、幸せなんだよ。
合歓がぼくをだきしめて、ふわふわとなでている。
ありがとう。合歓はぼくをあっためてくれるんだね。
そばにいるよ。合歓と左馬刻のそばに。
ーーあの日も今も。
2022.01.11
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