第一部:桜花の章
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頭に枕。ちゃんと布団に寝ている感覚があった。
ゆっくりと目を開けてみる。木目の天井が見える。明らかに自分の部屋ではなかった。
さくらは身を起こすと、畳の和室で寝ていたことを知った。
周囲を見回してみると、床の間に『いちご牛乳』の書が掛けられている。家主の好物か何かだろうか。
隣の部屋から声が聞こえてきた。
「一体なに考えてんですか?女性を連れ込むなんて」
「どうせやましいことでも考えてたアル」
「だー!たまたまあの娘が倒れてたのを保護したんだよ!銀さんってそんなに信用ないの?」
少年と少女と、低めの男性の声。男性は『銀さん』と言っていた。
そうか、私は『銀さん』という人に助けられたのかとさくらは思った。礼を言わねばと起き上がり、襖に手をかける。そしてスーっと襖を開けた。
デスクに足を乗せて手を頭の後ろに組んで座る男性。銀髪の天然パーマ……どこかで見覚えがあった。
「坂田さん?!」
「は?」
さくらは彼に足早に近寄った。
「探してたんですよ!?血まみれなのは大丈夫ですか?」
さくらは彼のあちこちを見回すと、着物に着替えているのが分かった。右側半分脱いではいるが。
「良かった。着替えたんですね。……でもなんで着物?」
「ちょっと待てお嬢さん。着替えたってどゆこと?銀さんいつもこの格好だけど?誰かと勘違いしてない?」
さくらはハッとして周囲を見渡した。見たことのない空間だった。純和風の……
銀さんという人の頭上の『糖分』の書が笑いを誘う。『いちご牛乳』といい、本当に此処の家主は甘党かなにかではなかろうか。
「そうかも知れません。ごめんなさい。私はさくら。助けていただいたようで、ありがとうございます」
さくらは深々と頭を垂れた。
「まぁいいってことよ。人助けも万事屋の仕事だからな。俺は坂田銀時。よろしくな」
「神楽アルー!」
「志村新八です」
坂田銀時。会社での仕事のパートナーと同姓同名ということに驚いたさくら。しかし会社の坂田さんとは別人のようだった。
女の子は神楽と名乗った。眼鏡の少年は新八と。
聴けば三人は万事屋という仕事をしているらしかった。頼まれた依頼は何でもやる商売、らしい。
「ところでさくらさん。あなたの格好、洋装ですよね。どこからいらしたんですか?」
「え、東京……ですけど」
「東京?ここは江戸だぜ。江戸のかぶき町」
銀時がぶっきらぼうに言う。
さくらは愕然とした。もしかして江戸…時代?私はタイムスリップでもしてしまったの?と。
「え。どうしたらいいの。ここは私の世界じゃないみたいなの。どうやって過ごしたらいいのかしら」
「さくら、住むとこないならうちに住むヨロシ」
あっけらかんと言う神楽。
「でも、お邪魔じゃないかしら」
「しょーがねーだろ。それに言ったろ。人助けも万事屋の仕事だって」
銀時は頭をガシガシと掻きながら言う。
「じゃ、よろしくお願いします。みなさん」
かくして、さくらは万事屋一家に同居することになった。
ゆっくりと目を開けてみる。木目の天井が見える。明らかに自分の部屋ではなかった。
さくらは身を起こすと、畳の和室で寝ていたことを知った。
周囲を見回してみると、床の間に『いちご牛乳』の書が掛けられている。家主の好物か何かだろうか。
隣の部屋から声が聞こえてきた。
「一体なに考えてんですか?女性を連れ込むなんて」
「どうせやましいことでも考えてたアル」
「だー!たまたまあの娘が倒れてたのを保護したんだよ!銀さんってそんなに信用ないの?」
少年と少女と、低めの男性の声。男性は『銀さん』と言っていた。
そうか、私は『銀さん』という人に助けられたのかとさくらは思った。礼を言わねばと起き上がり、襖に手をかける。そしてスーっと襖を開けた。
デスクに足を乗せて手を頭の後ろに組んで座る男性。銀髪の天然パーマ……どこかで見覚えがあった。
「坂田さん?!」
「は?」
さくらは彼に足早に近寄った。
「探してたんですよ!?血まみれなのは大丈夫ですか?」
さくらは彼のあちこちを見回すと、着物に着替えているのが分かった。右側半分脱いではいるが。
「良かった。着替えたんですね。……でもなんで着物?」
「ちょっと待てお嬢さん。着替えたってどゆこと?銀さんいつもこの格好だけど?誰かと勘違いしてない?」
さくらはハッとして周囲を見渡した。見たことのない空間だった。純和風の……
銀さんという人の頭上の『糖分』の書が笑いを誘う。『いちご牛乳』といい、本当に此処の家主は甘党かなにかではなかろうか。
「そうかも知れません。ごめんなさい。私はさくら。助けていただいたようで、ありがとうございます」
さくらは深々と頭を垂れた。
「まぁいいってことよ。人助けも万事屋の仕事だからな。俺は坂田銀時。よろしくな」
「神楽アルー!」
「志村新八です」
坂田銀時。会社での仕事のパートナーと同姓同名ということに驚いたさくら。しかし会社の坂田さんとは別人のようだった。
女の子は神楽と名乗った。眼鏡の少年は新八と。
聴けば三人は万事屋という仕事をしているらしかった。頼まれた依頼は何でもやる商売、らしい。
「ところでさくらさん。あなたの格好、洋装ですよね。どこからいらしたんですか?」
「え、東京……ですけど」
「東京?ここは江戸だぜ。江戸のかぶき町」
銀時がぶっきらぼうに言う。
さくらは愕然とした。もしかして江戸…時代?私はタイムスリップでもしてしまったの?と。
「え。どうしたらいいの。ここは私の世界じゃないみたいなの。どうやって過ごしたらいいのかしら」
「さくら、住むとこないならうちに住むヨロシ」
あっけらかんと言う神楽。
「でも、お邪魔じゃないかしら」
「しょーがねーだろ。それに言ったろ。人助けも万事屋の仕事だって」
銀時は頭をガシガシと掻きながら言う。
「じゃ、よろしくお願いします。みなさん」
かくして、さくらは万事屋一家に同居することになった。
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