Act.1 蛙の王様
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あめ あめ
ふれ ふれ
かあさんが~
ジャノメでおむかえ
うれしいな~
無邪気に歌う神楽。
すると、銀時の姿は一匹のカエルになっていた。
一瞬何が起こったのか分からなかった。
緑の肌の、水掻きの付いた手足。
俺は今、何になっている?
何か、カエルみたいだけど……え、アレ、カ、カエルゥゥゥ?!
振り向いた神楽に認識されても、傘でぶん投げられる始末。
勢いよくフッ飛ばされ、とある泉に落ちてしまった。
その泉のほとりに、一人の少女がたたずんでいた。
「何?!なんか今、泉に落ちた!」
驚きを顕にする少女は、泉を覗こうと、身を屈める。
すると、眼を回したカエルがぷかりと浮かんできた。
少女はそのカエルを両手で掬うように救けてやる。
やがて眼を覚ましたカエル(銀時)は、目の前の少女に気付いた。
「……ん。誰だ…神楽?」
「かぐら?誰よその子。私の名前は名前だけど」
「名前?この辺りに住んでんのか?」
「そうよ。」
「けど何やってんだ、こんな所でこんな雨の日に」
「…えっと、それは……」
名前はちらりと泉の方に眼を遣る。
その表情はとても悲しそうだった。
「何かあったのか?」
「………落とし物。」
「泉の中にか」
カエルの銀時がそういうと、名前は頷いた。
「取ってきてやろうか?」
「えっ?!でも…」
困惑する名前。
それはそうだ。今会ったばかりの、しかも蛙にそんなこと言われるなんて。
「俺は万事屋って奴をやってる。で、どんなんだ?その落とし物は」
「……金の、ペンダント。」
「ふーん。じゃ任務遂行!報酬は、オマエ、俺の言うこと何でも聞けよォ!」
そう言って、カエルの銀時は名前の手を離れ、泉に潜っていった。
「あ、ちょっ…」
名前が引き止める前に、カエルは泉に飛び込んだ。
………いくら待ってもカエルは上がってこない。
名前はそのまま知らんふりで家に帰ってしまった。
やがてカエルの銀時が金のペンダントをくわえて泉の中から戻ってきた。
……が、名前は既にそこには居らず、取り残されたカエルの銀時は途方に暮れるしかなかった。
「……アレ?」