Act.0 旅のはじまり
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「はいはい今出ますよ~」
玄関に向かった新八でしたが、鍵を閉めている筈の玄関がガラリと開け放たれました。
客の姿を見た瞬間、新八は冷や汗。
「銀時居るかィ?」
やって来たのは万事屋の建物の大家、お登勢さん(本名、寺田綾乃)だったのです。
大家なので合鍵で店子の家宅捜索も可能なのでした。
「あ、あの、お登勢さん…、今日はやっぱり家賃の取り立てで……?」
「当然だろ。あたしゃ、あいつの滞納に辟易してんだよ」
ずかずかと上がり込み、居間へと向かうお登勢さん。それよりも早く新八は駆け戻る。
「銀さん!お登勢さんが……って、キャサリンんんん!?」
「逃げたくても逃げられねーよ……、どわぁ!!?」
銀さんの背後には、窓からひょこりとキャサリンが顔を覗かせていた。
「和室ヘノ襖ハアタイガ封鎖シトイタヨ。」
「この猫耳年増女め…」
小さく舌打ちする銀さん。
これで逃げ道は無くなった訳である。
「家賃払ワナイノハ人間・失格デスヨ、アホノ坂田サン」
「よくやったキャサリン。くぉら、天然パーマぁ!何ヵ月滞納してると思ってんだ!!払う金がねぇなら金玉なり心臓なり売って金作らんかィ、クソッタリャアァァァア!!」
「…あの、お登勢さん。心臓売ったら死んじゃうじゃないですか。アンタ、銀さんに遠回しに死ねって言ってんですか」
地味なメガネのツッコミなど、スルーされるのは当たり前。
誰も聞いちゃいねェ。
一方銀さんは、何処から出したのか葉巻を指に挟み、遠い目をしながら窓の外を眺めていた。
「はぁ………。
今日も空はあんなに高く、ヒバリはナイチンゲールの如く美しき鳴き声を響かせているというのに…、朝からこんなしわがれた老人の小言を聞くはめになろうとは」
「オイィィィィイ!『ヒバリはナイチンゲールの如く』って!!お前そんなキャラじゃないだろォォォォ!!」
「…セレブな銀ちゃんなんて気持ち悪いアル」
従業員の蔑む視線を注がれてしまった銀さん。
「しわがれた老人とは言ってくれンじゃないか、このゴクツブシが。アンタ、これが何だか分かるかィ?」