とある夏の思い出
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少女は気づかないフリをし続けた。
あたしにアツヤを責める資格なんて、無かった。
皆に会いたかった。もう一度、会いたくて会いたくて、仕方がなかった。やり残したことは沢山あって、それが、あたしの未練だった。
お日さま園に行きたくなかったのは、未練を無くすことが嫌だったからだ。
生まれ代わりたくなんかない。ずっと、星川青葉でいたい。未練を無くせば、条件は整う。それが、嫌だった。
場合によっては、幽霊を生きている人が認識することもあるらしい。その"場合"にあたしは該当すると、なんとなく思っていた。
そうこうしているうちに、エイリア学園は無くなった。宇宙人ごっこは、終わったのだ。
あたしの大好きな皆は戻ってきていた。
会いたいという気持ちは募るばかりで、でも、ずっとこのままで見守っていたいとも思えて
そんなこと、無理なんだけど。
そして、あたしはお日さま園に顔を出した。
まず会ったのはヒロトで、予想通り認識してくれた。触れたりするのにはびっくりしたけど。
他の皆には見えてなかったけど、段々見えるようになっていって、嬉しかった。
皆と過ごして、アツヤも出てきて、やりきったとは言えないけれど、ずっと星川青葉でいるのは不可能だと分かってたし、これで未練は無くなると思った。
逆だった。
もっともっと、一緒にいたい。そんな欲ばかりが出てきた。それが、未練を無くすことを引き留めていた。
……実を言えば、お日さま園に行くことを渋った理由は、他にもある。
あたしには、好きな人がいた。
勿論、みんな大好きだ。リュウジも晴矢も風介も砂木沼さんも玲名もマキもクララも杏も、大好きだ。
それでも、1人だけ、みんなに対する好きと、違う好きを向ける人がいた。想ってしまった人がいた。
あたしは、自分の気持ちに気づかないフリをした。気のせいだって。あたし達は家族なんだからって。
きっと彼は、あたしのことを、そういう対象として見ていないだろうから。
……また一緒に過ごすようになってから、もしかして、って思ったけど、自意識過剰かなあ。
みんなと沢山色んなことをして、楽しかった。そりゃあ、この短期間でやり残したこと全部やったなんて、思ってない。
あたしを繋ぎ止めているのは、彼への想い。
でも、いつかは絶対にさよならなんだ。この体になった頃から、なんとなくは分かってた。
逃げて、時間を無駄にしている暇なんて、ない。
アツヤとちゃんと話して、お日さま園へ顔を出すと、まず真っ先にマキが飛び付いてきた。
風介と晴矢に殴られて、玲名と砂木沼さんにめちゃくちゃ怒られて、リュウジは泣きかけになって、
ヒロトは、苦笑しながらあたしとアツヤの頭を撫でた。
ああ、心配かけちゃったんだなあ。
「ごめん、なさい」
「謝らなくていいよ。こうして戻ってきてくれたんだから」
「でも」
「だから、あとちょっと、楽しもう?」
……そうか、ヒロトたちも知ってるのか。
「うん。ありがとう」
辛いのはお互い様なのに、そんな様子を微塵も見せない。
ヒロトの心遣いに、胸が苦しくなる。口を開けば、謝罪の言葉しか出てこなくなりそうだ。
そんなの望んでないだろうから、言わないけど。
「家族と過ごす時間を無駄にするなんて、あたしってば大バカだよね」
家族。その言葉にヒロトが僅かに表情を変えたなんて、知らない。
少女は気づかないフリをした。
家族なのだと言い聞かせ、自分の気持ちに蓋をした。
もう、なにも、
(大好きだったよ)
あたしにアツヤを責める資格なんて、無かった。
皆に会いたかった。もう一度、会いたくて会いたくて、仕方がなかった。やり残したことは沢山あって、それが、あたしの未練だった。
お日さま園に行きたくなかったのは、未練を無くすことが嫌だったからだ。
生まれ代わりたくなんかない。ずっと、星川青葉でいたい。未練を無くせば、条件は整う。それが、嫌だった。
場合によっては、幽霊を生きている人が認識することもあるらしい。その"場合"にあたしは該当すると、なんとなく思っていた。
そうこうしているうちに、エイリア学園は無くなった。宇宙人ごっこは、終わったのだ。
あたしの大好きな皆は戻ってきていた。
会いたいという気持ちは募るばかりで、でも、ずっとこのままで見守っていたいとも思えて
そんなこと、無理なんだけど。
そして、あたしはお日さま園に顔を出した。
まず会ったのはヒロトで、予想通り認識してくれた。触れたりするのにはびっくりしたけど。
他の皆には見えてなかったけど、段々見えるようになっていって、嬉しかった。
皆と過ごして、アツヤも出てきて、やりきったとは言えないけれど、ずっと星川青葉でいるのは不可能だと分かってたし、これで未練は無くなると思った。
逆だった。
もっともっと、一緒にいたい。そんな欲ばかりが出てきた。それが、未練を無くすことを引き留めていた。
……実を言えば、お日さま園に行くことを渋った理由は、他にもある。
あたしには、好きな人がいた。
勿論、みんな大好きだ。リュウジも晴矢も風介も砂木沼さんも玲名もマキもクララも杏も、大好きだ。
それでも、1人だけ、みんなに対する好きと、違う好きを向ける人がいた。想ってしまった人がいた。
あたしは、自分の気持ちに気づかないフリをした。気のせいだって。あたし達は家族なんだからって。
きっと彼は、あたしのことを、そういう対象として見ていないだろうから。
……また一緒に過ごすようになってから、もしかして、って思ったけど、自意識過剰かなあ。
みんなと沢山色んなことをして、楽しかった。そりゃあ、この短期間でやり残したこと全部やったなんて、思ってない。
あたしを繋ぎ止めているのは、彼への想い。
でも、いつかは絶対にさよならなんだ。この体になった頃から、なんとなくは分かってた。
逃げて、時間を無駄にしている暇なんて、ない。
アツヤとちゃんと話して、お日さま園へ顔を出すと、まず真っ先にマキが飛び付いてきた。
風介と晴矢に殴られて、玲名と砂木沼さんにめちゃくちゃ怒られて、リュウジは泣きかけになって、
ヒロトは、苦笑しながらあたしとアツヤの頭を撫でた。
ああ、心配かけちゃったんだなあ。
「ごめん、なさい」
「謝らなくていいよ。こうして戻ってきてくれたんだから」
「でも」
「だから、あとちょっと、楽しもう?」
……そうか、ヒロトたちも知ってるのか。
「うん。ありがとう」
辛いのはお互い様なのに、そんな様子を微塵も見せない。
ヒロトの心遣いに、胸が苦しくなる。口を開けば、謝罪の言葉しか出てこなくなりそうだ。
そんなの望んでないだろうから、言わないけど。
「家族と過ごす時間を無駄にするなんて、あたしってば大バカだよね」
家族。その言葉にヒロトが僅かに表情を変えたなんて、知らない。
少女は気づかないフリをした。
家族なのだと言い聞かせ、自分の気持ちに蓋をした。
もう、なにも、
(大好きだったよ)