21日目
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「んー…うん、そうだね」
歯切れが悪い返答に、苦々しげな表情。聞いてはいけないことを聞いたのだと、直ぐに悟った。
「…すまない」
「大丈夫だって。とうの昔にいなくなった筈の人間が現れるとか、普通に考えて想像つかないよね」
心なしか早口な口調で捲し立てられ、言葉が喉に引っ掛かったように出てこなくなる。
「迷惑、だったかな…」
「っ違う!!!」
弾かれたように立ち上がって、思わず怒鳴り付けるかのようにそう言った。
そうじゃないんだ。私が言いたいことは、そうではなくて、
「…怖いんだ、また君を失うことが」
情けない言葉は、いとも簡単に滑り落ちていった。
僅かに身動ぎをして、地面を見つめる。棒に付いていた最後のひとかけらが地に落ちた。
「あたしもだよ」
か細い声にハッと顔を上げる。
「未練を無くしたかったのに、やっぱ無理だなあ…」
それは、どういう、
「##NAME3##、」
「はいストップ!」
次の瞬間には、青葉はいつもの明るい笑みを浮かべていた。
「変な話しちゃってごめんね。迷惑だって思ってないことくらい分かってるってば。皆優しいし、大事な家族だからね!」
「正直さー、あたしが正真正銘の星川青葉だって分かってもらえなかったらどうしようって思ってて」
「そもそも見えるだなんて思ってなかったからね。もしかしたらって程度で、ヒロトに気づいて貰えた時はもう嬉しかったのなんのって」
「アツヤのこととかもさ、リュウジなんかびびっちゃうんじゃないかとか考えたりしてたし」
「もう本当に、嬉しかったんだ。またこうして会えて、お喋りして、サッカーやって」
そう言ってのけた青葉に、「私もまた会えて嬉しい」とたどたどしく伝えるので精一杯だった。
「嬉しかった」だなんて、まだ過去のことになんかしたくない。
この夏の日々が、永遠に終わらなければいい。
どうしても好きになれない季節だと言うのに、今ばかりはそう願ってしまう。
「帰ろっか!」
ベンチから立ち上がってぱたぱたと走り出した背中を追うように、私も足を動かす。
地面で溶けたアイスは、とっくに乾き切っていた。
(きっと彼女はそうなのだろう)
(それならば、この思いは)
(またさらわれてしまうというのか)
(全く、)
(幸せ者だな、アイツは)
歯切れが悪い返答に、苦々しげな表情。聞いてはいけないことを聞いたのだと、直ぐに悟った。
「…すまない」
「大丈夫だって。とうの昔にいなくなった筈の人間が現れるとか、普通に考えて想像つかないよね」
心なしか早口な口調で捲し立てられ、言葉が喉に引っ掛かったように出てこなくなる。
「迷惑、だったかな…」
「っ違う!!!」
弾かれたように立ち上がって、思わず怒鳴り付けるかのようにそう言った。
そうじゃないんだ。私が言いたいことは、そうではなくて、
「…怖いんだ、また君を失うことが」
情けない言葉は、いとも簡単に滑り落ちていった。
僅かに身動ぎをして、地面を見つめる。棒に付いていた最後のひとかけらが地に落ちた。
「あたしもだよ」
か細い声にハッと顔を上げる。
「未練を無くしたかったのに、やっぱ無理だなあ…」
それは、どういう、
「##NAME3##、」
「はいストップ!」
次の瞬間には、青葉はいつもの明るい笑みを浮かべていた。
「変な話しちゃってごめんね。迷惑だって思ってないことくらい分かってるってば。皆優しいし、大事な家族だからね!」
「正直さー、あたしが正真正銘の星川青葉だって分かってもらえなかったらどうしようって思ってて」
「そもそも見えるだなんて思ってなかったからね。もしかしたらって程度で、ヒロトに気づいて貰えた時はもう嬉しかったのなんのって」
「アツヤのこととかもさ、リュウジなんかびびっちゃうんじゃないかとか考えたりしてたし」
「もう本当に、嬉しかったんだ。またこうして会えて、お喋りして、サッカーやって」
そう言ってのけた青葉に、「私もまた会えて嬉しい」とたどたどしく伝えるので精一杯だった。
「嬉しかった」だなんて、まだ過去のことになんかしたくない。
この夏の日々が、永遠に終わらなければいい。
どうしても好きになれない季節だと言うのに、今ばかりはそう願ってしまう。
「帰ろっか!」
ベンチから立ち上がってぱたぱたと走り出した背中を追うように、私も足を動かす。
地面で溶けたアイスは、とっくに乾き切っていた。
(きっと彼女はそうなのだろう)
(それならば、この思いは)
(またさらわれてしまうというのか)
(全く、)
(幸せ者だな、アイツは)