19日目
夢小説設定
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海から帰ってきた次の日、買い物に出た私は、川の中に立っている青葉を見つけた。
「青葉」
「あ、玲名!」
無邪気に笑った青葉がアイツのことが好きだということを考えると、不快で仕方がない。
私自身奴のことが気に食わないというのと(それでも最近は認めているつもりだ)、青葉を同い年ではあるものの、妹のように、大切に思っているからだ。
未だに好きだということは、私を含め大半が知っていることだ。知らない奴をあげるとすれば、真っ先に思い浮かぶのはマスターランクのキャプテンだった3人くらいだろう。
理由は分からないが、キャプテン同士仲良く鈍いとは、平和なものだな。いっそそのまま、気づかなければいい。
「何をしているんだ」
「昨日海に行ったからね、今度は川に行きたいなって」
「…そうか」
「ひんやりしてて、気持ちいいよ!」
と言われても、見た限りでは青葉の足は濡れていないし、服も飛沫がかかった様子はない。
それでも感覚はあるし、食事をとることも出来る。……不思議だ。
それと同時に、私達とは違う存在なのだと思い知らされる。異質な、存在。
青葉が死んだのも、エイリア石も全てが夢で、普通にお日さま園で暮らしていたらと考えてしまう。
学校に通い、放課後には遊ぶ。そんな平和な生活を、未だに夢見てしまう自分がいる。
そんなもの、孤児となった時から不可能だと分かっている筈なのに。
「玲名?」
「…1つ、聞いていいか?」
「何?」
「何故、今頃私達の前に現れた」
そんなつもりはなかったのに、意図せず咎めるような口調になってしまったが、青葉は気にせずに笑い、考えるような仕草をした。
「そーだねー…。前にも言ったけど、アツヤにエイリア学園のこと教えてもらって、気になったからかな」
「……本当にそれだけか」
「やだな、玲名ってば。本当だよ」
「気になったというのは、アイツじゃないのか」
「アイツって、」
「青葉の気持ちに気づかない程、私はバカではない」
「あ…はは……。あたしって、そんなに分かりやすい?」
「ああ」
「そっか………」
そう呟いた青葉の表情に、私は息を呑んだ。
その目は冷めきっていて、どこか、何かを諦めたような目をしていた。
「嬉しいんだ。またみんなと過ごせて」
「…私もだ」
「…でもね、この居心地のよさを知っちゃったから、またさよならするのが辛くなっちゃうよ」
「………」
「……なーんちゃって!今のは2人だけの秘密ってことで!先、戻ってるね!」
そう話を切り上げ、青葉は姿を消してしまった。
「青葉……」
お前は、私たちに何を隠している?
→あとがき
「青葉」
「あ、玲名!」
無邪気に笑った青葉がアイツのことが好きだということを考えると、不快で仕方がない。
私自身奴のことが気に食わないというのと(それでも最近は認めているつもりだ)、青葉を同い年ではあるものの、妹のように、大切に思っているからだ。
未だに好きだということは、私を含め大半が知っていることだ。知らない奴をあげるとすれば、真っ先に思い浮かぶのはマスターランクのキャプテンだった3人くらいだろう。
理由は分からないが、キャプテン同士仲良く鈍いとは、平和なものだな。いっそそのまま、気づかなければいい。
「何をしているんだ」
「昨日海に行ったからね、今度は川に行きたいなって」
「…そうか」
「ひんやりしてて、気持ちいいよ!」
と言われても、見た限りでは青葉の足は濡れていないし、服も飛沫がかかった様子はない。
それでも感覚はあるし、食事をとることも出来る。……不思議だ。
それと同時に、私達とは違う存在なのだと思い知らされる。異質な、存在。
青葉が死んだのも、エイリア石も全てが夢で、普通にお日さま園で暮らしていたらと考えてしまう。
学校に通い、放課後には遊ぶ。そんな平和な生活を、未だに夢見てしまう自分がいる。
そんなもの、孤児となった時から不可能だと分かっている筈なのに。
「玲名?」
「…1つ、聞いていいか?」
「何?」
「何故、今頃私達の前に現れた」
そんなつもりはなかったのに、意図せず咎めるような口調になってしまったが、青葉は気にせずに笑い、考えるような仕草をした。
「そーだねー…。前にも言ったけど、アツヤにエイリア学園のこと教えてもらって、気になったからかな」
「……本当にそれだけか」
「やだな、玲名ってば。本当だよ」
「気になったというのは、アイツじゃないのか」
「アイツって、」
「青葉の気持ちに気づかない程、私はバカではない」
「あ…はは……。あたしって、そんなに分かりやすい?」
「ああ」
「そっか………」
そう呟いた青葉の表情に、私は息を呑んだ。
その目は冷めきっていて、どこか、何かを諦めたような目をしていた。
「嬉しいんだ。またみんなと過ごせて」
「…私もだ」
「…でもね、この居心地のよさを知っちゃったから、またさよならするのが辛くなっちゃうよ」
「………」
「……なーんちゃって!今のは2人だけの秘密ってことで!先、戻ってるね!」
そう話を切り上げ、青葉は姿を消してしまった。
「青葉……」
お前は、私たちに何を隠している?
→あとがき