とある夏の思い出
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アツヤが現れてから、
「暑いな…」
「暑いね…」
「だよな…」
広間に暑さから寝転がる人数が、2人から3人に増えた。
アツヤは北海道出身だから、暑さに弱いのは当たり前だろうし、仕方ないとは思うけど…。
「お前ら…邪魔だあああっ!」
あ、また晴矢が癇癪起こしてるな…。
「邪魔って言われても…」
「暑いもんは暑いんだから仕方ねえだろ」
「その通りだな」
そう言いながら、3人はコロコロと転がっている。風介、髪に埃ついてるよ。
「もうほんと溶けそうだよね」
「ほんとだぜ。本州ってこんなに暑いのかよ」
「沖縄とかはもっと暑いと思うけど」
「オレ生きてる間に北海道から出なくてよかった…」
「大げさじゃないか?」
「茂人だって暑すぎたらやばいだろ」
「今はもう大丈夫だって」
病弱だった茂人に、幼なじみの晴矢が言う。言い方は雑だけど、本当は心配なんだよね。
というか、アツヤはマフラーを外せば少しは涼しくなると思うんだけどな…。
「マフラー外せばいいんじゃないか?」
「無理。…これ外したら、士郎と繋がってられなくなる気がするから」
そっか…。そういえば吹雪くんは、彼の形見のマフラーを身につけてたな。
それも吹雪くんが作り出したアツヤの人格を統合した時に、外してしまっていたけど…。
その時まで、傍に置かない事はなかった。それ程までに、吹雪くんはアツヤを必要としていた。
たとえそれが自分の作り出した幻想で、偽者だとしても。そんな兄弟を見て、アツヤはどう思ったのだろう。
血の繋がった家族というものに、特に思いいれ…というか、ほとんど覚えてないから、なんとも言えない。
血の繋がりというものは、離ればなれになってもなお、繋がっていたいと思うものなのだろうか。
「あっちい…」
「何でだよ…幽霊なのに…」
「幽霊が2人分いるからか、私としては少し涼しく感じるな」
「…ずるくねえ?」
「だよねえ…」
「いいからお前らどけよ!」
「まあ、落ち着けって」
「さっきから煩いぞお前たち!」
あ、玲名まで来ちゃったじゃないか。青筋浮いてるし、相当煩かったみたいだ。
そんな目で見られても、俺は弁解はしないよ?
「逃げるか」
「だな」
「あ、待て!」
怒られたくなかったらしい2人が姿を消す。アツヤの表情はひきつってたし、キレた玲名の事を知ってるのかな?
あ、風介と晴矢正座させられてるな…。それにしてもそこまで怒る事だとは思えないけど…。
やっぱり、なんだかんだいってみんな暑さにやられているのかもしれない。
「助けてあげないの?」
「苛立ってる玲名に口を出すなんて、命知らずな事は出来ないよ」
「…だよね」
茂人も晴矢を置いて逃げていた。ドンマイだね、晴矢。
俺もいつもだったら仲裁に入るかもしれないけど…、自分でも思ってる以上にバテてるみたいだ。
緑川と顔を見合わせて、俺たちも玲名の怒りが冷めるまで、広間から出る事にした。
(アイツら…助けろよ…)
(全くだ。これでは私の凍てつく闇が)
(話を聞け!)
((…はい))
「暑いな…」
「暑いね…」
「だよな…」
広間に暑さから寝転がる人数が、2人から3人に増えた。
アツヤは北海道出身だから、暑さに弱いのは当たり前だろうし、仕方ないとは思うけど…。
「お前ら…邪魔だあああっ!」
あ、また晴矢が癇癪起こしてるな…。
「邪魔って言われても…」
「暑いもんは暑いんだから仕方ねえだろ」
「その通りだな」
そう言いながら、3人はコロコロと転がっている。風介、髪に埃ついてるよ。
「もうほんと溶けそうだよね」
「ほんとだぜ。本州ってこんなに暑いのかよ」
「沖縄とかはもっと暑いと思うけど」
「オレ生きてる間に北海道から出なくてよかった…」
「大げさじゃないか?」
「茂人だって暑すぎたらやばいだろ」
「今はもう大丈夫だって」
病弱だった茂人に、幼なじみの晴矢が言う。言い方は雑だけど、本当は心配なんだよね。
というか、アツヤはマフラーを外せば少しは涼しくなると思うんだけどな…。
「マフラー外せばいいんじゃないか?」
「無理。…これ外したら、士郎と繋がってられなくなる気がするから」
そっか…。そういえば吹雪くんは、彼の形見のマフラーを身につけてたな。
それも吹雪くんが作り出したアツヤの人格を統合した時に、外してしまっていたけど…。
その時まで、傍に置かない事はなかった。それ程までに、吹雪くんはアツヤを必要としていた。
たとえそれが自分の作り出した幻想で、偽者だとしても。そんな兄弟を見て、アツヤはどう思ったのだろう。
血の繋がった家族というものに、特に思いいれ…というか、ほとんど覚えてないから、なんとも言えない。
血の繋がりというものは、離ればなれになってもなお、繋がっていたいと思うものなのだろうか。
「あっちい…」
「何でだよ…幽霊なのに…」
「幽霊が2人分いるからか、私としては少し涼しく感じるな」
「…ずるくねえ?」
「だよねえ…」
「いいからお前らどけよ!」
「まあ、落ち着けって」
「さっきから煩いぞお前たち!」
あ、玲名まで来ちゃったじゃないか。青筋浮いてるし、相当煩かったみたいだ。
そんな目で見られても、俺は弁解はしないよ?
「逃げるか」
「だな」
「あ、待て!」
怒られたくなかったらしい2人が姿を消す。アツヤの表情はひきつってたし、キレた玲名の事を知ってるのかな?
あ、風介と晴矢正座させられてるな…。それにしてもそこまで怒る事だとは思えないけど…。
やっぱり、なんだかんだいってみんな暑さにやられているのかもしれない。
「助けてあげないの?」
「苛立ってる玲名に口を出すなんて、命知らずな事は出来ないよ」
「…だよね」
茂人も晴矢を置いて逃げていた。ドンマイだね、晴矢。
俺もいつもだったら仲裁に入るかもしれないけど…、自分でも思ってる以上にバテてるみたいだ。
緑川と顔を見合わせて、俺たちも玲名の怒りが冷めるまで、広間から出る事にした。
(アイツら…助けろよ…)
(全くだ。これでは私の凍てつく闇が)
(話を聞け!)
((…はい))