「そういえば、青葉は何で俺たちのとこに来たんだ？」



と、瀬方が突然そう切り出した。



「どういう意味？」

「ほら、こういうのって何かしら未練があって～ってパターンだろ」

「…ベタなマンガか」

「うるせえ」

「あ、そういうことか。まあ一応理由はあるよ」

「あったのかよ」

「なんとなくとかだと思ってたわ」

「失礼だね！大丈夫そうだったから特には触れなかっただけだよ！」

「大丈夫そうだったから？」



俺たちは何か青葉に心配をかけるようなことをしただろうか。

心当たりはない…とは思う。いやまさか…ね…？あのことを知ってたら流石にさ。



「で、理由は？」

「………」

「青葉？」

「あえて言わないでおくことにするよ」

「そう言われると余計気になる。な、茂人」

「え？あ、ああ…」



…何でだろう。なんというか…物凄く嫌な予感がする。

聞いたら俺たちの中の大切な何かが木端微塵に砕け散りそうな…、そんな感じがする。

そう考えている間にも、瀬方たちは青葉を急かしていた。



「ズッ…ズズッ…」

「勿体振るな、と言ってますね。僕も知りたいです」



石平、俺は勿体振っているようには見えない…。寧ろ遠慮してるように見えるよ…。

駒沢、出来れば瀬方達を煽らないで欲しいんだけどな…。



「絶対後悔すると思うよ」

「しないしない」

「晴矢とか逆ギレしてきそう」

「お前の中の俺どうなってるんだよ」

「チューリップ」

「…」

「流石は青葉だな。理由も言ったらアイスを進呈しよう」

「風介それ食べ掛けだよね。というか何でみんなそんなに拘るの」

「いや…その、ただ単に隠し事されたくないなって」

「隠し子！？」

「どんな聞き間違いよ」

「どうしたらそんな聞き間違いをするのかわからない…」



風介の発言は置いといて、確かに隠し事はされたくない。

俺たちは"家族"なんだから。

ただ…その内容が俺たちにとってある意味恐ろしいものだと思うと…ね。

でも今まで知ってる素振りなんて見せなかったし、そうではないと信じたい。

ていうかそう信じないと、これからやっていけなくなりそうだ。



「わかった言うよ。でも逆ギレしないし自殺しようとか壁に頭ぶつけるとかしないでね」

「しねーよそんなこと！」

「後悔しないでね。あたしの友達…というか仲間が、








みんなが宇宙人やって、サッカーで日本征服しようとしてること教えてくれたんだ」



ピシリ



予感的中。


広間にいたメンバー全員が凍りついた。



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