4日目
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「あ、また諺の本読んでるんだ」
「うわっ!…何だ青葉か………」
「ごめん。おどかしちゃった?」
「いや、こういうの前にもあったし」
「そういえばそうだったね」
いきなり声をかけられて振り向いたら、そこには青葉がいた。
前にもこんなことあったなーと、少し懐かしく感じる。
「相変わらず諺好きだね」
「まあね」
テレビで諺を知って、その奥深さに興味を持ったのが始まりだった。
そのことを父さんに言ったら本を買ってくれて、漢字も多かったけど一生懸命読んだのをよく覚えている。
角とか所々傷ついたり折れたりしてるけど、それだけ沢山読んだんだって思う。
「リュウジは国語の成績良かったよね。晴矢はアレなのに」
「まあヒロトや風介程じゃないけど、本も好きだったからね」
「晴矢は本とか読んでるイメージないからなあ。リュウジは国語出来て当然!ってイメージかな」
「そんなことないって」
「あはは、努力家だもんね」
努力家、という言葉に随分前に…まだ小学生だった頃にあったことを思い出した。
国語が得意な俺は、テストで全教科万年平均点以下の晴矢に弄られることがたまにあった。
狡いとか言われてじゃあ晴矢も努力しろよ!って思ったけど、生憎その時の俺は気弱でそういう事は出来なかった。
そしてあの日も、何かと晴矢に言われてて、
「いいよな、才能あって」
そう言われて、流石の俺もキレかけた。確かに晴矢から見たらそうかもしれないけど、俺は違うんだって。
サッカーだって努力してるけど、晴矢の方が上手くて、その才能が羨ましいんだって、
でも俺はそう自分が思ったことを言えずに黙ってしまって、
そんな時に動いたのは、そのやり取りを聞いていた青葉だった。
「晴矢のバカーッ!」
そう怒鳴ったかと思うと、青葉は晴矢を殴った。…ランドセルに刺してあったリコーダーで。
当たり前だけど固いからそれなりに痛いわけで、晴矢は涙目になるし青葉は怒ってるし…。
とにかく何をすればいいかわからなくて、嫌な気持ちなんか吹っ飛んだっけ。
「ってえ!何すんだよ青葉!」
「あのね晴矢。晴矢は見てないし知らないかもしれないけど、リュウジは晴矢なんかよりずっと努力してるんだよ。
宿題だけじゃなくて予習も復習もしてるし、ノートもバッチリだし、バカの晴矢とは違うんだよ!」
そう言われた晴矢は、バツの悪そうな顔をしたあと、ごめん!と言って先に帰ってしまった。
それ以来弄られることはなくなったけど、それ以上に驚いたのは、青葉が俺の努力を知っていたこと。
「リュウジは努力家さんなんだよね!」
そう言ってくれたのが嬉しくて、嬉しくて、ドキドキした。
青葉は俺のことを見てくれているんだって。
「前にも俺に努力家だって言ってくれたこと、覚えてる?」
「……………申し訳ありません、覚えてないです」
「あ、やっぱり」
でもそういう所が青葉らしい。全然変わってない。
「あ、そろそろおやつ食べにいこ!」
「うん!」
俺の、大切な家族。
→あとがき
「うわっ!…何だ青葉か………」
「ごめん。おどかしちゃった?」
「いや、こういうの前にもあったし」
「そういえばそうだったね」
いきなり声をかけられて振り向いたら、そこには青葉がいた。
前にもこんなことあったなーと、少し懐かしく感じる。
「相変わらず諺好きだね」
「まあね」
テレビで諺を知って、その奥深さに興味を持ったのが始まりだった。
そのことを父さんに言ったら本を買ってくれて、漢字も多かったけど一生懸命読んだのをよく覚えている。
角とか所々傷ついたり折れたりしてるけど、それだけ沢山読んだんだって思う。
「リュウジは国語の成績良かったよね。晴矢はアレなのに」
「まあヒロトや風介程じゃないけど、本も好きだったからね」
「晴矢は本とか読んでるイメージないからなあ。リュウジは国語出来て当然!ってイメージかな」
「そんなことないって」
「あはは、努力家だもんね」
努力家、という言葉に随分前に…まだ小学生だった頃にあったことを思い出した。
国語が得意な俺は、テストで全教科万年平均点以下の晴矢に弄られることがたまにあった。
狡いとか言われてじゃあ晴矢も努力しろよ!って思ったけど、生憎その時の俺は気弱でそういう事は出来なかった。
そしてあの日も、何かと晴矢に言われてて、
「いいよな、才能あって」
そう言われて、流石の俺もキレかけた。確かに晴矢から見たらそうかもしれないけど、俺は違うんだって。
サッカーだって努力してるけど、晴矢の方が上手くて、その才能が羨ましいんだって、
でも俺はそう自分が思ったことを言えずに黙ってしまって、
そんな時に動いたのは、そのやり取りを聞いていた青葉だった。
「晴矢のバカーッ!」
そう怒鳴ったかと思うと、青葉は晴矢を殴った。…ランドセルに刺してあったリコーダーで。
当たり前だけど固いからそれなりに痛いわけで、晴矢は涙目になるし青葉は怒ってるし…。
とにかく何をすればいいかわからなくて、嫌な気持ちなんか吹っ飛んだっけ。
「ってえ!何すんだよ青葉!」
「あのね晴矢。晴矢は見てないし知らないかもしれないけど、リュウジは晴矢なんかよりずっと努力してるんだよ。
宿題だけじゃなくて予習も復習もしてるし、ノートもバッチリだし、バカの晴矢とは違うんだよ!」
そう言われた晴矢は、バツの悪そうな顔をしたあと、ごめん!と言って先に帰ってしまった。
それ以来弄られることはなくなったけど、それ以上に驚いたのは、青葉が俺の努力を知っていたこと。
「リュウジは努力家さんなんだよね!」
そう言ってくれたのが嬉しくて、嬉しくて、ドキドキした。
青葉は俺のことを見てくれているんだって。
「前にも俺に努力家だって言ってくれたこと、覚えてる?」
「……………申し訳ありません、覚えてないです」
「あ、やっぱり」
でもそういう所が青葉らしい。全然変わってない。
「あ、そろそろおやつ食べにいこ!」
「うん!」
俺の、大切な家族。
→あとがき