彼がシスコンになったワケ
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「質問です!キャプテンはどうしてあんなにシスコンなのでしょうか!」
眼鏡を下ろし、レンズを光らせた春奈からの質問に、染岡と半田は顔を見合わせた。
「何だよ急に」
「普段はそういう話、風丸に振ってたと思うんだけど……」
「でも今は風丸先輩いないじゃないですか」
放課後の部室。追試、担任に作業を頼まれた、会長業等で不在の円堂、美波、風丸、秋、夏未以外は揃っている。
いつもは風丸先輩なので今回は趣向を変えました!と胸を張る春奈に、二人は苦笑いを浮かべる。
周りはといえば、やはり興味津々と言った表情で、豪炎寺や鬼道までも聞き耳を立てていた。こうなってしまえば最早お約束的な流れだ。
「1年からの付き合いのお二人ならご存じかと思いまして」
「まあ、そりゃあ知ってはいるけどよお」
「あんまり聞いて楽しい話じゃないからなあ……」
「そうなんですか?」
「ああ」
渋る二人だったが、最終的に今話しておくべきと判断すると、影野、松野、目金に向き直った。
「なあ、俺達が小学生の頃、この辺で事件があったの覚えてるか?」
「事件?」
首を傾げる影野と松野に対し、目金は眼鏡を押し上げ口を開いた。
「ええ、ありましたね。確か小学校3年の頃です。何でも誘拐未遂があったとか」
「あー、あったあった。暫く放課後は遊びに出歩くの禁止って言われたっけ。もう退屈で退屈で」
「落ち着くまで集団下校だったよね。確か女の子が浚われかけたって……」
影野の言葉は途中で止まった。聞き耳を立てていたメンバーもハッとした表情に変わる。
まさか。誰が言ったかその呟きに、二人は神妙な顔で頷いた。
「その誘拐されかけた女の子って、美波なんだ」
シン、と部室内が静まり返った。
円堂守がシスコンな理由。誰もが笑い話のような出来事を想像していたからだ。
質問をした春奈はというと、顔色を悪くしていた。
「す、すみません!私、そんな深刻な理由だとは……」
「あー、あんま気にすんなよ。その時はともかく、トラウマとかにはなってねえから」
「俺達も知っておくに越したことはないって思ったしな」
つっても詳しくは聞いてないんだけどよ……と染岡が頭をかく。その時、ガラリと部室の扉が開いた。
「まだ練習始めてなかったのか」
入ってきたのは風丸だった。部室内に漂うどこか暗い雰囲気に、不思議そうに首を傾げる。
「どうしたんだ?何があった?」
「いや、なんつーかよ」
「……その、円堂達の話してたんだ。美波に対して、過保護になった理由とか」
「ああ……そういうことか」
合点がいったと頷く風丸をよそに、二人は気まずそうに視線を彷徨わせる。当事者からすれば、気持ちのいい話ではないだろう。
「ただ……俺は何も出来なかったからな」
「え、でも円堂が風丸のおかげで助かったって言ってたけど」
「円堂ならそう言うだろうな。けどそれは結果論だ」
苦々し気な自嘲するような笑みを浮かべ、風丸は当時のことを思い返した。
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眼鏡を下ろし、レンズを光らせた春奈からの質問に、染岡と半田は顔を見合わせた。
「何だよ急に」
「普段はそういう話、風丸に振ってたと思うんだけど……」
「でも今は風丸先輩いないじゃないですか」
放課後の部室。追試、担任に作業を頼まれた、会長業等で不在の円堂、美波、風丸、秋、夏未以外は揃っている。
いつもは風丸先輩なので今回は趣向を変えました!と胸を張る春奈に、二人は苦笑いを浮かべる。
周りはといえば、やはり興味津々と言った表情で、豪炎寺や鬼道までも聞き耳を立てていた。こうなってしまえば最早お約束的な流れだ。
「1年からの付き合いのお二人ならご存じかと思いまして」
「まあ、そりゃあ知ってはいるけどよお」
「あんまり聞いて楽しい話じゃないからなあ……」
「そうなんですか?」
「ああ」
渋る二人だったが、最終的に今話しておくべきと判断すると、影野、松野、目金に向き直った。
「なあ、俺達が小学生の頃、この辺で事件があったの覚えてるか?」
「事件?」
首を傾げる影野と松野に対し、目金は眼鏡を押し上げ口を開いた。
「ええ、ありましたね。確か小学校3年の頃です。何でも誘拐未遂があったとか」
「あー、あったあった。暫く放課後は遊びに出歩くの禁止って言われたっけ。もう退屈で退屈で」
「落ち着くまで集団下校だったよね。確か女の子が浚われかけたって……」
影野の言葉は途中で止まった。聞き耳を立てていたメンバーもハッとした表情に変わる。
まさか。誰が言ったかその呟きに、二人は神妙な顔で頷いた。
「その誘拐されかけた女の子って、美波なんだ」
シン、と部室内が静まり返った。
円堂守がシスコンな理由。誰もが笑い話のような出来事を想像していたからだ。
質問をした春奈はというと、顔色を悪くしていた。
「す、すみません!私、そんな深刻な理由だとは……」
「あー、あんま気にすんなよ。その時はともかく、トラウマとかにはなってねえから」
「俺達も知っておくに越したことはないって思ったしな」
つっても詳しくは聞いてないんだけどよ……と染岡が頭をかく。その時、ガラリと部室の扉が開いた。
「まだ練習始めてなかったのか」
入ってきたのは風丸だった。部室内に漂うどこか暗い雰囲気に、不思議そうに首を傾げる。
「どうしたんだ?何があった?」
「いや、なんつーかよ」
「……その、円堂達の話してたんだ。美波に対して、過保護になった理由とか」
「ああ……そういうことか」
合点がいったと頷く風丸をよそに、二人は気まずそうに視線を彷徨わせる。当事者からすれば、気持ちのいい話ではないだろう。
「ただ……俺は何も出来なかったからな」
「え、でも円堂が風丸のおかげで助かったって言ってたけど」
「円堂ならそう言うだろうな。けどそれは結果論だ」
苦々し気な自嘲するような笑みを浮かべ、風丸は当時のことを思い返した。
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