荒波一期(仮)
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「じゃあのせ君で」
「え?」
フットボールフロンティア本選の二回戦、千羽山との試合を終えた雷門中サッカー部。
次の試合に向けて練習に励む彼等が、土門と秋のアメリカ時代の幼なじみである一之瀬と出会ったのは数十分前。
日直やら委員会やらと色々と重なり、遅れてグラウンドへ美波がやってきたのが数分前。
「俺は一之瀬一哉。秋と土門とはアメリカ時代の仲間なんだ。よろしく!」
「あたしは円堂美波。円堂守の妹なんだ。こちらこそよろしく!」
とまあいかにもテンプレートな自己紹介し、握手をしたのが、約1分前。
そしてそこに冒頭のセリフであった。
「えーっと……」
困惑する一之瀬に、あ、と半田は小さく声を漏らした。
「美波ってさ、なんとなくで渾名付ける癖あるよな」
「癖っていうにはちょっと違うけどね」
「そうだったんだ」
「俺なんか、一時呼び方半端だったからな……」
今でこそ半田だし嫌だって言ったら直ぐやめたから短期間だったけど、と苦笑いをする半田。そこに風丸が、お前はまだいい方だと口を挟んむ。
「俺はちゃんと名前呼びになるまで年単位でかかった」
「へえ、最初から名前呼びじゃなかったんだ」
「名前から取った渾名だったな」
「いや名前からな時点でこう、俺とは違うだろ。特別な感じ?」
「そうだろ?」
「ああ……うん……」
「あれはあれで良かったけどさ」
「まあ、幼なじみというのも大変ですからね」
眼鏡のブリッジをくいっと上げ興味深げに言った目金に、まあそのうちなと風丸は逃げるようにその場を去った。
「じゃあ豪炎寺や鬼道もかい?」
「いや、俺は普通に名字だったな」
「俺もだ」
「何か法則があるんですかね」
「なんかほら、2人は考え付かなくて」
「俺達もないでやんす」
「本当にアバウトだな」
「そうだね……」
突然現れた影野に、一同がいたのかよとツッコむのは最早お約束である。
「確かに1年は春ちゃん以外普通に名字だなあ」
「えーと、音無だっけ?」
「そうそう。あ、春ちゃんは鬼道の妹なんだよ」
「……似てないね」
「のせ君もやっぱ思うか」
「悪かったな」
「鬼道が拗ねた」
「……」
「いひゃいいひゃい」
しかめっ面をした鬼道が美波の頬を引っ張り、それを見た豪炎寺は顔を顰め、風丸は睨み付ける。
その様子に染岡たちはまたかとため息をつく。一之瀬は土門の傍へ行くと、小声で問い掛けた。
「もしかして3人って……」
「もしかしなくてもそうだよ……。しかも、円堂はシスコンだからな……」
その円堂へ顔を向ければ、不機嫌そうに鬼道を睨み付けていた。ぎりぎりと拳を握りしめている。
外周100……という恐ろしく不吉な言葉が出てきたような気がしたが、とばっちりを食らわぬよう無視を決め込むのが吉である。
「美波はモテるからな……」
「あはは、苦労してるんだね」
「ま、それなりに楽しんでるけどな」
「のせ君!サッカーやろうぜ!」
円堂と同じような屈託のない笑みで声をかけられ、一之瀬は反射的にああ!と返事をする。
困惑していた割に、なんとなく、その呼び名はしっくりしているように感じられた。
円堂の矯正によって呼び方が"一之瀬"となるのは、数日後の話である。
***
一之瀬との話を書こうと思って見事に失敗した話。あまり絡んでないね?
「え?」
フットボールフロンティア本選の二回戦、千羽山との試合を終えた雷門中サッカー部。
次の試合に向けて練習に励む彼等が、土門と秋のアメリカ時代の幼なじみである一之瀬と出会ったのは数十分前。
日直やら委員会やらと色々と重なり、遅れてグラウンドへ美波がやってきたのが数分前。
「俺は一之瀬一哉。秋と土門とはアメリカ時代の仲間なんだ。よろしく!」
「あたしは円堂美波。円堂守の妹なんだ。こちらこそよろしく!」
とまあいかにもテンプレートな自己紹介し、握手をしたのが、約1分前。
そしてそこに冒頭のセリフであった。
「えーっと……」
困惑する一之瀬に、あ、と半田は小さく声を漏らした。
「美波ってさ、なんとなくで渾名付ける癖あるよな」
「癖っていうにはちょっと違うけどね」
「そうだったんだ」
「俺なんか、一時呼び方半端だったからな……」
今でこそ半田だし嫌だって言ったら直ぐやめたから短期間だったけど、と苦笑いをする半田。そこに風丸が、お前はまだいい方だと口を挟んむ。
「俺はちゃんと名前呼びになるまで年単位でかかった」
「へえ、最初から名前呼びじゃなかったんだ」
「名前から取った渾名だったな」
「いや名前からな時点でこう、俺とは違うだろ。特別な感じ?」
「そうだろ?」
「ああ……うん……」
「あれはあれで良かったけどさ」
「まあ、幼なじみというのも大変ですからね」
眼鏡のブリッジをくいっと上げ興味深げに言った目金に、まあそのうちなと風丸は逃げるようにその場を去った。
「じゃあ豪炎寺や鬼道もかい?」
「いや、俺は普通に名字だったな」
「俺もだ」
「何か法則があるんですかね」
「なんかほら、2人は考え付かなくて」
「俺達もないでやんす」
「本当にアバウトだな」
「そうだね……」
突然現れた影野に、一同がいたのかよとツッコむのは最早お約束である。
「確かに1年は春ちゃん以外普通に名字だなあ」
「えーと、音無だっけ?」
「そうそう。あ、春ちゃんは鬼道の妹なんだよ」
「……似てないね」
「のせ君もやっぱ思うか」
「悪かったな」
「鬼道が拗ねた」
「……」
「いひゃいいひゃい」
しかめっ面をした鬼道が美波の頬を引っ張り、それを見た豪炎寺は顔を顰め、風丸は睨み付ける。
その様子に染岡たちはまたかとため息をつく。一之瀬は土門の傍へ行くと、小声で問い掛けた。
「もしかして3人って……」
「もしかしなくてもそうだよ……。しかも、円堂はシスコンだからな……」
その円堂へ顔を向ければ、不機嫌そうに鬼道を睨み付けていた。ぎりぎりと拳を握りしめている。
外周100……という恐ろしく不吉な言葉が出てきたような気がしたが、とばっちりを食らわぬよう無視を決め込むのが吉である。
「美波はモテるからな……」
「あはは、苦労してるんだね」
「ま、それなりに楽しんでるけどな」
「のせ君!サッカーやろうぜ!」
円堂と同じような屈託のない笑みで声をかけられ、一之瀬は反射的にああ!と返事をする。
困惑していた割に、なんとなく、その呼び名はしっくりしているように感じられた。
円堂の矯正によって呼び方が"一之瀬"となるのは、数日後の話である。
***
一之瀬との話を書こうと思って見事に失敗した話。あまり絡んでないね?
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