荒波一期(仮)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「美波さんって本当に好きな人いないんですかね……」
ふとした春奈の呟きに、秋と夏未は揃ってドリンク作りの作業の手を止めた。
「私はいないと思うけど……」
「でも、風丸さんなんかあんなにわかりやすいじゃないですか!」
「確かに、逆にあれで気づかないなんてどれだけ鈍感なのかしら」
「心配性なだけって思ってるからですかね?」
「うーん……。美波ちゃんだから、かなあ……」
それでは理由になっていない。しかし秋の言葉に、春奈と夏未は妙な納得感を覚えた。美波だから、というのには、何故か説得力があったのだ。
美波が鈍感なのは、最早サッカー部はおろか、雷門中第2学年では暗黙の了解ルールである。
「それじゃあつまらないです!」と主張する春奈に、美波ちゃんを取り巻く恋愛模様を楽しんでいるんだな……と秋は思う。
「お兄ちゃんも風丸さんも豪炎寺さんもヘタレ過ぎるんです!」
「へ、ヘタレ……」
「美波に回りくどい言い方をしても、通じないものね」
あの子はストレートに言わないと絶対に理解しないわ、とどこか呆れ混じりで夏未が言う。
「サッカー部で鈍感なのは、美波先輩だけじゃありませんしね」
「……そうかしら」
「もー、誤魔化さないでくださいよ!鈍感サッカーバカな方がいるじゃないですか!」
「「!」」
円堂のことを想像したのであろう秋と夏未の顔が赤くなる。
「ふっふっふ、お2人ともわかりやすいですね」
「な、何言ってるの音無さん!わ、私は、円堂くんのことは友達で仲間だって!」
「そ、そうよ!私は円堂くんのことなんて何とも思ってませんからね!」
「私はキャプテンなんて一言も言ってませんよ?」
「あ……」
「それは……」
完全に確信犯な春奈に、秋と夏未は顔を赤くしたまま黙り込んだ。ちなみに円堂が鈍感サッカーバカというのも、暗黙の了解ルールだ。
ついでにいうと、円堂が妹に向けられる好意にはとても鋭いシスコンなのも、やはり暗黙の了解ルールであった。ルールが多すぎである。
「……は、早くドリンクとか用意しないと!」
「タオルも持っていかないといけないわね!」
「あ、逃げないでくださいよー!」
どこか慌てたように部室を出ていく2人を見送りながら、春奈も荷物を持って部室を出た。
次はキャプテンじゃなくて、美波さんについて話そう……!と心に決めながら。
(秋もなっちゃんも何でそんなに顔真っ赤なの?)
(何でもないわよ!)
(そ、そうだよ!)
(なあ、タオル欲しいんだけどさ)
((!))
( ……なるほどな)
(一郎太はわかるの?)
(美波はわからなくていい)
***
定期的に恋愛話を振りたがる春奈ちゃん。動かしやすくて、場を引っ掻き回すのにいつもお世話になってます。
途中から何故か円堂兄の話題にすりかわってましたしね。何でどうしてこうなった。
それにしても妹にヘタレ扱いをされる鬼道さんって。ごめん。
ふとした春奈の呟きに、秋と夏未は揃ってドリンク作りの作業の手を止めた。
「私はいないと思うけど……」
「でも、風丸さんなんかあんなにわかりやすいじゃないですか!」
「確かに、逆にあれで気づかないなんてどれだけ鈍感なのかしら」
「心配性なだけって思ってるからですかね?」
「うーん……。美波ちゃんだから、かなあ……」
それでは理由になっていない。しかし秋の言葉に、春奈と夏未は妙な納得感を覚えた。美波だから、というのには、何故か説得力があったのだ。
美波が鈍感なのは、最早サッカー部はおろか、雷門中第2学年では暗黙の了解ルールである。
「それじゃあつまらないです!」と主張する春奈に、美波ちゃんを取り巻く恋愛模様を楽しんでいるんだな……と秋は思う。
「お兄ちゃんも風丸さんも豪炎寺さんもヘタレ過ぎるんです!」
「へ、ヘタレ……」
「美波に回りくどい言い方をしても、通じないものね」
あの子はストレートに言わないと絶対に理解しないわ、とどこか呆れ混じりで夏未が言う。
「サッカー部で鈍感なのは、美波先輩だけじゃありませんしね」
「……そうかしら」
「もー、誤魔化さないでくださいよ!鈍感サッカーバカな方がいるじゃないですか!」
「「!」」
円堂のことを想像したのであろう秋と夏未の顔が赤くなる。
「ふっふっふ、お2人ともわかりやすいですね」
「な、何言ってるの音無さん!わ、私は、円堂くんのことは友達で仲間だって!」
「そ、そうよ!私は円堂くんのことなんて何とも思ってませんからね!」
「私はキャプテンなんて一言も言ってませんよ?」
「あ……」
「それは……」
完全に確信犯な春奈に、秋と夏未は顔を赤くしたまま黙り込んだ。ちなみに円堂が鈍感サッカーバカというのも、暗黙の了解ルールだ。
ついでにいうと、円堂が妹に向けられる好意にはとても鋭いシスコンなのも、やはり暗黙の了解ルールであった。ルールが多すぎである。
「……は、早くドリンクとか用意しないと!」
「タオルも持っていかないといけないわね!」
「あ、逃げないでくださいよー!」
どこか慌てたように部室を出ていく2人を見送りながら、春奈も荷物を持って部室を出た。
次はキャプテンじゃなくて、美波さんについて話そう……!と心に決めながら。
(秋もなっちゃんも何でそんなに顔真っ赤なの?)
(何でもないわよ!)
(そ、そうだよ!)
(なあ、タオル欲しいんだけどさ)
((!))
( ……なるほどな)
(一郎太はわかるの?)
(美波はわからなくていい)
***
定期的に恋愛話を振りたがる春奈ちゃん。動かしやすくて、場を引っ掻き回すのにいつもお世話になってます。
途中から何故か円堂兄の話題にすりかわってましたしね。何でどうしてこうなった。
それにしても妹にヘタレ扱いをされる鬼道さんって。ごめん。
11/16ページ