対御影専農戦
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「いい、なあ……!」
凄く、凄く楽しそうだった。
始まった御影専農戦。御影の監督のデータに基づいた指示とプレイ。正確で、的確だ。けれど、見ていて違和感だった。
そりゃあ、監督の指示もある程度は必要なんだろうけど、自主性がないってのいうか……。本当に、それでいいのかと思った。
こぼれ球を押し込まれて先制されて、これからだ!ってところでパス回しで時間を稼ぎをされた。
作戦としては、確かに正しい。相手より点が多ければ勝ちなんだから。けど、そこに選手たちの意思はない。
イライラして「ちゃんと戦えよ!」って言ったら、「ちゃんと戦っている」という返答をされて、ますますイライラした。
後半。痺れをきらした守兄が、前線まで上がってシュートを打った。勝つために。
データにない動きだったらしくて御影のキーパーでキャプテンの杉森は動揺してたけど、
「これが本当のサッカーなんだ!」
「!」
そして土壇場の瞬時の判断で出来た、キーパーの守兄と豪炎寺の新技が、1点を奪い返した。
続いてドラゴントルネードで逆転。点差がついて意気消沈した御影は、誰もが下を向いていた。
だめ押しするように豪炎寺がファイアトルネードを打ち込もうとしたとき、飛び込んできたのは、
「……下鶴!?」
下鶴だった。振り抜いた左足を打ち付けて、は打たせないと、点は取らせないとせめぎ合う。
下鶴の表情は必死で、でもどこか楽しそうで、本当のサッカーをわかってくれたんだって思った。
勝ちたい疑問視と一生懸命さが伝わってきて、物凄く楽しそうだった。混ざりたくなるくらいだ。
数秒のせめぎあいの後、2人は吹っ飛んでフィールドに落ちた。
下鶴がなんとか出したパスを受け取ったのは杉森で、通信ケーブルを外すと杉森はゴールへ上がった。
フォワードを抜いて、センターサークルを突破して、ゴール前で足を振り上げる。勝つために、点を取るために。
そして、
「ゴッドハンド!」
「円堂ーっ!」
守兄が杉森の打ったシュートを止めて、試合は終わった。スコアは2ー1で、雷門の予選準決勝進出。
みんなの表情は晴れやかで、負けてしまった御影の選手たちも憑き物が落ちた顔をしていて、楽しいサッカーが出来たんだって、思った。
こういう試合を見ると、自分の性別が女だということがもどかしくなる。みんなとプレイしたいのに、出られない。
「やっぱり、あたしもフットボールフロンティア出たいな……」
「美波ちゃん……」
「……」
「あ、そうだ。秋、救急箱貸して!」
さっきのぶつかり合いで、豪炎寺と下鶴は足を痛めたみたいだった。走り寄って、2人の足を氷で冷やす。
「大丈夫?」
「ああ……」
「……円堂美波」
「何?」
「サッカーは、こんなにも楽しいものだったんだな。……それにしても、どうして俺の手当てまで」
「なんだ、そんなこと?試合が終われば皆仲間だからね!当然だよ!」
「……」
「あ、あとフルネームじゃ長いし、美波でいいよ」
「……」
「……美波の思考は、やはり理解不能だな」
「は!?」
「だが言わなければならないことならわかる。ありがとう」
「ど、どういたしまして?」
同然のことだと思ったからやってるんだけどな……。下鶴を見てたら少し笑われた。でも、清々しい顔してる。
もう、データだけに、縛られたサッカーサイボーグなんかじゃないね。
「ちゃんと笑えるじゃん。無表情よりそっちの方がいいよ」
「美波のおかげだな」
「いやあ、大したことはしてないって」
ぽんぽんと優しい笑顔で頭を撫でられる。何でだ。ま、いっか。今は手当てが優先……、
「##NAME2##、美波ーーーっ!!」
「大丈夫か!!」
「何!?てか耳元で叫ばないでよ!」
駆けてきた一郎太に、埃を払うかのように頭をバサバサとやられる。地味に痛いんだけど。
って、ちょっと守兄!どさくさに紛れて怪我人の下鶴を突き飛ばさないでよ!
「誰にでも笑顔振り撒くな!」
「何で!?」
「何で頭を撫でたんだ」
「感謝の意を示すことは最低限の礼儀だろう」
「どこがだ!何がだ!言葉だけで十分だろう!」
「美波のおかげで"本当のサッカー"を知れた。それなりの礼はするべきだろう」
「それがなんで撫でるのになるんだよ」
「撫でたいと思ったからだ」
「だから何でだよ。サイボーグ菌が移る」
何故かキレてる守兄と一郎太相手に、下鶴は一歩も引かずに対等に戦ってる。ていうか、何これ……。何がどうなってるんだ。
「染岡!」
「まあ……、頑張れよ」
「半田ー!」
「関わりたくない」
「マックス!土門っ!影野!」
「知らない」
「はは……」
「……ふふ」
「みんな薄情だよ!」
1年生たちには顔を逸らされた。何故か春ちゃんだけ笑顔だったけど。……少し怖いな。
あ、そうだ。豪炎寺が近くにいたじゃん!豪炎寺!
「豪炎……、どうかした?」
「! いや、なんでもない」
ぼーっとしていた。足変な風に捻ってたし、相当ヤバいのかな……。後で病院に行った方がいいかもしれない。
「改の治療、礼を言う」
「あ、杉森。別にお礼言われるほどのことじゃないってば。勝手にやったことだし」
「だが……」
「じゃあ、楽しいサッカーを見せてもらったお礼ってことで!ね?」
「……こちらこそ、勝ちたいという気持ちを思い出させてくれた。ありがとう」
「それは守兄に言ってよ」
握手をする。仲良くなれてよかった!……ちょっとだけ守兄ぃと一郎太の視線が痛いけどね。
(誰かアルコール!)
(守兄大げさだってば!てか頭にかける気!?)
***
杉森と下鶴の口調がよくわからなかったんですけど、大丈夫ですかね……。
頭ぽんぽんは妹属性であるが故にされただけであって、特に他意はないです。
凄く、凄く楽しそうだった。
始まった御影専農戦。御影の監督のデータに基づいた指示とプレイ。正確で、的確だ。けれど、見ていて違和感だった。
そりゃあ、監督の指示もある程度は必要なんだろうけど、自主性がないってのいうか……。本当に、それでいいのかと思った。
こぼれ球を押し込まれて先制されて、これからだ!ってところでパス回しで時間を稼ぎをされた。
作戦としては、確かに正しい。相手より点が多ければ勝ちなんだから。けど、そこに選手たちの意思はない。
イライラして「ちゃんと戦えよ!」って言ったら、「ちゃんと戦っている」という返答をされて、ますますイライラした。
後半。痺れをきらした守兄が、前線まで上がってシュートを打った。勝つために。
データにない動きだったらしくて御影のキーパーでキャプテンの杉森は動揺してたけど、
「これが本当のサッカーなんだ!」
「!」
そして土壇場の瞬時の判断で出来た、キーパーの守兄と豪炎寺の新技が、1点を奪い返した。
続いてドラゴントルネードで逆転。点差がついて意気消沈した御影は、誰もが下を向いていた。
だめ押しするように豪炎寺がファイアトルネードを打ち込もうとしたとき、飛び込んできたのは、
「……下鶴!?」
下鶴だった。振り抜いた左足を打ち付けて、は打たせないと、点は取らせないとせめぎ合う。
下鶴の表情は必死で、でもどこか楽しそうで、本当のサッカーをわかってくれたんだって思った。
勝ちたい疑問視と一生懸命さが伝わってきて、物凄く楽しそうだった。混ざりたくなるくらいだ。
数秒のせめぎあいの後、2人は吹っ飛んでフィールドに落ちた。
下鶴がなんとか出したパスを受け取ったのは杉森で、通信ケーブルを外すと杉森はゴールへ上がった。
フォワードを抜いて、センターサークルを突破して、ゴール前で足を振り上げる。勝つために、点を取るために。
そして、
「ゴッドハンド!」
「円堂ーっ!」
守兄が杉森の打ったシュートを止めて、試合は終わった。スコアは2ー1で、雷門の予選準決勝進出。
みんなの表情は晴れやかで、負けてしまった御影の選手たちも憑き物が落ちた顔をしていて、楽しいサッカーが出来たんだって、思った。
こういう試合を見ると、自分の性別が女だということがもどかしくなる。みんなとプレイしたいのに、出られない。
「やっぱり、あたしもフットボールフロンティア出たいな……」
「美波ちゃん……」
「……」
「あ、そうだ。秋、救急箱貸して!」
さっきのぶつかり合いで、豪炎寺と下鶴は足を痛めたみたいだった。走り寄って、2人の足を氷で冷やす。
「大丈夫?」
「ああ……」
「……円堂美波」
「何?」
「サッカーは、こんなにも楽しいものだったんだな。……それにしても、どうして俺の手当てまで」
「なんだ、そんなこと?試合が終われば皆仲間だからね!当然だよ!」
「……」
「あ、あとフルネームじゃ長いし、美波でいいよ」
「……」
「……美波の思考は、やはり理解不能だな」
「は!?」
「だが言わなければならないことならわかる。ありがとう」
「ど、どういたしまして?」
同然のことだと思ったからやってるんだけどな……。下鶴を見てたら少し笑われた。でも、清々しい顔してる。
もう、データだけに、縛られたサッカーサイボーグなんかじゃないね。
「ちゃんと笑えるじゃん。無表情よりそっちの方がいいよ」
「美波のおかげだな」
「いやあ、大したことはしてないって」
ぽんぽんと優しい笑顔で頭を撫でられる。何でだ。ま、いっか。今は手当てが優先……、
「##NAME2##、美波ーーーっ!!」
「大丈夫か!!」
「何!?てか耳元で叫ばないでよ!」
駆けてきた一郎太に、埃を払うかのように頭をバサバサとやられる。地味に痛いんだけど。
って、ちょっと守兄!どさくさに紛れて怪我人の下鶴を突き飛ばさないでよ!
「誰にでも笑顔振り撒くな!」
「何で!?」
「何で頭を撫でたんだ」
「感謝の意を示すことは最低限の礼儀だろう」
「どこがだ!何がだ!言葉だけで十分だろう!」
「美波のおかげで"本当のサッカー"を知れた。それなりの礼はするべきだろう」
「それがなんで撫でるのになるんだよ」
「撫でたいと思ったからだ」
「だから何でだよ。サイボーグ菌が移る」
何故かキレてる守兄と一郎太相手に、下鶴は一歩も引かずに対等に戦ってる。ていうか、何これ……。何がどうなってるんだ。
「染岡!」
「まあ……、頑張れよ」
「半田ー!」
「関わりたくない」
「マックス!土門っ!影野!」
「知らない」
「はは……」
「……ふふ」
「みんな薄情だよ!」
1年生たちには顔を逸らされた。何故か春ちゃんだけ笑顔だったけど。……少し怖いな。
あ、そうだ。豪炎寺が近くにいたじゃん!豪炎寺!
「豪炎……、どうかした?」
「! いや、なんでもない」
ぼーっとしていた。足変な風に捻ってたし、相当ヤバいのかな……。後で病院に行った方がいいかもしれない。
「改の治療、礼を言う」
「あ、杉森。別にお礼言われるほどのことじゃないってば。勝手にやったことだし」
「だが……」
「じゃあ、楽しいサッカーを見せてもらったお礼ってことで!ね?」
「……こちらこそ、勝ちたいという気持ちを思い出させてくれた。ありがとう」
「それは守兄に言ってよ」
握手をする。仲良くなれてよかった!……ちょっとだけ守兄ぃと一郎太の視線が痛いけどね。
(誰かアルコール!)
(守兄大げさだってば!てか頭にかける気!?)
***
杉森と下鶴の口調がよくわからなかったんですけど、大丈夫ですかね……。
頭ぽんぽんは妹属性であるが故にされただけであって、特に他意はないです。
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