荒波一期(仮)
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「ふざけんな!」
思わず叫んだ。自分で叫んどきながらだけど、こんなに大きな声が出るとは思わなかった。
フットボールフロンティア本選。2回戦の千羽山に勝ったあたしたちの次の対戦相手は、かつて豪炎寺がいた木戸川清修だった。
そして今日。あたしと守兄と豪炎寺、そして鬼道と駄菓子屋に行ったとき、木戸川清修のフォワード、武方三兄弟と出会った。
三兄弟は豪炎寺を裏切り者の卑怯者呼ばわりして、それに対して怒った守兄と勝負をすることになった。
あたしだってムカついたけど、女だから入ってくんなって退けられた。言い返そうとしたら、鬼道に押さえられた。
それで河川敷に移動して勝負をした。守兄は武方友のバックトルネードを止めたけど、続けざまに打たれたのは止めきれなかった。
ボールを3つも使った卑怯なやり方。でもそれで勝った気になってて、そこから冒頭に戻る。
「は?ちゃんと決めたんですけど、みたいな?」
「普通1対1だろ!3本も打つなんておかしいよ!」
「止めると言ったのはそちらですがね」
「試合でもボール3個使う気?卑怯者はどっちだっての!」
「なんだと!」
「大体、」
「よせ、美波」
「豪炎寺のことあんな風に言われて、あんなことされて、黙ってらんないよ!」
「説明もせずに去った俺も悪い」
「でも!」
「いいんだ」
「豪炎寺は優しすぎる!」
「そんなことないさ。……理由はどうであれ、決勝に出なかったのは事実なんだからな」
……確かにそうだ。武方三兄弟は、理由を知らないだけ。黙って姿を消した豪炎寺に全く否がないとは、言い切れない。
凄いな、豪炎寺は。あたしだったら、多分言い返してた。でも、それはきっと、ただの言い訳になる。
「けど、シュートを同時に3発打ったことについては別だよ!」
「落ち着け、美波」
「そこまで言うなら、見せてさしあげましょうか」
そして今度は正々堂々と放たれた3兄弟の必殺技、トライアングルZを、守兄は止められなかった。
そこに木戸川清修の監督が来て、サッカープレイヤーなら試合で勝負をしろ言って、その場は収まった。
あと木戸川には、秋、一之瀬、土門のアメリカ時代の仲間がいたらしい。トライペガサスをやったメンバーだとか。
「はあ……」
イライラする。
「でも、美波先輩があんなに怒るところ、初めて見ました」
「俺も久しぶりに見たよ」
「あたしだって、怒ることくらいあるよ」
あの時……、世宇子のアフロディと話した時だってそうだ。
帝国の皆に怪我を負わせておきながら、悪びれもしないなんて。……思い出したら、ますますイライラしてきた。
「3兄弟のことはムカつくけど……実力は確かだった。本当に強かった。凄いと思う。だからなおさらムカつく」
「……」
「それに、」
「もういい」
「わっ」
ポンとあたしの頭に手が乗る。怒らせちゃったかと思って豪炎寺を見たら、呆れ混じりの嬉しそうな顔をしていた。
「それ以上言わなくていい」
「豪炎寺……」
「美波がサッカーバカなのはよくわかっているからな」
「ありがとう?」
「褒めてはいないと思うぞ」
「あれ?」
口を挟んできた鬼道もなんか呆れてる。何でしかめっ面?
「豪炎寺も鬼道も何をしてるんだ。」
「あ、一郎太」
先を歩いてた一郎太も声をかけてきた。てかさっきからずっと豪炎寺が頭を撫でてくる。
「ねえ、結んでるのが崩れるんだけど」
「そうか」
「そうかって」
一郎太は機嫌悪そうだし、鬼道の表情は読めないしで、間に挟まれてるあたしは一体。
「そろそろ撫でるのをやめたらどうだ?」
「それもそうだな。ところで風丸、その手はどうした」
「俺も美波を撫でようと思ったんだ」
「しかしタイミングがわからない、ということか」
「教えてやろうか」
「余計なお世話だ。……ああ、豪炎寺は夕香ちゃんがいるから慣れてるのか。美波も妹だしな」
「別にそういうわけじゃない」
「ほう。ならどういうわけなんだ?」
何がなんだか……。宍戸もおろおろしてるし。そう思ってたら、前を歩いてた守兄がこっちに歩いてきた。
「何やってんだよ、お前ら」
「見ての通りだが」
「へー」
「どうしたの、守兄?」
「なんでもない!それより大丈夫か、美波」
「大丈夫って、さっきのこと?」
「ああ。俺たちは仲間だからな。仲間を悪く言われていい気分にはならないよな!」
「そうなんだよ!……事情を知らないのは仕方ないけど、あんなに責めなくてもいいと思うんだよね」
でも、あたしは木戸川にいた頃の豪炎寺を知らない。部内でどんな存在だったのかも。ある意味、知らないのはお互い様だ。
それにしても守兄、仲間のとこを妙に強調して言ってたような。まあ、豪炎寺は前は木戸川でも今は雷門の仲間だもんね。
今までのことを振り替えると、豪炎寺が転校してきたことが、全ての始まりだったように思える。
「行くぞ、美波!今日は奢る!」
「この前雑誌買ってなかったっけ?」
「あ……。……大丈夫だって!」
守兄に手を引かれるままに速歩き。守兄こそ、あまり落ち込んでないようでよかったと思った。
(……何故か負けたような気がするな)
(……円堂は強敵だぞ。俺は一度も勝てたことがない)
(だろうな)
(あ、財布家に忘れたんだった……)
(え、大丈夫なんですか!?)
(……あたしが立て替えるよ)
***
タイトルに深い意味はない。修正前は円堂さんの言動がもっとやばめだったり。
思わず叫んだ。自分で叫んどきながらだけど、こんなに大きな声が出るとは思わなかった。
フットボールフロンティア本選。2回戦の千羽山に勝ったあたしたちの次の対戦相手は、かつて豪炎寺がいた木戸川清修だった。
そして今日。あたしと守兄と豪炎寺、そして鬼道と駄菓子屋に行ったとき、木戸川清修のフォワード、武方三兄弟と出会った。
三兄弟は豪炎寺を裏切り者の卑怯者呼ばわりして、それに対して怒った守兄と勝負をすることになった。
あたしだってムカついたけど、女だから入ってくんなって退けられた。言い返そうとしたら、鬼道に押さえられた。
それで河川敷に移動して勝負をした。守兄は武方友のバックトルネードを止めたけど、続けざまに打たれたのは止めきれなかった。
ボールを3つも使った卑怯なやり方。でもそれで勝った気になってて、そこから冒頭に戻る。
「は?ちゃんと決めたんですけど、みたいな?」
「普通1対1だろ!3本も打つなんておかしいよ!」
「止めると言ったのはそちらですがね」
「試合でもボール3個使う気?卑怯者はどっちだっての!」
「なんだと!」
「大体、」
「よせ、美波」
「豪炎寺のことあんな風に言われて、あんなことされて、黙ってらんないよ!」
「説明もせずに去った俺も悪い」
「でも!」
「いいんだ」
「豪炎寺は優しすぎる!」
「そんなことないさ。……理由はどうであれ、決勝に出なかったのは事実なんだからな」
……確かにそうだ。武方三兄弟は、理由を知らないだけ。黙って姿を消した豪炎寺に全く否がないとは、言い切れない。
凄いな、豪炎寺は。あたしだったら、多分言い返してた。でも、それはきっと、ただの言い訳になる。
「けど、シュートを同時に3発打ったことについては別だよ!」
「落ち着け、美波」
「そこまで言うなら、見せてさしあげましょうか」
そして今度は正々堂々と放たれた3兄弟の必殺技、トライアングルZを、守兄は止められなかった。
そこに木戸川清修の監督が来て、サッカープレイヤーなら試合で勝負をしろ言って、その場は収まった。
あと木戸川には、秋、一之瀬、土門のアメリカ時代の仲間がいたらしい。トライペガサスをやったメンバーだとか。
「はあ……」
イライラする。
「でも、美波先輩があんなに怒るところ、初めて見ました」
「俺も久しぶりに見たよ」
「あたしだって、怒ることくらいあるよ」
あの時……、世宇子のアフロディと話した時だってそうだ。
帝国の皆に怪我を負わせておきながら、悪びれもしないなんて。……思い出したら、ますますイライラしてきた。
「3兄弟のことはムカつくけど……実力は確かだった。本当に強かった。凄いと思う。だからなおさらムカつく」
「……」
「それに、」
「もういい」
「わっ」
ポンとあたしの頭に手が乗る。怒らせちゃったかと思って豪炎寺を見たら、呆れ混じりの嬉しそうな顔をしていた。
「それ以上言わなくていい」
「豪炎寺……」
「美波がサッカーバカなのはよくわかっているからな」
「ありがとう?」
「褒めてはいないと思うぞ」
「あれ?」
口を挟んできた鬼道もなんか呆れてる。何でしかめっ面?
「豪炎寺も鬼道も何をしてるんだ。」
「あ、一郎太」
先を歩いてた一郎太も声をかけてきた。てかさっきからずっと豪炎寺が頭を撫でてくる。
「ねえ、結んでるのが崩れるんだけど」
「そうか」
「そうかって」
一郎太は機嫌悪そうだし、鬼道の表情は読めないしで、間に挟まれてるあたしは一体。
「そろそろ撫でるのをやめたらどうだ?」
「それもそうだな。ところで風丸、その手はどうした」
「俺も美波を撫でようと思ったんだ」
「しかしタイミングがわからない、ということか」
「教えてやろうか」
「余計なお世話だ。……ああ、豪炎寺は夕香ちゃんがいるから慣れてるのか。美波も妹だしな」
「別にそういうわけじゃない」
「ほう。ならどういうわけなんだ?」
何がなんだか……。宍戸もおろおろしてるし。そう思ってたら、前を歩いてた守兄がこっちに歩いてきた。
「何やってんだよ、お前ら」
「見ての通りだが」
「へー」
「どうしたの、守兄?」
「なんでもない!それより大丈夫か、美波」
「大丈夫って、さっきのこと?」
「ああ。俺たちは仲間だからな。仲間を悪く言われていい気分にはならないよな!」
「そうなんだよ!……事情を知らないのは仕方ないけど、あんなに責めなくてもいいと思うんだよね」
でも、あたしは木戸川にいた頃の豪炎寺を知らない。部内でどんな存在だったのかも。ある意味、知らないのはお互い様だ。
それにしても守兄、仲間のとこを妙に強調して言ってたような。まあ、豪炎寺は前は木戸川でも今は雷門の仲間だもんね。
今までのことを振り替えると、豪炎寺が転校してきたことが、全ての始まりだったように思える。
「行くぞ、美波!今日は奢る!」
「この前雑誌買ってなかったっけ?」
「あ……。……大丈夫だって!」
守兄に手を引かれるままに速歩き。守兄こそ、あまり落ち込んでないようでよかったと思った。
(……何故か負けたような気がするな)
(……円堂は強敵だぞ。俺は一度も勝てたことがない)
(だろうな)
(あ、財布家に忘れたんだった……)
(え、大丈夫なんですか!?)
(……あたしが立て替えるよ)
***
タイトルに深い意味はない。修正前は円堂さんの言動がもっとやばめだったり。
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