荒波一期(仮)
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「でさ、鬼道って本当に凄いんだよ!」
「まあ鬼道だからな」
「うんうん!流石は天才ゲームメーカーって感じで……」
鬼道が雷門に入って、大分経った。鬼道だけではなく美波もよく会いに来てくれている。ただ、
最近の美波は鬼道の話ばかりする。
別に聞いているのが嫌な訳じゃない。逆に雷門に入った鬼道のことが心配だったところもあったから、話してくれて少し安心する。
でも、美波が鬼道の話をする度に、自分でもよくわからない感情が、込み上げてくる。
「さっくん?」
「……悪い、ちょっとぼーっとしてた」
「そう?どこか調子悪いとこない?大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
「ならいいけど……。でさ、鬼道が……」
ほら、また鬼道だ。……もしかして、美波は鬼道のことが好きなのか?
「なあ」
「ん?」
「好きなのか?鬼道のことが」
「鬼道のこと?そりゃもちろん好きだけど」
「……じゃあ、俺は?」
「当然、さっ君のことも好きだよ」
「なら、円堂達は」
「守兄も一朗太も豪炎寺も、皆好きだけど……それがどうかしたの?」
……なんていうか、美波らしい返答だった。
「そうだよな。美波はサッカーバカだし……俺の考え過ぎか」
「何だよそれ!」
「サッカーバカだから苦労するんだよな……」
「おーいおーい!」
「ちゃんと聞こえてるよ」
「何だ」
へらりといつものように笑った美波を見て、自然と俺も笑う。
幼馴染みとか、同じチームとか……時々雷門のやつらが羨ましくなる。けど、条件はあまり変わらなさそうだ。
あっという間に時間は過ぎて、もう外は暗くなっていた。
「そろそろ帰った方がいいんじゃないか?」
「え?うわ真っ暗。守兄に怒られるかも」
「円堂らしいな」
「いや怒り方が笑いごとじゃないんだって!」
「そうなのか」
「まあ、仕方ないっちゃ仕方ないのかな……」
「何かあったのか?」
「んー、小学生の時にちょっとね」
そう言いながら美波はてきぱきと身支度をした。
「じゃ!」
「ああ」
………………。
「……あのさ」
「何だ?」
「手、離してほしいなーって」
「え」
視線を下げると、俺の手は美波の制服の裾を掴んでいた。
「……悪い」
「あはは、気にしてないって」
「また来いよ」
「当たり前だよ!また来るね!源田にもよろしく!」
そう言って、美波は出ていった。
「……」
美波がいないだけで、病室がこんなにも静かに感じるなんて。
「はあ…」
どうしたら、美波は俺のことを見てくれるのだろう。
……強くなれば、
「鬼道より強くなれば……」
美波は俺のことを見てくれるだろうか。
***
とりあえずここから真・帝国に繋がる感じです。
「まあ鬼道だからな」
「うんうん!流石は天才ゲームメーカーって感じで……」
鬼道が雷門に入って、大分経った。鬼道だけではなく美波もよく会いに来てくれている。ただ、
最近の美波は鬼道の話ばかりする。
別に聞いているのが嫌な訳じゃない。逆に雷門に入った鬼道のことが心配だったところもあったから、話してくれて少し安心する。
でも、美波が鬼道の話をする度に、自分でもよくわからない感情が、込み上げてくる。
「さっくん?」
「……悪い、ちょっとぼーっとしてた」
「そう?どこか調子悪いとこない?大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ」
「ならいいけど……。でさ、鬼道が……」
ほら、また鬼道だ。……もしかして、美波は鬼道のことが好きなのか?
「なあ」
「ん?」
「好きなのか?鬼道のことが」
「鬼道のこと?そりゃもちろん好きだけど」
「……じゃあ、俺は?」
「当然、さっ君のことも好きだよ」
「なら、円堂達は」
「守兄も一朗太も豪炎寺も、皆好きだけど……それがどうかしたの?」
……なんていうか、美波らしい返答だった。
「そうだよな。美波はサッカーバカだし……俺の考え過ぎか」
「何だよそれ!」
「サッカーバカだから苦労するんだよな……」
「おーいおーい!」
「ちゃんと聞こえてるよ」
「何だ」
へらりといつものように笑った美波を見て、自然と俺も笑う。
幼馴染みとか、同じチームとか……時々雷門のやつらが羨ましくなる。けど、条件はあまり変わらなさそうだ。
あっという間に時間は過ぎて、もう外は暗くなっていた。
「そろそろ帰った方がいいんじゃないか?」
「え?うわ真っ暗。守兄に怒られるかも」
「円堂らしいな」
「いや怒り方が笑いごとじゃないんだって!」
「そうなのか」
「まあ、仕方ないっちゃ仕方ないのかな……」
「何かあったのか?」
「んー、小学生の時にちょっとね」
そう言いながら美波はてきぱきと身支度をした。
「じゃ!」
「ああ」
………………。
「……あのさ」
「何だ?」
「手、離してほしいなーって」
「え」
視線を下げると、俺の手は美波の制服の裾を掴んでいた。
「……悪い」
「あはは、気にしてないって」
「また来いよ」
「当たり前だよ!また来るね!源田にもよろしく!」
そう言って、美波は出ていった。
「……」
美波がいないだけで、病室がこんなにも静かに感じるなんて。
「はあ…」
どうしたら、美波は俺のことを見てくれるのだろう。
……強くなれば、
「鬼道より強くなれば……」
美波は俺のことを見てくれるだろうか。
***
とりあえずここから真・帝国に繋がる感じです。
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