第1話 集結!日本代表!!
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「やったね美波ちゃんっ!」
「おわっ」
響木監督が出ていった瞬間、周りで話を聞いていたみんながワッと沸く。そんな中、士郎くんに抱き付かれた。
「一緒に、世界に行こう!」
「うん!」
「おい吹雪、離れろ」
「いたたたた」
「守兄、士郎くん痛がってるからやめて」
渋々と守兄が士郎くんを離す。そして何故かリュウジが大爆笑していた。
「へー、吹雪って美波のこと好きなんだ」
「うん、好きだよ」
……多分、リュウジは軽い気持ちでそう言ったんだと思う。けど、当たり前とでも言うように返した士郎くんに、北海道でのことを思い出した。
「……顔が赤いぞ」
「へっ、そそ、そんなことないよ豪炎寺!」
「あ、意識してくれてるんだね」
「いやいやいやいや違う違う!誤解だよ!」
「ああそうだ。風丸くんの告白はノーカンらしいよ」
「は!?」
「士郎くんんん!!?」
いいように引っ掻き回されている。その時、ふと視線を感じて振り返ると、ヒロトがいた。
「どうかした?」
「いや……なんでもないよ」
「そっか」
それにしても、だ。いくら選考だからって、鬼道と明王ちゃんが同じチームだなんて、先行き不安だ。佐久間も苛立ってるし。
騒がしいのを注意するように、なっちゃんがパンパンっと手を打ち鳴らした。これからユニフォームを配るらしい。
「Aチームの人は、こっちに来て下さい!」
「Bチームはこっちです!」
「秋がAチーム、春ちゃんがBチームのマネージャーか。なっちゃんは?」
「私は……。……そんなことより、受からないと貴女にユニフォームはないわよ。絶対に受かりなさい!これは」
「理事長の言葉と思ってもらっても構いません?」
「……いえ、私自身からの言葉よ」
先手を打ってみたら、小さな声でそう言われた。そっぽを向きながら、「頑張りなさい」となっちゃんは言う。
「なっちゃんは相変わらずの照れ屋さんだねー」
「違うわよ!もう!」
「これが日本代表のユニフォームか!」
『おおっ!』
「……おー」
ユニフォームを配られたAチームは、その場で着替えだした。そんな男子たちに、秋は顔を赤らめて後ろを向いていた。
対してBチームは、春ちゃんを気にして、特にそういった素振りは見せない。チームワークは心配だけど、そういう面では、大人だ。
鬼道が牽制しているようにも見えなくもない。夕弥が引いている気がする。やっぱり、鬼道もシスコンなのか。
Aチームに視線を戻すと、嬉しそうなヒロトの表情が視界に入った。
「……あら、どうかしたの?」
「や、大したことじゃないだけど、ヒロトも年相応なとこあるんだなあって」
「基山くん?」
「落ち着いてて、大人びてる感じがするっていうか、浮世離れしてる?だから、あんな表情もするんだなーって」
「よく見てるのね」
「そうかなあ」
そんなこと、無いと思うけど。
「なんか、身が引き締まる感じだな!」
「俺……俺……!」
「あれ?またトイレ?」
「感無量っすーーー!」
「おいおい。ユニフォームだけで泣いてたら、代表に選ばれた時身が持たねえぞ!」
「青い海の色だ。気に入ったぜ!」
「これを着て、世界の舞台でサッカーしたいよね!」
「それにはまず、代表に選ばれないと」
「俺は負けないぜ!」
「ああ。ライバルとして競い合おう」
「これを着て、絶対世界に行くぞ!」
『おーっ!』
海や雲一つない空のような、そんな青を映したみたいな、青いユニフォーム。Bチームは、アウェイカラーの白だ。
……ちょっとだけ、羨ましいな。
「んにしてもなー、どこに泊まろうか」
「なら皆俺ん家来いよ!なっ?」
「じゃあ、お邪魔させてもらおうかな」
「僕も」
「木暮!立向居!緑川!お前らも泊まってけよ!」
「いいんですか?」
「勿論だ!美波もいいよな?」
「うん!」
「でも美波に手ぇ出したから外に放り出すからな。特に吹雪!」
「守兄……」
なんか……露骨になったね。土方は、豪炎寺の家に泊まるらしい。沖縄で匿ってもらった恩返し、ってとこか。
……明王ちゃんは、頼れる人はいるのだろうか。
「あっきおちゃん!」
「煩ェ」
「泊まるとこないならうちにおいでよ!」
「は?」
「なっ……美波!」
「ソイツが何をしたのか、忘れた訳ではないだろう」
驚く一郎太に、冷たさを孕んだ言葉を吐く鬼道。皆明王ちゃんのこと、本当に嫌いなんだなと苦笑する。
「もし何かあったら責任はあたしが取るよ。……代表候補は降りる」
「っ、おい!」
「大丈夫だって!ね、明王ちゃん」
「俺は泊まるなんて一言も言ってねーだろ」
「守兄!いいよね!」
「美波が言うなら、まあ……」
「キャプテンっ!」
士郎くんが苦々しげな表情をして、そんな士郎くんを、何があったのか知ってか知らずか、ヒロトが宥める。
「ねー、明王ちゃん!」
「チッ……。……ったく、わーったよ。だから離れろバカ女!」
「や・だ・ね」
「なんなんっ……」
文句が突然途切れた。そして漂う異様な雰囲気。守兄と、一郎太と……士郎くん?……流石に察せざるを得ない。
……とにかく!明王ちゃんの泊まり先決定だ!
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「おわっ」
響木監督が出ていった瞬間、周りで話を聞いていたみんながワッと沸く。そんな中、士郎くんに抱き付かれた。
「一緒に、世界に行こう!」
「うん!」
「おい吹雪、離れろ」
「いたたたた」
「守兄、士郎くん痛がってるからやめて」
渋々と守兄が士郎くんを離す。そして何故かリュウジが大爆笑していた。
「へー、吹雪って美波のこと好きなんだ」
「うん、好きだよ」
……多分、リュウジは軽い気持ちでそう言ったんだと思う。けど、当たり前とでも言うように返した士郎くんに、北海道でのことを思い出した。
「……顔が赤いぞ」
「へっ、そそ、そんなことないよ豪炎寺!」
「あ、意識してくれてるんだね」
「いやいやいやいや違う違う!誤解だよ!」
「ああそうだ。風丸くんの告白はノーカンらしいよ」
「は!?」
「士郎くんんん!!?」
いいように引っ掻き回されている。その時、ふと視線を感じて振り返ると、ヒロトがいた。
「どうかした?」
「いや……なんでもないよ」
「そっか」
それにしても、だ。いくら選考だからって、鬼道と明王ちゃんが同じチームだなんて、先行き不安だ。佐久間も苛立ってるし。
騒がしいのを注意するように、なっちゃんがパンパンっと手を打ち鳴らした。これからユニフォームを配るらしい。
「Aチームの人は、こっちに来て下さい!」
「Bチームはこっちです!」
「秋がAチーム、春ちゃんがBチームのマネージャーか。なっちゃんは?」
「私は……。……そんなことより、受からないと貴女にユニフォームはないわよ。絶対に受かりなさい!これは」
「理事長の言葉と思ってもらっても構いません?」
「……いえ、私自身からの言葉よ」
先手を打ってみたら、小さな声でそう言われた。そっぽを向きながら、「頑張りなさい」となっちゃんは言う。
「なっちゃんは相変わらずの照れ屋さんだねー」
「違うわよ!もう!」
「これが日本代表のユニフォームか!」
『おおっ!』
「……おー」
ユニフォームを配られたAチームは、その場で着替えだした。そんな男子たちに、秋は顔を赤らめて後ろを向いていた。
対してBチームは、春ちゃんを気にして、特にそういった素振りは見せない。チームワークは心配だけど、そういう面では、大人だ。
鬼道が牽制しているようにも見えなくもない。夕弥が引いている気がする。やっぱり、鬼道もシスコンなのか。
Aチームに視線を戻すと、嬉しそうなヒロトの表情が視界に入った。
「……あら、どうかしたの?」
「や、大したことじゃないだけど、ヒロトも年相応なとこあるんだなあって」
「基山くん?」
「落ち着いてて、大人びてる感じがするっていうか、浮世離れしてる?だから、あんな表情もするんだなーって」
「よく見てるのね」
「そうかなあ」
そんなこと、無いと思うけど。
「なんか、身が引き締まる感じだな!」
「俺……俺……!」
「あれ?またトイレ?」
「感無量っすーーー!」
「おいおい。ユニフォームだけで泣いてたら、代表に選ばれた時身が持たねえぞ!」
「青い海の色だ。気に入ったぜ!」
「これを着て、世界の舞台でサッカーしたいよね!」
「それにはまず、代表に選ばれないと」
「俺は負けないぜ!」
「ああ。ライバルとして競い合おう」
「これを着て、絶対世界に行くぞ!」
『おーっ!』
海や雲一つない空のような、そんな青を映したみたいな、青いユニフォーム。Bチームは、アウェイカラーの白だ。
……ちょっとだけ、羨ましいな。
「んにしてもなー、どこに泊まろうか」
「なら皆俺ん家来いよ!なっ?」
「じゃあ、お邪魔させてもらおうかな」
「僕も」
「木暮!立向居!緑川!お前らも泊まってけよ!」
「いいんですか?」
「勿論だ!美波もいいよな?」
「うん!」
「でも美波に手ぇ出したから外に放り出すからな。特に吹雪!」
「守兄……」
なんか……露骨になったね。土方は、豪炎寺の家に泊まるらしい。沖縄で匿ってもらった恩返し、ってとこか。
……明王ちゃんは、頼れる人はいるのだろうか。
「あっきおちゃん!」
「煩ェ」
「泊まるとこないならうちにおいでよ!」
「は?」
「なっ……美波!」
「ソイツが何をしたのか、忘れた訳ではないだろう」
驚く一郎太に、冷たさを孕んだ言葉を吐く鬼道。皆明王ちゃんのこと、本当に嫌いなんだなと苦笑する。
「もし何かあったら責任はあたしが取るよ。……代表候補は降りる」
「っ、おい!」
「大丈夫だって!ね、明王ちゃん」
「俺は泊まるなんて一言も言ってねーだろ」
「守兄!いいよね!」
「美波が言うなら、まあ……」
「キャプテンっ!」
士郎くんが苦々しげな表情をして、そんな士郎くんを、何があったのか知ってか知らずか、ヒロトが宥める。
「ねー、明王ちゃん!」
「チッ……。……ったく、わーったよ。だから離れろバカ女!」
「や・だ・ね」
「なんなんっ……」
文句が突然途切れた。そして漂う異様な雰囲気。守兄と、一郎太と……士郎くん?……流石に察せざるを得ない。
……とにかく!明王ちゃんの泊まり先決定だ!
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