第14話 アジア最強!ファイアードラゴン!!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
試合に向けて各々がウォーミングアップを始める。その中でも、ヒロトとリュウジは特に神妙な顔をしていた。
「どしたの二人共」
「いや……美波、二人が韓国代表って知ってたのか?」
「ううん。最近電話あったけど、代表の話はしてなかったから今知った。多分治も知らないと思う」
「姉さんはこれを知ってて……。……バーンにガゼルが相手か。こうしてまた彼らと戦うことになるなんて」
「まさに青天の霹靂だな。だが、こうしてエイリア学園の仲間達と戦い続けるのは、俺達の運命なのかもしれない」
「なるほど。……なら、なおのこと負けられないな。あいつらの思いにかけても」
「ああ!」
ここにはいない治達の思いも背負って、ヒロトとリュウジは決勝戦に挑む。……戦い続ける運命、か。
「なんか、ちょっと寂しいかもな。家族なのに」
「ただあの頃を引き摺ってるだけじゃないさ。家族だからこそ負けられない、譲れないものがあるんだ」
「……そっか、そうだよね。よしっ、絶対勝って世界に行こうね!」
「「おう!!」」
勝手に寂しい気持ちになったら駄目だな。負けたくないって競い合うのは悪いことじゃない。仲間としてライバルとして、実力を高め合うんだ。
飛鷹は鈴目のこともあって一層気合いが入ってる。気合いが空回りしないか少し心配だ。でも、そこは皆でフォローすればいい。
守兄や豪炎寺も含めて、胸に思うことはそれぞれ違うけれど、この試合に勝ちたいって気持ちは全員同じなんだから。……かと思えば。
「やれやれ、厄介な連中が来たもんだぜ」
「不動!」
「まあこっちにも、日本が誇る天才ゲームメーカー様がいるから大丈夫だろうけど」
「いいか不動、これは皆の力を合わせなければ決して勝てない試合だぞ!」
「ハッ、いいじゃねえか!どうせ俺は今日も出番無しさ。せいぜい頑張ってくれよ、鬼道クン?」
いつまで経っても明王ちゃんは憎まれ口で、鬼道とギスギスしていた。どうしてこう何に対しても皮肉言わないと気が済まないんだ。
「そう思ってるから本当に出番が回って来ないんだったりして」
「何だと!?」
「明王ちゃん言ってたじゃん、勝ちに必要な奴が選ばれるって。とうせ出番無しなんて気持ちじゃ勝ちに必要な選手になれないよ」
「チッ……」
「鬼道の言う通り、この試合は皆の力を合わせなきゃ勝てない。明王ちゃんの力が必要になる時がきっと来る!」
「言わせておけば勝手なことばっか言いやがって。……俺が出る時は足引っ張るなよ」
「おうともよ!全力でついてく!」
「俺とお前が同時に出られるとは限らないけどな」
「その時はその時!鬼道もよろしくね!」
「あいつに連携する意思があるならな。……あまり奴に構うな」
「それ一郎太にも言われたけど世界に行くならこのままはやっぱり駄目だと思う」
言っても言ってもしかめっ面で皺の寄ってる鬼道の眉間をつついたら、頬を引っ張り返された。いつもの鬼道、かな?
守兄に豪炎寺、最後の試合、飛鷹、鬼道、明王ちゃん、世界がかかった試合、アフロディと晴矢と風介。考えることが山ほどあって大変だ。
とにもかくにも試合まであと僅か。ハチマキを結び直して気合いを入れ直す。これでよし!準備万端!
あとは監督からのスタメン発表を待つだけだ。そろそろだろうか。今回こそ選ばれたい。周りの様子を窺っていると、飛び込んできたのは衝撃的な言葉。
――お前にはスターティングメンバーから外れてもらう。
聞こえてきた監督のよく通る声にドキリとした。お前って誰のことだろう。視線を向けると、監督の前には守兄がいた。まさか!
今の声は皆も聞いてたらしくて、誰も彼もが愕然とした表情をしている。イナズマジャパンは守兄が中心のチーム。それが決勝戦を前にこんなことになるなんて。
「じゃあ、ゲームキャプテンは誰がやるんだ?」
条兄の言葉に更に皆がざわめく。そうだ。守兄が試合が出ないなら、キャプテンマークは誰が。この中なら纏め役は鬼道が適任だと思う。チームの司令塔だし。
いやでも司令塔とゲームキャプテンを兼任させるのは負担が大きいかな?じゃあ……。
「円堂」
「はい!」
今の円堂はあたしのことだ。何だろうと思っていれば、差し出されたのは普段は守兄の左腕が定位置の赤。
「この試合、お前が付けろ」
言われた言葉に頭の中が真っ白になった。キャプテンマークを、あたしが?
「何で、あたしが」
「早くしろ」
キャプテンマークを乗せられた手が震える。軽いのに、ずっしりと重く思えた。皆の視線が集中してるのを感じるけど、顔を上げるのが怖い。
何であたしなんだろう。鬼道に士郎くん、ヒロト、リュウジ、条兄。このチームにキャプテン経験のある選手は沢山いる。皆、あたしより出来る人達だ。
チームを率いる責任、重圧、覚悟。世界がかかった試合。もし、負けたら、そこで終わり。
体が震え出す。止めたいのに止まらない。何で、何で。収まれ!
「っ!」
「美波」
「豪炎寺……」
震えるあたしの肩を掴んだのは豪炎寺だった。そうだ、この試合は、豪炎寺との最後の試合でもあるんだ。始まる前から、負けるかもなんて考えちゃ駄目だ。
勝利の女神がどちらに微笑むかなんて、最後まで分からないんだから。
「あの、さ……情けないんだけど、つけて貰っていい?」
黙って頷いた豪炎寺は、何も言わずにつけてくれた。左腕についた赤い輪。
「勝つぞ、美波」
皆の顔を見回す。闘志は十分。このチームなら、皆となら大丈夫。
「皆……絶対に勝つぞ!」
『おう!』
.
「どしたの二人共」
「いや……美波、二人が韓国代表って知ってたのか?」
「ううん。最近電話あったけど、代表の話はしてなかったから今知った。多分治も知らないと思う」
「姉さんはこれを知ってて……。……バーンにガゼルが相手か。こうしてまた彼らと戦うことになるなんて」
「まさに青天の霹靂だな。だが、こうしてエイリア学園の仲間達と戦い続けるのは、俺達の運命なのかもしれない」
「なるほど。……なら、なおのこと負けられないな。あいつらの思いにかけても」
「ああ!」
ここにはいない治達の思いも背負って、ヒロトとリュウジは決勝戦に挑む。……戦い続ける運命、か。
「なんか、ちょっと寂しいかもな。家族なのに」
「ただあの頃を引き摺ってるだけじゃないさ。家族だからこそ負けられない、譲れないものがあるんだ」
「……そっか、そうだよね。よしっ、絶対勝って世界に行こうね!」
「「おう!!」」
勝手に寂しい気持ちになったら駄目だな。負けたくないって競い合うのは悪いことじゃない。仲間としてライバルとして、実力を高め合うんだ。
飛鷹は鈴目のこともあって一層気合いが入ってる。気合いが空回りしないか少し心配だ。でも、そこは皆でフォローすればいい。
守兄や豪炎寺も含めて、胸に思うことはそれぞれ違うけれど、この試合に勝ちたいって気持ちは全員同じなんだから。……かと思えば。
「やれやれ、厄介な連中が来たもんだぜ」
「不動!」
「まあこっちにも、日本が誇る天才ゲームメーカー様がいるから大丈夫だろうけど」
「いいか不動、これは皆の力を合わせなければ決して勝てない試合だぞ!」
「ハッ、いいじゃねえか!どうせ俺は今日も出番無しさ。せいぜい頑張ってくれよ、鬼道クン?」
いつまで経っても明王ちゃんは憎まれ口で、鬼道とギスギスしていた。どうしてこう何に対しても皮肉言わないと気が済まないんだ。
「そう思ってるから本当に出番が回って来ないんだったりして」
「何だと!?」
「明王ちゃん言ってたじゃん、勝ちに必要な奴が選ばれるって。とうせ出番無しなんて気持ちじゃ勝ちに必要な選手になれないよ」
「チッ……」
「鬼道の言う通り、この試合は皆の力を合わせなきゃ勝てない。明王ちゃんの力が必要になる時がきっと来る!」
「言わせておけば勝手なことばっか言いやがって。……俺が出る時は足引っ張るなよ」
「おうともよ!全力でついてく!」
「俺とお前が同時に出られるとは限らないけどな」
「その時はその時!鬼道もよろしくね!」
「あいつに連携する意思があるならな。……あまり奴に構うな」
「それ一郎太にも言われたけど世界に行くならこのままはやっぱり駄目だと思う」
言っても言ってもしかめっ面で皺の寄ってる鬼道の眉間をつついたら、頬を引っ張り返された。いつもの鬼道、かな?
守兄に豪炎寺、最後の試合、飛鷹、鬼道、明王ちゃん、世界がかかった試合、アフロディと晴矢と風介。考えることが山ほどあって大変だ。
とにもかくにも試合まであと僅か。ハチマキを結び直して気合いを入れ直す。これでよし!準備万端!
あとは監督からのスタメン発表を待つだけだ。そろそろだろうか。今回こそ選ばれたい。周りの様子を窺っていると、飛び込んできたのは衝撃的な言葉。
――お前にはスターティングメンバーから外れてもらう。
聞こえてきた監督のよく通る声にドキリとした。お前って誰のことだろう。視線を向けると、監督の前には守兄がいた。まさか!
今の声は皆も聞いてたらしくて、誰も彼もが愕然とした表情をしている。イナズマジャパンは守兄が中心のチーム。それが決勝戦を前にこんなことになるなんて。
「じゃあ、ゲームキャプテンは誰がやるんだ?」
条兄の言葉に更に皆がざわめく。そうだ。守兄が試合が出ないなら、キャプテンマークは誰が。この中なら纏め役は鬼道が適任だと思う。チームの司令塔だし。
いやでも司令塔とゲームキャプテンを兼任させるのは負担が大きいかな?じゃあ……。
「円堂」
「はい!」
今の円堂はあたしのことだ。何だろうと思っていれば、差し出されたのは普段は守兄の左腕が定位置の赤。
「この試合、お前が付けろ」
言われた言葉に頭の中が真っ白になった。キャプテンマークを、あたしが?
「何で、あたしが」
「早くしろ」
キャプテンマークを乗せられた手が震える。軽いのに、ずっしりと重く思えた。皆の視線が集中してるのを感じるけど、顔を上げるのが怖い。
何であたしなんだろう。鬼道に士郎くん、ヒロト、リュウジ、条兄。このチームにキャプテン経験のある選手は沢山いる。皆、あたしより出来る人達だ。
チームを率いる責任、重圧、覚悟。世界がかかった試合。もし、負けたら、そこで終わり。
体が震え出す。止めたいのに止まらない。何で、何で。収まれ!
「っ!」
「美波」
「豪炎寺……」
震えるあたしの肩を掴んだのは豪炎寺だった。そうだ、この試合は、豪炎寺との最後の試合でもあるんだ。始まる前から、負けるかもなんて考えちゃ駄目だ。
勝利の女神がどちらに微笑むかなんて、最後まで分からないんだから。
「あの、さ……情けないんだけど、つけて貰っていい?」
黙って頷いた豪炎寺は、何も言わずにつけてくれた。左腕についた赤い輪。
「勝つぞ、美波」
皆の顔を見回す。闘志は十分。このチームなら、皆となら大丈夫。
「皆……絶対に勝つぞ!」
『おう!』
.