第14話 アジア最強!ファイアードラゴン!!
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決勝戦当日。一足先に出た久遠監督と冬花さん以外のメンバーで、スタジアムへ向かう。試合に向けて気分が高揚していく中で、豪炎寺は静かだった。
試合前に何かかけられる言葉はないか考えてると、突然キャラバンが急ブレーキで止まった。窓から外を窺うと、行く手にはデコチャリに乗った不良集団が立ち塞がっていた。誰!?
それを見て飛鷹が飛び出した。先頭にいたリーダーらしい奴――唐須?にセンパイと呼ばれたってことは飛鷹の知り合いか。それにしては雰囲気が嫌な感じがする。
応援に来たなんて言ってるけど、キャラバンの行く手を邪魔するように立ち並んでるあたり、完全に嫌がらせ目的にしか見えない。
無理に通ろうとすれば喧嘩だと騒ぎ立てて、決勝戦が出場停止になるように仕向けるつもりなんだ。こんな奴らの為に飛鷹が残る必要なんてない!
「飛鷹はお前らの相手なんかしないし喧嘩もしない。一緒に決勝戦に出るんだ!」
「あれェ、この前はいなかった……。女が出来たんなら紹介して下さいよォ、水臭いじゃないですか飛鷹サン」
「円堂は仲間だ。そういうのじゃない」
「どいてくれ飛鷹俺がやる。美波は俺の妹だ」
「守兄は話をややこしくしないで!」
「大丈夫だ。それに間違いは訂正しなきゃ駄目だ」
「守黙って」
「ごめん」
「飛鷹も!ほら、戻るよ!スタジアムに行くんだ!」
「元々は俺が招いた問題。……円堂、俺はこんなことで、皆の夢を台無しにしたり出来ない」
背を向けた飛鷹が進み出る。本気で足止めする気なんだ。自分を犠牲にしてまで……!
「お前も一緒に試合に出るんだ。誰一人欠けちゃいけない。俺達は、全員でイナズマジャパンなんだ」
誰一人欠けちゃいけない。飛鷹だけじゃない、豪炎寺もだ。……まだチームに馴染めてない明王ちゃんだってそう。マネージャーの皆も目金も監督も、全員でイナズマジャパン。
なおも飛びかかってこようとした唐須達とあたし達の間に飛び込んできたのは、スケボーに乗った三人組。飛鷹に鈴目と呼ばれた男の子が急ぐよう声をかける。
「飛鷹さんが活躍するのが、俺達の夢なんです。羽ばたいてください、飛鷹さん。世界に!」
「世界に……」
「行こう、飛鷹。鈴目達の思いも一緒にさ!」
「円堂……ああ!」
とにもかくにも時間が無い。縺れるように乗り込めば、キャラバンは急発進する。
「いい友達だね、飛鷹。今度紹介して!そんでもってサッカーやろう!」
「……ああ、そうだな。俺もあいつらにサッカーを教えたい」
そう話してたら席に座れと鬼道に怒られた。わかってるって!
到着予定時間は過ぎたもののどうにかスタジアムに着いた。控え室で準備してグラウンドへ向かえば、沢山の観客と歓声が迎えてくれる。
いよいよ決勝戦。勝てば世界。それぞれが意気込む中で、懐かしい、聞き覚えのある声が響いた。
「元気そうだね。それでこそ、全力で倒す価値があるというもの」
「あ、アフロディ!」
「やっと会えたね」
「長くて退屈したぜ、決勝戦までの道のりは」
現れたのはなんとアフロディで、その後ろから進み出てきたのは晴矢と風介だった。三人が着ている赤いユニフォームは、韓国代表ファイアードラゴンの証。
開いた口が塞がらないあたし達にアフロディが説明してくれた。なんでもアフロディの母国は韓国で、晴矢と風介はあたし達と戦う為にアフロディのスカウトを受けたそうだ。
苛酷な特訓をしてきたという三人は以前と雰囲気が違う。より気迫が強くなったって感じだ。でも、特訓を積んできたのはあたし達だって同じ筈!
そしてもう一人、チェ・チャンスウという選手。にこやかに挨拶されたけど、油断ならない圧を感じる。フィールドには竜がいる、か。ファイアードラゴンだから?
「存じておりますよ。円堂美波さん」
「ん?あ、あたし?」
「ええ、南雲と涼野から話は聞いています。何でも、日本の龍の使い手だとか」
「はあ……ありがとうございます」
龍って必殺技の水龍のことだろうか。いやそこまで言ってねえよ、と晴矢のぼやきが聞こえた。何なんだ。風介はうんうん頷いてるし何を話したんだ。
「我々韓国の龍と日本の龍。どちらの龍が強いか、この試合で雌雄を決することになるでしょう」
言葉とは裏腹に自信たっぷりな表情だ。龍か。でも、ファイアードラゴンを龍のチームとするなら、イナズマジャパンはそうじゃない。
イナズマジャパンはあたしのチームじゃない。あたしなんか全然だ。それでも世界一になる為に、ここまで頑張ってきた。力を合わせて戦ってきた。
皆で繋いで、皆で勝利を目指す。それが日本代表、イナズマジャパン。
「勝つのはイナズマジャパンだよ」
「へえ、そうこなくっちゃな」
「美波ならそう言うと思っていたよ」
「あいつらはどうなんだろうな」
笑う晴矢と風介の視線の先にはヒロトとリュウジ。元エイリア学園として、あの二人には特にライバル心を燃やしてるんだな。
「ま、美波は俺達の味方だろ」
「え、何それ」
「何だ、応援してくれるんじゃなかったのか」
「あっあれは、あの時は知らなかったから!こうなったからには話が別!ライバルだよ!」
「ああ、その通りだ。互いにどれだけ努力を重ねようと、試合となれば勝者は一チームのみ」
「俺達の力、見せてやるぜ!」
そう啖呵を切って、彼らは戻っていった。試合前に凄いことになった……。アフロディに晴矢に風介。強敵だった三人と、またこうして戦うことになるなんて。
今の三人の攻撃力は計り知れない。間違いなくこれまでで一番の激戦になる。仕掛けてくるだろう猛攻に備えて、気を引き締めてディフェンスしないと。
チェ・チャンスウについては目金が説明してくれた。フィールドを支配する韓国の司令塔。竜を操る者とも呼ばれ、完全なる戦術と称されるゲームメイクをする選手。
凄い司令塔なのはわかったけど、うちにだって天才ゲームメーカーがいる!絶対負けてない!完全なる戦術ってやつだって、このチームなら攻略出来る!
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試合前に何かかけられる言葉はないか考えてると、突然キャラバンが急ブレーキで止まった。窓から外を窺うと、行く手にはデコチャリに乗った不良集団が立ち塞がっていた。誰!?
それを見て飛鷹が飛び出した。先頭にいたリーダーらしい奴――唐須?にセンパイと呼ばれたってことは飛鷹の知り合いか。それにしては雰囲気が嫌な感じがする。
応援に来たなんて言ってるけど、キャラバンの行く手を邪魔するように立ち並んでるあたり、完全に嫌がらせ目的にしか見えない。
無理に通ろうとすれば喧嘩だと騒ぎ立てて、決勝戦が出場停止になるように仕向けるつもりなんだ。こんな奴らの為に飛鷹が残る必要なんてない!
「飛鷹はお前らの相手なんかしないし喧嘩もしない。一緒に決勝戦に出るんだ!」
「あれェ、この前はいなかった……。女が出来たんなら紹介して下さいよォ、水臭いじゃないですか飛鷹サン」
「円堂は仲間だ。そういうのじゃない」
「どいてくれ飛鷹俺がやる。美波は俺の妹だ」
「守兄は話をややこしくしないで!」
「大丈夫だ。それに間違いは訂正しなきゃ駄目だ」
「守黙って」
「ごめん」
「飛鷹も!ほら、戻るよ!スタジアムに行くんだ!」
「元々は俺が招いた問題。……円堂、俺はこんなことで、皆の夢を台無しにしたり出来ない」
背を向けた飛鷹が進み出る。本気で足止めする気なんだ。自分を犠牲にしてまで……!
「お前も一緒に試合に出るんだ。誰一人欠けちゃいけない。俺達は、全員でイナズマジャパンなんだ」
誰一人欠けちゃいけない。飛鷹だけじゃない、豪炎寺もだ。……まだチームに馴染めてない明王ちゃんだってそう。マネージャーの皆も目金も監督も、全員でイナズマジャパン。
なおも飛びかかってこようとした唐須達とあたし達の間に飛び込んできたのは、スケボーに乗った三人組。飛鷹に鈴目と呼ばれた男の子が急ぐよう声をかける。
「飛鷹さんが活躍するのが、俺達の夢なんです。羽ばたいてください、飛鷹さん。世界に!」
「世界に……」
「行こう、飛鷹。鈴目達の思いも一緒にさ!」
「円堂……ああ!」
とにもかくにも時間が無い。縺れるように乗り込めば、キャラバンは急発進する。
「いい友達だね、飛鷹。今度紹介して!そんでもってサッカーやろう!」
「……ああ、そうだな。俺もあいつらにサッカーを教えたい」
そう話してたら席に座れと鬼道に怒られた。わかってるって!
到着予定時間は過ぎたもののどうにかスタジアムに着いた。控え室で準備してグラウンドへ向かえば、沢山の観客と歓声が迎えてくれる。
いよいよ決勝戦。勝てば世界。それぞれが意気込む中で、懐かしい、聞き覚えのある声が響いた。
「元気そうだね。それでこそ、全力で倒す価値があるというもの」
「あ、アフロディ!」
「やっと会えたね」
「長くて退屈したぜ、決勝戦までの道のりは」
現れたのはなんとアフロディで、その後ろから進み出てきたのは晴矢と風介だった。三人が着ている赤いユニフォームは、韓国代表ファイアードラゴンの証。
開いた口が塞がらないあたし達にアフロディが説明してくれた。なんでもアフロディの母国は韓国で、晴矢と風介はあたし達と戦う為にアフロディのスカウトを受けたそうだ。
苛酷な特訓をしてきたという三人は以前と雰囲気が違う。より気迫が強くなったって感じだ。でも、特訓を積んできたのはあたし達だって同じ筈!
そしてもう一人、チェ・チャンスウという選手。にこやかに挨拶されたけど、油断ならない圧を感じる。フィールドには竜がいる、か。ファイアードラゴンだから?
「存じておりますよ。円堂美波さん」
「ん?あ、あたし?」
「ええ、南雲と涼野から話は聞いています。何でも、日本の龍の使い手だとか」
「はあ……ありがとうございます」
龍って必殺技の水龍のことだろうか。いやそこまで言ってねえよ、と晴矢のぼやきが聞こえた。何なんだ。風介はうんうん頷いてるし何を話したんだ。
「我々韓国の龍と日本の龍。どちらの龍が強いか、この試合で雌雄を決することになるでしょう」
言葉とは裏腹に自信たっぷりな表情だ。龍か。でも、ファイアードラゴンを龍のチームとするなら、イナズマジャパンはそうじゃない。
イナズマジャパンはあたしのチームじゃない。あたしなんか全然だ。それでも世界一になる為に、ここまで頑張ってきた。力を合わせて戦ってきた。
皆で繋いで、皆で勝利を目指す。それが日本代表、イナズマジャパン。
「勝つのはイナズマジャパンだよ」
「へえ、そうこなくっちゃな」
「美波ならそう言うと思っていたよ」
「あいつらはどうなんだろうな」
笑う晴矢と風介の視線の先にはヒロトとリュウジ。元エイリア学園として、あの二人には特にライバル心を燃やしてるんだな。
「ま、美波は俺達の味方だろ」
「え、何それ」
「何だ、応援してくれるんじゃなかったのか」
「あっあれは、あの時は知らなかったから!こうなったからには話が別!ライバルだよ!」
「ああ、その通りだ。互いにどれだけ努力を重ねようと、試合となれば勝者は一チームのみ」
「俺達の力、見せてやるぜ!」
そう啖呵を切って、彼らは戻っていった。試合前に凄いことになった……。アフロディに晴矢に風介。強敵だった三人と、またこうして戦うことになるなんて。
今の三人の攻撃力は計り知れない。間違いなくこれまでで一番の激戦になる。仕掛けてくるだろう猛攻に備えて、気を引き締めてディフェンスしないと。
チェ・チャンスウについては目金が説明してくれた。フィールドを支配する韓国の司令塔。竜を操る者とも呼ばれ、完全なる戦術と称されるゲームメイクをする選手。
凄い司令塔なのはわかったけど、うちにだって天才ゲームメーカーがいる!絶対負けてない!完全なる戦術ってやつだって、このチームなら攻略出来る!
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