第11話 冬花の究極奥義大作戦!
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「デート楽しんでねー!」
「だからデートじゃないってばー!」
元気良く手を振るまこ達と別れて、探索に戻る。ちょっとお腹も空いてきたし何か食べようかな。あたしが何がいいか聞く前に、ヒロトが先に口を開いた。
「ところで、風丸くんや吹雪くんと何かあった?」
「え!?えーと」
まさかヒロトがそこを突っ込んでくるとは思ってなかった。なんというか、こういうのは触れてこないタイプかと。
じっと見つめてくる緑の目は、何を考えているのか分からない。多分、ヒロトは感づいてる。
「別に、何も」
何も無かったよ。そう言いかけて、言葉は喉でつっかえたように出てこなくなった。
何も無かった。そんなの嘘だ。ここで無かったことにしてしまうのは簡単だけど、本当にそれでいいのか。いい筈がない。
一郎太の、士郎くんの気持ちを、例えその場しのぎで誤魔化す為だとしても、無かったことにしちゃ駄目だ。
「……うん、あった。でもこれはあたしの問題だから」
そしてこの問題は、いつまでも保留にしておく訳にはいかないことだ。
お肉屋さんで揚げたてコロッケを買って食べ歩く。日本代表応援!ってことでおまけしてもらえてラッキーだ。
話しながら商店街をのんびり歩いてると、見覚えのある後ろ姿を発見。
「あれ、佐久間?こんなとこで珍しいね」
「美波か。さっきまで染岡とちょっとな」
振り向いたのはやっぱり佐久間だった。会うのは代表選考試合以来だけど、なんだかちょっと逞しくなったような感じがする。
「へえー、染岡と……もしかしなくてもサッカーでしょ!聞いたよ、一緒に練習してるって」
「何だ、知ってたのか。今日はこっちで練習してたんだ。……次は決勝戦だな。俺達が代表になるまで、勝ち残ってくれよ?」
「分かってるって!一緒に世界に行きたいもんね!」
「そんなこと言ってると、いくら特別枠でも足元掬われるぞ。それに、もし俺達が代表入りしたらその分誰かが外れるんだからな」
「そ、それはそうだけどさ」
口ごもっていると、佐久間はヒロトの方を一瞥した。そっか。二人共フォワードで、同じポジションだから、ライバルになるんだ。
「邪魔して悪かったな」
「……いや違うからね!?」
「違うって、何が?」
ニヤッと笑って覗き込んでくる佐久間。しまった、ハメられた!
「マネージャーに買い出しでも頼まれたと思ったんだが……それとも何だ、デートでも」
「美波ちゃんには稲妻町を案内してもらってるんだ」
どこか楽しそうな佐久間を遮るように、さっきみたくヒロトが口を挟んだ。
「本当にそれだけか」
「本当さ」
じっと見つめ合う……いや睨み合う二人。火花が散っているのが見えた気がして、一歩後退る。何でこうなっちゃうんだ。
「……まあいいか。それじゃあ美波、頑張れよ」
「うん。あ、これ、おまけしてもらったの。良かったら佐久間も食べて」
「サンキュ」
コロッケを渡すとぽんぽんと軽く頭を撫でられた。鬼道といい豪炎寺といい、佐久間にまで子供扱いされてるような。同い年なのに。守兄の妹だから?
少し歩いたところで佐久間は「あ、そうだ」と振り向いた。
「ジャージもユニフォームもらしいけど、その格好もいいと思う!」
「あ、ありがとう佐久間!」
次に佐久間と会う時は、佐久間が日本代表に選ばれてるといいな。
「佐久間くんと仲が良いんだ」
「色々あったから。そういえば、ヒロトとは選考試合で同じチームだったよね」
「そうだね。アシストが上手い印象だったかな」
「そりゃあ帝国の参謀って言われてるくらいだからね!」
始まりは練習試合。そしてフットボールフロンティア地区予選決勝。佐久間の強烈なシュートに何度冷や汗をかかされたか。
かれこれあれから半年以上経とうとしてるけど、濃密な毎日だったな。
今の合宿や世界大会も楽しい。けど、弱小と言われてた頃から、皆で日本一になるまでのことはやっぱり特別で……。
「おやあ、これはこれは円堂さんではないですか!」
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「だからデートじゃないってばー!」
元気良く手を振るまこ達と別れて、探索に戻る。ちょっとお腹も空いてきたし何か食べようかな。あたしが何がいいか聞く前に、ヒロトが先に口を開いた。
「ところで、風丸くんや吹雪くんと何かあった?」
「え!?えーと」
まさかヒロトがそこを突っ込んでくるとは思ってなかった。なんというか、こういうのは触れてこないタイプかと。
じっと見つめてくる緑の目は、何を考えているのか分からない。多分、ヒロトは感づいてる。
「別に、何も」
何も無かったよ。そう言いかけて、言葉は喉でつっかえたように出てこなくなった。
何も無かった。そんなの嘘だ。ここで無かったことにしてしまうのは簡単だけど、本当にそれでいいのか。いい筈がない。
一郎太の、士郎くんの気持ちを、例えその場しのぎで誤魔化す為だとしても、無かったことにしちゃ駄目だ。
「……うん、あった。でもこれはあたしの問題だから」
そしてこの問題は、いつまでも保留にしておく訳にはいかないことだ。
お肉屋さんで揚げたてコロッケを買って食べ歩く。日本代表応援!ってことでおまけしてもらえてラッキーだ。
話しながら商店街をのんびり歩いてると、見覚えのある後ろ姿を発見。
「あれ、佐久間?こんなとこで珍しいね」
「美波か。さっきまで染岡とちょっとな」
振り向いたのはやっぱり佐久間だった。会うのは代表選考試合以来だけど、なんだかちょっと逞しくなったような感じがする。
「へえー、染岡と……もしかしなくてもサッカーでしょ!聞いたよ、一緒に練習してるって」
「何だ、知ってたのか。今日はこっちで練習してたんだ。……次は決勝戦だな。俺達が代表になるまで、勝ち残ってくれよ?」
「分かってるって!一緒に世界に行きたいもんね!」
「そんなこと言ってると、いくら特別枠でも足元掬われるぞ。それに、もし俺達が代表入りしたらその分誰かが外れるんだからな」
「そ、それはそうだけどさ」
口ごもっていると、佐久間はヒロトの方を一瞥した。そっか。二人共フォワードで、同じポジションだから、ライバルになるんだ。
「邪魔して悪かったな」
「……いや違うからね!?」
「違うって、何が?」
ニヤッと笑って覗き込んでくる佐久間。しまった、ハメられた!
「マネージャーに買い出しでも頼まれたと思ったんだが……それとも何だ、デートでも」
「美波ちゃんには稲妻町を案内してもらってるんだ」
どこか楽しそうな佐久間を遮るように、さっきみたくヒロトが口を挟んだ。
「本当にそれだけか」
「本当さ」
じっと見つめ合う……いや睨み合う二人。火花が散っているのが見えた気がして、一歩後退る。何でこうなっちゃうんだ。
「……まあいいか。それじゃあ美波、頑張れよ」
「うん。あ、これ、おまけしてもらったの。良かったら佐久間も食べて」
「サンキュ」
コロッケを渡すとぽんぽんと軽く頭を撫でられた。鬼道といい豪炎寺といい、佐久間にまで子供扱いされてるような。同い年なのに。守兄の妹だから?
少し歩いたところで佐久間は「あ、そうだ」と振り向いた。
「ジャージもユニフォームもらしいけど、その格好もいいと思う!」
「あ、ありがとう佐久間!」
次に佐久間と会う時は、佐久間が日本代表に選ばれてるといいな。
「佐久間くんと仲が良いんだ」
「色々あったから。そういえば、ヒロトとは選考試合で同じチームだったよね」
「そうだね。アシストが上手い印象だったかな」
「そりゃあ帝国の参謀って言われてるくらいだからね!」
始まりは練習試合。そしてフットボールフロンティア地区予選決勝。佐久間の強烈なシュートに何度冷や汗をかかされたか。
かれこれあれから半年以上経とうとしてるけど、濃密な毎日だったな。
今の合宿や世界大会も楽しい。けど、弱小と言われてた頃から、皆で日本一になるまでのことはやっぱり特別で……。
「おやあ、これはこれは円堂さんではないですか!」
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