第11話 冬花の究極奥義大作戦!
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練習は終わったものの、今日も夕飯まで自主練しようと思っていたら、宿舎出入口で塔子とリカが待ち構えていた。
「美波、これから自主練か?」
「うん。決勝戦はもうすぐだからね。もうちょっとやっておこうかと思って」
「せやけどたまには息抜きも必要やろ。ちゅー訳で!今日の自主練は無し!」
つまりどこかへ遊びに行こうという訳だ。決勝戦前とはいえ根を詰めすぎるのも良くないし、たまにはいっか。
「で、どこ行く?行きたいとこあるなら案内するよ!」
「何でウチらと行かなアカンねん。男や、男!」
「おと……」
昨日の今日だ。リカのギラギラとした捕食者のような目に、嫌な予感がしてきた。
「あたしやっぱり練習に……」
「逃がさへんでえ!」
「練習させてやれって」
「何言うてんねん塔子!……ほら来た!獲物や!」
「獲物?」
「え?」
後方、振り向くと、びしりと突き付けられた指の先にいたのはヒロトだった。珍しく口を開けてぽかんとしてる。そりゃそうだ。
「俺に何か用かな?」
「息抜きしようって話してたんだ。ヒロト、この後空いてる?」
「空いてるけど……」
とにもかくにも早くリカから逃れたい。塔子と視線を合わせて頷く。後は任せた!
「じゃあ早速!」
「いーや、デートでジャージなんてありえへん!」
「えっ」
「デート?」
「着替えて30分後に集合!ほなまた後でな!」
「ちょっとリカ!」
「あーあ、やれやれ……」
呆気に取られたヒロトを置き去りにして、あたしは部屋へと連れ去られたのだった。
ウチがコーディネートしたる!と鼻息荒くあたしの私服をチェックしていたリカが、頭を抱えて声を上げた。
「無い……無い!あかん塔子、スカートが一枚もあらへん!」
「あるよほら……」
「制服やないかい!」
「美波まさかスカート持ってないのか?」
「持ってるよ。でも合宿では着ないと思ったから持ってきてない」
「しゃーない、こういうこともあろうかと用意してきたのやるわ」
「何でそんなの用意してるの……。お金払うよ、何円?」
「こんなバザーでタダ同然で買うたスカートなんか黙って受け取っとき」
「ゴネにゴネて値切りまくったんだろ……」
「塔子……」
塔子の目が死んでいる。この勢いで突っ走るリカにどれだけ振り回されたのか、想像しようとして、止めた。想像するだけで疲れそう。
貰ったのはレモン色の柔らかな色合いのフレアスカートだ。こんなふわふわしてるスカートは初めて着る。
あたしだって、可愛い物は好きだ。ただ毎日サッカーしてるから、着る機会があまり無くて、私服も練習着や動きやすい服ばっかりになるだけで。
「あとハチマキは没収!」
「あー!」
「この恋愛マスターリカに任せとき。ヘアアレンジしたる」
「……変な髪型にしないでね」
「せえへんせえへん。編み込みでもしよか」
鼻歌混じりにヘアアレンジするリカは、慣れてるのか手際がいい。塔子はというと欠伸していた。諦めないでよ。
「にしても上手いね、リカ」
「女を磨いてきた賜物や。いつもと違う髪型!雰囲気!そういうのに男はグッと来るんや!」
「ふーん。……こういうの自分でも出来るようになった方がいいのかな」
「!! なら今度教えたる!びっちりやるから覚悟しとき!」
「簡単なのでいいよ……お手柔らかにね」
いい笑顔のリカと元気の無い塔子に見送られて玄関へ向かうと、既にヒロトが待っていた。
「ごめんヒロト、待った?」
「! ……いや、俺もさっき来たばかりだよ」
そう返すヒロトはいつもの紫のシャツにオレンジのジャケットだ。普段通りが一番だよなあ……としみじみする。
「珍しいね、美波ちゃんがハチマキ巻いてないの」
「リカがダメだってさ。変じゃない?」
下ろした髪の両サイドに編み込みを入れて、一部を後ろに持ってってお団子にしている、らしい。正直自分でもよく分かってない。
ヒロトの反応はというと、二人が太鼓判を押してくれた通り、似合ってるよと言ってくれた。良かった、変じゃなくて。
「というか巻き込んじゃって本当にごめん」
「大丈夫。俺も息抜きしたかったからさ」
「ヒロトはどこか行きたいとこある?」
「そうだな……。俺も稲妻町は詳しくないから、美波ちゃんのお勧めで」
「んー、ならこういうのはどうかな」
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「美波、これから自主練か?」
「うん。決勝戦はもうすぐだからね。もうちょっとやっておこうかと思って」
「せやけどたまには息抜きも必要やろ。ちゅー訳で!今日の自主練は無し!」
つまりどこかへ遊びに行こうという訳だ。決勝戦前とはいえ根を詰めすぎるのも良くないし、たまにはいっか。
「で、どこ行く?行きたいとこあるなら案内するよ!」
「何でウチらと行かなアカンねん。男や、男!」
「おと……」
昨日の今日だ。リカのギラギラとした捕食者のような目に、嫌な予感がしてきた。
「あたしやっぱり練習に……」
「逃がさへんでえ!」
「練習させてやれって」
「何言うてんねん塔子!……ほら来た!獲物や!」
「獲物?」
「え?」
後方、振り向くと、びしりと突き付けられた指の先にいたのはヒロトだった。珍しく口を開けてぽかんとしてる。そりゃそうだ。
「俺に何か用かな?」
「息抜きしようって話してたんだ。ヒロト、この後空いてる?」
「空いてるけど……」
とにもかくにも早くリカから逃れたい。塔子と視線を合わせて頷く。後は任せた!
「じゃあ早速!」
「いーや、デートでジャージなんてありえへん!」
「えっ」
「デート?」
「着替えて30分後に集合!ほなまた後でな!」
「ちょっとリカ!」
「あーあ、やれやれ……」
呆気に取られたヒロトを置き去りにして、あたしは部屋へと連れ去られたのだった。
ウチがコーディネートしたる!と鼻息荒くあたしの私服をチェックしていたリカが、頭を抱えて声を上げた。
「無い……無い!あかん塔子、スカートが一枚もあらへん!」
「あるよほら……」
「制服やないかい!」
「美波まさかスカート持ってないのか?」
「持ってるよ。でも合宿では着ないと思ったから持ってきてない」
「しゃーない、こういうこともあろうかと用意してきたのやるわ」
「何でそんなの用意してるの……。お金払うよ、何円?」
「こんなバザーでタダ同然で買うたスカートなんか黙って受け取っとき」
「ゴネにゴネて値切りまくったんだろ……」
「塔子……」
塔子の目が死んでいる。この勢いで突っ走るリカにどれだけ振り回されたのか、想像しようとして、止めた。想像するだけで疲れそう。
貰ったのはレモン色の柔らかな色合いのフレアスカートだ。こんなふわふわしてるスカートは初めて着る。
あたしだって、可愛い物は好きだ。ただ毎日サッカーしてるから、着る機会があまり無くて、私服も練習着や動きやすい服ばっかりになるだけで。
「あとハチマキは没収!」
「あー!」
「この恋愛マスターリカに任せとき。ヘアアレンジしたる」
「……変な髪型にしないでね」
「せえへんせえへん。編み込みでもしよか」
鼻歌混じりにヘアアレンジするリカは、慣れてるのか手際がいい。塔子はというと欠伸していた。諦めないでよ。
「にしても上手いね、リカ」
「女を磨いてきた賜物や。いつもと違う髪型!雰囲気!そういうのに男はグッと来るんや!」
「ふーん。……こういうの自分でも出来るようになった方がいいのかな」
「!! なら今度教えたる!びっちりやるから覚悟しとき!」
「簡単なのでいいよ……お手柔らかにね」
いい笑顔のリカと元気の無い塔子に見送られて玄関へ向かうと、既にヒロトが待っていた。
「ごめんヒロト、待った?」
「! ……いや、俺もさっき来たばかりだよ」
そう返すヒロトはいつもの紫のシャツにオレンジのジャケットだ。普段通りが一番だよなあ……としみじみする。
「珍しいね、美波ちゃんがハチマキ巻いてないの」
「リカがダメだってさ。変じゃない?」
下ろした髪の両サイドに編み込みを入れて、一部を後ろに持ってってお団子にしている、らしい。正直自分でもよく分かってない。
ヒロトの反応はというと、二人が太鼓判を押してくれた通り、似合ってるよと言ってくれた。良かった、変じゃなくて。
「というか巻き込んじゃって本当にごめん」
「大丈夫。俺も息抜きしたかったからさ」
「ヒロトはどこか行きたいとこある?」
「そうだな……。俺も稲妻町は詳しくないから、美波ちゃんのお勧めで」
「んー、ならこういうのはどうかな」
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