第11話 冬花の究極奥義大作戦!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
次はアジア予選決勝で、勝てば世界。そう思うと更に気合いは入るし、どれだけ練習してもまだまだと思えて、今日も練習後に自主練だ。
自主練に参加してるメンバーはチームの殆どで、皆の闘志が伝わってくる度に、あたしも負けてられないと思う。
「なあ美波」
「どしたの守兄」
「正義の鉄拳を超える必殺技って何だと思う?」
「究極奥義以上のパワーの技ってこと?」
「そうなんだよ。監督がこのままだと俺達は……」
「……完成無しの究極奥義とはいえ、いつまでもそればかりに頼っちゃダメみたいな」
「そっか、そうだよな。じゃあもっともっと挑戦して……でも……あーっ!分かんない!」
何か言いかけたと思ったら、声をあげて髪をかきむしる守兄。うんうんと唸りながら悩む姿は、久しぶりに見た。
さっき監督と話してから何か悩んでるっぽかったけど、もしかすると今のままだと世界に行けないとか言われたのかな。
皆いい調子だ。一郎太とリュウジは新必殺技を編み出して、壁山と条兄は相変わらずだけど、士郎くんも土方の連携必殺技も完成に近づいてる。
でも世界に行くにはまだ何か足りないのかもしれない。具体的に何かは分からないけど、治も言っていた。今以上の強さが必要だって。
つまり、現状に満足するなってことだ。……あたしも、新しい必殺技を考えようかな。チームの為に、もっと強くならなきゃ。
その前にとりあえず腹ごしらえ。乃々美さんの差し入れ弁当に舌鼓を打っていると、練習を見に来ていた塔子とリカと目があった。
リカが大きく手を振る。誰呼んでるのかな。とりあえず自分を指差すと、強く頷かれた。あたしか。残り少しのご飯をかきこむ。ごちそうさまでした!
近づくとリカは妙に楽しそうな顔をしていた。ちょっと嫌な予感がする。どうしたのと聞く前に、リカは冬花さんを手で示しながら捲し立ててきた。
「なあなあ美波!あの子!円堂と何かあるんやろ!」
「え、冬花さん?守兄と?」
「何だっけ、円堂の知り合いだってね」
「うん、そうみたい」
「なんや知らんのか」
「多分守兄と別々に遊んでた頃に仲良くなったんだと思う。一郎太も知らないし」
「へー、美波はいつでも円堂と一緒だと思ってた。ちょっと意外」
「大体一緒だけどそうでもない時もあるよ」
あたしが冬花さんを知らなかったように、守兄はあたしがヒロト達お日さま園の皆や明王ちゃんと知り合いだったのを知らなかったという話だ。
……そのうち紹介しようと思って秘密にしてたら、突然会えなくなっちゃって、最近までそれっきりになってたし。
「あんまり気にしなくていいよ。どうせ首突っ込みたいだけなんだから」
「リカが首突っ込むってやっぱり、アレ?」
「アレ」
「アレアレうっさいわ!そーゆー美波はどうなん」
「え、あたし?あたしは何も、恋愛とかはまだ」
「ウチは恋愛なんて一言も言ってへんで」
「うっ」
「それにまだってなんやまだって。自覚あるやん。で、風丸は?吹雪は?」
「えーっと」
「他にも豪炎寺とか鬼道とかヒロトとか、とにもかくにもあない男がぎょーさんいる中にいて何も無い訳ないやろ!?」
「声が大きいよ!」
リカの声はよく通る。多分今のは、グラウンドの方まで聞こえてたと思う。正直、振り向くのが怖い。練習はしたいけど戻りたくなくなってきた。
「へえー、本当に何にも無いって訳でもなさそうやな」
「あ、あたし達日本代表だよ!?朝から晩までずっとサッカーしてるし……」
「かーっ!一つ屋根の下で生活してるってのにあの意気地無し共は何やっとんねん!」
「何って、サッカーだろ……。美波もリカの言うことは気にしなくていいからな」
「苦労してるね塔子……」
「もう慣れた」
遠い目でどこかを見つめている塔子。毎日リカを泊めてるらしいし、相当疲れてるんだろうな……。
塔子の「ここは任せろ」との言葉に甘えて、根掘り葉掘り聞きたいリカから逃げるようにグラウンドに戻ると、苦笑いの一郎太が迎えてくれた。
「随分リカに絞られてたみたいだな」
「一郎太……助けてくれれば良かったのに」
「すまん。でも、俺が行ったら余計に大変になってたんじゃないか?」
「それは……そうかも」
からかうように笑ってみせる一郎太に返す言葉もない。というかやっぱり聞こえてたみたいだし。
「ま、俺としてはもうちょっと意識してくれてもいいけどな」
「どしたの急に」
「急にではないさ」
「それもそうだね。大丈夫、分かってる」
「俺はちゃんとここにいる。それは変わらない。そうだろ?」
「うん。もういなくなったりしないでね」
「だから悪かったって」
「何話してるんだ?」
急に割って入ってきたのは豪炎寺だった。その後ろから、士郎くんが顔を覗かせる。びっくりした……。
.
自主練に参加してるメンバーはチームの殆どで、皆の闘志が伝わってくる度に、あたしも負けてられないと思う。
「なあ美波」
「どしたの守兄」
「正義の鉄拳を超える必殺技って何だと思う?」
「究極奥義以上のパワーの技ってこと?」
「そうなんだよ。監督がこのままだと俺達は……」
「……完成無しの究極奥義とはいえ、いつまでもそればかりに頼っちゃダメみたいな」
「そっか、そうだよな。じゃあもっともっと挑戦して……でも……あーっ!分かんない!」
何か言いかけたと思ったら、声をあげて髪をかきむしる守兄。うんうんと唸りながら悩む姿は、久しぶりに見た。
さっき監督と話してから何か悩んでるっぽかったけど、もしかすると今のままだと世界に行けないとか言われたのかな。
皆いい調子だ。一郎太とリュウジは新必殺技を編み出して、壁山と条兄は相変わらずだけど、士郎くんも土方の連携必殺技も完成に近づいてる。
でも世界に行くにはまだ何か足りないのかもしれない。具体的に何かは分からないけど、治も言っていた。今以上の強さが必要だって。
つまり、現状に満足するなってことだ。……あたしも、新しい必殺技を考えようかな。チームの為に、もっと強くならなきゃ。
その前にとりあえず腹ごしらえ。乃々美さんの差し入れ弁当に舌鼓を打っていると、練習を見に来ていた塔子とリカと目があった。
リカが大きく手を振る。誰呼んでるのかな。とりあえず自分を指差すと、強く頷かれた。あたしか。残り少しのご飯をかきこむ。ごちそうさまでした!
近づくとリカは妙に楽しそうな顔をしていた。ちょっと嫌な予感がする。どうしたのと聞く前に、リカは冬花さんを手で示しながら捲し立ててきた。
「なあなあ美波!あの子!円堂と何かあるんやろ!」
「え、冬花さん?守兄と?」
「何だっけ、円堂の知り合いだってね」
「うん、そうみたい」
「なんや知らんのか」
「多分守兄と別々に遊んでた頃に仲良くなったんだと思う。一郎太も知らないし」
「へー、美波はいつでも円堂と一緒だと思ってた。ちょっと意外」
「大体一緒だけどそうでもない時もあるよ」
あたしが冬花さんを知らなかったように、守兄はあたしがヒロト達お日さま園の皆や明王ちゃんと知り合いだったのを知らなかったという話だ。
……そのうち紹介しようと思って秘密にしてたら、突然会えなくなっちゃって、最近までそれっきりになってたし。
「あんまり気にしなくていいよ。どうせ首突っ込みたいだけなんだから」
「リカが首突っ込むってやっぱり、アレ?」
「アレ」
「アレアレうっさいわ!そーゆー美波はどうなん」
「え、あたし?あたしは何も、恋愛とかはまだ」
「ウチは恋愛なんて一言も言ってへんで」
「うっ」
「それにまだってなんやまだって。自覚あるやん。で、風丸は?吹雪は?」
「えーっと」
「他にも豪炎寺とか鬼道とかヒロトとか、とにもかくにもあない男がぎょーさんいる中にいて何も無い訳ないやろ!?」
「声が大きいよ!」
リカの声はよく通る。多分今のは、グラウンドの方まで聞こえてたと思う。正直、振り向くのが怖い。練習はしたいけど戻りたくなくなってきた。
「へえー、本当に何にも無いって訳でもなさそうやな」
「あ、あたし達日本代表だよ!?朝から晩までずっとサッカーしてるし……」
「かーっ!一つ屋根の下で生活してるってのにあの意気地無し共は何やっとんねん!」
「何って、サッカーだろ……。美波もリカの言うことは気にしなくていいからな」
「苦労してるね塔子……」
「もう慣れた」
遠い目でどこかを見つめている塔子。毎日リカを泊めてるらしいし、相当疲れてるんだろうな……。
塔子の「ここは任せろ」との言葉に甘えて、根掘り葉掘り聞きたいリカから逃げるようにグラウンドに戻ると、苦笑いの一郎太が迎えてくれた。
「随分リカに絞られてたみたいだな」
「一郎太……助けてくれれば良かったのに」
「すまん。でも、俺が行ったら余計に大変になってたんじゃないか?」
「それは……そうかも」
からかうように笑ってみせる一郎太に返す言葉もない。というかやっぱり聞こえてたみたいだし。
「ま、俺としてはもうちょっと意識してくれてもいいけどな」
「どしたの急に」
「急にではないさ」
「それもそうだね。大丈夫、分かってる」
「俺はちゃんとここにいる。それは変わらない。そうだろ?」
「うん。もういなくなったりしないでね」
「だから悪かったって」
「何話してるんだ?」
急に割って入ってきたのは豪炎寺だった。その後ろから、士郎くんが顔を覗かせる。びっくりした……。
.
1/8ページ