第10話 究極対決!久遠ジャパンVS瞳子ジャパン!!

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ナマエ

「点取ってくぞ!」

『おー!!』



思い出すのは千羽山との試合。フィールドプレイヤーになった守兄、攻撃型のイナズマジャパン。そしてネオジャパンの真無限の壁。なら、作戦は一つだ。

隣に立つ守兄を見る。初めてではないけど、正ポジション上珍しいことではあるから、なんだか不思議な気分。



「懐かしいね、リベロ」

「だな!攻めていくぞ!」

「うん!」



幽谷のスローイン。霧隠、そして平良がボールを受けると、無限の壁を発動させる牧谷と郷院を残して、ネオジャパンは全員攻撃を仕掛けてきた。

リベロの守兄の攻撃参加。その弱点は守りが薄くなることだ。瞳子監督もそれはよく分かってる。元々守兄のリベロは、瞳子監督が考えた策だから。

残り時間は少ない中で、このチャンスを逃す筈がない。だからこそ、ここを凌いでこっちの攻撃の流れを掴まなきゃ!



「たとえ私の必殺技が破られようと、我々が力を合わせれば!」

「「「トライアングルZ改!!!」」」



逆転を狙うネオジャパンの強力なシュートの間に、飛鷹が飛び込む。ダメだ、あれじゃ届かない……!



「飛鷹!」

「くっそおおお!」



飛鷹が振り上げた足が、爆風を生んだ。風がシュートを包む。シュートの勢いは殺されて、ボールは構えていた立向居がキャッチした。

……え、何今の!?なんか、空気が歪んでた。あの切り裂くような飛鷹の鋭く力強い蹴りに、あんな力があったなんて。



「円堂さん!美波さん!」

「行くぞ、上がれぇ!」

「うん!」



残り時間は少ない。全員攻撃でネオジャパンの守備が手薄な今が、最大のチャンス!攻め上がると、後ろから凄いプレッシャーを感じた。猛追してきたのは治だ。



美波!」

「守兄!」

「行かすものか!」



ぶつかり合う守兄と治。競り勝ったのは守兄だった。



「鬼道!豪炎寺!」



パスを受け取った鬼道が、ボールを高く蹴り上げる。ボールが紫のオーラを纏って、白と黒の雷が落ちた。



「「「イナズマブレイクV2!!!」」」



激しい雷鳴を轟かせたシュートは、真無限の壁を打ち砕くと、追加点をもぎ取った。試合はここで終了。あたし達の勝ちだ!



「よし、勝ったぞ!」

「うん!」

「これで俺達日本代表のままでいられるんすよね!」

「そりゃそうだろ、勝ったんだからさ」

「本当に良かった……」

「でもなんだか楽しかったね。皆、強くなってるんだなってワクワクした!」

「そーゆーのって勝った方だから言えるんだよね、うししっ」



夕弥の言葉がグサッと刺さる。そうだ。あの強さは、日本代表になれなかった悔しさをバネに身に付けた強さなんだ。

恐る恐るネオジャパンの方を窺うと、悔しそうではあったけれど、治達はどこかスッキリしたような、晴れやかな顔をしていた。

全員整列すると、いつものように笑った守兄は、手を差し出した。



「砂木沼!お前とやれて、良かったぜ!」



あの時は握手出来なかったけど、今度は出来るね!と思ったら、治は見下ろして鼻を鳴らすだけだった。



「ん?」

「確かに今日は負けたが、だが、諦めた訳ではない。お前たちが少しでも気を抜いたプレーをすれば、日本代表の座は我々が奪い取る!」

「ああ!挑戦なら、いつでも受けて立つぜ!」



守兄の元気な返事に、治も笑ってくれた。治も他のお日さま園の人達も、またこうしてサッカー出来るようになって良かった!



美波、少しいいか」

「ん?どしたの治」

「お前は強い。しかしそれは日本国内でのこと。世界と戦う為には今以上の強さを身に付けねばなるまい。精進しろ」

「……うん!もちろんだよ!もっともっと強くなって、世界一になってみせる!」

「大きく出たな。お前は特別枠に胡座をかくこともないだろうが、世界への道は険しく厳しい。だが、美波なら乗り越えられるだろう」

「ありがとう治。あたし……いや、あたし達、頑張るから!」



選ばれなかった者の思いを背負って戦う。背負った物の重さを改めて噛みしめて、あたし達は進んでいく。





→あとがき
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