第10話 究極対決!久遠ジャパンVS瞳子ジャパン!!

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ナマエ

ネオジャパンボールで試合が動き出す。警戒されてるのは風神の舞、そしてライトニングアクセル。

今ならまだ警戒が分散する筈。やるなら速攻だ。考える隙なんて与えない。今、決める!



「荒波V2!」



ディフェンスは壁山達に任せて上がれば、ネオジャパンは直ぐにコースを塞ぎにくる。当然だ。けれどその分スペースが空く訳で。

一瞬のアイコンタクト。そこへ走る緑色へ繋ぐ為に、あたしはボールを思い切り蹴り上げる。追うようにジャンプすれば、右足を中心に水が広がった。



「アクアストリームッ!!」



中盤からのロングシュート。この位置から、しかも源田が守るゴールをあたしのシュートで破れるなんて思ってない。

だからこれは、シュートじゃない。パスだ!



「リュウジ!決めろ!」



自信をつけた今のリュウジなら、きっと決められる!

シュートに合わせて走り込んだリュウジが、ボールに更に回転をかける。重たい紫のオーラが渦巻いて、その中心に向けてリュウジは足を振り抜いた。



「アストロゲート!!!」



あたしのシュートからリュウジのシュートチェイン。加速したシュートは、源田にドリルスマッシャーを出させる間もなく、ネットを揺らした。



「や、やった……やったあ!」

「やったねリュウジ!」

「ありがとう!美波のおかげだよ!」

「チャンスを逃さずに決めたのはリュウジだって!」



ガッツポーズのリュウジに駆け寄って、ハイタッチをかわす。



「やったな、二人共」

「ヒロト……ありがとうな。これで俺は、また一歩進めた気がする」

「ああ。俺も負けてられないよ」

「あたしもあたしも!あっ、そうだ!」



リュウジと一緒にヒロトに向けて手を上げれば、面食らったヒロトが、笑って両手を上げる。乾いた音が辺りに響いた。


イナズマジャパンが逆転した状況。流れは確実にこっちにある。でもこういう時こそ、治は更なる力を発揮してくる筈だ。油断は出来ない。

流れのままにボールを奪取すると、リュウジのライトニングアクセルで持ち込んで、豪炎寺が爆熱ストームを放つ。

対するネオジャパンは、治の指示で牧谷と郷院が源田の両サイドにつくと、必殺技を発動させた。



「「「真無限の壁!!!」」」



繰り出したのは、かつて雷門に苦戦を強いた必殺技、千羽山中の無限の壁だった。

雷門が破るまでフットボールフロンティアで連続無失点記録を更新し続けた、最強のキーパー技。それが進化してまた立ち塞がるなんて。

負けじと果敢に攻めるけど、ウルフレジェンドに流星ブレード、アストロゲートも悉く弾かれてしまう。流石の堅さだ。

ネオジャパンの反撃が始まった。イナズマジャパンはというと、攻撃し続けた反動で、疲れから動きにキレが無くなってきた。

一度息を整えたいけど、立ち止まったら間に合わない。守兄がシュートの嵐を防いでくれてるけど、このままじゃ同点に逆戻りだ。

それでも守兄の目に宿る闘志は熱く燃えている。まだまだだって、あの熱が守ってくれてるから、あたし達は安心して背中を預けられるんだ。



「さあ来い!」

「それがサッカーにかけるお前の熱い思いか。だが、これで終わりだ!ゴッドノウズ改!」



アフロディの必殺技まで身に付けた治は本当に凄い。でも、あたし達だって!



「絶対に、止める!!負けるわけにはいかないんだ!世界に行くためにも!正義の鉄拳!」



更なる進化を遂げた正義の鉄拳は、ゴッドノウズ改をも跳ね返した。サッカーへの熱い思いが、究極奥義を進化させるんだ!

ボールが出て試合が止まったタイミングで、久遠監督は選手交代を告げた。入るのは飛鷹と立向居だ。

立向居はキーパーのユニフォームで、呼ばれた守兄がベンチで着替えてるってことは、つまりそういうこと。

呼ばれると思ってたらしい明王ちゃんは中腰で固まっていた。ここまで露骨だとやっぱり何かあるんだろうけど、理由があるなら教えてくれればいいのに。



「ゴールは頼んだぜ!」

「はい!」

「緑川も、後は任せろ!」

「うん……」

「リュウジはちゃんと活躍してたよ!だから、えっと」

「ありがとう美波。……分かってる。悔しいけど、これは勝つ為の交代だ」

「……絶対、勝ってくるから!」

「頼んだ!」



リュウジがあたしの背中を叩く。その表情は本当に悔しそうだったけど、暗くはなかった。



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