第9話 代表交代!?最強の挑戦者たち!!
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朝の食堂。午前の練習に向けてのミーティングで、鬼道が新必殺技が必要だと提案した。
オーストラリア、カタール。世界の強さを実感した今、アジア予選を勝ち抜いて世界大会に進む為には、より強力な必殺技が必要だと。
「風丸、日本代表メンバーを決める紅白戦で、お前が綱海を抜こうとした時のことを覚えているか?」
「俺が綱海を?」
「あの時か!一瞬風がぶわっとなって」
「覚えてるぜ。確かにすげえ風だった!」
あれか!みたいな流れになってるけど、選考試合に出てないあたしにはちんぷんかんぷんだ。録画に映ってるかな。春ちゃんにまた見せて貰おう。
あの風に更なる磨きをかければ必殺技になる筈だと鬼道は言う。久遠監督からも、一郎太の自主練習許可は取ってるらしい。流石は鬼道だ。
次いで鬼道が指名したのは士郎くんと土方。パワーと安定したボディバランスの土方、スピードの士郎くんで、連携必殺シュートを作って欲しいと。
「攻撃の幅を広げるんだな。よし、任せとけ!やろうぜ、吹雪!」
「うん!」
「連携必殺技か……なんか面白そうだな!俺達もやってみっか!」
「お、俺っすか!?」
閃いた、と条兄が近くにいた壁山を誘う。鬼道も面白いコンビかもしれないと、試す価値はあると判断したようだった。
ノリノリな条兄に対して壁山はたじたじだけど、大丈夫かな。このコンビじゃ期待出来そうにない、なんて言う夕弥は小突いておく。にしてもだ。
「連携必殺技かあ……」
「どうした?」
呟きは隣にいた豪炎寺には聞こえてたらしい。声をかけられて、一瞬だけドキリとする。……気にしすぎだ。いつも通りにやればいい。
「そういうの、今までやったこと無かったなって」
「興味があるのか」
「まあね。豪炎寺は沢山あるよね。ドラゴントルネードにイナズマ落としでしょ、イナズマ1号、イナズマブレイクにクロスファイア!」
「フッ、そうだな」
フットボールフロンティアにエリア学園との戦い。沢山の試合の中で、豪炎寺のシュートは幾度となくゴールを抉じ開けてくれた。
焦げ付くような熱に、頼り甲斐のある背中、エースナンバー10。あの数々のシュートに、どれだけ勇気を貰っただろう。
「やっぱりシュート決めるのって格好いいよね。さっすがエースストライカー!」
「俺も、美波のディフェンスはいつも頼りにしてる」
「えっ……急に褒めたって何も出ないよ」
「普段から思ってることを改めて口にしただけだ。美波もやってみるか、連携必殺技」
「あ……ううん、いいや。今はあたし自身のレベルアップを目指すよ」
あたしはまだ、そのレベルにいないと思うから。
グラウンドに移動して、今日の練習が始まった。一郎太は鉄塔広場、条兄と壁山は河川敷で必殺技の特訓をする為別行動だ。
ゴール前に立つ守兄を見据えて、士郎くんと土方が走り出す。士郎くんは土方のシュートに合わせようとするも、タイミングが合わずにぶつかってしまった。
誰も知らない新しい必殺技を一から生み出すんだ。そう簡単にはいかない。けど完成すれば、イナズマジャパンの大きな武器になる。どんな必殺技になるか楽しみだ。
さて明王ちゃんはというと、何が連携必殺技だと今日も一人悪態をついていた。ある意味いつも通り。
でも、今はひねくれててつっけんどんな明王ちゃんも、いつか誰かと必殺技をする日が来たりして。そう例えば、鬼道とか……いや無いか。
そんなことを考えていたら、何かを感じ取ったのか鬼道がじっとこっちを見ていた。
「何か言いたそうだな」
「な、何も!そんなことより練習だ!」
今日の練習はポジションの確認をしつつ、メンバーを入れ替えながらのミニゲーム形式。リュウジからボールを奪った虎丸がゴールを狙う。
負けじと取り返しに走るリュウジをかわして、虎丸は飛鷹にパス。トラップミスをした飛鷹はまた髪を直して、目金にツッコまれたり。
「美波さん、交代っす」
「任せた壁山!条兄は奇襲で撃ってくるから注意ね!」
「はいっす!」
壁山と交代でベンチに行って、秋達が用意してくれたドリンクを一気に飲み干す。さっきのディフェンス、結構上手くいったな。
「あ、ヒロト。今の連携なんだけど……ん?」
同じタイミングで下がったヒロトに声をかけたけど、聞こえてない。視線の先は、息を切らしながらドリンクを飲むリュウジだ。
「ねえヒロト、リュウジがどうかした?」
「……ああ、いや」
気になって聞いてみるも、ヒロトは話しかけたところで口をつぐんでしまった。それでも暫く待っていると、迷いながらもヒロトは話し始めた。
「緑川、夜にも練習してるみたいなんだ」
「リュウジが夜練?もしかしてちゃんと休めてないのかな」
「かもしれないね。それにプレーが前のめりだ。あの位置取りなら、栗松くんや木暮くんと合わせた方が確実だった」
「確かに、一度虎丸の動きを見てから行けば取り返せてたかも。……最近はいつもそうだよね、リュウジ」
「ああ……。少しあいつと話してみるよ」
この状態のリュウジはカタール戦の前からずっとだ。口出しせずに見守ってたヒロトも、流石に見てられなくなったみたいで。
かなり思い詰めてるっぽいし、あたしも何か力になれないかな。
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オーストラリア、カタール。世界の強さを実感した今、アジア予選を勝ち抜いて世界大会に進む為には、より強力な必殺技が必要だと。
「風丸、日本代表メンバーを決める紅白戦で、お前が綱海を抜こうとした時のことを覚えているか?」
「俺が綱海を?」
「あの時か!一瞬風がぶわっとなって」
「覚えてるぜ。確かにすげえ風だった!」
あれか!みたいな流れになってるけど、選考試合に出てないあたしにはちんぷんかんぷんだ。録画に映ってるかな。春ちゃんにまた見せて貰おう。
あの風に更なる磨きをかければ必殺技になる筈だと鬼道は言う。久遠監督からも、一郎太の自主練習許可は取ってるらしい。流石は鬼道だ。
次いで鬼道が指名したのは士郎くんと土方。パワーと安定したボディバランスの土方、スピードの士郎くんで、連携必殺シュートを作って欲しいと。
「攻撃の幅を広げるんだな。よし、任せとけ!やろうぜ、吹雪!」
「うん!」
「連携必殺技か……なんか面白そうだな!俺達もやってみっか!」
「お、俺っすか!?」
閃いた、と条兄が近くにいた壁山を誘う。鬼道も面白いコンビかもしれないと、試す価値はあると判断したようだった。
ノリノリな条兄に対して壁山はたじたじだけど、大丈夫かな。このコンビじゃ期待出来そうにない、なんて言う夕弥は小突いておく。にしてもだ。
「連携必殺技かあ……」
「どうした?」
呟きは隣にいた豪炎寺には聞こえてたらしい。声をかけられて、一瞬だけドキリとする。……気にしすぎだ。いつも通りにやればいい。
「そういうの、今までやったこと無かったなって」
「興味があるのか」
「まあね。豪炎寺は沢山あるよね。ドラゴントルネードにイナズマ落としでしょ、イナズマ1号、イナズマブレイクにクロスファイア!」
「フッ、そうだな」
フットボールフロンティアにエリア学園との戦い。沢山の試合の中で、豪炎寺のシュートは幾度となくゴールを抉じ開けてくれた。
焦げ付くような熱に、頼り甲斐のある背中、エースナンバー10。あの数々のシュートに、どれだけ勇気を貰っただろう。
「やっぱりシュート決めるのって格好いいよね。さっすがエースストライカー!」
「俺も、美波のディフェンスはいつも頼りにしてる」
「えっ……急に褒めたって何も出ないよ」
「普段から思ってることを改めて口にしただけだ。美波もやってみるか、連携必殺技」
「あ……ううん、いいや。今はあたし自身のレベルアップを目指すよ」
あたしはまだ、そのレベルにいないと思うから。
グラウンドに移動して、今日の練習が始まった。一郎太は鉄塔広場、条兄と壁山は河川敷で必殺技の特訓をする為別行動だ。
ゴール前に立つ守兄を見据えて、士郎くんと土方が走り出す。士郎くんは土方のシュートに合わせようとするも、タイミングが合わずにぶつかってしまった。
誰も知らない新しい必殺技を一から生み出すんだ。そう簡単にはいかない。けど完成すれば、イナズマジャパンの大きな武器になる。どんな必殺技になるか楽しみだ。
さて明王ちゃんはというと、何が連携必殺技だと今日も一人悪態をついていた。ある意味いつも通り。
でも、今はひねくれててつっけんどんな明王ちゃんも、いつか誰かと必殺技をする日が来たりして。そう例えば、鬼道とか……いや無いか。
そんなことを考えていたら、何かを感じ取ったのか鬼道がじっとこっちを見ていた。
「何か言いたそうだな」
「な、何も!そんなことより練習だ!」
今日の練習はポジションの確認をしつつ、メンバーを入れ替えながらのミニゲーム形式。リュウジからボールを奪った虎丸がゴールを狙う。
負けじと取り返しに走るリュウジをかわして、虎丸は飛鷹にパス。トラップミスをした飛鷹はまた髪を直して、目金にツッコまれたり。
「美波さん、交代っす」
「任せた壁山!条兄は奇襲で撃ってくるから注意ね!」
「はいっす!」
壁山と交代でベンチに行って、秋達が用意してくれたドリンクを一気に飲み干す。さっきのディフェンス、結構上手くいったな。
「あ、ヒロト。今の連携なんだけど……ん?」
同じタイミングで下がったヒロトに声をかけたけど、聞こえてない。視線の先は、息を切らしながらドリンクを飲むリュウジだ。
「ねえヒロト、リュウジがどうかした?」
「……ああ、いや」
気になって聞いてみるも、ヒロトは話しかけたところで口をつぐんでしまった。それでも暫く待っていると、迷いながらもヒロトは話し始めた。
「緑川、夜にも練習してるみたいなんだ」
「リュウジが夜練?もしかしてちゃんと休めてないのかな」
「かもしれないね。それにプレーが前のめりだ。あの位置取りなら、栗松くんや木暮くんと合わせた方が確実だった」
「確かに、一度虎丸の動きを見てから行けば取り返せてたかも。……最近はいつもそうだよね、リュウジ」
「ああ……。少しあいつと話してみるよ」
この状態のリュウジはカタール戦の前からずっとだ。口出しせずに見守ってたヒロトも、流石に見てられなくなったみたいで。
かなり思い詰めてるっぽいし、あたしも何か力になれないかな。
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