第6話 灼熱の獅子!デザートライオン!!
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試合当日。スタジアムへ着くと、虎丸のご近所さんである乃々美さんが、お弁当を差し入れしてくれた。
美味しいお弁当を食べてパワー充電出来たし、皆もやる気満々だ。
……スターティングメンバーには選ばれなかったけど、交代もあるかもしれないんだ。これくらいでへこたれるもんか。
明王ちゃんはというとベンチで欠伸をしていた。試合に出られないのが不満ならしい。
「残念だったね明王ちゃん、応援頑張ろう」
「そこで応援になるんだから甘いぜ。それしか出来ないのかよ」
「もちろん試合の流れもちゃんと追うよ!いつ交代になってもいいようにね!」
「フン」
イナズマジャパンのキックオフで試合は始まった。豪炎寺、士郎くん、ヒロトと順調にパスを繋いでいく。
強烈なスライディングタックルをヒロトは押し返して突破してみせた。鬼道も押し負けずに攻めている。うん、特訓の成果が出てる!
「しかしデザートライオンはラフなプレーが目立ちますね」
「確かに、ぶつかるプレーが多いかも……」
士郎くんのウルフレジェンドを相手キャプテンが体でブロックして、威力を落としたところをキーパーがキャッチした。
流れは来ている。皆の調子もいい。なのに何だろう、なんとなく不安になってくる。
「風丸先輩のコーナーキックですよ!」
ちゃんと見てなきゃダメですよ!と春ちゃん。そうだ、まだ試合に出てないあたしが勝手に不安になってちゃダメだ。
「これが俺の、新必殺技だ!」
一郎太が蹴ったシュートは強烈な回転がかかっていて、大きく弧を描くように曲がると必殺技を出させる事無くゴールに突き刺さった。先制点だ!
必殺技は目金……ではなく冬花さんによってバナナシュートと命名された。一郎太的には有りなんだろうか、これ。
「思う念力岩をも通すと言ってね!努力は必ず報われるものさ!」
ここのところ気を張ってたリュウジも力を発揮して活躍している。良かった。
パスを受けるべく士郎くんが走る。そこへ相手ディフェンスが迫るのを確認した士郎くんは、パスをスルーした。ナイス判断!
それを拾ったのはゴール前で完全にフリーのヒロト。これは、絶好のチャンスだ!
「流星ブレード!!」
これで二点差、二連続得点!もうすぐ前半も終わるし、いい調子で後半に行けそうだ。
それにしてもデザートライオンはよく走る。運動量でカバーしているというか、こっちが押し切れてないというか。
流れはイナズマジャパンだけど、思ってたより余裕が無いようにも見える。気を引き締めないと。
秋達を手伝ってタオルとドリンクを渡して回って、あたしも水分補給。後半に向けて意気込む守兄に対して、皆はどこか元気がない。
肩で息をしているのが何人か。あれだけ激しいプレーに負けずに攻めてたんだ、体力も消耗してる筈だ。
……まさか、デザートライオンの狙いは、体力を消耗させる事なんじゃ。
「どうした、美波。変な顔してるぞ」
「あ、一郎太。今日暑いけど大丈夫?疲れてない?」
「俺?疲れてない訳じゃないけど、まあいつも通りくらいだな。何か気づいた事があるのか?」
「皆、もう結構バテてるように見えて後半大丈夫かなって」
「そういえばそうだな……。なんせこの暑さだからな」
額の汗を拭った一郎太が、空を見上げて目を細める。照りつける太陽が眩しくて、息苦しい。じりじりして、嫌な感じだ。
後半、デザートライオンはフォワード3人の攻撃的な布陣に切り替えてきた。……攻めてくるな、これは。
予想通り早速攻めてきて、チェックに入ろうとした鬼道とリュウジが吹っ飛ばされてしまった。
夕弥も土方も強引に抜かされて、壁山のディフェンスも間に合わない。
シュートは守兄が正義の鉄拳で守り切って、一郎太がボールをクリアしたけど、こんなも簡単にペナルティエリアまで持ち込まれるなんて。
どさり。何かが倒れる音がした。音の方には、綺麗な緑色。
「リュウジ!?」
遠目でも足が震えて立ち上がれないのが分かる。……リュウジは誰よりも特訓をしていた。だから、疲労も皆より溜まってたんだ。
立向居の肩を借りて、リュウジが戻ってくる。交代で入ったのは栗松だ。
「リュウジ、水分取る?飲めそう?」
「美波……ごめん」
「いいからいいから」
「ごほっ」
「ああもう!慌てて飲まなくたっていいんだよ!」
噎せたリュウジの背中を摩る。動きはぎこちなくて、顔色も悪い。限界だったんだ。
フィールドでは入ったばかりの栗松がスローインをカットしたけど、上がる栗松に士郎君もヒロトも追いつけてない。
後半は始まったばかりなのに、皆動きが鈍い。パスを出しあぐねているうちに、栗松もボールを取られてしまった。
「来るぞ!ディフェンスを固めろ!」
守兄の指示が飛ぶ。でも鬼道のマークは振り切られて、ヒロトは激しい当たりに吹き飛ばされた。
ゴール前の空中で、条兄と相手フォワードのヘディングがぶつかり合う。条兄が押し負けて、守兄ごとゴールへ入れられた。
「ここからが俺達のサッカーの始まりだ。俺達は灼熱の太陽と砂漠フィールドで育った」
「鍛え上げられた体と無限の体力」
「それが俺達の最大の武器」
「昨日今日特訓しただけの連中に、ついてこれる訳がない」
……やっぱり、前半のラフプレーはイナズマジャパンの体力を削ぐのが目的だったんだ。
しかも今日はこの暑さだ。暑さに慣れてるデザートライオンは、寧ろ今日こそが一番のコンディションなのかもしれない。
「お前たちは砂漠に迷い混んだ旅人も同然。あとは息の根が止まるのを待つだけだ」
頬を汗が伝っていく。それは暑さが理由なのか、冷や汗なのか、分からなかった。
→あとがき
美味しいお弁当を食べてパワー充電出来たし、皆もやる気満々だ。
……スターティングメンバーには選ばれなかったけど、交代もあるかもしれないんだ。これくらいでへこたれるもんか。
明王ちゃんはというとベンチで欠伸をしていた。試合に出られないのが不満ならしい。
「残念だったね明王ちゃん、応援頑張ろう」
「そこで応援になるんだから甘いぜ。それしか出来ないのかよ」
「もちろん試合の流れもちゃんと追うよ!いつ交代になってもいいようにね!」
「フン」
イナズマジャパンのキックオフで試合は始まった。豪炎寺、士郎くん、ヒロトと順調にパスを繋いでいく。
強烈なスライディングタックルをヒロトは押し返して突破してみせた。鬼道も押し負けずに攻めている。うん、特訓の成果が出てる!
「しかしデザートライオンはラフなプレーが目立ちますね」
「確かに、ぶつかるプレーが多いかも……」
士郎くんのウルフレジェンドを相手キャプテンが体でブロックして、威力を落としたところをキーパーがキャッチした。
流れは来ている。皆の調子もいい。なのに何だろう、なんとなく不安になってくる。
「風丸先輩のコーナーキックですよ!」
ちゃんと見てなきゃダメですよ!と春ちゃん。そうだ、まだ試合に出てないあたしが勝手に不安になってちゃダメだ。
「これが俺の、新必殺技だ!」
一郎太が蹴ったシュートは強烈な回転がかかっていて、大きく弧を描くように曲がると必殺技を出させる事無くゴールに突き刺さった。先制点だ!
必殺技は目金……ではなく冬花さんによってバナナシュートと命名された。一郎太的には有りなんだろうか、これ。
「思う念力岩をも通すと言ってね!努力は必ず報われるものさ!」
ここのところ気を張ってたリュウジも力を発揮して活躍している。良かった。
パスを受けるべく士郎くんが走る。そこへ相手ディフェンスが迫るのを確認した士郎くんは、パスをスルーした。ナイス判断!
それを拾ったのはゴール前で完全にフリーのヒロト。これは、絶好のチャンスだ!
「流星ブレード!!」
これで二点差、二連続得点!もうすぐ前半も終わるし、いい調子で後半に行けそうだ。
それにしてもデザートライオンはよく走る。運動量でカバーしているというか、こっちが押し切れてないというか。
流れはイナズマジャパンだけど、思ってたより余裕が無いようにも見える。気を引き締めないと。
秋達を手伝ってタオルとドリンクを渡して回って、あたしも水分補給。後半に向けて意気込む守兄に対して、皆はどこか元気がない。
肩で息をしているのが何人か。あれだけ激しいプレーに負けずに攻めてたんだ、体力も消耗してる筈だ。
……まさか、デザートライオンの狙いは、体力を消耗させる事なんじゃ。
「どうした、美波。変な顔してるぞ」
「あ、一郎太。今日暑いけど大丈夫?疲れてない?」
「俺?疲れてない訳じゃないけど、まあいつも通りくらいだな。何か気づいた事があるのか?」
「皆、もう結構バテてるように見えて後半大丈夫かなって」
「そういえばそうだな……。なんせこの暑さだからな」
額の汗を拭った一郎太が、空を見上げて目を細める。照りつける太陽が眩しくて、息苦しい。じりじりして、嫌な感じだ。
後半、デザートライオンはフォワード3人の攻撃的な布陣に切り替えてきた。……攻めてくるな、これは。
予想通り早速攻めてきて、チェックに入ろうとした鬼道とリュウジが吹っ飛ばされてしまった。
夕弥も土方も強引に抜かされて、壁山のディフェンスも間に合わない。
シュートは守兄が正義の鉄拳で守り切って、一郎太がボールをクリアしたけど、こんなも簡単にペナルティエリアまで持ち込まれるなんて。
どさり。何かが倒れる音がした。音の方には、綺麗な緑色。
「リュウジ!?」
遠目でも足が震えて立ち上がれないのが分かる。……リュウジは誰よりも特訓をしていた。だから、疲労も皆より溜まってたんだ。
立向居の肩を借りて、リュウジが戻ってくる。交代で入ったのは栗松だ。
「リュウジ、水分取る?飲めそう?」
「美波……ごめん」
「いいからいいから」
「ごほっ」
「ああもう!慌てて飲まなくたっていいんだよ!」
噎せたリュウジの背中を摩る。動きはぎこちなくて、顔色も悪い。限界だったんだ。
フィールドでは入ったばかりの栗松がスローインをカットしたけど、上がる栗松に士郎君もヒロトも追いつけてない。
後半は始まったばかりなのに、皆動きが鈍い。パスを出しあぐねているうちに、栗松もボールを取られてしまった。
「来るぞ!ディフェンスを固めろ!」
守兄の指示が飛ぶ。でも鬼道のマークは振り切られて、ヒロトは激しい当たりに吹き飛ばされた。
ゴール前の空中で、条兄と相手フォワードのヘディングがぶつかり合う。条兄が押し負けて、守兄ごとゴールへ入れられた。
「ここからが俺達のサッカーの始まりだ。俺達は灼熱の太陽と砂漠フィールドで育った」
「鍛え上げられた体と無限の体力」
「それが俺達の最大の武器」
「昨日今日特訓しただけの連中に、ついてこれる訳がない」
……やっぱり、前半のラフプレーはイナズマジャパンの体力を削ぐのが目的だったんだ。
しかも今日はこの暑さだ。暑さに慣れてるデザートライオンは、寧ろ今日こそが一番のコンディションなのかもしれない。
「お前たちは砂漠に迷い混んだ旅人も同然。あとは息の根が止まるのを待つだけだ」
頬を汗が伝っていく。それは暑さが理由なのか、冷や汗なのか、分からなかった。
→あとがき