第6話 灼熱の獅子!デザートライオン!!
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「うわっ、夕方だ!」
練習終わりに部屋で寝落ちて、気づけば外は茜色に染まっていた。しまった、寝すぎた……。
喉が渇いてるから飲み物を貰いに行くべく食堂へ足を向けると、前からやけに慌てた目金が駆けてきた。
「あれ、目金?」
「美波さん!たっ、大変なんですよ!」
「大変って?そんなに慌てて何があったの」
「円堂くん、豪炎寺くんとマネージャーの皆さんで虎丸くんの家へ向かったのですがまだ帰ってきてなくてですね……」
「……つまり、秋達がいなくて夕飯の準備が出来てないってこと!?」
「そうなんです……!」
僕一人では全員分なんてとても……と目金の悲痛そうな表情に頭を抱えたくなった。
「状況は分かった、あたしも手伝う!あと他に料理が出来そうな人探してくるから!」
「お願いします……!!」
何人かは自主練に行ってるみたいだけど、合宿所に残ってるメンバーでなんとかするしかない。
出来そうな人といっても、基本的なことは皆出来るはずだ。鬼道は絶対に欲しい。あと豪炎寺に一郎太、条兄とそれから……。
「美波ちゃん?」
「あ、士郎くんにヒロトだ」
合宿が始まってから、この二人が一緒にいるのをちょくちょく見かける気がする。二人共エイリアの時は色々あったから、気が合ってるみたいで嬉しい。
明王ちゃんは相変わらずだけど、ヒロトもリュウジもチームに馴染めてるみたいで本当に良かった。リュウジはちょっと心配だけど。
「そんなに慌ててどうしたんだい?」
「実は秋達がいなくて夕飯の準備が出来てないんだ。だから作るの手伝ってくれる人を探してて」
「それなら僕も手伝うよ」
「俺も。緑川にも声をかけておくよ」
「ありがとう二人共!」
よし、これで人手三人分!幸先良い!
誰か帰ってきてないか玄関の方へ行くと、丁度飛鷹が出ていこうとしているところだった。
「あれ、飛鷹ー!どこ行くの? 」
「人と会う約束がある」
「そっか、分かった!」
「何かあったのか」
「夕飯の準備が出来てないから手伝ってくれる人を探してたんだ」
そう答えると、飛鷹は気まずそうにそっぽを向いた。櫛で髪を梳かしている。よくやってるけど、拘りがあるんだろうか。
「……人手は足りてるのか」
「ぼちぼち?あ、でも約束優先して!そっちが先だし、こっちは多分大丈夫だから」
「悪いな」
「気にしないで!心配してくれてありがとう!いってらっしゃい!」
「……行ってくる」
「うん!でも、あまり遅くならないようにね!」
「……ッス」
手を振って見送れば、飛鷹は軽く頭を下げて行ってしまった。まだあんまり話せてないけど、飛鷹ともちょっとだけ仲良くなれた気がする。
更に誰かいないか探していると、前方に明王ちゃんを発見した。
「あ、明王ちゃん!いいところに!」
「うるせえ」
「そう言わずに話だけでも聞いてよ!」
一蹴して足早に立ち去ろうとする明王ちゃんの前に立って腕を広げる。心底面倒そうな顔をされたけど、気にしない。
明王ちゃんの料理の腕を披露すれば、皆も少しは認めてくれるかもしれない。名付けて、お料理大作戦!
「皆で夕飯作ろう!」
「俺が行ったら余計時間かかんだろ」
ばっさりと切り捨てられた。そして、さっさと部屋に戻ってしまった。……けど、あたしが説明しなくても状況は把握してたんだ。
確かに、明王ちゃんがいるといい顔をしない人はいると思う。特に鬼道。どうにかしたいけど、明王ちゃんの態度が悪いのもあってなかなか上手くいかない。
といっても、素直な態度だったらそれはそれで変……というかちょっと不気味だ。爽やかな笑顔で挨拶された日には逆に心の距離が開きそう。
……まあ、真・帝国での事もあるから、こればっかりは時間をかけなきゃ駄目なんだろうな。
あたしだって、佐久間や源田、染岡の怪我については一言二言は文句を言いたい。
勝ちたい気持ちは分かるけど、その為なら人を傷つけてもいいという気持ちは分からない。そんなやり方で勝ったって、嬉しくない。
「何を百面相しているんだ」
「おわっ、なんだ鬼道か……」
声がしたと思ったら、振り向けばそこには鬼道がいた。思わず零した言葉に、鬼道はわざとらしくしかめっ面をした。
「俺で悪かったな」
「いやそうじゃなくて……っていうか探してた!夕飯作るの手伝って!」
「…………ふむ」
「な、何その顔。驚いたのは謝るけど、本当に探してたんだよ」
「今次の練習で試したい動きを考えている」
「だからさっきはごめんってば!」
「当たり負けしない体作りは当然として受け流す技術も必要だと思うのだが」
「いじわるしないでよ鬼道!」
.
練習終わりに部屋で寝落ちて、気づけば外は茜色に染まっていた。しまった、寝すぎた……。
喉が渇いてるから飲み物を貰いに行くべく食堂へ足を向けると、前からやけに慌てた目金が駆けてきた。
「あれ、目金?」
「美波さん!たっ、大変なんですよ!」
「大変って?そんなに慌てて何があったの」
「円堂くん、豪炎寺くんとマネージャーの皆さんで虎丸くんの家へ向かったのですがまだ帰ってきてなくてですね……」
「……つまり、秋達がいなくて夕飯の準備が出来てないってこと!?」
「そうなんです……!」
僕一人では全員分なんてとても……と目金の悲痛そうな表情に頭を抱えたくなった。
「状況は分かった、あたしも手伝う!あと他に料理が出来そうな人探してくるから!」
「お願いします……!!」
何人かは自主練に行ってるみたいだけど、合宿所に残ってるメンバーでなんとかするしかない。
出来そうな人といっても、基本的なことは皆出来るはずだ。鬼道は絶対に欲しい。あと豪炎寺に一郎太、条兄とそれから……。
「美波ちゃん?」
「あ、士郎くんにヒロトだ」
合宿が始まってから、この二人が一緒にいるのをちょくちょく見かける気がする。二人共エイリアの時は色々あったから、気が合ってるみたいで嬉しい。
明王ちゃんは相変わらずだけど、ヒロトもリュウジもチームに馴染めてるみたいで本当に良かった。リュウジはちょっと心配だけど。
「そんなに慌ててどうしたんだい?」
「実は秋達がいなくて夕飯の準備が出来てないんだ。だから作るの手伝ってくれる人を探してて」
「それなら僕も手伝うよ」
「俺も。緑川にも声をかけておくよ」
「ありがとう二人共!」
よし、これで人手三人分!幸先良い!
誰か帰ってきてないか玄関の方へ行くと、丁度飛鷹が出ていこうとしているところだった。
「あれ、飛鷹ー!どこ行くの? 」
「人と会う約束がある」
「そっか、分かった!」
「何かあったのか」
「夕飯の準備が出来てないから手伝ってくれる人を探してたんだ」
そう答えると、飛鷹は気まずそうにそっぽを向いた。櫛で髪を梳かしている。よくやってるけど、拘りがあるんだろうか。
「……人手は足りてるのか」
「ぼちぼち?あ、でも約束優先して!そっちが先だし、こっちは多分大丈夫だから」
「悪いな」
「気にしないで!心配してくれてありがとう!いってらっしゃい!」
「……行ってくる」
「うん!でも、あまり遅くならないようにね!」
「……ッス」
手を振って見送れば、飛鷹は軽く頭を下げて行ってしまった。まだあんまり話せてないけど、飛鷹ともちょっとだけ仲良くなれた気がする。
更に誰かいないか探していると、前方に明王ちゃんを発見した。
「あ、明王ちゃん!いいところに!」
「うるせえ」
「そう言わずに話だけでも聞いてよ!」
一蹴して足早に立ち去ろうとする明王ちゃんの前に立って腕を広げる。心底面倒そうな顔をされたけど、気にしない。
明王ちゃんの料理の腕を披露すれば、皆も少しは認めてくれるかもしれない。名付けて、お料理大作戦!
「皆で夕飯作ろう!」
「俺が行ったら余計時間かかんだろ」
ばっさりと切り捨てられた。そして、さっさと部屋に戻ってしまった。……けど、あたしが説明しなくても状況は把握してたんだ。
確かに、明王ちゃんがいるといい顔をしない人はいると思う。特に鬼道。どうにかしたいけど、明王ちゃんの態度が悪いのもあってなかなか上手くいかない。
といっても、素直な態度だったらそれはそれで変……というかちょっと不気味だ。爽やかな笑顔で挨拶された日には逆に心の距離が開きそう。
……まあ、真・帝国での事もあるから、こればっかりは時間をかけなきゃ駄目なんだろうな。
あたしだって、佐久間や源田、染岡の怪我については一言二言は文句を言いたい。
勝ちたい気持ちは分かるけど、その為なら人を傷つけてもいいという気持ちは分からない。そんなやり方で勝ったって、嬉しくない。
「何を百面相しているんだ」
「おわっ、なんだ鬼道か……」
声がしたと思ったら、振り向けばそこには鬼道がいた。思わず零した言葉に、鬼道はわざとらしくしかめっ面をした。
「俺で悪かったな」
「いやそうじゃなくて……っていうか探してた!夕飯作るの手伝って!」
「…………ふむ」
「な、何その顔。驚いたのは謝るけど、本当に探してたんだよ」
「今次の練習で試したい動きを考えている」
「だからさっきはごめんってば!」
「当たり負けしない体作りは当然として受け流す技術も必要だと思うのだが」
「いじわるしないでよ鬼道!」
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