第5話 ビッグウェイブを乗り越えろ!!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
オーストラリアによる、いきなりの先制点。初っ端から見せつけられた世界レベルには驚いたけど、これで怯むイナズマジャパンじゃない。
見たこともない必殺技を使ってくる凄い選手と戦える。まだ見ぬ強敵たちが世界にはいる。それだけで燃えてくる!
「試合はまだ始まったばかりだ!まずは一点、追い付こうぜ!」
イナズマジャパンボールで試合再開。士郎くんからボールを受けた豪炎寺が上がって、鬼道、一郎太、ヒロトが続く。
相手ディフェンス陣に囲まれた。四方を塞ぐように迫ってくるディフェンスをどうにか突破するべく、上からかわそうとするも、ニースに取られてしまう。
これがビッグウェイブスの必殺タクティクス、ボックスロックディフェンス……。名前の通り、まるで箱の中に閉じ込められたみたいだ。
今度はイナズマジャパン陣内にビッグウェイブスが攻め込んでくる。逆を突かれて突破されたけど、シュートは守兄がセーブして失点は抑えられた。
それにしても、なんてディフェンスだ。ベンチからでも分かる、あれを破るのは至難の技だ。
今度は士郎くんが、鬼道が、ヒロトが次々とボックスロックディフェンスにかかり、なかなか攻め手が見つからない。
守兄がセーブし続けて得点はされてないものの、防戦一方で流れが持ってかれている。
「ったく、いつまでノロノロやってんだよ」
「明王ちゃんにはあのディフェンスを突破する方法が分かってるの?」
「……」
「黙ってないで教えてよ」
「うるせえ、自分で考えろ」
話は終わりだと言いたげに明王ちゃんはフィールドに視線を戻した。
どの方向に行こうとしても、二人がかりで行く手を塞がれる。パスを出そうにも、出し筋を限定されて、ボールを奪われる。
ただでさえ練習出来てないのに、これじゃあ尚更連携なんて……ん?
「まだ気づかないのか!箱の鍵は、お前たちの中にある!」
「箱の、鍵?」
何かが引っ掛かる。もう少しで、見えそうな気がする。
箱というのはボックスロックディフェンスのことだ。鍵はあのディフェンスを破る方法で、それはあたし達の中にある。破れるだけの力は、既に身に付いてるってこと?
試合前にした練習と言えば部屋で各々がやった特訓で、あれが鍵なら……。部屋……そうだ、まるで、あのタクティクスのような……!!
「部屋だ!」
「っ、何だよ急に……美波?」
「部屋なんだよ、あのディフェンスは!そうでしょ、明王ちゃん!」
「遅ェ」
「やった、当たり!」
「あのー、僕達にも分かるように説明していただけますか?」
「うん。あ、待って。鬼道が多分、気づいた」
再びボックスロックディフェンスに囲まれ思案顔をしていた鬼道が、少し笑ったような気がした。
それも束の間、鬼道はボールを蹴り上げた。右、左……鮮やかなボールコントロールで、あの狭いスペースでボールをキープし続けている。
指示が飛んでブロックが激しくなる中でもキープし続け、とうとう焦ったディフェンダー同士でぶつかって、隙間が出来た。
そのチャンスを逃す鬼道じゃない。鋭いパスは豪炎寺に繋がって、更に士郎くんへとボールは渡る。
……ボックスロックディフェンスで連携をさせてもらえないなら、磨くべきは個人技。だから練習禁止なんてやったんだ。
四方の壁に囲まれた部屋をボックスロックディフェンスに見立てて、あたし達が部屋の中で練習をするように仕向けた。
「成る程、練習禁止というのは必殺タクティクス対策だったんですね」
「うん。あの部屋でボールを蹴る感覚は、あれを突破するのに役に立つよ」
「ボールコントロールとキープ力を中心に、個人の技量を高める為、ですか」
「でもさー、それなら最初からそう言ってくれれば良かったじゃん!」
「自分に合った練習を自分で考えて実践するのが大事だったんだよ、きっと」
「これで考える力も身に付いたでやんす!」
「そうそう!」
確かに連携の確認を出来なかったのは痛いかもしれない。けど、ボックスロックディフェンスを突破出来なければそもそも連携どころじゃない。
ふと、千羽山戦を思い出す。実力が伸びて連携が上手くいかなくなっていた雷門を、鬼道はあっという間に調整してみせた。きっと、今回だって……!
「タクティクスは攻略したから、後は点を取るだけだね!」
「だけって、簡単に言うよなあ」
「でも、あのディフェンスはもう怖くない。今度はこっちが攻める番で」
「お前達」
「はいっ」
監督に声をかけられて、シャキッと背が伸びる。タクティクスを攻略は出来たけど、まだ得点に繋がった訳じゃない。はしゃぎ過ぎたか。
「準備しておけ」
『はい!!』
試合を見ている監督の目は厳しい。流れは掴んでいるのに、どうして……?
.
見たこともない必殺技を使ってくる凄い選手と戦える。まだ見ぬ強敵たちが世界にはいる。それだけで燃えてくる!
「試合はまだ始まったばかりだ!まずは一点、追い付こうぜ!」
イナズマジャパンボールで試合再開。士郎くんからボールを受けた豪炎寺が上がって、鬼道、一郎太、ヒロトが続く。
相手ディフェンス陣に囲まれた。四方を塞ぐように迫ってくるディフェンスをどうにか突破するべく、上からかわそうとするも、ニースに取られてしまう。
これがビッグウェイブスの必殺タクティクス、ボックスロックディフェンス……。名前の通り、まるで箱の中に閉じ込められたみたいだ。
今度はイナズマジャパン陣内にビッグウェイブスが攻め込んでくる。逆を突かれて突破されたけど、シュートは守兄がセーブして失点は抑えられた。
それにしても、なんてディフェンスだ。ベンチからでも分かる、あれを破るのは至難の技だ。
今度は士郎くんが、鬼道が、ヒロトが次々とボックスロックディフェンスにかかり、なかなか攻め手が見つからない。
守兄がセーブし続けて得点はされてないものの、防戦一方で流れが持ってかれている。
「ったく、いつまでノロノロやってんだよ」
「明王ちゃんにはあのディフェンスを突破する方法が分かってるの?」
「……」
「黙ってないで教えてよ」
「うるせえ、自分で考えろ」
話は終わりだと言いたげに明王ちゃんはフィールドに視線を戻した。
どの方向に行こうとしても、二人がかりで行く手を塞がれる。パスを出そうにも、出し筋を限定されて、ボールを奪われる。
ただでさえ練習出来てないのに、これじゃあ尚更連携なんて……ん?
「まだ気づかないのか!箱の鍵は、お前たちの中にある!」
「箱の、鍵?」
何かが引っ掛かる。もう少しで、見えそうな気がする。
箱というのはボックスロックディフェンスのことだ。鍵はあのディフェンスを破る方法で、それはあたし達の中にある。破れるだけの力は、既に身に付いてるってこと?
試合前にした練習と言えば部屋で各々がやった特訓で、あれが鍵なら……。部屋……そうだ、まるで、あのタクティクスのような……!!
「部屋だ!」
「っ、何だよ急に……美波?」
「部屋なんだよ、あのディフェンスは!そうでしょ、明王ちゃん!」
「遅ェ」
「やった、当たり!」
「あのー、僕達にも分かるように説明していただけますか?」
「うん。あ、待って。鬼道が多分、気づいた」
再びボックスロックディフェンスに囲まれ思案顔をしていた鬼道が、少し笑ったような気がした。
それも束の間、鬼道はボールを蹴り上げた。右、左……鮮やかなボールコントロールで、あの狭いスペースでボールをキープし続けている。
指示が飛んでブロックが激しくなる中でもキープし続け、とうとう焦ったディフェンダー同士でぶつかって、隙間が出来た。
そのチャンスを逃す鬼道じゃない。鋭いパスは豪炎寺に繋がって、更に士郎くんへとボールは渡る。
……ボックスロックディフェンスで連携をさせてもらえないなら、磨くべきは個人技。だから練習禁止なんてやったんだ。
四方の壁に囲まれた部屋をボックスロックディフェンスに見立てて、あたし達が部屋の中で練習をするように仕向けた。
「成る程、練習禁止というのは必殺タクティクス対策だったんですね」
「うん。あの部屋でボールを蹴る感覚は、あれを突破するのに役に立つよ」
「ボールコントロールとキープ力を中心に、個人の技量を高める為、ですか」
「でもさー、それなら最初からそう言ってくれれば良かったじゃん!」
「自分に合った練習を自分で考えて実践するのが大事だったんだよ、きっと」
「これで考える力も身に付いたでやんす!」
「そうそう!」
確かに連携の確認を出来なかったのは痛いかもしれない。けど、ボックスロックディフェンスを突破出来なければそもそも連携どころじゃない。
ふと、千羽山戦を思い出す。実力が伸びて連携が上手くいかなくなっていた雷門を、鬼道はあっという間に調整してみせた。きっと、今回だって……!
「タクティクスは攻略したから、後は点を取るだけだね!」
「だけって、簡単に言うよなあ」
「でも、あのディフェンスはもう怖くない。今度はこっちが攻める番で」
「お前達」
「はいっ」
監督に声をかけられて、シャキッと背が伸びる。タクティクスを攻略は出来たけど、まだ得点に繋がった訳じゃない。はしゃぎ過ぎたか。
「準備しておけ」
『はい!!』
試合を見ている監督の目は厳しい。流れは掴んでいるのに、どうして……?
.
1/4ページ