第4話 開幕!世界への挑戦!!
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練習禁止。言い渡された言葉に、ぽかんと口が開いた。えっ、どういうこと。試合まであと2日なのに、練習出来ないの!?
「俺たちは日本代表に招集されたばかりで、チームとして完成していません。この2日間は、チームの連携を高めるために使うべきです」
鬼道の言うとおりだと思ったけど、監督は聞く耳を持たず、全員部屋に戻ることになった。
とりあえずジャージを羽織って、ベッドに寝転がる。……落ち着かない。試合まであと2日しかないのに、練習出来ないなんて。
やっぱり、チームの連携を活すためにも、練習するべきだと思う。負けたら終わりのトーナメントなのに、何で練習禁止なんだろう。
やることも思いつかない。……明王ちゃんのとこ、行ってみようかな。
「明王ちゃーん!ぶべらっ」
「いきなり開けんな」
「いったあ……」
明王ちゃんの部屋のドアを開けた瞬間、ボールが飛んで来て、ものの見事に顔面にぶつかった。そのまま後ろに倒れて後頭部を強打。痛い。
「チッ……おい、大丈夫か」
「明王ちゃんがあたしに優しい……!」
「……お前に怪我させたって円堂にバレたら不味いだろ」
「あっ……うん、そうだね」
そうか、そういうことか。納得はしたけど、なんだろう、この釈然としない気持ちは。
「何やってたの?部屋でサッカー?」
「入んな」
「お邪魔します!」
「……」
部屋に入ると、明王ちゃんは呆れたようにため息をついた。止めても無駄だって思ったんだろうな。
部屋の壁には、ボールが当たった跡があった。あそこにボールを当ててた……待って、なら何であたしの方にボール飛んで来たの。
「狙ったの!?」
「あれくらい避けろよ」
「ああうん……うん?いや無理だよ!」
死角から飛んで来たんだから!と主張しても、明王ちゃんはどこ吹く風だ。まあ、試合でボールが体に当たるなんてよくあることだけど。
あたしを一瞥すると、明王ちゃんはベッドに座った。そしてまたため息をつく。
「ねえ、明王ちゃんは監督のことどう思う?」
「……」
「桜咲中で問題を起こしたって……。まさか、今度はイナズマジャパンで……」
「……」
「でも響木監督が連れてきた人で」
「うっせえ」
「あいたあ!」
頭にボールをぶつけられた。確かに人の部屋でうんうん唸ってるあたしもあたしだけど。
「で、明王ちゃんはどう思う?」
「ハア……。……桜咲中の、決勝の対戦相手はどこだった」
「え?」
「10年前、フットボールフロンティアで優勝したとこを考えれば、大体分かるだろ」
「10年前ってそんなの知らな……!」
今年の優勝は雷門だった。それまでは、40年間無敗だった学校がある。当然、10年前もそうだ。決勝の相手は、優勝したのは、
「帝国、学園……」
「ま、そういうことだろ」
帝国は強かった。でもその勝利を確固たるものにするために、裏から手を回しているやつがいた。影山だ。
確証はない。でも、久遠監督が起こした事件に影山が一枚噛んでいる可能性は、十分にある。
「皆に教えないと!」
「やめとけ」
「何で!」
「教えたところでどうなる」
「どうって……」
「何にせよ、監督の意図が分かんなきゃ意味ねーだろ」
「監督の意図って?」
「自分で考えろ」
監督の意図。練習禁止の指示に、一体どういう意味があるんだろう。
それに、それはそれとして、だ。監督の過去について、みんなに言うべきだろうか。
誤解は解いた方がいいとは思う。でも、それには影山が絡んでくる。ただでさえ空気がピリピリしているのに、影山の名前を出すのはどうなんだろう。
鬼道はまだ、影山のことを気にしている。明王ちゃんを通して、影山の影を見ている。
影山は、真・帝国で、鬼道のことを最高傑作だと言っていた。影山も、鬼道に執着してるような、そんな気がする。
あの時、影山は海に消えた。捕まったという連絡は聞いてない。今はどこで何をしているのか……。
……って、今は影山のこと考えてる場合じゃないか。ここにいない奴のことを考えてても、しょうがないよね。
黙ってそう考えていると、明王ちゃんは舌打ちした。
「もういいだろ。出てけ」
「……うん、そうだね。あたしも部屋で練習する」
「スタメン取りたいなら、そうするんだな」
「グラウンドじゃなくてもサッカーは出来るもんね!」
「はいはい」
また練習するのか、明王ちゃんが立ち上がった時、廊下から声が聞こえてきた。
どうやら守兄たちが監督に交渉しに行って、にべもなく追い払われたらしい。みんな、監督を不審に思ってる。
「……うるせえな」と舌打ちをした明王ちゃんが、廊下へ出ていった。続いて、煽るような言葉が聞こえてくる。
あたしも出ていくと、みんなは驚きの表情を浮かべた。
「美波!?」
「何で不動の部屋に……」
「っ、不動!」
「俺じゃねーよ。何でもかんでも俺のせいにすんな。こいつが勝手に来たんだ」
「うん、そうだよ。あたしが勝手に明王ちゃんの部屋に来たんだ」
そう言うと、一応は納得してくれた。強く食って掛かるあたり、鬼道は本当に明王ちゃんのことを嫌ってるんだな……。
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「俺たちは日本代表に招集されたばかりで、チームとして完成していません。この2日間は、チームの連携を高めるために使うべきです」
鬼道の言うとおりだと思ったけど、監督は聞く耳を持たず、全員部屋に戻ることになった。
とりあえずジャージを羽織って、ベッドに寝転がる。……落ち着かない。試合まであと2日しかないのに、練習出来ないなんて。
やっぱり、チームの連携を活すためにも、練習するべきだと思う。負けたら終わりのトーナメントなのに、何で練習禁止なんだろう。
やることも思いつかない。……明王ちゃんのとこ、行ってみようかな。
「明王ちゃーん!ぶべらっ」
「いきなり開けんな」
「いったあ……」
明王ちゃんの部屋のドアを開けた瞬間、ボールが飛んで来て、ものの見事に顔面にぶつかった。そのまま後ろに倒れて後頭部を強打。痛い。
「チッ……おい、大丈夫か」
「明王ちゃんがあたしに優しい……!」
「……お前に怪我させたって円堂にバレたら不味いだろ」
「あっ……うん、そうだね」
そうか、そういうことか。納得はしたけど、なんだろう、この釈然としない気持ちは。
「何やってたの?部屋でサッカー?」
「入んな」
「お邪魔します!」
「……」
部屋に入ると、明王ちゃんは呆れたようにため息をついた。止めても無駄だって思ったんだろうな。
部屋の壁には、ボールが当たった跡があった。あそこにボールを当ててた……待って、なら何であたしの方にボール飛んで来たの。
「狙ったの!?」
「あれくらい避けろよ」
「ああうん……うん?いや無理だよ!」
死角から飛んで来たんだから!と主張しても、明王ちゃんはどこ吹く風だ。まあ、試合でボールが体に当たるなんてよくあることだけど。
あたしを一瞥すると、明王ちゃんはベッドに座った。そしてまたため息をつく。
「ねえ、明王ちゃんは監督のことどう思う?」
「……」
「桜咲中で問題を起こしたって……。まさか、今度はイナズマジャパンで……」
「……」
「でも響木監督が連れてきた人で」
「うっせえ」
「あいたあ!」
頭にボールをぶつけられた。確かに人の部屋でうんうん唸ってるあたしもあたしだけど。
「で、明王ちゃんはどう思う?」
「ハア……。……桜咲中の、決勝の対戦相手はどこだった」
「え?」
「10年前、フットボールフロンティアで優勝したとこを考えれば、大体分かるだろ」
「10年前ってそんなの知らな……!」
今年の優勝は雷門だった。それまでは、40年間無敗だった学校がある。当然、10年前もそうだ。決勝の相手は、優勝したのは、
「帝国、学園……」
「ま、そういうことだろ」
帝国は強かった。でもその勝利を確固たるものにするために、裏から手を回しているやつがいた。影山だ。
確証はない。でも、久遠監督が起こした事件に影山が一枚噛んでいる可能性は、十分にある。
「皆に教えないと!」
「やめとけ」
「何で!」
「教えたところでどうなる」
「どうって……」
「何にせよ、監督の意図が分かんなきゃ意味ねーだろ」
「監督の意図って?」
「自分で考えろ」
監督の意図。練習禁止の指示に、一体どういう意味があるんだろう。
それに、それはそれとして、だ。監督の過去について、みんなに言うべきだろうか。
誤解は解いた方がいいとは思う。でも、それには影山が絡んでくる。ただでさえ空気がピリピリしているのに、影山の名前を出すのはどうなんだろう。
鬼道はまだ、影山のことを気にしている。明王ちゃんを通して、影山の影を見ている。
影山は、真・帝国で、鬼道のことを最高傑作だと言っていた。影山も、鬼道に執着してるような、そんな気がする。
あの時、影山は海に消えた。捕まったという連絡は聞いてない。今はどこで何をしているのか……。
……って、今は影山のこと考えてる場合じゃないか。ここにいない奴のことを考えてても、しょうがないよね。
黙ってそう考えていると、明王ちゃんは舌打ちした。
「もういいだろ。出てけ」
「……うん、そうだね。あたしも部屋で練習する」
「スタメン取りたいなら、そうするんだな」
「グラウンドじゃなくてもサッカーは出来るもんね!」
「はいはい」
また練習するのか、明王ちゃんが立ち上がった時、廊下から声が聞こえてきた。
どうやら守兄たちが監督に交渉しに行って、にべもなく追い払われたらしい。みんな、監督を不審に思ってる。
「……うるせえな」と舌打ちをした明王ちゃんが、廊下へ出ていった。続いて、煽るような言葉が聞こえてくる。
あたしも出ていくと、みんなは驚きの表情を浮かべた。
「美波!?」
「何で不動の部屋に……」
「っ、不動!」
「俺じゃねーよ。何でもかんでも俺のせいにすんな。こいつが勝手に来たんだ」
「うん、そうだよ。あたしが勝手に明王ちゃんの部屋に来たんだ」
そう言うと、一応は納得してくれた。強く食って掛かるあたり、鬼道は本当に明王ちゃんのことを嫌ってるんだな……。
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