第3話 呪われた監督!
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また次の日も、明王ちゃんは個人しないプレーばかりをしていた。あ、今度は夕弥のパスの催促を無視してる。
「ちぇ、なんだよ。何でパスくれないんだよ!」
「まあまあ」
「……美波は何で庇うんだよ。あいつ、ヤバいやつなの知ってるだろ!」
「それはまあ、そうなんだけど……」
そういえばあの時、チームに加入したばかりの夕弥は、異様な空気に怯えてたっけな……。
監督は、前を走る栗松、土方、虎丸についていけない壁山に檄を飛ばしている。明王ちゃんのこと、監督のこと。なんだか、雰囲気が悪い。
「円堂!何をぼーっとしている!相手が来るまで待っているつもりか!突っ立っている暇があったらボールを追え!」
「っはい!」
……みんなのことは気になるし、この空気をどうにかしたいとは思うけど、まずは自分のことをちゃんとやらないとな。
ふとベンチを見ると、春ちゃんと目金がいなくなっていた。どこに行ったんだろう……って、練習に集中しないと!
夕方、練習後。どこかに行っていたらしい春ちゃんと目金が、みんなを食堂に集めた。なんでも、監督は過去に、サッカー部を潰したという。
「間違いありません。サッカー協会の資料室で見つけたんです」
「サッカー協会に行ってたの?」
「はい。久遠監督のこと、どうしても気になって……」
そうして春ちゃんは、10年前に起きたことを話し始めた。
当時の久遠監督は、桜咲中の監督をやっていて、その年のフットボールフロンティアを大量得点差で勝ち進んでいた。
けれど決勝戦前になって監督が事件を起こし、決勝を棄権。何があったかは詳しくは分からないけど、久遠監督は呪われた監督だという噂がある。
「(呪われた監督、か……)」
でも、そんな人を、日本代表の監督に抜擢するかなあ……。
夕飯前、鉄塔に自主練をしに行った守兄を呼びに行った帰り道、通りかかった河川敷グラウンドで、染岡が練習していた。
「「染岡!」」
「よお円堂、美波。久しぶりだな」
「やってるな染岡!」
「1人で特訓?」
「おお!フットボールフロンティアインターナショナルには、選手起用の特別ルールがあるからな」
「特別ルール?」
「知らないのか?」
「う、うん」
ちょっとだけ呆れ顔になった染岡は、ルールの説明をしてくれた。試合ごとに代表選手を入れ替えることができるんだ、と。
つまり、今選ばれなくても、今後代表メンバーになれる可能性はあるということだ。
「ってことは、他のみんなも!」
「そういうことだ。佐久間なんかも、帝国で毎日やってるらしいぜ。今度一緒に練習するんだ」
「帝国で!いいなあー」
「お前は日本代表だろって。……円堂、美波、俺は諦めねえぞ。またお前たちと同じフィールドに立ってみせる。必ずな」
「ああ!その意気だ!俺たちも待ってるぞ!付き合うぜ!打って来い!」
「あたしも付き合う!抜いてみせろ!」
「お前ら……よし、やるぞ!」
選ばれた者は、選ばれなかった者の思いを背負う。響木監督の言葉を、改めて噛み締めた。
***
壁山の不調も治って、監督の厳しい練習にも慣れてきた。明王ちゃんは相変わらずで、鬼道はピリピリしてるけど。
そして日本代表になって1週間経ち、今日は、アジア予選の組み合わせ抽選会の日だ。あたしたちは食堂に集まって、テレビ中継を見ている。
フットボールフロンティアインターナショナルは、全世界を5つのエリアにわけて予選を行い、各エリアの優勝チームが本選の会場となるライオコット島へ集結する。
アジアの本選出場枠は、1チームのみ。予選はトーナメント方式で、3回勝たなければ、本選には行けない。
監督がくじを引く。イナズマジャパンの1回戦の相手は、オーストラリア代表ビッグウェイブスに決まった。
試合は2日後。オーストラリアは、アジア最強と言われる韓国と並んで、優勝候補の1つだ。いきなり強敵とぶつかった。……ううん、強敵じゃないチームなんてないんだ。
「決まったな」
「いきなり優勝候補か」
「ああ。だが、相手にとって不足はない!」
「それに、勝利候補に勝てれば、それだけの実力があるってことになるよ!」
「そうだね。僕たちの力が世界に通用するって、証明しよう!」
「どこが相手でも、勝つだけだぜ!」
「よーし、オーストラリア戦に向けて、明日から特訓だ!」
『おー!』
1回戦、絶対に勝つ。そう意気込んでいたのに、
「練習、禁止……?」
試合までの2日間、合宿所から出ることは許されないと言い渡されてしまった。監督は、一体何を考えているの……?
→あとがき
「ちぇ、なんだよ。何でパスくれないんだよ!」
「まあまあ」
「……美波は何で庇うんだよ。あいつ、ヤバいやつなの知ってるだろ!」
「それはまあ、そうなんだけど……」
そういえばあの時、チームに加入したばかりの夕弥は、異様な空気に怯えてたっけな……。
監督は、前を走る栗松、土方、虎丸についていけない壁山に檄を飛ばしている。明王ちゃんのこと、監督のこと。なんだか、雰囲気が悪い。
「円堂!何をぼーっとしている!相手が来るまで待っているつもりか!突っ立っている暇があったらボールを追え!」
「っはい!」
……みんなのことは気になるし、この空気をどうにかしたいとは思うけど、まずは自分のことをちゃんとやらないとな。
ふとベンチを見ると、春ちゃんと目金がいなくなっていた。どこに行ったんだろう……って、練習に集中しないと!
夕方、練習後。どこかに行っていたらしい春ちゃんと目金が、みんなを食堂に集めた。なんでも、監督は過去に、サッカー部を潰したという。
「間違いありません。サッカー協会の資料室で見つけたんです」
「サッカー協会に行ってたの?」
「はい。久遠監督のこと、どうしても気になって……」
そうして春ちゃんは、10年前に起きたことを話し始めた。
当時の久遠監督は、桜咲中の監督をやっていて、その年のフットボールフロンティアを大量得点差で勝ち進んでいた。
けれど決勝戦前になって監督が事件を起こし、決勝を棄権。何があったかは詳しくは分からないけど、久遠監督は呪われた監督だという噂がある。
「(呪われた監督、か……)」
でも、そんな人を、日本代表の監督に抜擢するかなあ……。
夕飯前、鉄塔に自主練をしに行った守兄を呼びに行った帰り道、通りかかった河川敷グラウンドで、染岡が練習していた。
「「染岡!」」
「よお円堂、美波。久しぶりだな」
「やってるな染岡!」
「1人で特訓?」
「おお!フットボールフロンティアインターナショナルには、選手起用の特別ルールがあるからな」
「特別ルール?」
「知らないのか?」
「う、うん」
ちょっとだけ呆れ顔になった染岡は、ルールの説明をしてくれた。試合ごとに代表選手を入れ替えることができるんだ、と。
つまり、今選ばれなくても、今後代表メンバーになれる可能性はあるということだ。
「ってことは、他のみんなも!」
「そういうことだ。佐久間なんかも、帝国で毎日やってるらしいぜ。今度一緒に練習するんだ」
「帝国で!いいなあー」
「お前は日本代表だろって。……円堂、美波、俺は諦めねえぞ。またお前たちと同じフィールドに立ってみせる。必ずな」
「ああ!その意気だ!俺たちも待ってるぞ!付き合うぜ!打って来い!」
「あたしも付き合う!抜いてみせろ!」
「お前ら……よし、やるぞ!」
選ばれた者は、選ばれなかった者の思いを背負う。響木監督の言葉を、改めて噛み締めた。
***
壁山の不調も治って、監督の厳しい練習にも慣れてきた。明王ちゃんは相変わらずで、鬼道はピリピリしてるけど。
そして日本代表になって1週間経ち、今日は、アジア予選の組み合わせ抽選会の日だ。あたしたちは食堂に集まって、テレビ中継を見ている。
フットボールフロンティアインターナショナルは、全世界を5つのエリアにわけて予選を行い、各エリアの優勝チームが本選の会場となるライオコット島へ集結する。
アジアの本選出場枠は、1チームのみ。予選はトーナメント方式で、3回勝たなければ、本選には行けない。
監督がくじを引く。イナズマジャパンの1回戦の相手は、オーストラリア代表ビッグウェイブスに決まった。
試合は2日後。オーストラリアは、アジア最強と言われる韓国と並んで、優勝候補の1つだ。いきなり強敵とぶつかった。……ううん、強敵じゃないチームなんてないんだ。
「決まったな」
「いきなり優勝候補か」
「ああ。だが、相手にとって不足はない!」
「それに、勝利候補に勝てれば、それだけの実力があるってことになるよ!」
「そうだね。僕たちの力が世界に通用するって、証明しよう!」
「どこが相手でも、勝つだけだぜ!」
「よーし、オーストラリア戦に向けて、明日から特訓だ!」
『おー!』
1回戦、絶対に勝つ。そう意気込んでいたのに、
「練習、禁止……?」
試合までの2日間、合宿所から出ることは許されないと言い渡されてしまった。監督は、一体何を考えているの……?
→あとがき