第2話 誕生!イナズマジャパン!!
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「あ、そうだ。ヒロトとリュウジに聞きたいことがあったんだ」
「俺たちに?」
「何かあったのか」
「ちょっとね。こっちの選考の対戦相手が玲名達って知ってた?」
「え、八神が?」
「うん。布美子とルル、マキにクララに杏もいたよ」
「知らなかった……。言ってくれればよかったのに」
口を尖らせたリュウジを、「それじゃフェアじゃないよ」とヒロトが宥める。
杉森もいたことを告げると、守兄たちは驚いていた。また試合がしたいと、豪炎寺と染岡も言ってくれた。
「見てみて明王ちゃん、受かった!」
「うるせえ」
「美波、あまりそいつに近づかない方がいい」
「さっ君……」
選考試合で何があったんだろう。鬼道も眉間に皺を寄らせているし、やっぱり揉めたのかなあ。
鬼道と明王ちゃん、そして佐久間。三人が代表に選ばれたとして、チームメイトになった時、上手くやっていけるかな……。
「あ、鬼道のマントが赤になってる」
「ユニフォームに合わせた」
「帝国の時とも違う赤だ。拘りだね!」
フッとドヤ顔をする鬼道。鬼道は赤も青も似合うな。目もそうだしイメージカラーは赤……いや青も捨てがたい。だって、雷門の色だ。
でも、鬼道的にはやっぱり赤は特別なのかな。いつからマントしてるのかは知らないけど、帝国も今回も赤なんだから。
暫く談笑してると、「来たぞ」と鬼道が呟いた。視線を向けると響木監督がやって来ていて、慌てて整列する。
「響木監督!あたし、受かりました!」
「こちらにも連絡は来ている」
「あ、そっか」
「しかし、お前のよく知っている奴が落とされるかもしれんぞ」
「う」
「誰がチームメイトになっても、戦えるな」
「……はい!」
あたしが騒いだって、結果は変わらない。皆はきっと、全力で選考試合をやったんだ。
その結果がどうなろうと、あたしは受け止めるしかない。選ばれた人達と一緒に、精一杯やるだけだ。
「さあ、僕のチームメートになるのは誰かな?」
「強いやつが生き残る。自然界の掟と同じさ」
「アンタたちが生き残るかどうか、まだ分かんないけどね!うっしっしっし!」
「夕弥……」
確かにその通りではあるけど、リュウジと目金弟は渋い顔をしている。その時、前に見かけた男の人がきた。
そして響木監督の「日本代表チームの監督を紹介する」という言葉。まさか、この人が、
「私が、日本代表監督の久遠道也だ。よろしく頼む」
……日本代表の、監督。なんだか厳しそうな人だ。自然と背筋が伸びる。
でも響木監督が、今まで以上にあたしたちの力を引き出してくれるも判断した人だ。
「では、代表メンバーを発表する」
最初に呼ばれたのは鬼道だ。次いで豪炎寺、ヒロト、士郎くんが呼ばれる。それから、一郎太と夕弥と条兄。
その次は土方、立向居、リュウジ。リュウジは分かりやすくホッとした表情をしていた。
次に呼ばれたのは明王ちゃんで、鬼道とさっ君が一瞬だけ明王ちゃんを見た。
虎丸と、飛鷹も入った。2人のプレーは見たことがない。一体、どんなプレイをするのだろう。
壁山、栗松も呼ばれて、残りは、1人。
「最後に……円堂守!」
「はい!」
「以上、16名。それから、特別枠に――円堂美波」
「っはい!」
「この17名が、日本代表だ」
代表が決まった。受かった人は喜んでいるけど、受からなかった人の表情は暗い。
わかってた。わかってたけど……やっぱりキツいなあ。
「何しけたツラしてんだよ」
「お前は実力で、代表に選ばれたんだ。そんな顔するなよ」
「染岡……さっ君……」
「今日からお前たちは日本代表イナズマジャパンだ。選ばれた者は、選ばれなかった者の思いを背負うのだ!」
『はい!』
選ばれた者は、選ばれなかった者の思いを背負う。選ばれなかった人たちの分まで、世界と戦う。
「世界への道は険しいぞ。覚悟はいいな」
沢山の人たちの思いを背負って、あたしたちは世界に行くんだ。
「よし!円陣組むぞ!」
「そうだね!ほら、明王ちゃんも!」
「っおい、ふざけんなよ」
「いいからいいから」
引っ張っていって、あまり気にしなさそうな条兄の隣に押し込む。あたしは明王ちゃんの隣に入った。
鬼道の視線が痛いけど、今は無視だ。これからは、チームメイトなんだし。
「いよいよ世界か」
「長かったな。これが頂上への第一歩だ!」
豪炎寺の呟きに、一郎太が返す。日本一になってから、もう大分経った。そして今、世界に踏み出そうとしてる。
どんな相手が待っているのだろう。ヒロトの言う通り、楽しみで仕方がない。
「なんてったって俺たちは日本代表だ!そして次は、絶対に世界一だ!」
「選ばれなかった人たちの分まで、戦うんだ!」
「……イイ子ぶんなよ」
「っ、不動!」
「あーもー、やめてよ2人共!」
明王ちゃんの呟きに、鬼道が噛み付く。仕方ないとは思うけど、これからは同じチームなんだし、仲良くできたらいいなあ。
流石にすぐには無理だと思うし、明王ちゃんは性格的に孤立しそうだ。出来るだけ、一緒にいるようにしようかな。
「よっし、守兄!しめて!」
「お、おう。――やってやろうぜ!俺たちはイナズマジャパンだ!」
『おーっ!』
一斉に拳を突き上げる。
ついに世界か……。きっと強い相手が沢山いるんだろう。そう考えると今からワクワクしてくる。
始まるんだ。あたしたちの、世界への挑戦が!
→あとがき
「俺たちに?」
「何かあったのか」
「ちょっとね。こっちの選考の対戦相手が玲名達って知ってた?」
「え、八神が?」
「うん。布美子とルル、マキにクララに杏もいたよ」
「知らなかった……。言ってくれればよかったのに」
口を尖らせたリュウジを、「それじゃフェアじゃないよ」とヒロトが宥める。
杉森もいたことを告げると、守兄たちは驚いていた。また試合がしたいと、豪炎寺と染岡も言ってくれた。
「見てみて明王ちゃん、受かった!」
「うるせえ」
「美波、あまりそいつに近づかない方がいい」
「さっ君……」
選考試合で何があったんだろう。鬼道も眉間に皺を寄らせているし、やっぱり揉めたのかなあ。
鬼道と明王ちゃん、そして佐久間。三人が代表に選ばれたとして、チームメイトになった時、上手くやっていけるかな……。
「あ、鬼道のマントが赤になってる」
「ユニフォームに合わせた」
「帝国の時とも違う赤だ。拘りだね!」
フッとドヤ顔をする鬼道。鬼道は赤も青も似合うな。目もそうだしイメージカラーは赤……いや青も捨てがたい。だって、雷門の色だ。
でも、鬼道的にはやっぱり赤は特別なのかな。いつからマントしてるのかは知らないけど、帝国も今回も赤なんだから。
暫く談笑してると、「来たぞ」と鬼道が呟いた。視線を向けると響木監督がやって来ていて、慌てて整列する。
「響木監督!あたし、受かりました!」
「こちらにも連絡は来ている」
「あ、そっか」
「しかし、お前のよく知っている奴が落とされるかもしれんぞ」
「う」
「誰がチームメイトになっても、戦えるな」
「……はい!」
あたしが騒いだって、結果は変わらない。皆はきっと、全力で選考試合をやったんだ。
その結果がどうなろうと、あたしは受け止めるしかない。選ばれた人達と一緒に、精一杯やるだけだ。
「さあ、僕のチームメートになるのは誰かな?」
「強いやつが生き残る。自然界の掟と同じさ」
「アンタたちが生き残るかどうか、まだ分かんないけどね!うっしっしっし!」
「夕弥……」
確かにその通りではあるけど、リュウジと目金弟は渋い顔をしている。その時、前に見かけた男の人がきた。
そして響木監督の「日本代表チームの監督を紹介する」という言葉。まさか、この人が、
「私が、日本代表監督の久遠道也だ。よろしく頼む」
……日本代表の、監督。なんだか厳しそうな人だ。自然と背筋が伸びる。
でも響木監督が、今まで以上にあたしたちの力を引き出してくれるも判断した人だ。
「では、代表メンバーを発表する」
最初に呼ばれたのは鬼道だ。次いで豪炎寺、ヒロト、士郎くんが呼ばれる。それから、一郎太と夕弥と条兄。
その次は土方、立向居、リュウジ。リュウジは分かりやすくホッとした表情をしていた。
次に呼ばれたのは明王ちゃんで、鬼道とさっ君が一瞬だけ明王ちゃんを見た。
虎丸と、飛鷹も入った。2人のプレーは見たことがない。一体、どんなプレイをするのだろう。
壁山、栗松も呼ばれて、残りは、1人。
「最後に……円堂守!」
「はい!」
「以上、16名。それから、特別枠に――円堂美波」
「っはい!」
「この17名が、日本代表だ」
代表が決まった。受かった人は喜んでいるけど、受からなかった人の表情は暗い。
わかってた。わかってたけど……やっぱりキツいなあ。
「何しけたツラしてんだよ」
「お前は実力で、代表に選ばれたんだ。そんな顔するなよ」
「染岡……さっ君……」
「今日からお前たちは日本代表イナズマジャパンだ。選ばれた者は、選ばれなかった者の思いを背負うのだ!」
『はい!』
選ばれた者は、選ばれなかった者の思いを背負う。選ばれなかった人たちの分まで、世界と戦う。
「世界への道は険しいぞ。覚悟はいいな」
沢山の人たちの思いを背負って、あたしたちは世界に行くんだ。
「よし!円陣組むぞ!」
「そうだね!ほら、明王ちゃんも!」
「っおい、ふざけんなよ」
「いいからいいから」
引っ張っていって、あまり気にしなさそうな条兄の隣に押し込む。あたしは明王ちゃんの隣に入った。
鬼道の視線が痛いけど、今は無視だ。これからは、チームメイトなんだし。
「いよいよ世界か」
「長かったな。これが頂上への第一歩だ!」
豪炎寺の呟きに、一郎太が返す。日本一になってから、もう大分経った。そして今、世界に踏み出そうとしてる。
どんな相手が待っているのだろう。ヒロトの言う通り、楽しみで仕方がない。
「なんてったって俺たちは日本代表だ!そして次は、絶対に世界一だ!」
「選ばれなかった人たちの分まで、戦うんだ!」
「……イイ子ぶんなよ」
「っ、不動!」
「あーもー、やめてよ2人共!」
明王ちゃんの呟きに、鬼道が噛み付く。仕方ないとは思うけど、これからは同じチームなんだし、仲良くできたらいいなあ。
流石にすぐには無理だと思うし、明王ちゃんは性格的に孤立しそうだ。出来るだけ、一緒にいるようにしようかな。
「よっし、守兄!しめて!」
「お、おう。――やってやろうぜ!俺たちはイナズマジャパンだ!」
『おーっ!』
一斉に拳を突き上げる。
ついに世界か……。きっと強い相手が沢山いるんだろう。そう考えると今からワクワクしてくる。
始まるんだ。あたしたちの、世界への挑戦が!
→あとがき