第1話 集結!日本代表!!
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荷物を持って、帰路を歩く。皆は明日一日練習して、選考試合を迎えるそうだ。
見に行けないのは残念だけど、皆と一緒にあのユニフォームを着る為に、あたしも頑張らなくちゃ。
お母さんにはもう、7人泊まることは言ってあるし、夕飯の準備の手伝いとかもしないと。
久しぶりだと話しながら歩く士郎くん、夕弥、立向居、条兄。物珍しげに辺りを見るリュウジに、それを楽しそうに見ているヒロト。
守兄は6人を繋げるように、矢継ぎ早に会話を弾ませている。
「あーきおちゃん」
「……」
「あーきおあーきおあーきお」
「……」
「明王ちゃん」
「黙れバカ女」
「バカ女じゃなくて円堂美波だよ」
「フン」
会話が全く弾まない。気にしてるらしい士郎くんが時折振り向くけど、あっちに混ざると逃げられそうだからなあ。
そうこうしているうちに、家に帰ってきた。
「「ただいまっ!」」
『お邪魔します』
「……お邪魔します」
「明王ちゃんも最低限の礼儀はあいたたた!」
「うっせ」
髪の毛引っ張るのはやめていただけないだろうか。
お母さんからは、使っていない和室を寝室として使うように言われた。布団は押し入れに入っている。人数分あって良かった。
大人数だけど、特に驚くこともなく、お母さんは手洗いうがいをするように促した。事前に連絡しておいて正解だった。
「ん?ヒロトもリュウジもどうかした?」
「やー、人に家に遊びに行くなんて初めてだからさ」
「こんな感じなんだと思ってね」
「ああ……」
そうだ。二人共、お日さま園育ちだから。メンバーがメンバーだからお泊まり会みたいだし、試合もあるけどゆっくりしていって欲しいな。
あ、そうそう。忘れないうちに、ヒロトに返さないといけないものがある。
「ヒロト。はいこれ、借りっぱなしだったタオルとハンカチ」
「あ……そうだったね。うん、ありがとう」
なんか、三ヶ月も借りっぱなしだったから、名残惜しいようなないような。
「守、美波、ちょっと買い物に行ってきてもらっていいかしら」
「あー、ごめん母ちゃん。その、俺達これから鉄塔広場に行かなきゃいけなくて」
「あら、そうなの?」
「なら、僕が行きますよ。商店街ですよね?」
「でもお客様なのに」
「いいんです」
「なら、お願いしようかしら」
「はい」
流石に人数が多くて、食材が足りないみたいだ。どうしようかと思ったけど、士郎くんが名乗り出てくれた。
お礼を言うと、「泊まらせてもらうんだから、これくらいしないと」と笑いながら言ってくれた。士郎くん様々だ。
「なんかあんのか?」
「なっちゃんに呼び出しされててさ。あ、夕弥、イタズラはダメだよ」
「はいはい美波にしかしねーよ」
「それも嫌なんだけど」
「行くぞー」
「はーい」
「よし、これで美波ちゃんのお母さんの好感度アップ……」
「ふ、吹雪さん……」
士郎くんの言葉に立向居が引いていたなんて、知る由もないのだ。
***
「「「留学!?」」」
太陽が傾いて、オレンジ色に染まろうとしている鉄塔広場にて、なっちゃんに呼び出されたあたし、守兄、秋は声を揃えてそう叫んだ。
いやだって、唐突すぎる。よくよく考えると、最近ちょっと様子がおかしかったけど……。しかも今夜発つなんて。
「何だよ!選考試合も見ないで行っちゃうのかよ!」
「残念だけど、前から決めていたことなの」
「そうなんだ……」
前から決まってたことなら、残念だけど、引き止めることは出来ないな。
「でも、FFIの応援には来てくれるんでしょ?」
「ええ、応援にはきっと」
「なっちゃん……」
「そんな顔しないの。美波の選考は明日からなのよ?シャキッとしなさい!」
「はいっ!」
「木野さん。私がいない分、あなたと音無さんに頑張ってもらわなくちゃ。日本代表をお願いね」
「ええ……」
「よーし分かった!留学、頑張って来い!俺たちも頑張る!」
元気よくそうは言ったものの、守兄の横顔は寂しそうに見えた。
「ただいまー!」
「お帰り、美波ちゃん。ご飯もうすぐ出来るよ」
「あ、うん」
家に入ると、エプロンを着けたヒロトが出迎えてくれた。夕飯を作る手伝いをしてたみたいなんだけど、似合う。これが目金の言う主夫力か。
「円堂くんは?」
「雷雷軒――あ、響木監督がやってるお店ね。そこに寄ってくって。……多分、明王ちゃんのことだと思う」
「ああ……そっか」
「ヒロトは、真・帝国学園のこと知ってるの?」
「まあね。一応俺、あの時いたんだよ」
「えっ、全然気づかなかった!」
「気づかれたら困る立場だったからね」
肩を竦めるヒロト。……そりゃまあ、雷門とエイリアは敵対してたけれどもね。いや、聞かない方がいいんだろうな。
「お帰り美波!ヒロトもそんなとこで突っ立ってないで、早く来いよ!」
「もうみんな食べてるぞ!」とリュウジ。ヒロトと顔を見合わせて、リビングへと足を向ける。
ちゃぶ台の周りはぎゅうぎゅうで、皆詰めて座っている。守兄はまだ帰ってないし、お母さんは後で食べるって言ってるから、その分空いてはいる。
……明王ちゃんの両サイド空いてるじゃん。あ、片っぽ条兄が座った。事情知らないからな。立向居は体育館の嫌な雰囲気を察したようだけど。
スペースを取るわけにもいかないから、あたしも明王ちゃんの隣に座る。これで良し。何故かため息を吐かれたけど気にしない。
「って夕弥!それあたしの唐揚げ!」
「ダメだろ木暮!」
「うししっ、見てないのが悪いんだよーっと」
「っ、から!だ、誰だよカボチャサラダに辛子入れた奴!」
「そりゃー木暮だな。アイツよくイタズラす……すっぺえ!」
「大丈夫かい綱海くん……」
「犠牲者続出だね……」
立向居は辛いのが平気だから免れてるのかな。あと、明王ちゃんも。いつか苦手なものとか見つけて、仕掛けてやろーっと。
ヒロトはというと、自分の味噌汁に何か入っていることに気づいてたようで、さりげなく夕弥のと取り換えていた。そういや、同じこと豪炎寺もしてたな。
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見に行けないのは残念だけど、皆と一緒にあのユニフォームを着る為に、あたしも頑張らなくちゃ。
お母さんにはもう、7人泊まることは言ってあるし、夕飯の準備の手伝いとかもしないと。
久しぶりだと話しながら歩く士郎くん、夕弥、立向居、条兄。物珍しげに辺りを見るリュウジに、それを楽しそうに見ているヒロト。
守兄は6人を繋げるように、矢継ぎ早に会話を弾ませている。
「あーきおちゃん」
「……」
「あーきおあーきおあーきお」
「……」
「明王ちゃん」
「黙れバカ女」
「バカ女じゃなくて円堂美波だよ」
「フン」
会話が全く弾まない。気にしてるらしい士郎くんが時折振り向くけど、あっちに混ざると逃げられそうだからなあ。
そうこうしているうちに、家に帰ってきた。
「「ただいまっ!」」
『お邪魔します』
「……お邪魔します」
「明王ちゃんも最低限の礼儀はあいたたた!」
「うっせ」
髪の毛引っ張るのはやめていただけないだろうか。
お母さんからは、使っていない和室を寝室として使うように言われた。布団は押し入れに入っている。人数分あって良かった。
大人数だけど、特に驚くこともなく、お母さんは手洗いうがいをするように促した。事前に連絡しておいて正解だった。
「ん?ヒロトもリュウジもどうかした?」
「やー、人に家に遊びに行くなんて初めてだからさ」
「こんな感じなんだと思ってね」
「ああ……」
そうだ。二人共、お日さま園育ちだから。メンバーがメンバーだからお泊まり会みたいだし、試合もあるけどゆっくりしていって欲しいな。
あ、そうそう。忘れないうちに、ヒロトに返さないといけないものがある。
「ヒロト。はいこれ、借りっぱなしだったタオルとハンカチ」
「あ……そうだったね。うん、ありがとう」
なんか、三ヶ月も借りっぱなしだったから、名残惜しいようなないような。
「守、美波、ちょっと買い物に行ってきてもらっていいかしら」
「あー、ごめん母ちゃん。その、俺達これから鉄塔広場に行かなきゃいけなくて」
「あら、そうなの?」
「なら、僕が行きますよ。商店街ですよね?」
「でもお客様なのに」
「いいんです」
「なら、お願いしようかしら」
「はい」
流石に人数が多くて、食材が足りないみたいだ。どうしようかと思ったけど、士郎くんが名乗り出てくれた。
お礼を言うと、「泊まらせてもらうんだから、これくらいしないと」と笑いながら言ってくれた。士郎くん様々だ。
「なんかあんのか?」
「なっちゃんに呼び出しされててさ。あ、夕弥、イタズラはダメだよ」
「はいはい美波にしかしねーよ」
「それも嫌なんだけど」
「行くぞー」
「はーい」
「よし、これで美波ちゃんのお母さんの好感度アップ……」
「ふ、吹雪さん……」
士郎くんの言葉に立向居が引いていたなんて、知る由もないのだ。
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「「「留学!?」」」
太陽が傾いて、オレンジ色に染まろうとしている鉄塔広場にて、なっちゃんに呼び出されたあたし、守兄、秋は声を揃えてそう叫んだ。
いやだって、唐突すぎる。よくよく考えると、最近ちょっと様子がおかしかったけど……。しかも今夜発つなんて。
「何だよ!選考試合も見ないで行っちゃうのかよ!」
「残念だけど、前から決めていたことなの」
「そうなんだ……」
前から決まってたことなら、残念だけど、引き止めることは出来ないな。
「でも、FFIの応援には来てくれるんでしょ?」
「ええ、応援にはきっと」
「なっちゃん……」
「そんな顔しないの。美波の選考は明日からなのよ?シャキッとしなさい!」
「はいっ!」
「木野さん。私がいない分、あなたと音無さんに頑張ってもらわなくちゃ。日本代表をお願いね」
「ええ……」
「よーし分かった!留学、頑張って来い!俺たちも頑張る!」
元気よくそうは言ったものの、守兄の横顔は寂しそうに見えた。
「ただいまー!」
「お帰り、美波ちゃん。ご飯もうすぐ出来るよ」
「あ、うん」
家に入ると、エプロンを着けたヒロトが出迎えてくれた。夕飯を作る手伝いをしてたみたいなんだけど、似合う。これが目金の言う主夫力か。
「円堂くんは?」
「雷雷軒――あ、響木監督がやってるお店ね。そこに寄ってくって。……多分、明王ちゃんのことだと思う」
「ああ……そっか」
「ヒロトは、真・帝国学園のこと知ってるの?」
「まあね。一応俺、あの時いたんだよ」
「えっ、全然気づかなかった!」
「気づかれたら困る立場だったからね」
肩を竦めるヒロト。……そりゃまあ、雷門とエイリアは敵対してたけれどもね。いや、聞かない方がいいんだろうな。
「お帰り美波!ヒロトもそんなとこで突っ立ってないで、早く来いよ!」
「もうみんな食べてるぞ!」とリュウジ。ヒロトと顔を見合わせて、リビングへと足を向ける。
ちゃぶ台の周りはぎゅうぎゅうで、皆詰めて座っている。守兄はまだ帰ってないし、お母さんは後で食べるって言ってるから、その分空いてはいる。
……明王ちゃんの両サイド空いてるじゃん。あ、片っぽ条兄が座った。事情知らないからな。立向居は体育館の嫌な雰囲気を察したようだけど。
スペースを取るわけにもいかないから、あたしも明王ちゃんの隣に座る。これで良し。何故かため息を吐かれたけど気にしない。
「って夕弥!それあたしの唐揚げ!」
「ダメだろ木暮!」
「うししっ、見てないのが悪いんだよーっと」
「っ、から!だ、誰だよカボチャサラダに辛子入れた奴!」
「そりゃー木暮だな。アイツよくイタズラす……すっぺえ!」
「大丈夫かい綱海くん……」
「犠牲者続出だね……」
立向居は辛いのが平気だから免れてるのかな。あと、明王ちゃんも。いつか苦手なものとか見つけて、仕掛けてやろーっと。
ヒロトはというと、自分の味噌汁に何か入っていることに気づいてたようで、さりげなく夕弥のと取り換えていた。そういや、同じこと豪炎寺もしてたな。
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