The sister in strange world
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校舎の反対側、陸上部や野球部が練習しているトラックやマウンドがある所まで走ってきた。
深呼吸を何回か繰り返して、息切れを抑えてから辺りを見回した。見慣れてる筈なのに、何か違和感を感じる。
「……分かった」
この時間、練習してる筈の生徒がいないんだ。人気がない。どうりで違和感がある訳だ。
何で誰もいないんだろう。考えてみれば、ここまで来るのに誰も会わなかった。今日がハロウィンなのと、何か関係があるのかな……。
「うーん……」
「あーーーっ!」
「!?」
「やっと見つけました!」
大きな声が後ろから聞こえて、誰かいたのかと振り向いたら、宮坂がいた。
やっと見つけました、ってことは、あたしを探してたってことだよね……?宮坂ならこの状況の理由を知ってるかもしれない。
「えっと、宮坂」
「風丸さんが美波さんのことを探してましたよ!」
「え、一郎太?」
「はい!では僕はこれで!」
「あ、ちょ待ってよ宮坂!」
伝えることは伝えたと、宮坂はすぐにどこかに走り去っていった。ていうか、脱兎の如くって感じだ……。
ひとまず一朗太を探すしかないと思ってたら、後方から地響きの音が聞こえた。
どんどん近づいてくるから宮坂が戻ってきたのかと思ったけど、陸上部の宮坂がこんなバタバタした走り方をする筈がない。
振り向こうとした瞬間、あたしの横を何かが駆け抜けてった。それは、
「条兄ーーーっ!?」
「おっ、美波!わりーけど今急いでんだ!じゃな!」
タキシード?というか燕尾服?みたいなのを着た条兄だった。そして頭には兎の耳があって、お尻には丸い尻尾。
……どうしよう。そろそろ現実逃避したくなってきた。皆が皆であって皆じゃない。ある意味ホラーだ。シュール過ぎるよ。
「あ、美波」
「一郎太あああ!」
頭を抱えてたあたしの前に出てきた一郎太は、狩人みたいな格好していた。うん、普通だ!今までのみんなと比べたら物凄く普通!
「ところでその格好は……」
「これから鬼と狼を狩りに行くんだ」
「鬼と狼?」
「ああ。見てないか?鬼は2人で狼は一見可愛いらしいんだが…」
「………」
可愛らしい狼。見たっちゃ見たけど、それは士郎くんの仮装……だよね。
訝しげに見てくる一郎太に、何かしら言わないとと口を開きかけた時、「いたぞ!鬼だ!」と一郎太は叫んだ。
その視線の先を見てみれば、
「き、どう…?」
鬼道が立っていた。いや、立っているだならまだいい。だって目の前にいる鬼道は、
2人なのだ。
片方は赤マントで、もう片方は青マント。言うなれば、帝国、イナズマジャパン仕様と雷門仕様。
でもそれだけじゃない。2人の鬼道は、マントと虎柄のパンツしか着てない。……これが守兄や一郎太がいう変態なのか。
「なんか……変態……」
「「誰がだ!」」
「お前ら以外に誰がいるんだ」
一郎太の冷静なツッコミが「あと美波の言ったこと否定したらろくな死に方させないからな」……一郎太?
「行け、美波」
「え」
「こんな変態をいつまでも美波の目に晒すわけにはいかない!」
「お、おうっ」
「「待て!」」
「待たないし!」
「行け!行くんだ美波!」
「何このベタなドラマみたいな展開!意味分かんないいいい!!!」
W鬼道が怖かったのと、一郎太の迫力が怖かったので、また全力で走る。後ろから聞こえる声なんか知らない。
で、着いた先にあった花壇に、
「美波じゃないか」
「何ぜーぜーいってんだよ」
「……うわ」
豪炎寺と晴矢がチューリップの被り物?を被って、土に埋まってた。……そろそろツッコミ放棄してもいいよね?
「気持ち悪い……」
「はあ!?酷くね!?」
「俺たちと一緒に埋まらないか?」
「絶対に嫌ッ!」
近くにあったバケツの水をぶっかけて、またまた全力で走る。もう何がなんだか……。
「やあ美波。今日も可愛いね。だがそんなくすんだ表情を見せないで、あの輝く太陽のような笑顔を見せてくれ」
「うわ、風介……」
「ハッ、まさか闇の魔王の力の影響を受け、その輝きが失われてしまったというのか!」
……風介は特に問題無さそうだね。絶好調だ。この場合は、いい意味でもあり悪い意味でもある。
しつこいので申し訳なく思いつつ一発蹴りを入れて、踞った隙をついて逃走。ごめん、風介。風介ならきっと大丈夫だよ信じてる多分。
そのあとも、とにかくカオスだった。
小人サイズの夕弥が飴をくれたと思ったら、虫のおもちゃを投げつけられた(逃げた)。
虎丸は虎の格好をして、茂みから飛び出してきた(四つん這いはやめて)。
秋、なっちゃん、春ちゃん、冬ちゃんはドレス?を着てて、妖精だと名乗った(似合ってたけど)。
何故かエドガーが出てきた(イラついたから熱血パンチをかました)。
リュウジは抹茶アイスをくれた(至極まともで本当によかった)。
明王ちゃんはバナナの着ぐるみを着てたから、何も言わずにスルーした(皮投げられた)。
ペンギンの着ぐるみを着てた佐久間と、ライオンの着ぐるみを着てた源田を写メった(似合ってたから)。
一之瀬が「俺は不死鳥だ!」とか言いながら走ってた(手術受けてリハビリ中じゃなかったっけ……)。
その他エトセトラエトセトラetc………
「………」
もうツッコミは放棄しようと思う。
考えてみれば、というか考えなくても今日の皆はおかしいところがありすぎる。
一体何が起きて……、
「美波ちゃん?」
「ヒロト!」
頭痛がするような気がしてたら、今度はヒロトが現れた。外見におかしいところは……ない。いつもの紫のシャツにオレンジのジャケットだ。
でもここで油断しちゃダメだ。何を言ってくるか分からない。
「そんなに身構えなくても……」
「ここまで来るのに色々あって、目に見えるもの全てを疑うようにしてるんだ」
「よかった。俺が何かした訳じゃなかったんだね」
ほっとしたような表情をするヒロト。いつも通りみたいだ。……本当に大丈夫、かな?油断しないでいこう。
「皆がおかしかったんだけど、心当たりってない?」
「……いや、特に何も無いかな」
「そっか……」
「そんなことより、」
「え」
パチン、とヒロトが指を鳴らすと、ヒロトの着ている服が一瞬で変わった。
黒のタキシードっぽいのに、鬼道のとはまた違った襟のあるマント、いつぞやの髪型……もうツッコまない。ついてけない。
「美波ちゃん」
「は、はいいいっ!」
近づいてきたヒロトが、あたしの両肩にそっと手を置いた。え、ちょっと、何これ!
「実は、俺――」
――――という夢を見た。
.
深呼吸を何回か繰り返して、息切れを抑えてから辺りを見回した。見慣れてる筈なのに、何か違和感を感じる。
「……分かった」
この時間、練習してる筈の生徒がいないんだ。人気がない。どうりで違和感がある訳だ。
何で誰もいないんだろう。考えてみれば、ここまで来るのに誰も会わなかった。今日がハロウィンなのと、何か関係があるのかな……。
「うーん……」
「あーーーっ!」
「!?」
「やっと見つけました!」
大きな声が後ろから聞こえて、誰かいたのかと振り向いたら、宮坂がいた。
やっと見つけました、ってことは、あたしを探してたってことだよね……?宮坂ならこの状況の理由を知ってるかもしれない。
「えっと、宮坂」
「風丸さんが美波さんのことを探してましたよ!」
「え、一郎太?」
「はい!では僕はこれで!」
「あ、ちょ待ってよ宮坂!」
伝えることは伝えたと、宮坂はすぐにどこかに走り去っていった。ていうか、脱兎の如くって感じだ……。
ひとまず一朗太を探すしかないと思ってたら、後方から地響きの音が聞こえた。
どんどん近づいてくるから宮坂が戻ってきたのかと思ったけど、陸上部の宮坂がこんなバタバタした走り方をする筈がない。
振り向こうとした瞬間、あたしの横を何かが駆け抜けてった。それは、
「条兄ーーーっ!?」
「おっ、美波!わりーけど今急いでんだ!じゃな!」
タキシード?というか燕尾服?みたいなのを着た条兄だった。そして頭には兎の耳があって、お尻には丸い尻尾。
……どうしよう。そろそろ現実逃避したくなってきた。皆が皆であって皆じゃない。ある意味ホラーだ。シュール過ぎるよ。
「あ、美波」
「一郎太あああ!」
頭を抱えてたあたしの前に出てきた一郎太は、狩人みたいな格好していた。うん、普通だ!今までのみんなと比べたら物凄く普通!
「ところでその格好は……」
「これから鬼と狼を狩りに行くんだ」
「鬼と狼?」
「ああ。見てないか?鬼は2人で狼は一見可愛いらしいんだが…」
「………」
可愛らしい狼。見たっちゃ見たけど、それは士郎くんの仮装……だよね。
訝しげに見てくる一郎太に、何かしら言わないとと口を開きかけた時、「いたぞ!鬼だ!」と一郎太は叫んだ。
その視線の先を見てみれば、
「き、どう…?」
鬼道が立っていた。いや、立っているだならまだいい。だって目の前にいる鬼道は、
2人なのだ。
片方は赤マントで、もう片方は青マント。言うなれば、帝国、イナズマジャパン仕様と雷門仕様。
でもそれだけじゃない。2人の鬼道は、マントと虎柄のパンツしか着てない。……これが守兄や一郎太がいう変態なのか。
「なんか……変態……」
「「誰がだ!」」
「お前ら以外に誰がいるんだ」
一郎太の冷静なツッコミが「あと美波の言ったこと否定したらろくな死に方させないからな」……一郎太?
「行け、美波」
「え」
「こんな変態をいつまでも美波の目に晒すわけにはいかない!」
「お、おうっ」
「「待て!」」
「待たないし!」
「行け!行くんだ美波!」
「何このベタなドラマみたいな展開!意味分かんないいいい!!!」
W鬼道が怖かったのと、一郎太の迫力が怖かったので、また全力で走る。後ろから聞こえる声なんか知らない。
で、着いた先にあった花壇に、
「美波じゃないか」
「何ぜーぜーいってんだよ」
「……うわ」
豪炎寺と晴矢がチューリップの被り物?を被って、土に埋まってた。……そろそろツッコミ放棄してもいいよね?
「気持ち悪い……」
「はあ!?酷くね!?」
「俺たちと一緒に埋まらないか?」
「絶対に嫌ッ!」
近くにあったバケツの水をぶっかけて、またまた全力で走る。もう何がなんだか……。
「やあ美波。今日も可愛いね。だがそんなくすんだ表情を見せないで、あの輝く太陽のような笑顔を見せてくれ」
「うわ、風介……」
「ハッ、まさか闇の魔王の力の影響を受け、その輝きが失われてしまったというのか!」
……風介は特に問題無さそうだね。絶好調だ。この場合は、いい意味でもあり悪い意味でもある。
しつこいので申し訳なく思いつつ一発蹴りを入れて、踞った隙をついて逃走。ごめん、風介。風介ならきっと大丈夫だよ信じてる多分。
そのあとも、とにかくカオスだった。
小人サイズの夕弥が飴をくれたと思ったら、虫のおもちゃを投げつけられた(逃げた)。
虎丸は虎の格好をして、茂みから飛び出してきた(四つん這いはやめて)。
秋、なっちゃん、春ちゃん、冬ちゃんはドレス?を着てて、妖精だと名乗った(似合ってたけど)。
何故かエドガーが出てきた(イラついたから熱血パンチをかました)。
リュウジは抹茶アイスをくれた(至極まともで本当によかった)。
明王ちゃんはバナナの着ぐるみを着てたから、何も言わずにスルーした(皮投げられた)。
ペンギンの着ぐるみを着てた佐久間と、ライオンの着ぐるみを着てた源田を写メった(似合ってたから)。
一之瀬が「俺は不死鳥だ!」とか言いながら走ってた(手術受けてリハビリ中じゃなかったっけ……)。
その他エトセトラエトセトラetc………
「………」
もうツッコミは放棄しようと思う。
考えてみれば、というか考えなくても今日の皆はおかしいところがありすぎる。
一体何が起きて……、
「美波ちゃん?」
「ヒロト!」
頭痛がするような気がしてたら、今度はヒロトが現れた。外見におかしいところは……ない。いつもの紫のシャツにオレンジのジャケットだ。
でもここで油断しちゃダメだ。何を言ってくるか分からない。
「そんなに身構えなくても……」
「ここまで来るのに色々あって、目に見えるもの全てを疑うようにしてるんだ」
「よかった。俺が何かした訳じゃなかったんだね」
ほっとしたような表情をするヒロト。いつも通りみたいだ。……本当に大丈夫、かな?油断しないでいこう。
「皆がおかしかったんだけど、心当たりってない?」
「……いや、特に何も無いかな」
「そっか……」
「そんなことより、」
「え」
パチン、とヒロトが指を鳴らすと、ヒロトの着ている服が一瞬で変わった。
黒のタキシードっぽいのに、鬼道のとはまた違った襟のあるマント、いつぞやの髪型……もうツッコまない。ついてけない。
「美波ちゃん」
「は、はいいいっ!」
近づいてきたヒロトが、あたしの両肩にそっと手を置いた。え、ちょっと、何これ!
「実は、俺――」
――――という夢を見た。
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