第5話 雷門VS世宇子!
フィールドに立つ選手たちも、ベンチも、驚きのあまり言葉を失う程に鮮やかだった。
まさしくあっという間の出来事で、ボールを触らせることなく、得点された。ゴッドハンドを、いとも簡単に破って。
「分かったかい。これが愚かにも君が勝とうとした相手の実力だよ」
嘲笑するアフロディを他所に、風丸、栗松、一之瀬が円堂の元へ駆け寄る。
心配そうな3人に、円堂は安心させるような声をかけてるみたいだけど、あんなのを見て大丈夫だと思えるものか。
遠目からじゃよく分からないけど、グローブが少し焦げたように見える。たった一度のシュートで。
どんだけ強力なシュートだったんだとか、傲るなとか、思うことは色々ある。……少し、怖いとも思う。
それでも、
「でも、次は止めてみせる!」
円堂が、簡単に諦めるわけがないんだ。
「よーし、みんな!今度はこっちの番だ!取られたら取り返そうぜ!」
「点を取るぞ!」
『おうッ!』
一之瀬と風丸が声をかけて、拳を突き上げる。気を取り直して、雷門のキックオフで試合再開だ。
が、世宇子イレブンはディフェンスをしないで、ポジションから動こうとしない。うーわ、めちゃくちゃナメてる。
ボールを持ち込んだ染岡が怪訝な顔をしつつも、右足を振り上げた。豪炎寺もその前方へ走り込む。
「ドラゴン!」
「トルネード!」
雷門最初の連携必殺技、ドラゴントルネード。
決して威力が低いわけではないのに、世宇子キーパーポセイドンのツナミウォールによって、あっさりと止められてしまった。
ニヤリと笑ったかと思うと、ポセイドンは豪炎寺の足元へボールを放って、シュートを打って来いと挑発してくる。
とてもムカつく。非常にムカつく。格下に見やがって。そんなんだから、足元を掬われるんだ。
「ボールを渡したのが失敗だと思い知らせてやろう」
ゴーグルのレンズを光らせて言った鬼道に、同意するように豪炎寺が頷く。鬼道が指笛を鳴らし、5体のペンギンが出現した。
うんあの……超次元に何を言っても無駄なんだろうけど、生き物呼び出すとか凄いよね。流石は帝国学園。ドラゴン?あれは知らん。
「皇帝ペンギン!」
「「2号!」」
雷門バージョンの皇帝ペンギン2号。今度はいけるかと思うも、ペンギンは弾かれ、先程と同じ様に止められてしまった。
今度は一之瀬の足元にボールを放る。円堂がゴール前から上がり、これならどうだとザ・フェニックスを放つ。
それを見たポセイドンは、ツナミウォールではなくギガントウォールでザ・フェニックスを押さえ込んだ。でかくなるとかどんな原理だよ。
「これじゃ、ウォーミングアップにもならないな」
「いやお宅のキャプテンは指1本で止めるとかなんとか言ってましたけどね!」
聞こえるように大声で言ってやったら、睨まれました。あっはっは。文句なら大口叩いたアフロディに言いやがれ。
雷門側を見ると、みんなの顔は暗い。あんなに特訓したのに必殺技が通用しないのだから、当たり前だ。
「ゴールには、近づけさせない!」
「キャプテンだけじゃない!」
「俺たちみんなで守るっす!」
風丸、少林、壁山が向かっていくものの、3人はデメテルのダッシュストームで吹き飛ばされしまった。
そのまま持ち込まれ、リフレクトバスターでゴッドハンドが破り、また世宇子に1点が入る。
その時、少林が足を押さえた。吹き飛ばされた時に、足を痛めたんだ。春奈ちゃんが手当てをしに飛び出して行く。
落ち込む少林寺を円堂が励ます。状態はかなりまずいようで、半田と交代することになった。
「無謀にも神に挑むからだ」
「なんだと!?」
「染岡!やめるんだ。わざとやったわけじゃない」
わざとじゃなくても、常に相手を見下す態度がムカつく。ので、左手の親指を下に向けた。りなに少し怒られた。
「お前の分も戦ってくる!」とポジションへ向かう半田を見送り、少林の怪我の様子を見よう……としたらゆみが既に気遣っていた。
ゆみってやっぱり実はショタコンとかロリコンなんじゃないか……いや、これ口に出したらぶっ飛ばされるな。
そうこうしているうちに土門、マックス、栗松が、またしてもダッシュストームで吹き飛ばされていた。デメテル仕事しすぎじゃね。
そしてヘラのディバインアローも防ぎきれず、3点差になってしまった。
栗松とマックスも負傷して、栗松の代わりに影野、マックスの代わりに宍戸が入る。
交代枠がどんどん減っていく。……まあ、いざという時は出たい所存ですけれどもね、
「あー、あたしたちも出たいなー」
「たち、って……一緒にしないでよ」
「じゃあゆみは出たくないの?」
「それとこれとは話が別」
「このペースだと、直に回ってきそうだよね」
「ほら、りなだってこう言ってるし」
「はいはい」
あたしが適当な扱いを受けている件について。
「君たちが出るというのかい?無謀だね」
「うるさいなあアフロディは。ていうか聞こえてたの?やだ聞き耳立てるとか趣味わるーい」
「……」
「フン!」
可哀想なものを見る目向けるの、マジでやめろ。
.
まさしくあっという間の出来事で、ボールを触らせることなく、得点された。ゴッドハンドを、いとも簡単に破って。
「分かったかい。これが愚かにも君が勝とうとした相手の実力だよ」
嘲笑するアフロディを他所に、風丸、栗松、一之瀬が円堂の元へ駆け寄る。
心配そうな3人に、円堂は安心させるような声をかけてるみたいだけど、あんなのを見て大丈夫だと思えるものか。
遠目からじゃよく分からないけど、グローブが少し焦げたように見える。たった一度のシュートで。
どんだけ強力なシュートだったんだとか、傲るなとか、思うことは色々ある。……少し、怖いとも思う。
それでも、
「でも、次は止めてみせる!」
円堂が、簡単に諦めるわけがないんだ。
「よーし、みんな!今度はこっちの番だ!取られたら取り返そうぜ!」
「点を取るぞ!」
『おうッ!』
一之瀬と風丸が声をかけて、拳を突き上げる。気を取り直して、雷門のキックオフで試合再開だ。
が、世宇子イレブンはディフェンスをしないで、ポジションから動こうとしない。うーわ、めちゃくちゃナメてる。
ボールを持ち込んだ染岡が怪訝な顔をしつつも、右足を振り上げた。豪炎寺もその前方へ走り込む。
「ドラゴン!」
「トルネード!」
雷門最初の連携必殺技、ドラゴントルネード。
決して威力が低いわけではないのに、世宇子キーパーポセイドンのツナミウォールによって、あっさりと止められてしまった。
ニヤリと笑ったかと思うと、ポセイドンは豪炎寺の足元へボールを放って、シュートを打って来いと挑発してくる。
とてもムカつく。非常にムカつく。格下に見やがって。そんなんだから、足元を掬われるんだ。
「ボールを渡したのが失敗だと思い知らせてやろう」
ゴーグルのレンズを光らせて言った鬼道に、同意するように豪炎寺が頷く。鬼道が指笛を鳴らし、5体のペンギンが出現した。
うんあの……超次元に何を言っても無駄なんだろうけど、生き物呼び出すとか凄いよね。流石は帝国学園。ドラゴン?あれは知らん。
「皇帝ペンギン!」
「「2号!」」
雷門バージョンの皇帝ペンギン2号。今度はいけるかと思うも、ペンギンは弾かれ、先程と同じ様に止められてしまった。
今度は一之瀬の足元にボールを放る。円堂がゴール前から上がり、これならどうだとザ・フェニックスを放つ。
それを見たポセイドンは、ツナミウォールではなくギガントウォールでザ・フェニックスを押さえ込んだ。でかくなるとかどんな原理だよ。
「これじゃ、ウォーミングアップにもならないな」
「いやお宅のキャプテンは指1本で止めるとかなんとか言ってましたけどね!」
聞こえるように大声で言ってやったら、睨まれました。あっはっは。文句なら大口叩いたアフロディに言いやがれ。
雷門側を見ると、みんなの顔は暗い。あんなに特訓したのに必殺技が通用しないのだから、当たり前だ。
「ゴールには、近づけさせない!」
「キャプテンだけじゃない!」
「俺たちみんなで守るっす!」
風丸、少林、壁山が向かっていくものの、3人はデメテルのダッシュストームで吹き飛ばされしまった。
そのまま持ち込まれ、リフレクトバスターでゴッドハンドが破り、また世宇子に1点が入る。
その時、少林が足を押さえた。吹き飛ばされた時に、足を痛めたんだ。春奈ちゃんが手当てをしに飛び出して行く。
落ち込む少林寺を円堂が励ます。状態はかなりまずいようで、半田と交代することになった。
「無謀にも神に挑むからだ」
「なんだと!?」
「染岡!やめるんだ。わざとやったわけじゃない」
わざとじゃなくても、常に相手を見下す態度がムカつく。ので、左手の親指を下に向けた。りなに少し怒られた。
「お前の分も戦ってくる!」とポジションへ向かう半田を見送り、少林の怪我の様子を見よう……としたらゆみが既に気遣っていた。
ゆみってやっぱり実はショタコンとかロリコンなんじゃないか……いや、これ口に出したらぶっ飛ばされるな。
そうこうしているうちに土門、マックス、栗松が、またしてもダッシュストームで吹き飛ばされていた。デメテル仕事しすぎじゃね。
そしてヘラのディバインアローも防ぎきれず、3点差になってしまった。
栗松とマックスも負傷して、栗松の代わりに影野、マックスの代わりに宍戸が入る。
交代枠がどんどん減っていく。……まあ、いざという時は出たい所存ですけれどもね、
「あー、あたしたちも出たいなー」
「たち、って……一緒にしないでよ」
「じゃあゆみは出たくないの?」
「それとこれとは話が別」
「このペースだと、直に回ってきそうだよね」
「ほら、りなだってこう言ってるし」
「はいはい」
あたしが適当な扱いを受けている件について。
「君たちが出るというのかい?無謀だね」
「うるさいなあアフロディは。ていうか聞こえてたの?やだ聞き耳立てるとか趣味わるーい」
「……」
「フン!」
可哀想なものを見る目向けるの、マジでやめろ。
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