第11話 帝国の逆襲!前編!!
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「アンタらを真・帝国学園にご招待してやろうってのにな。アンタ、鬼道有人だろ?うちにはさ、アンタにとってスペシャルゲストがいるぜ」
「スペシャルゲスト?」
「ああ。かつての帝国学園のお仲間だよ」
「影山の汚さを身をもって知っている帝国学園イレブンが、アイツに従う筈がない!」
「そうだ!絶対ありえない!」
「下手な嘘つくんじゃねーよ!」
「はあ?じゃあ俺の目がおかしいのかなァ」
「貴様……誰がいるっていうんだ!誰が!」
「おいおい、教えちまったら面白くないだろ。着いてからのお楽しみ。くくっ」
「もしかして明王くん!?」
『えっ』
「はあ?何だお前、馴れ馴れし……は?」
露骨に嫌そうな顔をした明王くんがあたしに向き直る。そして暫く考えるような素振りをした後、ハッとしたように目を見開いた。
「お前まさか、美波?」
「やっぱり本当に明王くんだ!」
「げ、マジかよ……あの時の……」
「明王くんなんというか……寂しくなったね」
「どこ見て言ってんだ!」
どこって、どことしか言いようがない。
「明王くんが真・帝国学園なの?今すぐ止めなよ!影山なんかに従ったってロクなことにならない!」
「知らねえな。勝てりゃいいんだよ、勝てりゃあ。あの勝利への拘りは使えるからな」
「使えるって……」
「それより、さっさと行こうぜ。お前のお仲間も俺達の関係に興味津々みたいだしな」
促されるままに振り向くと、皆あたしと明王くんに視線を行ったり来たりさせて、困惑の表情を浮かべていた。
特に守兄と一郎太の視線が鋭い。凄く睨んでる。鬼道は口を真一文字に結んで、硬い表情をしていた。
「ほらほら乗った乗った!招待してやるって言ったろうが」
「何だよアイツ、我が物顔で言いやがって」
とはいえ今は従うしかない。何にせよ真・帝国学園には行かなきゃならないんだ。
「美波、アイツ……不動を知っているのか」
「う、うん。一緒にサッカーしたことあるんだ」
「円堂と風丸は」
「いや、俺は知らないな」
「俺も。美波はどこで会ったんだ?不動の奴、随分馴れ馴れしかったけど」
「いやそれは美波の方じゃ……」
「しっ!……触らぬ神に祟りなしよ、財前さん」
「それは」
「おい!何無駄話してんだ!早くしろ!」
「チッ……勝手な奴。とにかく今は行こう」
「ああ。この間も、影山が何を企んでるか分からないからな」
こうしてあたし達を乗せたキャラバンは、明王くんの案内で進んでいく。
「じゃあアイツが佐久間の……へえ、そういうことね」
着いた先にあったのは埠頭だった。目の前に広がるのは海。学校なんてどこに見当たらない。
明王くんが海を指差した丁度その時、勢いよく水柱が立った。浮上してきたのは黒々とした潜水艦だ。これが、真・帝国学園!?
海から出てきた潜水艦は、形が変形して、中へと続く階段が伸びてくる。そしてその奥には、影山が立っていた。
「久しぶりだな、円堂。それに鬼道」
「今度は何を企んでいるんだ!」
「私の計画はお前達には理解出来ん。この真・帝国学園の意味さえもな。私から逃げ出したりしなければ、お前には分かった筈だ」
「俺は逃げたんじゃない!アンタと決別したんだ!」
「影山零冶!あなたはエイリア学園と何か関係があるの?」
「……吉良瞳子監督だね?さあ、どうかな。ただ、エイリア皇帝陛下のお力を借りているのは事実だ」
エイリア皇帝陛下?それがヒロト君やリュウジ達にあんな酷いことをさせているのか。
誰だ。それが日本中を騒がすようなことでも、彼らが従ってしまうような人は。
リュウジが父さんがって言ってた。吉良さん、皆を優しく撫でて可愛がっていた優しい人。慕われてた人。
もしかすると豪炎寺みたいに、吉良さんがその皇帝陛下って奴に人質に取られて……。
「鬼道!」
守兄の声で我に返った。走り出した鬼道を、守兄が追いかけている。
「おい!」
「円堂が行くならあたしも!」
「お前野暮だな。感動の再会にぞろぞろ着いてってどうすんだよ。デリカシーがあんならここで待ってな」
「感動の再会って」
「聞いてなかったのかよ。鬼道とその昔のお仲間だよ」
そう言って歩き出そうとした明王ちゃんの腕を掴んで引き留める。
「……あたしは行ってもいいよね」
「フーン?お前なら大歓迎じゃねーの。特にアイツはな」
「アイツって誰?」
「それは会ってからのお楽しみだ。何せすげえ会いたがってたからなあ」
あたしに会いたがってた?つまり、影山についた帝国学園の選手って、あたしと仲のいい人ってこと……?
"暫く俺も源田も連絡は取れない"
あのメール、まさか連絡を取れない理由ってこれじゃ……。寺門達からの返信も、突然何も言わずにいなくなったとあった。
でも二人がまた影山の下につく理由が分からない。影山の汚さを知っているさっ君と源田が、そんなことする訳がない。そう信じたい。
信じたい。けど。
「(そんなこと、ない、よね……)」
この先に何があるのだろうか。
通路を真っ直ぐ歩いていくとグラウンドに出た。潜水艦の中に、こんな場所があるなんて……。
「鬼道。自分の愚かさを悔い、再び私の足元に跪いた仲間を、紹介しよう!」
「!」
「源田に、佐久間……」
高い位置から現れたのは入院していた筈のさっ君と源田。嫌な予感が的中した。こんなの嘘だと叫びたい。けど、どう足掻いてもこれは現実だ。
「久しぶりだな、鬼道」
「感動の再会ってヤツだねえ」
パチパチと手を鳴らしながら、嘲笑うように明王ちゃんが言った。
「では、元チームメイト同士、仲良く話したまえ。また後で会おう」
そう言って影山は去って行く。でもあたしはそれどころじゃない。頭の中がぐちゃぐちゃだ。
どうして、さっ君と源田が?
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「スペシャルゲスト?」
「ああ。かつての帝国学園のお仲間だよ」
「影山の汚さを身をもって知っている帝国学園イレブンが、アイツに従う筈がない!」
「そうだ!絶対ありえない!」
「下手な嘘つくんじゃねーよ!」
「はあ?じゃあ俺の目がおかしいのかなァ」
「貴様……誰がいるっていうんだ!誰が!」
「おいおい、教えちまったら面白くないだろ。着いてからのお楽しみ。くくっ」
「もしかして明王くん!?」
『えっ』
「はあ?何だお前、馴れ馴れし……は?」
露骨に嫌そうな顔をした明王くんがあたしに向き直る。そして暫く考えるような素振りをした後、ハッとしたように目を見開いた。
「お前まさか、美波?」
「やっぱり本当に明王くんだ!」
「げ、マジかよ……あの時の……」
「明王くんなんというか……寂しくなったね」
「どこ見て言ってんだ!」
どこって、どことしか言いようがない。
「明王くんが真・帝国学園なの?今すぐ止めなよ!影山なんかに従ったってロクなことにならない!」
「知らねえな。勝てりゃいいんだよ、勝てりゃあ。あの勝利への拘りは使えるからな」
「使えるって……」
「それより、さっさと行こうぜ。お前のお仲間も俺達の関係に興味津々みたいだしな」
促されるままに振り向くと、皆あたしと明王くんに視線を行ったり来たりさせて、困惑の表情を浮かべていた。
特に守兄と一郎太の視線が鋭い。凄く睨んでる。鬼道は口を真一文字に結んで、硬い表情をしていた。
「ほらほら乗った乗った!招待してやるって言ったろうが」
「何だよアイツ、我が物顔で言いやがって」
とはいえ今は従うしかない。何にせよ真・帝国学園には行かなきゃならないんだ。
「美波、アイツ……不動を知っているのか」
「う、うん。一緒にサッカーしたことあるんだ」
「円堂と風丸は」
「いや、俺は知らないな」
「俺も。美波はどこで会ったんだ?不動の奴、随分馴れ馴れしかったけど」
「いやそれは美波の方じゃ……」
「しっ!……触らぬ神に祟りなしよ、財前さん」
「それは」
「おい!何無駄話してんだ!早くしろ!」
「チッ……勝手な奴。とにかく今は行こう」
「ああ。この間も、影山が何を企んでるか分からないからな」
こうしてあたし達を乗せたキャラバンは、明王くんの案内で進んでいく。
「じゃあアイツが佐久間の……へえ、そういうことね」
着いた先にあったのは埠頭だった。目の前に広がるのは海。学校なんてどこに見当たらない。
明王くんが海を指差した丁度その時、勢いよく水柱が立った。浮上してきたのは黒々とした潜水艦だ。これが、真・帝国学園!?
海から出てきた潜水艦は、形が変形して、中へと続く階段が伸びてくる。そしてその奥には、影山が立っていた。
「久しぶりだな、円堂。それに鬼道」
「今度は何を企んでいるんだ!」
「私の計画はお前達には理解出来ん。この真・帝国学園の意味さえもな。私から逃げ出したりしなければ、お前には分かった筈だ」
「俺は逃げたんじゃない!アンタと決別したんだ!」
「影山零冶!あなたはエイリア学園と何か関係があるの?」
「……吉良瞳子監督だね?さあ、どうかな。ただ、エイリア皇帝陛下のお力を借りているのは事実だ」
エイリア皇帝陛下?それがヒロト君やリュウジ達にあんな酷いことをさせているのか。
誰だ。それが日本中を騒がすようなことでも、彼らが従ってしまうような人は。
リュウジが父さんがって言ってた。吉良さん、皆を優しく撫でて可愛がっていた優しい人。慕われてた人。
もしかすると豪炎寺みたいに、吉良さんがその皇帝陛下って奴に人質に取られて……。
「鬼道!」
守兄の声で我に返った。走り出した鬼道を、守兄が追いかけている。
「おい!」
「円堂が行くならあたしも!」
「お前野暮だな。感動の再会にぞろぞろ着いてってどうすんだよ。デリカシーがあんならここで待ってな」
「感動の再会って」
「聞いてなかったのかよ。鬼道とその昔のお仲間だよ」
そう言って歩き出そうとした明王ちゃんの腕を掴んで引き留める。
「……あたしは行ってもいいよね」
「フーン?お前なら大歓迎じゃねーの。特にアイツはな」
「アイツって誰?」
「それは会ってからのお楽しみだ。何せすげえ会いたがってたからなあ」
あたしに会いたがってた?つまり、影山についた帝国学園の選手って、あたしと仲のいい人ってこと……?
"暫く俺も源田も連絡は取れない"
あのメール、まさか連絡を取れない理由ってこれじゃ……。寺門達からの返信も、突然何も言わずにいなくなったとあった。
でも二人がまた影山の下につく理由が分からない。影山の汚さを知っているさっ君と源田が、そんなことする訳がない。そう信じたい。
信じたい。けど。
「(そんなこと、ない、よね……)」
この先に何があるのだろうか。
通路を真っ直ぐ歩いていくとグラウンドに出た。潜水艦の中に、こんな場所があるなんて……。
「鬼道。自分の愚かさを悔い、再び私の足元に跪いた仲間を、紹介しよう!」
「!」
「源田に、佐久間……」
高い位置から現れたのは入院していた筈のさっ君と源田。嫌な予感が的中した。こんなの嘘だと叫びたい。けど、どう足掻いてもこれは現実だ。
「久しぶりだな、鬼道」
「感動の再会ってヤツだねえ」
パチパチと手を鳴らしながら、嘲笑うように明王ちゃんが言った。
「では、元チームメイト同士、仲良く話したまえ。また後で会おう」
そう言って影山は去って行く。でもあたしはそれどころじゃない。頭の中がぐちゃぐちゃだ。
どうして、さっ君と源田が?
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