第11話 帝国の逆襲!前編!!
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夕弥がついてきてしまった為、キャラバンを一旦止めて監督が漫遊寺中へ電話をかけることになった。
目金が大事なフィギュアに落書きされたり、栗松の雑誌が落書きされたりで、早速のやりたい放題っぷり。
目を吊り上げた春ちゃんのお叱りと、守兄のフォローで皆は納得したみたいだけど、本当に反省してるのかな?
「もうイタズラしないでね」
「はいはい」
「よし!出発だ!」
と一歩踏み出した守兄が転んだ。足元を見れば靴ひもが結ばれていた。もちろんやったのは夕弥。素直に謝ったかと思えばこれかあ……。
「木暮ぇーーーっ!!!」
流石の守兄も叫んだ。なんだかキャラバンが一気に賑やかになったな……。
そんなこんなでキャラバンは出発。皆でこれからのことを話していると、瞳子監督の携帯に響木監督からメールが入った。
内容は、影山が脱走し、愛媛に真・帝国学園を設立した。
フットボールフロンティアからのメンバーに衝撃が走る。まさかまた影山が脱走したなんて!しかも真・帝国学園!?
「よし!愛媛に行こう!」
「ああ。影山がやろうとしてること、ぶっ潰そう!」
「野放しにしてたら何するか分からない奴なんだ。放っておくなんて出来ないよね!」
「そうよ!アイツを許しちゃいけないわ!」
珍しく声を荒げたなっちゃんに、塔子が不思議そうに首を傾げる。
影山は中学サッカー協会の副会長で、帝国学園の総帥だった。あの事を知らないなら、不思議に思うのも当然だ。
「そんな人を何故倒さなきゃならないんだ?」
「勝つ為には手段を選ばない奴だったんだよ!」
「それも自分の手は汚さず、人を使って相手チームを蹴落とそうとする」
「試合外でも危害を加えてくる危険な奴だよ」
「きったねえな」
「ああ。卑怯が服を着て歩いてるような男さ」
「それだけじゃない。アイツは勝つ為に神のアクアを作り出した」
「神のアクア?」
「人間の体を、根本から変えてしまうものさものさ。神の領域にまで……」
思い出すのはフットボールフロンティア決勝戦、相手を蹂躙するかのようなアフロディ達のプレー。
結局、神のアクアが影山の逮捕に繋がった。けど、そんな奴が脱走したんだ。またサッカーを使って何か企んでるに違いない。
緊張感が漂って、ピリピリする。そんな時、後ろから壁山の声が聞こえた。
「壁山!どうした?」
「木暮くんが酷いっす!これ、見て下さいよ……」
そう言って振り向いた壁山の顔には酷い落書きがあった。
一瞬静まり返った後、笑い声が響いた。あたしも我慢できずに笑ってしまった。壁山には悪いけど、あれはずるい!
「木暮くん!シートベルトはちゃんとする!席から立たない!守れないなら降りてもらうわよ!」
「しょうがない奴だなー」
「もう……」
注意に立った春ちゃんが席に座ると、変な音が鳴った。真っ赤になった春ちゃんが座席から取り出したのはブーブークッション。
夕弥……女の子にやっていいことと悪いことの区別はつけようよ。
再び騒がしくなるキャラバン内。ふと鬼道を見たら、ゴーグルで表情はよく見えないけど歯を食いしばってるように見えた。
「影山、かあ……」
夕弥のイタズラのおかげでキャラバン内が暗くなることはなかった。ただ、鬼道の表情はずっと険しかった。
愛媛について、コンビニで皆何かしら買って昼食を取る。あ、壁山がみかん買ってる。後で分けてもらおうっと。
「しろ君はサンドイッチにしたんだ」
「美波ちゃんはおにぎりなんだね」
「やっぱこれかなって思ったからさ。染岡と同じ!」
「円堂に言わせれば、練習はおにぎり!だからな」
「そうそう!」
「ふーん……。ねえ、帝国ってそんなに強かったの?」
「ああ。強かった。最初は俺達手も足も出なかったんだ。でも俺達は、特訓に特訓を繰り返してついにアイツらに勝ったんだ!」
「何度阻まれたって絶対に諦めない。力を合わせて勝ち取った勝利だったね!」
「ああ!だから、帝国だろうが真・帝国だろうが、絶対負けない!それに、今は俺達最強コンビがいるんだからな」
そう言っておにぎりをかじる染岡。最初の頃だったら、こんなこと絶対言わなかっただろうな。もうすっかり良いコンビだ!
これなら真・帝国学園にだって絶対に負けない!そう話していると、一之瀬の声が聞こえた。
「一之瀬?何かあった?」
「いや……円堂が変な奴と話してるんだ」
「変な奴?」
何かあったのかもしれないとキャラバンの外へ出ると、モヒカンに入れ墨というという奇抜な頭をした奴がいた。
……なんかどっかで見たことあるような。あの鋭い目付きとか。
瞳子監督もやってきて、実は響木監督のメールは偽物で、あたし達が愛媛まで来させる為の誘導だったのが発覚した。
「直ぐに分かるような嘘を、何故ついたの?」
「俺、不動明王ってんだけどさ、俺の名前でメールしたらここまで来たのかよ。響木の名前を語ったから、色々調べて愛媛まで来る気になったんだろ?違うか?」
……確かに、知らない人から連絡が来ても、信じられないで終わる。
でも、確認すれば直ぐ分かる嘘をついてまでわざわざ響木監督の名前を使ったとなったら、それは何でかってなる。
悔しいけど、不動の言い分は理にかなってる。……ん?不動、明王?
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目金が大事なフィギュアに落書きされたり、栗松の雑誌が落書きされたりで、早速のやりたい放題っぷり。
目を吊り上げた春ちゃんのお叱りと、守兄のフォローで皆は納得したみたいだけど、本当に反省してるのかな?
「もうイタズラしないでね」
「はいはい」
「よし!出発だ!」
と一歩踏み出した守兄が転んだ。足元を見れば靴ひもが結ばれていた。もちろんやったのは夕弥。素直に謝ったかと思えばこれかあ……。
「木暮ぇーーーっ!!!」
流石の守兄も叫んだ。なんだかキャラバンが一気に賑やかになったな……。
そんなこんなでキャラバンは出発。皆でこれからのことを話していると、瞳子監督の携帯に響木監督からメールが入った。
内容は、影山が脱走し、愛媛に真・帝国学園を設立した。
フットボールフロンティアからのメンバーに衝撃が走る。まさかまた影山が脱走したなんて!しかも真・帝国学園!?
「よし!愛媛に行こう!」
「ああ。影山がやろうとしてること、ぶっ潰そう!」
「野放しにしてたら何するか分からない奴なんだ。放っておくなんて出来ないよね!」
「そうよ!アイツを許しちゃいけないわ!」
珍しく声を荒げたなっちゃんに、塔子が不思議そうに首を傾げる。
影山は中学サッカー協会の副会長で、帝国学園の総帥だった。あの事を知らないなら、不思議に思うのも当然だ。
「そんな人を何故倒さなきゃならないんだ?」
「勝つ為には手段を選ばない奴だったんだよ!」
「それも自分の手は汚さず、人を使って相手チームを蹴落とそうとする」
「試合外でも危害を加えてくる危険な奴だよ」
「きったねえな」
「ああ。卑怯が服を着て歩いてるような男さ」
「それだけじゃない。アイツは勝つ為に神のアクアを作り出した」
「神のアクア?」
「人間の体を、根本から変えてしまうものさものさ。神の領域にまで……」
思い出すのはフットボールフロンティア決勝戦、相手を蹂躙するかのようなアフロディ達のプレー。
結局、神のアクアが影山の逮捕に繋がった。けど、そんな奴が脱走したんだ。またサッカーを使って何か企んでるに違いない。
緊張感が漂って、ピリピリする。そんな時、後ろから壁山の声が聞こえた。
「壁山!どうした?」
「木暮くんが酷いっす!これ、見て下さいよ……」
そう言って振り向いた壁山の顔には酷い落書きがあった。
一瞬静まり返った後、笑い声が響いた。あたしも我慢できずに笑ってしまった。壁山には悪いけど、あれはずるい!
「木暮くん!シートベルトはちゃんとする!席から立たない!守れないなら降りてもらうわよ!」
「しょうがない奴だなー」
「もう……」
注意に立った春ちゃんが席に座ると、変な音が鳴った。真っ赤になった春ちゃんが座席から取り出したのはブーブークッション。
夕弥……女の子にやっていいことと悪いことの区別はつけようよ。
再び騒がしくなるキャラバン内。ふと鬼道を見たら、ゴーグルで表情はよく見えないけど歯を食いしばってるように見えた。
「影山、かあ……」
夕弥のイタズラのおかげでキャラバン内が暗くなることはなかった。ただ、鬼道の表情はずっと険しかった。
愛媛について、コンビニで皆何かしら買って昼食を取る。あ、壁山がみかん買ってる。後で分けてもらおうっと。
「しろ君はサンドイッチにしたんだ」
「美波ちゃんはおにぎりなんだね」
「やっぱこれかなって思ったからさ。染岡と同じ!」
「円堂に言わせれば、練習はおにぎり!だからな」
「そうそう!」
「ふーん……。ねえ、帝国ってそんなに強かったの?」
「ああ。強かった。最初は俺達手も足も出なかったんだ。でも俺達は、特訓に特訓を繰り返してついにアイツらに勝ったんだ!」
「何度阻まれたって絶対に諦めない。力を合わせて勝ち取った勝利だったね!」
「ああ!だから、帝国だろうが真・帝国だろうが、絶対負けない!それに、今は俺達最強コンビがいるんだからな」
そう言っておにぎりをかじる染岡。最初の頃だったら、こんなこと絶対言わなかっただろうな。もうすっかり良いコンビだ!
これなら真・帝国学園にだって絶対に負けない!そう話していると、一之瀬の声が聞こえた。
「一之瀬?何かあった?」
「いや……円堂が変な奴と話してるんだ」
「変な奴?」
何かあったのかもしれないとキャラバンの外へ出ると、モヒカンに入れ墨というという奇抜な頭をした奴がいた。
……なんかどっかで見たことあるような。あの鋭い目付きとか。
瞳子監督もやってきて、実は響木監督のメールは偽物で、あたし達が愛媛まで来させる為の誘導だったのが発覚した。
「直ぐに分かるような嘘を、何故ついたの?」
「俺、不動明王ってんだけどさ、俺の名前でメールしたらここまで来たのかよ。響木の名前を語ったから、色々調べて愛媛まで来る気になったんだろ?違うか?」
……確かに、知らない人から連絡が来ても、信じられないで終わる。
でも、確認すれば直ぐ分かる嘘をついてまでわざわざ響木監督の名前を使ったとなったら、それは何でかってなる。
悔しいけど、不動の言い分は理にかなってる。……ん?不動、明王?
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