第10話 かくされた力!

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夕弥が入ってのイプシロン戦。秋が持ってきてくれたユニフォームを渡す。背番号は6だ。うん、サイズもぴったし!

瞳子監督からはポジションとのディフェンダーとの指示。地味だなんだの、でも拘ってないからディフェンダーでいいだの。



「ディフェンダーだって大事なんだからね!」

「お前はディフェンダーなのかよ」

「そうだよ。一緒に頑張ろう!」

「俺の足引っ張るなよ」

「木暮もな」

「えっ」

「円堂ストップ」

「何だよ今の……何なんだよ……」

「大丈夫!木暮くんならやれるよ。私、信じてるから」

「……あのさ、信じてるってそんな簡単に言うなよ」



それだけ言うと、夕弥はフィールドへ走っていった。



「夕弥のポジションはこっちー!そこあたし!」

「なっ、わざとだし!」



……間違いなくわざとじゃないよね。間違えただけだよね。

皆実力は半信半疑。でも、見て貰えば分かる筈だ。一之瀬も意外性があって面白いと言ってくれたことだし!

それぞれポジションにつくと、前線にいるしろ君が振り返って笑った。



「木暮くん!楽しんでいこうよ!」

「お前はそればっか……」

「木暮!楽しんでいこうぜ!」



染岡は呆れてるけど、続けて守兄も言った。何にしても楽しむのは大事!よし、あたしも!



「楽しんで」

「分かったからもういいよ」

「酷い」



デザームはというと、破壊されるべきは漫遊寺ではなく、エイリア学園に刃向かい続ける雷門イレブンだと言い放った。



「漫遊寺中は6分で片付けた。だがお前達はジェミニストームを倒した。その実力を称え、3分で決着とする。光栄に思え」

「だったら、僕達も3分で片付けちゃおうよ!」

「おもしれえ!」



しろ君の発言は衝撃的だけど染岡は乗り気だ。ルール上出来るのかはともかくとして、それくらいの気概でやりたい。

さっきの試合を見る限り、フォワードはシュートを打つチャンスが殆ど無かった。マークが強かったからだ。

この試合はフォワード封じをどう破るかが攻略の鍵だ。マークをはがしてこっちに引きつけられれば、二人は自由になる。

あたしもチャンスがあれば積極的に撃ちにいこう。ジェミニストーム戦の時みたいに、囮になるんだ。



「勝ちに行くよ、夕弥!」

「お前は怖くないのかよ……」

「怖くないよ」



……本当は全く怖くないと言ったら嘘になる。それでも、戦わなきゃならない。

だって彼らは友達だから。だからこそ、止める為に戦う。それしか方法は無いんだ。


試合開始。開始早々しろ君と染岡には二人がかりのマークがついた。フォワードの二人にパスが出せないから、今ボールをキープしている一郎太がそのまま上がる。

スライディングタックルをかわし、パスを繋いで、ボールは一之瀬が受け取った。そのまま一之瀬はスピニングシュートを撃つ。

けれど、シュートはデザームに届く前に二人がかりで蹴り返されてしまった。それはそのままシュートになって、雷門ゴールへ飛ぶ。

壁山のシュートブロックでは防ぎきれなかったけど、これならあたしが!



「うらあっ!」



足を旋回させて思いっきりぶち当てる。さっきので威力は十分に落ちていて、なんとか止めることが出来た。

でも回転を完全には殺しきれなくて、そのままボールは上へと跳ね上がる。



「しまったボールが……!」

「大丈夫だよ……オレに任せろ!」



しろ君がボールを追って高く跳ぶ。同じように跳んだイプシロンのミッドフィルダーを踏み台に、しろ君は更に高く跳んだ。



「もらったぜ!エターナルブリザード!いっけえええ!」



高さが加わって振り下ろされたエターナルブリザードは、凄いパワーと勢いで落ちていく。

スッと前に出されたデザームの手とぶつかり合う。煙が晴れて見えたのは、手の中に収まっているボールだった。

そう簡単にいくとは思ってない。それでも、必殺技も使わずにエターナルブリザードが止められるなんて。



「敵ながらいいシュートを打つ。気に入ったぞ」

「……褒めてくれてありがとよ!」



デザームは、あたし達を大きな価値になると言って、残り2分20秒を存分に戦ってもらうとボールを投げた。




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