第9話 イプシロン来襲!
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次の日の朝。早く目が覚めたのでランニングでもしようとしたら、春ちゃんが漫遊寺中の方へ行くのを見つけた。
「おーい!どしたの春ちゃん?」
「あ、美波先輩。木暮くんとちょっと約束してて」
「夕弥と?」
春ちゃんが言うには、他の皆を見返してやろうと練習する約束をしてるらしい。
「そうだ!良かったら先輩にもお願いしていいですか?」
「練習相手ってこと?」
「はい。古株さんにも頼んでるんですけど、一人だけだとやっぱり大変かと思って」
「いいよ!あたしも夕弥とサッカーしたかったし大歓迎!」
漫遊寺敷地内のグラウンドに行くと、既に夕弥は古株さんと練習を始めていた。
「夕弥!古株さーん!おはようございます!」
「おお、おはよう。一気に賑やかになったねえ」
「なんだお前もかよ……」
「いいじゃんあたしでも。あと美波だよ。さあ、サッカーやろうよ!」
「……絶対ボール取ってやる!」
「そう簡単にはあげないよーだ!古株さんパス下さい!」
「ほいきた!」
「待ちやがれ!」
「待たない!」
突っ込んできたのをサッと横に避ければ、すぐに方向転換をして向かってきた。
「なんだ。あとちょっとで取れそうじゃん」
「だからそう簡単には取らせないって!マリンアクセル!」
「は!?必殺技は無しだろ!」
「そんなこと決めてないし」
「じゃあルールな!必殺技は無し!」
そしてまた取りにきた夕弥を避ける。あとちょっとなんだけど、ギリギリのところでかわしきれる感じだ。
あたしが言うことじゃないけど、動きはいいのに詰めが甘いような。もう少し考えて動けば、もっと良くなると思うんだけどな。
古株さんと交代で休憩を挟みながら、ひたすらにボールを追いかける。
日が大分上がってきた頃、春ちゃんがおにぎりを持って来てくれた。ありがたくお腹に入れる。美味しい!塩気が動き回った体に染みる。
水分補給をした古株さんは、感心したように言った。もう二時間もやってるのに全然スピードが落ちてないと。
「確かに言われてみれば、スピードは落ちてないし、動きにもキレがある……」
「あの動き、どっかで見たことあるよね」
二人でうんうん唸りながら何だったか記憶をひっくり返す。暫く考えて、春ちゃんと顔を見合わせた。
「分かった!掃除だ掃除!あの雑巾がけの動きだよ!」
「はい!廊下や天井を拭いたりしてるうちに自然と力がついたんですね!」
やっぱりあれは特訓だったんだ!あの雑巾のコントロール捌きは、サッカーにも活かせる!
これはあたしも負けてられない。古株さんと交代しようとした時、漫遊寺中グラウンドの方から黒い霧が流れてきていた。。
「黒い霧……!まさかイプシロンが来たんじゃ!」
「行きましょう先輩!」
「おっし、夕弥も行くよ!」
「はあ!?何で俺が……」
「夕弥も漫遊寺サッカー部でしょ!」
「ほら!木暮くんも早く!」
渋々といった様子だけど、チラチラと黒い霧が流れてきた方を見てたから、夕弥も気になるんだと思う。
あたし達はグラウンドの方へ駆け出した。
皆がいるだろう漫遊寺中のグラウンドへ行くと、そこには予想通りイプシロンがいた。
漫遊寺が試合を拒否すると、イプシロンは黒いサッカーボールを校舎の1つに叩き込む。崩れる校舎に、悲鳴を上げる生徒達。漫遊寺イレブンは、その怒りから試合を受けることを選んだ。
ホイッスルが鳴って試合が始まった。軽い身のこなしのプレイを見て漫遊寺は間違いなく強いと思った。けど、イプシロンの力はそれ以上だった。
結果は0ー15。しかもイプシロンはまだまだ実力を出し切ってないように見える。ともあれこのまま漫遊寺中が壊されるのを黙って見てはいられない!
「まだ試合は終わっちゃいない!俺達が相手だ!」
「そうこなくっちゃね!」
「ああ、なんせ円堂なんだからな」
イプシロンとあたし達雷門イレブンが試合をすることになった。けど夕弥のイタズラで、試合に出られるのは10人しかいない。あれ?
「春ちゃん。もしかするとこれ、チャンスじゃない?」
「……あ!11人目ならいます!木暮くんが!」
ばっと春奈ちゃんが夕弥を示す。皆は乗り気じゃなさそうだけど、ここは押すしかない!
「木暮くんだってサッカー部の一員です!」
「でも補欠だろ!大丈夫かよそんなそんな奴いれて」
「下手にうろちょろさられると、かえって邪魔になるし……」
「そんなことないです!木暮くんなら大丈夫です!だからお願いです!お願いします!」
「あたしからもお願い!さっきサッカーやったけど、ちゃんと動けてた!夕弥なら出来るよ!」
「キャプテン!お願いします!」
「分かったよ、美波、音無」
『ええ!?』
皆は驚いてるけどとにかく守兄からOKが出た。瞳子監督も好きにすればいいとのこと。
「つまり出してもいいってことだよね!」
「本当に大丈夫なのかよ……」
「問題ないって!染岡は安心して攻めて!ね、士郎くん!」
「うん。頑張ろうね、染岡くん」
「ま、こうなりゃやるしかねえか」
皆は渋ってるけど、きっと大丈夫!でも肝心の夕弥はイプシロンを前に不安そうにしていた。
……当然だよね。ああは言ってたけど、夕弥だって漫遊寺サッカー部の人達が嫌いな訳じゃないんだ。
自分を認めて欲しい。そう思ってた人が一方的にやられて、結構ショックなんだと思う。
「大丈夫だよ、木暮くんなら。私、信じてるから」
「! 俺を……信じてる?」
「ええ。信じてるわ。木暮くんならきっとやってくれるって」
漫遊寺を下したイプシロンは強敵だ。それでも、負ける訳にはいかないんだ……!
→あとがき
「おーい!どしたの春ちゃん?」
「あ、美波先輩。木暮くんとちょっと約束してて」
「夕弥と?」
春ちゃんが言うには、他の皆を見返してやろうと練習する約束をしてるらしい。
「そうだ!良かったら先輩にもお願いしていいですか?」
「練習相手ってこと?」
「はい。古株さんにも頼んでるんですけど、一人だけだとやっぱり大変かと思って」
「いいよ!あたしも夕弥とサッカーしたかったし大歓迎!」
漫遊寺敷地内のグラウンドに行くと、既に夕弥は古株さんと練習を始めていた。
「夕弥!古株さーん!おはようございます!」
「おお、おはよう。一気に賑やかになったねえ」
「なんだお前もかよ……」
「いいじゃんあたしでも。あと美波だよ。さあ、サッカーやろうよ!」
「……絶対ボール取ってやる!」
「そう簡単にはあげないよーだ!古株さんパス下さい!」
「ほいきた!」
「待ちやがれ!」
「待たない!」
突っ込んできたのをサッと横に避ければ、すぐに方向転換をして向かってきた。
「なんだ。あとちょっとで取れそうじゃん」
「だからそう簡単には取らせないって!マリンアクセル!」
「は!?必殺技は無しだろ!」
「そんなこと決めてないし」
「じゃあルールな!必殺技は無し!」
そしてまた取りにきた夕弥を避ける。あとちょっとなんだけど、ギリギリのところでかわしきれる感じだ。
あたしが言うことじゃないけど、動きはいいのに詰めが甘いような。もう少し考えて動けば、もっと良くなると思うんだけどな。
古株さんと交代で休憩を挟みながら、ひたすらにボールを追いかける。
日が大分上がってきた頃、春ちゃんがおにぎりを持って来てくれた。ありがたくお腹に入れる。美味しい!塩気が動き回った体に染みる。
水分補給をした古株さんは、感心したように言った。もう二時間もやってるのに全然スピードが落ちてないと。
「確かに言われてみれば、スピードは落ちてないし、動きにもキレがある……」
「あの動き、どっかで見たことあるよね」
二人でうんうん唸りながら何だったか記憶をひっくり返す。暫く考えて、春ちゃんと顔を見合わせた。
「分かった!掃除だ掃除!あの雑巾がけの動きだよ!」
「はい!廊下や天井を拭いたりしてるうちに自然と力がついたんですね!」
やっぱりあれは特訓だったんだ!あの雑巾のコントロール捌きは、サッカーにも活かせる!
これはあたしも負けてられない。古株さんと交代しようとした時、漫遊寺中グラウンドの方から黒い霧が流れてきていた。。
「黒い霧……!まさかイプシロンが来たんじゃ!」
「行きましょう先輩!」
「おっし、夕弥も行くよ!」
「はあ!?何で俺が……」
「夕弥も漫遊寺サッカー部でしょ!」
「ほら!木暮くんも早く!」
渋々といった様子だけど、チラチラと黒い霧が流れてきた方を見てたから、夕弥も気になるんだと思う。
あたし達はグラウンドの方へ駆け出した。
皆がいるだろう漫遊寺中のグラウンドへ行くと、そこには予想通りイプシロンがいた。
漫遊寺が試合を拒否すると、イプシロンは黒いサッカーボールを校舎の1つに叩き込む。崩れる校舎に、悲鳴を上げる生徒達。漫遊寺イレブンは、その怒りから試合を受けることを選んだ。
ホイッスルが鳴って試合が始まった。軽い身のこなしのプレイを見て漫遊寺は間違いなく強いと思った。けど、イプシロンの力はそれ以上だった。
結果は0ー15。しかもイプシロンはまだまだ実力を出し切ってないように見える。ともあれこのまま漫遊寺中が壊されるのを黙って見てはいられない!
「まだ試合は終わっちゃいない!俺達が相手だ!」
「そうこなくっちゃね!」
「ああ、なんせ円堂なんだからな」
イプシロンとあたし達雷門イレブンが試合をすることになった。けど夕弥のイタズラで、試合に出られるのは10人しかいない。あれ?
「春ちゃん。もしかするとこれ、チャンスじゃない?」
「……あ!11人目ならいます!木暮くんが!」
ばっと春奈ちゃんが夕弥を示す。皆は乗り気じゃなさそうだけど、ここは押すしかない!
「木暮くんだってサッカー部の一員です!」
「でも補欠だろ!大丈夫かよそんなそんな奴いれて」
「下手にうろちょろさられると、かえって邪魔になるし……」
「そんなことないです!木暮くんなら大丈夫です!だからお願いです!お願いします!」
「あたしからもお願い!さっきサッカーやったけど、ちゃんと動けてた!夕弥なら出来るよ!」
「キャプテン!お願いします!」
「分かったよ、美波、音無」
『ええ!?』
皆は驚いてるけどとにかく守兄からOKが出た。瞳子監督も好きにすればいいとのこと。
「つまり出してもいいってことだよね!」
「本当に大丈夫なのかよ……」
「問題ないって!染岡は安心して攻めて!ね、士郎くん!」
「うん。頑張ろうね、染岡くん」
「ま、こうなりゃやるしかねえか」
皆は渋ってるけど、きっと大丈夫!でも肝心の夕弥はイプシロンを前に不安そうにしていた。
……当然だよね。ああは言ってたけど、夕弥だって漫遊寺サッカー部の人達が嫌いな訳じゃないんだ。
自分を認めて欲しい。そう思ってた人が一方的にやられて、結構ショックなんだと思う。
「大丈夫だよ、木暮くんなら。私、信じてるから」
「! 俺を……信じてる?」
「ええ。信じてるわ。木暮くんならきっとやってくれるって」
漫遊寺を下したイプシロンは強敵だ。それでも、負ける訳にはいかないんだ……!
→あとがき