第7話 エースストライカーは誰だ!!
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何て返せばいいのか。迷っているうちに、続きしようかと何事も無かったかのように促された。
とりあえず考えるのは止めて、新必殺技を早く会得する為にがむしゃらに撃つ。だけどどうしても思考はズレていく。
……秘密にしてることがあるのはあたしもそうだ。そういう意味では、瞳子監督とあたしは同じなのかな。
ヒロトは何で瞳子監督を気にしてるんだろ。まだ、思い出せてないことがあるんじゃないか。何だ。何があった。
「集中出来てないね」
「ヒロトが変なこと言うからだよ」
「今日はもうやめる?」
「……やめない。あたしは弱いから、もっと強くなりたいんだ」
「へえ……」
「……ヒロトは、強い、よね」
「そうだね。……俺は、強く在らなきゃならないから」
「じゃああたしと同じだね」
「同じ?」
「あたしもヒロトも強くなりたい、サッカーが上手くなりたいってこと!」
ボールを思い切り蹴り上げる。強くならなきゃ。あたしの為に、チームの為に、お日さま園の皆の為に。
ヒロトが特訓に付き合ってくれるのは、敵に塩を送るというやつだろうか。ヒロトと戦うのはまだ先だと思うけど、
「(絶対に負けないよ!)」
勝ってまた、皆で楽しいサッカーをするんだ。
バシャン
水しぶきが散った。
「でき、た…」
人間なせばなるというけど、本当に出来た。良かった。ジェミニストームが来る前に完成させられた。
「出来たね、美波ちゃん」
「完成出来たのはヒロトのおかげだよ!」
「俺は少し手伝っただけだよ」
「でも、あたし1人じゃもっと時間かかったと思うんだ。だからありがとう!ヒロト!」
「……どういたしまして」
「あ、あとここ数日遅くまで付き合わせちゃってごめんね」
「俺が言い出したことだから。じゃあ試合、頑張ってね」
そう言ってヒロトは行ってしまった。その背中は直ぐに見えなくなる。あのエイリア学園の瞬間移動を使ってるんだろうな。
この感覚を忘れないようにもう少し練習したいけど、今日はいつもより長く練習してるし、明日もあるから早く寝ないと。
あたしは足早にテントへ戻った。
***
襲撃予告はあったけど、いつジェミニストームが現れるかは分からない。
だから毎日、今日来るかもしれないというピリピリした緊張感を感じながら、練習を積み重ねる。
「美波ちゃん」
「ん?どしたのしろ君」
「エイリア学園ってそんなに強いの?」
「凄い強いよ。2回も負けちゃったから」
1回目は傘美野中、2回目は奈良シカTVで、大差をつけられて負けてしまった。あの時は全然敵わなかった。
「しろ君のおかげでスピードにも慣れて、速くなれた。今度はきっと勝てると思うんだ!」
「僕も精一杯頑張るね」
「オフェンスもディフェンスも、しろ君がいれば百人力だよ!」
「そう言ってもらえると嬉しいな」
「決めてやってよ、エターナルブリザード!」
「うん。これ以上の破壊活動はさせない。白恋中を守る為にも、絶対に勝とう」
そうだ。もしまた負けたりしたら、雷門や傘美野の時みたく、今度は白恋中が壊される。それだけは絶対に駄目だ。
「(勝ったら……)」
どうなるのかな。他にもチームはあるわけで、戦いはまだ終わらない。暫くはまた地上最強のチームのメンバー集めになると思う。
……それを皆は知らない。ジェミニストームを倒せば、この戦いは終わるって思ってる。
本当は、言うべきなのかもしれない。エイリア学園の人達は人間なんだって。他にもチームがあるんだって。
でも、言ったところでどうなる?こんなことをしてる理由までは知らないし、証拠がある訳でもない。戦いが終わらないのは変わらない。
どうするのが、一番いいんだろう……。
「来た!」
守兄の声に我に返った。黒く淀んだ雲に覆われている空。皆の表情は固く、目線の先には、
「ジェミニストーム……」
「円堂!」
「とうとう来た……!待ってたぜ、エイリア学園!」
守兄が蹴ったボールを、リュウジ――レーゼは片手が受け止める。ほんの少しだけど表情が変わった。
「これ以上サッカーを破壊の道具にはさせない!」
守兄の決意に満ちた声。
「守兄の言う通り!絶対に勝ってやる!」
あたしがそう言えば、レーゼの顔が悲しそうに歪んだように見えた。
「(リュウジ……)」
また一緒に、楽しいサッカー出来るよね?
3回目のジェミニストームとの試合が、始まろうとしていた。
→あとがき
とりあえず考えるのは止めて、新必殺技を早く会得する為にがむしゃらに撃つ。だけどどうしても思考はズレていく。
……秘密にしてることがあるのはあたしもそうだ。そういう意味では、瞳子監督とあたしは同じなのかな。
ヒロトは何で瞳子監督を気にしてるんだろ。まだ、思い出せてないことがあるんじゃないか。何だ。何があった。
「集中出来てないね」
「ヒロトが変なこと言うからだよ」
「今日はもうやめる?」
「……やめない。あたしは弱いから、もっと強くなりたいんだ」
「へえ……」
「……ヒロトは、強い、よね」
「そうだね。……俺は、強く在らなきゃならないから」
「じゃああたしと同じだね」
「同じ?」
「あたしもヒロトも強くなりたい、サッカーが上手くなりたいってこと!」
ボールを思い切り蹴り上げる。強くならなきゃ。あたしの為に、チームの為に、お日さま園の皆の為に。
ヒロトが特訓に付き合ってくれるのは、敵に塩を送るというやつだろうか。ヒロトと戦うのはまだ先だと思うけど、
「(絶対に負けないよ!)」
勝ってまた、皆で楽しいサッカーをするんだ。
バシャン
水しぶきが散った。
「でき、た…」
人間なせばなるというけど、本当に出来た。良かった。ジェミニストームが来る前に完成させられた。
「出来たね、美波ちゃん」
「完成出来たのはヒロトのおかげだよ!」
「俺は少し手伝っただけだよ」
「でも、あたし1人じゃもっと時間かかったと思うんだ。だからありがとう!ヒロト!」
「……どういたしまして」
「あ、あとここ数日遅くまで付き合わせちゃってごめんね」
「俺が言い出したことだから。じゃあ試合、頑張ってね」
そう言ってヒロトは行ってしまった。その背中は直ぐに見えなくなる。あのエイリア学園の瞬間移動を使ってるんだろうな。
この感覚を忘れないようにもう少し練習したいけど、今日はいつもより長く練習してるし、明日もあるから早く寝ないと。
あたしは足早にテントへ戻った。
***
襲撃予告はあったけど、いつジェミニストームが現れるかは分からない。
だから毎日、今日来るかもしれないというピリピリした緊張感を感じながら、練習を積み重ねる。
「美波ちゃん」
「ん?どしたのしろ君」
「エイリア学園ってそんなに強いの?」
「凄い強いよ。2回も負けちゃったから」
1回目は傘美野中、2回目は奈良シカTVで、大差をつけられて負けてしまった。あの時は全然敵わなかった。
「しろ君のおかげでスピードにも慣れて、速くなれた。今度はきっと勝てると思うんだ!」
「僕も精一杯頑張るね」
「オフェンスもディフェンスも、しろ君がいれば百人力だよ!」
「そう言ってもらえると嬉しいな」
「決めてやってよ、エターナルブリザード!」
「うん。これ以上の破壊活動はさせない。白恋中を守る為にも、絶対に勝とう」
そうだ。もしまた負けたりしたら、雷門や傘美野の時みたく、今度は白恋中が壊される。それだけは絶対に駄目だ。
「(勝ったら……)」
どうなるのかな。他にもチームはあるわけで、戦いはまだ終わらない。暫くはまた地上最強のチームのメンバー集めになると思う。
……それを皆は知らない。ジェミニストームを倒せば、この戦いは終わるって思ってる。
本当は、言うべきなのかもしれない。エイリア学園の人達は人間なんだって。他にもチームがあるんだって。
でも、言ったところでどうなる?こんなことをしてる理由までは知らないし、証拠がある訳でもない。戦いが終わらないのは変わらない。
どうするのが、一番いいんだろう……。
「来た!」
守兄の声に我に返った。黒く淀んだ雲に覆われている空。皆の表情は固く、目線の先には、
「ジェミニストーム……」
「円堂!」
「とうとう来た……!待ってたぜ、エイリア学園!」
守兄が蹴ったボールを、リュウジ――レーゼは片手が受け止める。ほんの少しだけど表情が変わった。
「これ以上サッカーを破壊の道具にはさせない!」
守兄の決意に満ちた声。
「守兄の言う通り!絶対に勝ってやる!」
あたしがそう言えば、レーゼの顔が悲しそうに歪んだように見えた。
「(リュウジ……)」
また一緒に、楽しいサッカー出来るよね?
3回目のジェミニストームとの試合が、始まろうとしていた。
→あとがき