第7話 エースストライカーは誰だ!!
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朝、目が覚めたらとても寒かった。そういえば昨日北海道に着いて、白恋中に着いたんだっけ。そこでしろ君と再会して、試合もした。
テントから外に出れば、北海道の冷たい風が肌に当たる。うわ寒い!もう少しテントで暖をとこう。そう思った時、丁度キャラバンから一郎太が出てきた。
「あ、一郎太だ。おはよう」
「おはよう美波か。早いんだな」
「そういう一郎太こそ」
「まあな。……今日から吹雪が練習に参加する。あの速さ、負けてられないよ」
「気合入ってるね!」
「ああ。あの速さがあれば、エイリア学園にだって勝てるかもしれないんだ」
「かもしれない、じゃなくて勝つんだよ!絶対にね!」
「……そうだな。絶対に勝とう!」
朝食を終えて食休みをしたところで今日の練習スタートだ。今日からしろ君も参加で、まずは2チームに分かれて試合形式の練習。
あたしはしろ君と同じチームだった。あのスピードに追い付けるように頑張らないと!そう意気込んだものの、いざ始まってみると全然だった。
すいすいと滑るようにグラウンドを駆けるしろ君。一郎太より速い、そんな気がした。
風になろうよ。そう微笑んで、一瞬にして一郎太からボールを奪ったしろ君は、どんどん突っ走っていく。
追いつく追いつかないの問題じゃないかもしれない。連携が出来てない。しろ君が飛び抜けてた白恋では良くても、雷門でこれは駄目だ。
「しろ君ストップ!」
「なんだよ美波」
「ちょっと待った!」
あたしが声をかける前に、染岡が声をあげた。不機嫌そうな声でしろ君を睨みつけている。あ、これはなんかヤバいかも。
「お前な、一之瀬も鬼道もこっちに回せって言ってんだろうが!」
「でも僕、白恋ではいつもこうしてたし……」
「白恋じゃそうでも、うちじゃそんなの通用しねえんだよ!お前は雷門イレブンに入ったんだ!俺達のやり方にあわせろ!」
言い方はともかくとして、染岡は言いたい事を全部言ってくれた。このワンマンプレーでは、あの凄いシュートもディフェンスも活かしきれない。
噛みつく染岡に対してしろ君はというと、急に言われてもと困ったように首を傾げ、そして衝撃の一言を放った。
「そういう汗くさいの疲れるなあ」
「ぶふっ」
「誰が臭いって!?つか美波笑ってんじゃねーよ!」
「ごめん染岡頭ぐりぐりしないで痛い」
豪炎寺の代わりなんて無理なんだと主張する染岡につられてか、チームの雰囲気が悪い。このままは良くない。
そんな中で一郎太は吹雪に合わせると言い出した。どうしてもしろ君を認められない染岡が突っかかったけど、そのまま淡々と続ける。
「俺には、吹雪のあのスピードが必要なんだ。エイリア学園からボールを奪うには、あのスピードが無くちゃダメなんだ。そうでなきゃ、また前の繰り返しだ」
一郎太の顔が暗い。前のエイリア学園との試合の事を思い出してるんだろう。ジェミニストームは速い。だから、それよりも速くなりたいんだ。
だったら風になればいいとしろ君は言う。風とは一体どういう意味なのか。見せてあげるから。そう言って歩いていくしろ君を、あたし達は追った。
行き先は、昨日も来た校舎の裏にあるゲレンデだった。しろ君は何をするつもりなんだろ……?
反対側の方を見ると、白恋中のメンバーが、大きな雪玉を用意して待機していた。そして颯爽と現れたのは、スノーボードの防具を装備したしろ君だ。
「雪が僕達を風にしてくれるんだ」
そう言ってしろ君は勢いよく滑り出した。紺子ちゃんが言うには、小さい頃から得意で、走るよりも滑る方がもっと速くなって風を感じるらしい。
確かに、あの速さで滑っていれば、速さ自体に慣れそうだ。風を感じながらあんなに上手く滑れたら、楽しいだろうな。
しろ君の合図で白恋中メンバーが雪玉を転がした。危ないと思ったけど、しろ君はめちゃくちゃな動きを見切って、軽快に避けては滑っていく。
マフラーを靡かせて、雪玉なんてなんのそのだ。そしてジャンプして一回転。うわ、アクロバティック!
途中、木に積もった雪が落ちて、驚いたしろ君は止まってしまったけど、それでもしろ君の言う風になるがどういう意味かは分かった。
速さを身に付けるいい特訓にもなる。という訳で、スノーボードをすることになった。染岡は結局は遊びの延長だとかで拗ねてるけど、守兄はやる気だ。あたしだってやる気だ。
「スノーボードか……始めてやるなあ。コツある?」
「そうだな……。風を感じて、身を任せるんだ。そうすれば風になれるよ」
「う、うん」
多分、しろ君は感覚派なんだと思う。あたしもそうだから、とにもかくにもやってみるしかない。とりあえず滑ってみよう。よし、行くぞ!
「……って、鬼道も塔子も一之瀬も土門も、なんでそんなに上手いのおおお!」
「落ち着いてやればいけるぞ」
「無理いいい!」
ドヤ顔の鬼道を横目に、そのまま雪とこんにちはする羽目になった。顔中が冷たい。しまった、足が雪にはまって動けない。どうしよう。
「おいおい。大丈夫か?」
「ありがとう一郎太……」
近くまで来ていた一郎太が引っ張り上げてくれた。面目ない。
「一郎太は調子どう?」
「まだ慣れてないけど、これを乗りこなせるようになったらもっと速くなれる気がするよ」
「あたしも!お互い頑張ろうね!」
それから何度も何度も滑って、滑りながら考えたのは考え中の必殺技のこと。昼間だと個人練習する時間取れなさそうだし、夜練しようかな。
とはいえその為の体力を残しておくなんて器用なことは出来なくて、くたくたになるまで全力練習して、やっと夕飯。転びまくって打った腰がちょっと痛い。
風になるのって大変だ。コツが掴めてきたという塔子が羨ましい。全身のバランスの取り方と、スピードに乗る感覚かあ。
それぞれ話しながら教室に入る。沢山食べて体力回復したいと思ってたけど、夕飯の量は少ない上におかわり無しだった。
カロリー計算はバッチリだと春ちゃんが言うけど、疲れた体には物足りなく感じる。それに30回も噛むなんて……頑張ろう。あ、壁山がしょんぼりしてる。
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テントから外に出れば、北海道の冷たい風が肌に当たる。うわ寒い!もう少しテントで暖をとこう。そう思った時、丁度キャラバンから一郎太が出てきた。
「あ、一郎太だ。おはよう」
「おはよう美波か。早いんだな」
「そういう一郎太こそ」
「まあな。……今日から吹雪が練習に参加する。あの速さ、負けてられないよ」
「気合入ってるね!」
「ああ。あの速さがあれば、エイリア学園にだって勝てるかもしれないんだ」
「かもしれない、じゃなくて勝つんだよ!絶対にね!」
「……そうだな。絶対に勝とう!」
朝食を終えて食休みをしたところで今日の練習スタートだ。今日からしろ君も参加で、まずは2チームに分かれて試合形式の練習。
あたしはしろ君と同じチームだった。あのスピードに追い付けるように頑張らないと!そう意気込んだものの、いざ始まってみると全然だった。
すいすいと滑るようにグラウンドを駆けるしろ君。一郎太より速い、そんな気がした。
風になろうよ。そう微笑んで、一瞬にして一郎太からボールを奪ったしろ君は、どんどん突っ走っていく。
追いつく追いつかないの問題じゃないかもしれない。連携が出来てない。しろ君が飛び抜けてた白恋では良くても、雷門でこれは駄目だ。
「しろ君ストップ!」
「なんだよ美波」
「ちょっと待った!」
あたしが声をかける前に、染岡が声をあげた。不機嫌そうな声でしろ君を睨みつけている。あ、これはなんかヤバいかも。
「お前な、一之瀬も鬼道もこっちに回せって言ってんだろうが!」
「でも僕、白恋ではいつもこうしてたし……」
「白恋じゃそうでも、うちじゃそんなの通用しねえんだよ!お前は雷門イレブンに入ったんだ!俺達のやり方にあわせろ!」
言い方はともかくとして、染岡は言いたい事を全部言ってくれた。このワンマンプレーでは、あの凄いシュートもディフェンスも活かしきれない。
噛みつく染岡に対してしろ君はというと、急に言われてもと困ったように首を傾げ、そして衝撃の一言を放った。
「そういう汗くさいの疲れるなあ」
「ぶふっ」
「誰が臭いって!?つか美波笑ってんじゃねーよ!」
「ごめん染岡頭ぐりぐりしないで痛い」
豪炎寺の代わりなんて無理なんだと主張する染岡につられてか、チームの雰囲気が悪い。このままは良くない。
そんな中で一郎太は吹雪に合わせると言い出した。どうしてもしろ君を認められない染岡が突っかかったけど、そのまま淡々と続ける。
「俺には、吹雪のあのスピードが必要なんだ。エイリア学園からボールを奪うには、あのスピードが無くちゃダメなんだ。そうでなきゃ、また前の繰り返しだ」
一郎太の顔が暗い。前のエイリア学園との試合の事を思い出してるんだろう。ジェミニストームは速い。だから、それよりも速くなりたいんだ。
だったら風になればいいとしろ君は言う。風とは一体どういう意味なのか。見せてあげるから。そう言って歩いていくしろ君を、あたし達は追った。
行き先は、昨日も来た校舎の裏にあるゲレンデだった。しろ君は何をするつもりなんだろ……?
反対側の方を見ると、白恋中のメンバーが、大きな雪玉を用意して待機していた。そして颯爽と現れたのは、スノーボードの防具を装備したしろ君だ。
「雪が僕達を風にしてくれるんだ」
そう言ってしろ君は勢いよく滑り出した。紺子ちゃんが言うには、小さい頃から得意で、走るよりも滑る方がもっと速くなって風を感じるらしい。
確かに、あの速さで滑っていれば、速さ自体に慣れそうだ。風を感じながらあんなに上手く滑れたら、楽しいだろうな。
しろ君の合図で白恋中メンバーが雪玉を転がした。危ないと思ったけど、しろ君はめちゃくちゃな動きを見切って、軽快に避けては滑っていく。
マフラーを靡かせて、雪玉なんてなんのそのだ。そしてジャンプして一回転。うわ、アクロバティック!
途中、木に積もった雪が落ちて、驚いたしろ君は止まってしまったけど、それでもしろ君の言う風になるがどういう意味かは分かった。
速さを身に付けるいい特訓にもなる。という訳で、スノーボードをすることになった。染岡は結局は遊びの延長だとかで拗ねてるけど、守兄はやる気だ。あたしだってやる気だ。
「スノーボードか……始めてやるなあ。コツある?」
「そうだな……。風を感じて、身を任せるんだ。そうすれば風になれるよ」
「う、うん」
多分、しろ君は感覚派なんだと思う。あたしもそうだから、とにもかくにもやってみるしかない。とりあえず滑ってみよう。よし、行くぞ!
「……って、鬼道も塔子も一之瀬も土門も、なんでそんなに上手いのおおお!」
「落ち着いてやればいけるぞ」
「無理いいい!」
ドヤ顔の鬼道を横目に、そのまま雪とこんにちはする羽目になった。顔中が冷たい。しまった、足が雪にはまって動けない。どうしよう。
「おいおい。大丈夫か?」
「ありがとう一郎太……」
近くまで来ていた一郎太が引っ張り上げてくれた。面目ない。
「一郎太は調子どう?」
「まだ慣れてないけど、これを乗りこなせるようになったらもっと速くなれる気がするよ」
「あたしも!お互い頑張ろうね!」
それから何度も何度も滑って、滑りながら考えたのは考え中の必殺技のこと。昼間だと個人練習する時間取れなさそうだし、夜練しようかな。
とはいえその為の体力を残しておくなんて器用なことは出来なくて、くたくたになるまで全力練習して、やっと夕飯。転びまくって打った腰がちょっと痛い。
風になるのって大変だ。コツが掴めてきたという塔子が羨ましい。全身のバランスの取り方と、スピードに乗る感覚かあ。
それぞれ話しながら教室に入る。沢山食べて体力回復したいと思ってたけど、夕飯の量は少ない上におかわり無しだった。
カロリー計算はバッチリだと春ちゃんが言うけど、疲れた体には物足りなく感じる。それに30回も噛むなんて……頑張ろう。あ、壁山がしょんぼりしてる。
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