第6話 雪原の皇子!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
白恋中に到着したあたし達は、白恋中サッカー部に歓迎された。
決勝戦が終わって直ぐに学校が壊されて吹っ飛んでたけど、雷門はフットボールフロンティアで優勝して日本一になったんだった。
そして今は、エイリア学園に対抗するチームとして、日本中から注目と期待を集めている。……ちょっぴり複雑かも。
白恋中サッカー部はというと、個人的に嬉しかったのは、白恋には女子選手がいるということだ。
「真都路さんと荒谷さん!」
「名前でいいよ!私たちも美波ちゃんって呼んでいい?」
「もちろん!じゃあ、珠香ちゃんと紺子ちゃん!」
「うん!よろしくね!」
「こちらこそよろしく!」
塔子に引き続き、これで女子のサッカー仲間がまた増えた!
噂の吹雪士郎は丁度出かけてるそう。スキーかスケートかボブスレーか。サッカーだけでなく、ウィンタースポーツが大得意ならしい。
待ってる間暫く話していると、廊下の方から足音が聞こえてきて、紺子ちゃんが見に行った。聞こえてきたのはさっき聞いたばかりの声で、皆より一足先に確信する。
教室に入って来たのは、確かに大雪原で出会った彼だった。やっぱり彼が、吹雪士郎だったんだ。
反応はまちまち。大半は噂と全然違ったのもあって拍子抜けた感じだ。しろ君自身もよく勘違いされるとのほほんと笑う。自分の噂とか知ってるんだ……。
そんなしろ君にムカついてますオーラを出しながら教室から出ていった染岡を、秋が追う。染岡は一番豪炎寺の離脱に反発してたからなあ。
どうしたものかと考えると、誰かにジャージの裾を引かれた。振り向けば、そこには彼が。
「美波ちゃん……だよね?」
「やっぱり噂はしろ君だったんだ」
「雷門中の試合は中継で見てたけど、正直びっくりしたよ」
「あはは……。あたしも吹雪士郎の名前を聞いた時は驚いた」
「おい。……まさか、知り合いなのか?」
「そのまさかです」
鬼道のじっとりとした視線が痛い。知っていたなら何故言わない、とでも言いたそうなのがビシバシと伝わってくる。
「名前聞いてしろ君かなとは思ったけど、確証は持てなくて」
「そうか」
「うんうん」
「僕のこと覚えててくれたんだね。嬉しいよ」
「しろ君こそ、あたしのこと覚えててくれたんだね」
「うん。改めてよろしくね、美波ちゃん」
「うん!よろしく!」
しろ君の方に向き直る。久しぶりに会ったしろ君は殆ど変わっていない。順当に成長しましたって感じ。
変わったといえば、しろ君がマフラーを付けている事だろうか。マフラーがトレードマークだったのアツ君の方だった筈。
それにここに来るまで何回も考えてたけど、あたしの記憶違いでなければ、しろ君は……。
「しろ君はディフェンダーの筈なんだけど……」
とはいえ単にポジション転向しただけかもしれないし、気にしたって仕方ない。噂に加えて熊まで倒すんだから、しろ君のフォワードとしての能力は間違いない筈。
さて本題。あたし達が北海道まで来たのは、吹雪士郎をチームにスカウトする為だ。話がしたいと申し出ると、何かを感じ取ったのかしろ君は、外にあるかまくらで話すのを提案した。
守兄、春ちゃん、瞳子監督と人数絞ってしろ君とかまくらへ。残されて待つ間暇になったあたし達は、白恋サッカー部も交えて雪合戦をすることに。
「疾風スノーボール!」
「「ツインスノーボール!」」
必殺技をもじった雪玉投げに、思わず笑う。こういうのが男の子っていいなあってやつなんだろうか。あの鬼道でさえノリノリだ。
「マントはセーフだ!」
「ぶふっ」
セーフ?いやアウトだ!あれはずるい。と思ってたら、鬼道がゴーグルのレンズがキラリと光らせ、びしりとあたしを指差す。え、何。
「美波に集中攻撃!」
「ええ!?」
集中砲火ならぬ集中砲雪って、そりゃないよ!理不尽だ!
「断固抗議すぶふぉわあ!」
「これは戦略的攻撃だ」
容赦なく顔面に雪玉をぶつけられました。
「ジャージの中に雪入った!」
「それがどうした」
「! 隙あり荒波スノーボール!」
「甘いな」
「避けないで!」
「断る」
「ちょっと美波!独断専行は慎みなさい!」
「これは最早男と女のプライドの戦いなんだよなっちゃん!」
しれっと素っ気ない鬼道に向かって、投げる。ただひたすらに雪を投げる。鬼道も負けじと雪を投げてくる。
いつの間にか1対1の勝負になっていたけど、こうなったら意地だ。せっせと雪を固めて鬼道に投げつつ、考えるのはさっきのこと。
移動中、雪が落ちた音に酷く怯えていたしろ君の姿が、妙に印象に残っている。
蹲ったしろ君の背中は、熊を撃退出来るとは思えないくらいに小さく見えて、寂しそうだった。
「考え事か、余裕だな」
「うわちょっと待って!タイム!」
「無しだ。……く、風丸!」
「そろそろ、戻った方がいいんじゃないか!指揮系統が崩れてるぞ!」
「フ……そのようだな。ここは引こう」
「何この流れ……」
一郎太が投げた雪玉が飛んできたと思ったら、鬼道は自分のチームに戻っていった。とりあえずは助かった。
「加勢ありがとうね一郎太」
「どういたしまして。なあ美波、吹雪はディフェンダーでもあるのか」
「え!?何で?」
「さっき大きな独り言してただろ」
そんなに大きな声で言ったつもりは無かったけど、一郎太には聞かれてたらしい。
「うーん、分からないや。一郎太は気になる?」
「吹雪の実力がどれ程のものかは知らないけど、俺はディフェンダーだからな。あいつもそうなら負けられない」
「それならあたしだってディフェンダーだからね!一郎太にもしろ君にも負けないよ!」
「そうだな」
意気込んでたら隙ありと一之瀬に雪をぶつけられた。何でかニヤニヤと笑っている顔がムカついて、二人で思いっきり顔面に雪をぶつけてやった。
.
決勝戦が終わって直ぐに学校が壊されて吹っ飛んでたけど、雷門はフットボールフロンティアで優勝して日本一になったんだった。
そして今は、エイリア学園に対抗するチームとして、日本中から注目と期待を集めている。……ちょっぴり複雑かも。
白恋中サッカー部はというと、個人的に嬉しかったのは、白恋には女子選手がいるということだ。
「真都路さんと荒谷さん!」
「名前でいいよ!私たちも美波ちゃんって呼んでいい?」
「もちろん!じゃあ、珠香ちゃんと紺子ちゃん!」
「うん!よろしくね!」
「こちらこそよろしく!」
塔子に引き続き、これで女子のサッカー仲間がまた増えた!
噂の吹雪士郎は丁度出かけてるそう。スキーかスケートかボブスレーか。サッカーだけでなく、ウィンタースポーツが大得意ならしい。
待ってる間暫く話していると、廊下の方から足音が聞こえてきて、紺子ちゃんが見に行った。聞こえてきたのはさっき聞いたばかりの声で、皆より一足先に確信する。
教室に入って来たのは、確かに大雪原で出会った彼だった。やっぱり彼が、吹雪士郎だったんだ。
反応はまちまち。大半は噂と全然違ったのもあって拍子抜けた感じだ。しろ君自身もよく勘違いされるとのほほんと笑う。自分の噂とか知ってるんだ……。
そんなしろ君にムカついてますオーラを出しながら教室から出ていった染岡を、秋が追う。染岡は一番豪炎寺の離脱に反発してたからなあ。
どうしたものかと考えると、誰かにジャージの裾を引かれた。振り向けば、そこには彼が。
「美波ちゃん……だよね?」
「やっぱり噂はしろ君だったんだ」
「雷門中の試合は中継で見てたけど、正直びっくりしたよ」
「あはは……。あたしも吹雪士郎の名前を聞いた時は驚いた」
「おい。……まさか、知り合いなのか?」
「そのまさかです」
鬼道のじっとりとした視線が痛い。知っていたなら何故言わない、とでも言いたそうなのがビシバシと伝わってくる。
「名前聞いてしろ君かなとは思ったけど、確証は持てなくて」
「そうか」
「うんうん」
「僕のこと覚えててくれたんだね。嬉しいよ」
「しろ君こそ、あたしのこと覚えててくれたんだね」
「うん。改めてよろしくね、美波ちゃん」
「うん!よろしく!」
しろ君の方に向き直る。久しぶりに会ったしろ君は殆ど変わっていない。順当に成長しましたって感じ。
変わったといえば、しろ君がマフラーを付けている事だろうか。マフラーがトレードマークだったのアツ君の方だった筈。
それにここに来るまで何回も考えてたけど、あたしの記憶違いでなければ、しろ君は……。
「しろ君はディフェンダーの筈なんだけど……」
とはいえ単にポジション転向しただけかもしれないし、気にしたって仕方ない。噂に加えて熊まで倒すんだから、しろ君のフォワードとしての能力は間違いない筈。
さて本題。あたし達が北海道まで来たのは、吹雪士郎をチームにスカウトする為だ。話がしたいと申し出ると、何かを感じ取ったのかしろ君は、外にあるかまくらで話すのを提案した。
守兄、春ちゃん、瞳子監督と人数絞ってしろ君とかまくらへ。残されて待つ間暇になったあたし達は、白恋サッカー部も交えて雪合戦をすることに。
「疾風スノーボール!」
「「ツインスノーボール!」」
必殺技をもじった雪玉投げに、思わず笑う。こういうのが男の子っていいなあってやつなんだろうか。あの鬼道でさえノリノリだ。
「マントはセーフだ!」
「ぶふっ」
セーフ?いやアウトだ!あれはずるい。と思ってたら、鬼道がゴーグルのレンズがキラリと光らせ、びしりとあたしを指差す。え、何。
「美波に集中攻撃!」
「ええ!?」
集中砲火ならぬ集中砲雪って、そりゃないよ!理不尽だ!
「断固抗議すぶふぉわあ!」
「これは戦略的攻撃だ」
容赦なく顔面に雪玉をぶつけられました。
「ジャージの中に雪入った!」
「それがどうした」
「! 隙あり荒波スノーボール!」
「甘いな」
「避けないで!」
「断る」
「ちょっと美波!独断専行は慎みなさい!」
「これは最早男と女のプライドの戦いなんだよなっちゃん!」
しれっと素っ気ない鬼道に向かって、投げる。ただひたすらに雪を投げる。鬼道も負けじと雪を投げてくる。
いつの間にか1対1の勝負になっていたけど、こうなったら意地だ。せっせと雪を固めて鬼道に投げつつ、考えるのはさっきのこと。
移動中、雪が落ちた音に酷く怯えていたしろ君の姿が、妙に印象に残っている。
蹲ったしろ君の背中は、熊を撃退出来るとは思えないくらいに小さく見えて、寂しそうだった。
「考え事か、余裕だな」
「うわちょっと待って!タイム!」
「無しだ。……く、風丸!」
「そろそろ、戻った方がいいんじゃないか!指揮系統が崩れてるぞ!」
「フ……そのようだな。ここは引こう」
「何この流れ……」
一郎太が投げた雪玉が飛んできたと思ったら、鬼道は自分のチームに戻っていった。とりあえずは助かった。
「加勢ありがとうね一郎太」
「どういたしまして。なあ美波、吹雪はディフェンダーでもあるのか」
「え!?何で?」
「さっき大きな独り言してただろ」
そんなに大きな声で言ったつもりは無かったけど、一郎太には聞かれてたらしい。
「うーん、分からないや。一郎太は気になる?」
「吹雪の実力がどれ程のものかは知らないけど、俺はディフェンダーだからな。あいつもそうなら負けられない」
「それならあたしだってディフェンダーだからね!一郎太にもしろ君にも負けないよ!」
「そうだな」
意気込んでたら隙ありと一之瀬に雪をぶつけられた。何でかニヤニヤと笑っている顔がムカついて、二人で思いっきり顔面に雪をぶつけてやった。
.
1/4ページ