第38話 激突!雷門VS雷門!!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「行くぞ」
試合が始まった。低く呟いた守兄が上がっていく。ボールを持ち込んでいた鬼道から、守兄へバックパスが通る。ドリブルで攻め込む守兄に、一郎太が向かってきた。
「来い。俺の力を見せてやる!」
すれ違った次の瞬間、吸い寄せられるように、ボールは一郎太の足元にあった。
「なっ!」
「っはは!その程度か?キーパーじゃなければ、お前も大したことないな!」
動向を見ていたはずなのに、いつボールを奪ったのかがわからなかった。いや、今考えるのは終わったことじゃなくて、次だ!
「行かせるものか!」
「無駄だ。疾風ダッシュ!」
「! 何!?」
一郎太のスピードは、信じられないくらい速くなっていた。そして放たれた強力なシュート。咄嗟に発動させた水龍は、いとも簡単に破られた。
一瞬で霧散した水に呆然としかけた意識を必死に引き戻す。立向居がムゲン・ザ・ハンドの構えを取っている。まだ、ゴールを守る砦は残ってる!
黄金の腕がシュートを押さえ込んだ。止めはしたものの、その威力に立向居も驚いていた。必殺技を使わずに、究極奥義でギリギリ止められる程なんて……。
「立向居!」
「大丈夫です!」
怪我はしていないようで、ほっと息を吐く。想像以上に強い。開始早々点を取られなくて良かった。流れを持っていかれたらまずかった。
「まだほんの小手調べさ」
そう言って戻っていく一郎太。確かに、まだシュートの必殺技は使ってない。これで必殺技を使ったら……。
「強い。想像していた以上だ」
「これが、エイリア石の力……」
「……攻めるしかない!立向居!」
「鬼道さん!」
とにもかくにも攻め気で負けるわけにはいかない。細かく回して前線へ運んだところで、豪炎寺へのパスが半田にカットされた。続いて宍戸と少林が、シューティングスターで一之瀬を弾き飛ばす。
攻めたいのに、攻めきれない。守るのも精一杯。攻撃も守備も、信じられないくらい強い。
パスを待ってか、上がってきた一郎太と目が合った。身構えたあたしとは対照的に、一郎太は笑った。まるで何もなかったかのような、いつもみたいな穏やかで優しい笑み、で。
ゾクリ
背筋に悪寒が走る。何を考えているのか、まったくわからない。一郎太が怖い、なんて、思いたくないのに。
「荒波っ!!」
嫌な感覚を振り払いたくて、必殺技を仕掛ける。バランスを崩したところにスライディングをかけて、そのまま前線へダイレクトに送った。
鬼道が中継して、今度こそ、やっとのことで豪炎寺に繋がった。放たれた爆熱ストームが熱気を巻き起こす。決まれ。その願いは、杉森と影野のデュアルスマッシュという技で打ち砕かれた。
「新しい必殺技みたいだけど、大したことないね。ふふふふふ……」
「この程度ならいくらでも止めてやる」
「この程度って……」
「アイツら、あんなに楽々と」
「これが、エイリア石の力なのか?」
「それだけじゃない。みんな本当に強くなってる」
「それがこんな形で知ることになるとはな……」
苦々しげな鬼道に頷き返す。出来ることなら、もっと違う形で知りかった。……敵意を向けてくる一郎太達とサッカーすることになるなんて、思ってもみなかった。
落ち込んではいられない。ボールを持った染岡が切り込んでくる。
「行かせるか!」
「通すわけにはいかない!」
「はっはっは!今の俺はどんなディフェンスでも突破することが出来るんだぜ」
「そんなのは本当の力じゃない!」
「だったら俺を止めてみろ!」
「染岡……」
ユニフォームの下でエイリア石が輝く。染岡はあたし達をきつく睨み付けた。
「エイリア石の力を否定するなら……それ以上の力を、俺に見せてみろ!」
「っ……行くぞ!」
「うん!」
「甘いな!」
凄いスピードで突っ込まれて、あたしと守兄は吹っ飛ばされた。そんな中、視界の端に白銀が映る。……時間は稼げた!
「どうだ!俺の勝ちだ!」
「油断大敵、だよ!染岡!」
「何!?」
「染岡くん!」
「!」
「アイスグランド!」
士郎くんの足元から広がった氷が、染岡を包み込んだ。跳ねたボールがタッチラインを越えて、試合が止まる。
「染岡くん!……僕は忘れてないよ。君がどんなに苦しい思いでチームを離れたか。どんな思いで僕に後を託したのか!」
「フン。そんなこと覚えてねえな」
聞く耳を持たない染岡は、自分のポジションへと歩いて行ってしまった。……士郎くんと最強コンビだって、言ってたのに。
「士郎くん、染岡……」
「何を言っても無駄のようだな」
「……どうすれば、わかってもらえるんだろう」
「勝つしかない、俺達のサッカーで」
「キャプテン」
「そうだな。アイツらに勝つんだ!」
「雷門のサッカー、思い出させよう!」
雷門の仲間達。フットボールフロンティアで戦ったライバル。伝えるんだ、あたし達のサッカーで。
気合いを入れ直しても、ダークエンペラーズはなかなか崩せない。今度はザ・フェニックスが、あの木戸川戦の時みたく、西垣のスピニングカットで発動を阻止された。
西垣が一郎太へパスを出す。鬼道がマークについたけど、それを見越して跳躍した一郎太は、ダイレクトパスをゴール前のシャドウへ送った。
「ダークトルネード!闇に飲み込まれてしまえ!」
「闇なんてここにはねえ!」
「決めさせるもんか!」
ブロックに入って間もなく、夕弥と条兄は、立向居ごとゴールネットに叩きつけられた。……ダークエンペラーズの先制点。拮抗が、崩れた。
「あの身体能力、ハイソルジャーは本当に素晴らしい!」
「っ、素晴らしくなんかない!」
ベンチから聞こえた研崎の声に、思わず言い返した。いや、怒鳴った。苛立ちしかない。何が素晴らしいだ。一郎太も染岡も半田も、みんな、エイリア石に囚われてるだけ。
雷門のサッカーをぶつければ、きっと思い出してくれる。ただがむしゃらに走って、特訓した日々を。負けない。まだ1点だ。前半戦、時間は残ってる。
「絶対に取り返すし、取り戻すんだからっ!」
点も、一郎太達も、絶対に。
「今度は俺が決めるぜ!」
「そう何度も抜かせられるか!」
染岡の前に立ち塞がれば、ギッと睨み付けられる。……大丈夫。怖くなんかない。目の前にいるのは敵じゃない。仲間だ。
「わざわざ怪我しに来たかよ」
「あたしが怪我が怖くて引くような奴じゃないってよく知ってるくせに」
「……どうだったかな」
「っ、あたしも知ってるよ!染岡はそんな石に頼らなくたって強いって!」
「うるせえ!邪魔だ!」
「ぐっ!」
また吹っ飛ばされて、地面に叩きつけられた。ファウル、にはならない。取れなかったか。……背中が痛い。なんて突破力だ。
悲鳴をあげる体に鞭打ってふらつきながらも立ち上がれば、あたしの横を士郎くんが走り抜けた。
「士郎くんっ!」
「染岡くんは僕が止める!止めなきゃいけないんだ!」
「やれるもんならやってみろ!」
蹴り上げられたボールから、青い竜が現れる。お願い、間に合って!
「ワイバーン――!」
染岡が蹴ろうとしたボールに、戻ってきた士郎くんが回旋させた右足を打ちつけた。
「てめえ……さっきから邪魔ばっかしやがって!」
「染岡くん、僕と風になろうって約束したじゃないか!忘れちゃったの!?」
「だから、覚えてねえって言ってんだろ!」
エイリア石が一際輝いたその瞬間、士郎くんは吹き飛ばされた。青い竜が、牙を剥く。音を立ててヒビが入っていくムゲン・ザ・ハンドが砕かれるまで、そう時間はかからなかった。
立向居が手を抑えた。士郎くんは片膝をついている。そんな士郎くんに近付いた染岡が、せせら笑いを浮かべながら言い放った。
「見たか?最強のストライカーは俺だ!」
高らかに笑う染岡に、ニヤリとほくそ笑む一郎太太。……負けない。絶対に諦めない。いつだってそうしてきた。勝負の行方は、最後までわからない。
「勝負は、ここからだ……!!」
→あとがき
試合が始まった。低く呟いた守兄が上がっていく。ボールを持ち込んでいた鬼道から、守兄へバックパスが通る。ドリブルで攻め込む守兄に、一郎太が向かってきた。
「来い。俺の力を見せてやる!」
すれ違った次の瞬間、吸い寄せられるように、ボールは一郎太の足元にあった。
「なっ!」
「っはは!その程度か?キーパーじゃなければ、お前も大したことないな!」
動向を見ていたはずなのに、いつボールを奪ったのかがわからなかった。いや、今考えるのは終わったことじゃなくて、次だ!
「行かせるものか!」
「無駄だ。疾風ダッシュ!」
「! 何!?」
一郎太のスピードは、信じられないくらい速くなっていた。そして放たれた強力なシュート。咄嗟に発動させた水龍は、いとも簡単に破られた。
一瞬で霧散した水に呆然としかけた意識を必死に引き戻す。立向居がムゲン・ザ・ハンドの構えを取っている。まだ、ゴールを守る砦は残ってる!
黄金の腕がシュートを押さえ込んだ。止めはしたものの、その威力に立向居も驚いていた。必殺技を使わずに、究極奥義でギリギリ止められる程なんて……。
「立向居!」
「大丈夫です!」
怪我はしていないようで、ほっと息を吐く。想像以上に強い。開始早々点を取られなくて良かった。流れを持っていかれたらまずかった。
「まだほんの小手調べさ」
そう言って戻っていく一郎太。確かに、まだシュートの必殺技は使ってない。これで必殺技を使ったら……。
「強い。想像していた以上だ」
「これが、エイリア石の力……」
「……攻めるしかない!立向居!」
「鬼道さん!」
とにもかくにも攻め気で負けるわけにはいかない。細かく回して前線へ運んだところで、豪炎寺へのパスが半田にカットされた。続いて宍戸と少林が、シューティングスターで一之瀬を弾き飛ばす。
攻めたいのに、攻めきれない。守るのも精一杯。攻撃も守備も、信じられないくらい強い。
パスを待ってか、上がってきた一郎太と目が合った。身構えたあたしとは対照的に、一郎太は笑った。まるで何もなかったかのような、いつもみたいな穏やかで優しい笑み、で。
ゾクリ
背筋に悪寒が走る。何を考えているのか、まったくわからない。一郎太が怖い、なんて、思いたくないのに。
「荒波っ!!」
嫌な感覚を振り払いたくて、必殺技を仕掛ける。バランスを崩したところにスライディングをかけて、そのまま前線へダイレクトに送った。
鬼道が中継して、今度こそ、やっとのことで豪炎寺に繋がった。放たれた爆熱ストームが熱気を巻き起こす。決まれ。その願いは、杉森と影野のデュアルスマッシュという技で打ち砕かれた。
「新しい必殺技みたいだけど、大したことないね。ふふふふふ……」
「この程度ならいくらでも止めてやる」
「この程度って……」
「アイツら、あんなに楽々と」
「これが、エイリア石の力なのか?」
「それだけじゃない。みんな本当に強くなってる」
「それがこんな形で知ることになるとはな……」
苦々しげな鬼道に頷き返す。出来ることなら、もっと違う形で知りかった。……敵意を向けてくる一郎太達とサッカーすることになるなんて、思ってもみなかった。
落ち込んではいられない。ボールを持った染岡が切り込んでくる。
「行かせるか!」
「通すわけにはいかない!」
「はっはっは!今の俺はどんなディフェンスでも突破することが出来るんだぜ」
「そんなのは本当の力じゃない!」
「だったら俺を止めてみろ!」
「染岡……」
ユニフォームの下でエイリア石が輝く。染岡はあたし達をきつく睨み付けた。
「エイリア石の力を否定するなら……それ以上の力を、俺に見せてみろ!」
「っ……行くぞ!」
「うん!」
「甘いな!」
凄いスピードで突っ込まれて、あたしと守兄は吹っ飛ばされた。そんな中、視界の端に白銀が映る。……時間は稼げた!
「どうだ!俺の勝ちだ!」
「油断大敵、だよ!染岡!」
「何!?」
「染岡くん!」
「!」
「アイスグランド!」
士郎くんの足元から広がった氷が、染岡を包み込んだ。跳ねたボールがタッチラインを越えて、試合が止まる。
「染岡くん!……僕は忘れてないよ。君がどんなに苦しい思いでチームを離れたか。どんな思いで僕に後を託したのか!」
「フン。そんなこと覚えてねえな」
聞く耳を持たない染岡は、自分のポジションへと歩いて行ってしまった。……士郎くんと最強コンビだって、言ってたのに。
「士郎くん、染岡……」
「何を言っても無駄のようだな」
「……どうすれば、わかってもらえるんだろう」
「勝つしかない、俺達のサッカーで」
「キャプテン」
「そうだな。アイツらに勝つんだ!」
「雷門のサッカー、思い出させよう!」
雷門の仲間達。フットボールフロンティアで戦ったライバル。伝えるんだ、あたし達のサッカーで。
気合いを入れ直しても、ダークエンペラーズはなかなか崩せない。今度はザ・フェニックスが、あの木戸川戦の時みたく、西垣のスピニングカットで発動を阻止された。
西垣が一郎太へパスを出す。鬼道がマークについたけど、それを見越して跳躍した一郎太は、ダイレクトパスをゴール前のシャドウへ送った。
「ダークトルネード!闇に飲み込まれてしまえ!」
「闇なんてここにはねえ!」
「決めさせるもんか!」
ブロックに入って間もなく、夕弥と条兄は、立向居ごとゴールネットに叩きつけられた。……ダークエンペラーズの先制点。拮抗が、崩れた。
「あの身体能力、ハイソルジャーは本当に素晴らしい!」
「っ、素晴らしくなんかない!」
ベンチから聞こえた研崎の声に、思わず言い返した。いや、怒鳴った。苛立ちしかない。何が素晴らしいだ。一郎太も染岡も半田も、みんな、エイリア石に囚われてるだけ。
雷門のサッカーをぶつければ、きっと思い出してくれる。ただがむしゃらに走って、特訓した日々を。負けない。まだ1点だ。前半戦、時間は残ってる。
「絶対に取り返すし、取り戻すんだからっ!」
点も、一郎太達も、絶対に。
「今度は俺が決めるぜ!」
「そう何度も抜かせられるか!」
染岡の前に立ち塞がれば、ギッと睨み付けられる。……大丈夫。怖くなんかない。目の前にいるのは敵じゃない。仲間だ。
「わざわざ怪我しに来たかよ」
「あたしが怪我が怖くて引くような奴じゃないってよく知ってるくせに」
「……どうだったかな」
「っ、あたしも知ってるよ!染岡はそんな石に頼らなくたって強いって!」
「うるせえ!邪魔だ!」
「ぐっ!」
また吹っ飛ばされて、地面に叩きつけられた。ファウル、にはならない。取れなかったか。……背中が痛い。なんて突破力だ。
悲鳴をあげる体に鞭打ってふらつきながらも立ち上がれば、あたしの横を士郎くんが走り抜けた。
「士郎くんっ!」
「染岡くんは僕が止める!止めなきゃいけないんだ!」
「やれるもんならやってみろ!」
蹴り上げられたボールから、青い竜が現れる。お願い、間に合って!
「ワイバーン――!」
染岡が蹴ろうとしたボールに、戻ってきた士郎くんが回旋させた右足を打ちつけた。
「てめえ……さっきから邪魔ばっかしやがって!」
「染岡くん、僕と風になろうって約束したじゃないか!忘れちゃったの!?」
「だから、覚えてねえって言ってんだろ!」
エイリア石が一際輝いたその瞬間、士郎くんは吹き飛ばされた。青い竜が、牙を剥く。音を立ててヒビが入っていくムゲン・ザ・ハンドが砕かれるまで、そう時間はかからなかった。
立向居が手を抑えた。士郎くんは片膝をついている。そんな士郎くんに近付いた染岡が、せせら笑いを浮かべながら言い放った。
「見たか?最強のストライカーは俺だ!」
高らかに笑う染岡に、ニヤリとほくそ笑む一郎太太。……負けない。絶対に諦めない。いつだってそうしてきた。勝負の行方は、最後までわからない。
「勝負は、ここからだ……!!」
→あとがき