第34話 エイリア学園の正体!
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ヒロト君達を助けたい。だから今までやってきた。仲間の信頼を代償に。こんな状態じゃ、足を引っ張ることになるかもしれない。
カオス戦の前だってそうだった。この戦いが始まってから、優柔不断だと自嘲する。あの時みたく、足手まといにはならないとは言い切れなかった。
あたしが雷門の負けに繋がるなら、喜んで自分からベンチに下がる。
「あたしは、今まで皆に沢山の事を黙ってて、騙してた。そんなあたしに出る資格は……っ!?」
頭に痛みが走った。恐る恐る後ろを振り向いたら、叩いたのは鬼道と豪炎寺だった。
「勘違いも甚だしいな。お前、さっきの俺達と監督のやり取りを聞いていなかったのか」
「ここに美波に騙されていたと思っている奴は、一人もいない」
「……あたしは、ヒロト達を助けるために皆を利用してたようなもので」
「だとしても、エイリア学園を倒したい、勝ちたいという僕達の気持ちは同じだよ、美波ちゃん」
「全部話してたら、キャラバンを降りなかった人だっていただろうし」
先の見えない戦いに疲れてしまった一郎太と栗松。……当然だったと思う。あの時点でゴールを知っていたのは、あたしだけ。
「だからそう簡単に話せることじゃなかったんだろ?」
「そないなことしゃーないわ」
「ったく、ほんと変なとこでバカ正直だよなー」
「そうそう!そんな事、海の広さに比べればちっぽけな話だって思え!な?」
ああ言えばこう言われて、何も言えなくなる。
知ってて黙っていたあたしを、戸惑いこそしても、皆は怒ってないなかった。
「美波」
「守兄……」
「何かに悩んでたのは気づいてた。でも、ここまで美波が悩むことだとは思ってなかった。無理にでも聞き出すべきたっだんた。お兄ちゃん失格だな」
「そんなことない!あたしの方こそ、仲間、妹失格だよ」
「大丈夫だ!美波のことは、俺が一番よく知ってる!俺達のこと、エイリア学園のこと、辛かったんだろ?」
「まも、にい………」
皆守兄の言う通りだって、真っ直ぐあたしを見つめながら頷いてくれた。
情けない。信じるものの為に戦うと決めたのに、他ならない皆を信じてなかったのは、あたし自身で。
「私は貴方を外すつもりはないわ。貴方に、美波さんにヒロト達を救って欲しいの」
「瞳子さん……」
「美波さん。前に言っていたわね、私と貴方は共犯者だと。なら、最後まで私と戦って」
「……はい!」
「貴方達は、地上最強のサッカーチームよ。だから、私の指示はただ一つ。勝ちなさい!!」
『はい!』
皆の優しさが染みて、泣きそうなのを必死に堪えて返事をする。
あたし達は、地上最強のチームなんだ。
グラウンドに出ると上の部分が開いて、淀んだ空が見えた。ここが、ジェネシスのホームグラウンド。
「とうとう来たね、円堂くん」
「ああ、お前達を倒すためにな!」
「俺はこの戦いで、ジェネシスが最強の選手であるとを証明してみせる」
「……サッカーは強さだけのものじゃないよ、ヒロト」
「最強だけを求めたサッカーが楽しいのか」
「! ……それが、父さんの望みなのさ」
一瞬だけヒロト君は動揺をしたように見えた。吉良のって……じゃあヒロト君は、何を望んでるの?
「俺は父さんのために最強になる。最強でなければならないんだ」
「誰のためとかなんて関係ない。ヒロト、お前自身はどうなんだ?」
「ヒロト達の望みは何?教えてよ!」
「俺達の望みは父さんの望みを叶えること。その為に、俺達はここにいる。……それが、俺の存在意義」
「そんなの、悲しいよ。ヒロトはサッカーを、どう思ってるの?」
「……円堂くん。お互いの信じるもののために全力で戦おう。君達の相手は、エイリア学園最強にして最後のチーム、ザ・ジェネシスだ」
質問には答えずそう言い放って、ヒロト君は踵を返した。ジェネシスがポジションについたのを見て、あたし達もポジションにつく。
ヒロト君も、玲名達も、あんなに慕っているのに、どうして吉良はこんなことさせられるんだ。
ジェネシス側を見据える。ヒロト君達のためだけじゃない。今まで会った人達の思いを背負って、あたし達は今この場所に立っている。
絶対に、負けられない戦い。
「(どちらが最強か、すぐに分からせてやる)」
「(皆のために、勝つんだ!)」
ピーッ!
ジェネシスからのキックオフで、試合は始まった。素早いパス回しに、前みたく遅れは取ってない。
けれど、予測はあってるのに、読まれることまで織り込み済みの、更に上を行くプレーが手強い。早々にシュートチャンスを与えてしまった。でも!
「メガトンヘッド!でえりゃあああっ!!!」
守兄がボールを弾いて、中盤にいる鬼道が受け取った。ディフェンスを突破して、ボールがリカまで通る。今度は雷門の番!
「いくで!つうてんかくシュート!」
「プロキオンネット!」
三つの光から三角のネットが展開される。リカの渾身のシュートは、止められてしまった。続けて豪炎寺の爆熱ストームも。
「爆熱ストームでも破れないなんて……」
改めて気を引き締める。ジェネシスはエイリア学園最強のチーム。簡単に点は奪えないのは承知の上だ。
スライディングで塔子の足元からボールが離れて、こぼれ玉を玲名が拾った。守兄とブロックに向かう。すれ違ったその瞬間、コースを塞ぐよりも早くパスが出されて、グランに渡ってしまった。
「しまった!」
「くそっ」
「流星ブレード!」
「止めろ!立向居!」
「ムゲン・ザ・ハンド!」
飛び出した黄金の腕と、夜空を駆ける流れ星のようなシュートがぶつかる。
じりじりと立向居は押されていって、その表情が苦しそうに歪んだ瞬間、四本の腕は砕け散った。
「立向居っ!」
「わかっただろ?最強はどっちなのか」
冷たくせせら笑いを浮かべながら、ポジションへと戻って行く、ジェネシスの11番。
「ヒロトは、これでいいの……?」
スコアボードの数字は、0ー1。先取点は、ジェネシスだ。
→あとがき
カオス戦の前だってそうだった。この戦いが始まってから、優柔不断だと自嘲する。あの時みたく、足手まといにはならないとは言い切れなかった。
あたしが雷門の負けに繋がるなら、喜んで自分からベンチに下がる。
「あたしは、今まで皆に沢山の事を黙ってて、騙してた。そんなあたしに出る資格は……っ!?」
頭に痛みが走った。恐る恐る後ろを振り向いたら、叩いたのは鬼道と豪炎寺だった。
「勘違いも甚だしいな。お前、さっきの俺達と監督のやり取りを聞いていなかったのか」
「ここに美波に騙されていたと思っている奴は、一人もいない」
「……あたしは、ヒロト達を助けるために皆を利用してたようなもので」
「だとしても、エイリア学園を倒したい、勝ちたいという僕達の気持ちは同じだよ、美波ちゃん」
「全部話してたら、キャラバンを降りなかった人だっていただろうし」
先の見えない戦いに疲れてしまった一郎太と栗松。……当然だったと思う。あの時点でゴールを知っていたのは、あたしだけ。
「だからそう簡単に話せることじゃなかったんだろ?」
「そないなことしゃーないわ」
「ったく、ほんと変なとこでバカ正直だよなー」
「そうそう!そんな事、海の広さに比べればちっぽけな話だって思え!な?」
ああ言えばこう言われて、何も言えなくなる。
知ってて黙っていたあたしを、戸惑いこそしても、皆は怒ってないなかった。
「美波」
「守兄……」
「何かに悩んでたのは気づいてた。でも、ここまで美波が悩むことだとは思ってなかった。無理にでも聞き出すべきたっだんた。お兄ちゃん失格だな」
「そんなことない!あたしの方こそ、仲間、妹失格だよ」
「大丈夫だ!美波のことは、俺が一番よく知ってる!俺達のこと、エイリア学園のこと、辛かったんだろ?」
「まも、にい………」
皆守兄の言う通りだって、真っ直ぐあたしを見つめながら頷いてくれた。
情けない。信じるものの為に戦うと決めたのに、他ならない皆を信じてなかったのは、あたし自身で。
「私は貴方を外すつもりはないわ。貴方に、美波さんにヒロト達を救って欲しいの」
「瞳子さん……」
「美波さん。前に言っていたわね、私と貴方は共犯者だと。なら、最後まで私と戦って」
「……はい!」
「貴方達は、地上最強のサッカーチームよ。だから、私の指示はただ一つ。勝ちなさい!!」
『はい!』
皆の優しさが染みて、泣きそうなのを必死に堪えて返事をする。
あたし達は、地上最強のチームなんだ。
グラウンドに出ると上の部分が開いて、淀んだ空が見えた。ここが、ジェネシスのホームグラウンド。
「とうとう来たね、円堂くん」
「ああ、お前達を倒すためにな!」
「俺はこの戦いで、ジェネシスが最強の選手であるとを証明してみせる」
「……サッカーは強さだけのものじゃないよ、ヒロト」
「最強だけを求めたサッカーが楽しいのか」
「! ……それが、父さんの望みなのさ」
一瞬だけヒロト君は動揺をしたように見えた。吉良のって……じゃあヒロト君は、何を望んでるの?
「俺は父さんのために最強になる。最強でなければならないんだ」
「誰のためとかなんて関係ない。ヒロト、お前自身はどうなんだ?」
「ヒロト達の望みは何?教えてよ!」
「俺達の望みは父さんの望みを叶えること。その為に、俺達はここにいる。……それが、俺の存在意義」
「そんなの、悲しいよ。ヒロトはサッカーを、どう思ってるの?」
「……円堂くん。お互いの信じるもののために全力で戦おう。君達の相手は、エイリア学園最強にして最後のチーム、ザ・ジェネシスだ」
質問には答えずそう言い放って、ヒロト君は踵を返した。ジェネシスがポジションについたのを見て、あたし達もポジションにつく。
ヒロト君も、玲名達も、あんなに慕っているのに、どうして吉良はこんなことさせられるんだ。
ジェネシス側を見据える。ヒロト君達のためだけじゃない。今まで会った人達の思いを背負って、あたし達は今この場所に立っている。
絶対に、負けられない戦い。
「(どちらが最強か、すぐに分からせてやる)」
「(皆のために、勝つんだ!)」
ピーッ!
ジェネシスからのキックオフで、試合は始まった。素早いパス回しに、前みたく遅れは取ってない。
けれど、予測はあってるのに、読まれることまで織り込み済みの、更に上を行くプレーが手強い。早々にシュートチャンスを与えてしまった。でも!
「メガトンヘッド!でえりゃあああっ!!!」
守兄がボールを弾いて、中盤にいる鬼道が受け取った。ディフェンスを突破して、ボールがリカまで通る。今度は雷門の番!
「いくで!つうてんかくシュート!」
「プロキオンネット!」
三つの光から三角のネットが展開される。リカの渾身のシュートは、止められてしまった。続けて豪炎寺の爆熱ストームも。
「爆熱ストームでも破れないなんて……」
改めて気を引き締める。ジェネシスはエイリア学園最強のチーム。簡単に点は奪えないのは承知の上だ。
スライディングで塔子の足元からボールが離れて、こぼれ玉を玲名が拾った。守兄とブロックに向かう。すれ違ったその瞬間、コースを塞ぐよりも早くパスが出されて、グランに渡ってしまった。
「しまった!」
「くそっ」
「流星ブレード!」
「止めろ!立向居!」
「ムゲン・ザ・ハンド!」
飛び出した黄金の腕と、夜空を駆ける流れ星のようなシュートがぶつかる。
じりじりと立向居は押されていって、その表情が苦しそうに歪んだ瞬間、四本の腕は砕け散った。
「立向居っ!」
「わかっただろ?最強はどっちなのか」
冷たくせせら笑いを浮かべながら、ポジションへと戻って行く、ジェネシスの11番。
「ヒロトは、これでいいの……?」
スコアボードの数字は、0ー1。先取点は、ジェネシスだ。
→あとがき