第35話 最終決戦!ザ・ジェネシス・前編!!
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倒れこんだ立向居を、条兄が起こした。……流星ブレード。福岡の時から、更に威力が上がってる。これがジェネシスの……エイリア石の力?
「何て奴らだ。本当に俺達と同じ人間なのか?」
「……人間だよ。確かに、あたし達と同じ」
あたし達と同じ、サッカーが好きな人間だ。
「ヒロト!お前達のサッカーは間違ってる!本当の力は、努力して身に付けるものなんだ!」
「そうだよ!エイリア石なんかで強くなっても……!」
「果たしてそうかな。我らジェネシスこそ、最強なのだ」
せせら笑いをして、ヒロト君は戻っていく。……最強。最強、か。それは、あたし達雷門が目指してきたものでもある。
……なら、あたしだって、止められるかもしれない。ヒロト君を、今度こそ。
「言葉で分からないなら、プレーで伝えるしかない!」
「だね!やってやろう!」
あたし達はサッカー選手だ。ボールを通せば、思いは伝わる。ヒロト君達にだって、きっと。それに、まだまだ試合は始まったばかりなんだから。
気合いを入れ直すあたしをよそに、皆の表情は暗かった。究極奥義が破られたのが、思っていた以上にチームに響いてる。
なんて声をかけよう。上手く言葉にできないままでいると、「顔を上げなさい!」と凛とした声が重い空気を裂いた。瞳子監督が立ち上がって、意思の強い目があたし達を見ていた
「今日までの特訓を思い出して!貴方達は強くなっている!諦めず、立ち止まらず、一歩一歩積み重ねてここまで来た!自分を信じなさい!そうすれば、貴方達は勝てる!私は、信じているわ!」
そうだよ。最初はジェミニストームにでさえ歯が立たなくて、勝てなかった。
けど、特訓に特訓を重ねて、今は、ジェネシスと戦えるくらいの実力になったんだ。あたし達は確実に、強くなってる!
「監督の言う通りだ!皆、絶対勝つぞ!」
『おーっ!』
「(……それにしても)」
ヒロト君は「果たしてそうかな」と返した。守兄の本当の努力して身に付けるもの、というのを否定しているのだと思った。
けど、何かが引っ掛かる。……なんだろう、この違和感。ただエイリア石を肯定してるだけではない、ような?
ピーッ
「先取点を奪われた雷門!意気消沈するどころか、勢いよく攻め上がる!」
「立向居!」
「美波さん……」
「立向居は守兄の代わりじゃない!君は、立向居勇気なんだ!」
「!」
立向居は自分を守兄の代わりのキーパーと思ってるみたいだけど、それは違う。今の雷門のキーパーは、正真正銘立向居だ。
同じ人間なんて存在しない。誰かの代わりなんて、誰にもなれない。……しろ君と、アツヤのように。
「爆熱ストーム!」
豪炎寺がジェネシスゴールとは逆方向へシュートを放つ。一見おかしくみえるかもしれないけど、そんなことはない。あれは、
「守兄へのパスだ!」
「何っ!?」
「行け!円堂!」
「メガトンヘッド!」
「プロキオンネット!」
爆熱ストームにメガトンヘッドのパワーが乗せられたシュート。意表は突けた。それでも、ジェネシスは慌てず、ゴールは破れない。強敵だな……ネロ――君之は。
「グランに渡すな!」
鬼道の指示は早かった。ヒロト君を自由にすれば、シュートをまた打たれたらひとたまりもない。
「いいのか?俺にマークを集中させて」
「俺は皆を信じている!」
「信じられるのは自分の力だけ。俺達ジェネシスは、個人個人が最強を目指す」
「グランだけだと思うな!」
「玲名……!」
「……どけっ!」
「しまった!」
玲名がパスを出した先には、守兄と鬼道を振り切り、ボールに向かって跳躍したヒロト君がいた。ヒロト君が跳躍したのを見るやいなや、塔子と壁山がゴール前へ走る
「流星ブレード!」
「ザ・タワー!」
「ザ・ウォール!」
「ムゲン・ザ・ハンド!」
ダブルディフェンスもムゲン・ザ・ハンドも破られてしまったけど、ラインを割る前に滑り込んだ条兄がボールを弾いて、点にはならなかった。助かった……。
「いいぞ!綱海!」
「おう!ちょっとカッコ悪いけどな!」
「全然!ナイスディフェンスだったよ!」
「へへっ。ま、俺にかかればこんなもんだぜ」
「すみません。俺が止めなきゃいけないのに……」
「気にすんな!」
「それより、どうしたら奴のシュートを止められるか考えろ!」
シュートは弾いたものの、完全にジェネシスに翻弄されていた。先制点を許している以上、追加点をやるわけにはいかないから、守りに集中せざるを得ない。
豪炎寺達も戻って、ディフェンスに加わる。皆の負担が減った代わりに、攻め手がなくなった。ギリギリのところで、ゴールを守るのが精一杯。このままじゃ、ワンサイドゲームだ。
……もし、この流れを変えられるような、プレーができたら。
「……!」
「そう簡単に追加点はやらない!」
「君に俺を止められるかな」
「止められるかじゃなくて、止めるんだよ!」
今ならやれる。根拠なんてどこにもないけど、何故か、そう確信できた。
「流星ブレード!!!」
「水龍ッ!!!」
流れ星が駆け抜けた。腰を軽く落として、呼び起こした大きな龍で迎え撃つ。呑み込もうとぶつかったそばから、弾けた水が飛び散っては消えていく。
でも、引かない。押し返すように水を補う。絶対、ここで抑えるんだ!
「負けてたまるかァ!」
「美波!」
「まさか……!」
「ぐっ」
水の塊が今度こそ弾け飛んだ。これでも、ダメだったのか。膝をついて、どっと押し寄せてきた疲労を感じながらも、目をボールから離さない。
ヒロト君のシュートは、ゴールから大きく逸れて、ラインを割った。……完全にじゃないけど、次はジェネシスのボールになってしまうけど、止められた、か。
「凄いじゃないか美波!」
「こりゃあ俺達も負けてられないぜ!」
「うん。なんとか、ね」
「って、へろへろじゃん。立てんの?」
「大丈夫、立てる」
疲れたけど、前程じゃない。 それに、どんな形であれ、止められたことには違いないんだ。
「どうだ!ヒロト!」
「……強くなったね、美波ちゃん」
「エイリア学園を倒す。それから、ヒロト達を助けるためにね!」
「助ける?俺達を?……そんなこと」
「頼まれてないね!だから、勝手にやってる!」
信じるもののために戦う。今は、この戦いは、それだけでいい。
何か言いたげなヒロト君をよそに、雷門側はざわめいていあ。何があった。皆の視線を追うと、ベンチでしろ君が立ち上がっていた。
「しろ君……」
「監督!僕を試合に出して下さい!僕は皆の役に立ちたいんです!」
「……選手交代!」
瞳子さんから交代が言い渡された。靴紐を結び直して前を向くしろ君の表情は、決意に満ち溢れている。
「さあ、行きなさい。吹雪くん!」
「はい!」
恐怖を振り切るように、グラウンドに踏み出す。これは、しろ君にとって、とても大きな一歩だ。
「いいんだな」
問いかけに頷いたしろ君の両肩に、守兄が手を置く。頼んだぜ。それだけで、十分だった。
「よし、吹雪にボールを回すぞ!」
「うん!」
「大丈夫かな……」
「大丈夫さ、アイツなら。吹雪は自分で決めてグラウンドへ戻ってきた。俺達に出来る事は、アイツにボールを繋げる事だ!」
そうだ。しろ君は今、自分の意思でここに立っている。皆なために。そんなしろ君にあたし達が出来るのは、一緒に戦うことだ。
「何て奴らだ。本当に俺達と同じ人間なのか?」
「……人間だよ。確かに、あたし達と同じ」
あたし達と同じ、サッカーが好きな人間だ。
「ヒロト!お前達のサッカーは間違ってる!本当の力は、努力して身に付けるものなんだ!」
「そうだよ!エイリア石なんかで強くなっても……!」
「果たしてそうかな。我らジェネシスこそ、最強なのだ」
せせら笑いをして、ヒロト君は戻っていく。……最強。最強、か。それは、あたし達雷門が目指してきたものでもある。
……なら、あたしだって、止められるかもしれない。ヒロト君を、今度こそ。
「言葉で分からないなら、プレーで伝えるしかない!」
「だね!やってやろう!」
あたし達はサッカー選手だ。ボールを通せば、思いは伝わる。ヒロト君達にだって、きっと。それに、まだまだ試合は始まったばかりなんだから。
気合いを入れ直すあたしをよそに、皆の表情は暗かった。究極奥義が破られたのが、思っていた以上にチームに響いてる。
なんて声をかけよう。上手く言葉にできないままでいると、「顔を上げなさい!」と凛とした声が重い空気を裂いた。瞳子監督が立ち上がって、意思の強い目があたし達を見ていた
「今日までの特訓を思い出して!貴方達は強くなっている!諦めず、立ち止まらず、一歩一歩積み重ねてここまで来た!自分を信じなさい!そうすれば、貴方達は勝てる!私は、信じているわ!」
そうだよ。最初はジェミニストームにでさえ歯が立たなくて、勝てなかった。
けど、特訓に特訓を重ねて、今は、ジェネシスと戦えるくらいの実力になったんだ。あたし達は確実に、強くなってる!
「監督の言う通りだ!皆、絶対勝つぞ!」
『おーっ!』
「(……それにしても)」
ヒロト君は「果たしてそうかな」と返した。守兄の本当の努力して身に付けるもの、というのを否定しているのだと思った。
けど、何かが引っ掛かる。……なんだろう、この違和感。ただエイリア石を肯定してるだけではない、ような?
ピーッ
「先取点を奪われた雷門!意気消沈するどころか、勢いよく攻め上がる!」
「立向居!」
「美波さん……」
「立向居は守兄の代わりじゃない!君は、立向居勇気なんだ!」
「!」
立向居は自分を守兄の代わりのキーパーと思ってるみたいだけど、それは違う。今の雷門のキーパーは、正真正銘立向居だ。
同じ人間なんて存在しない。誰かの代わりなんて、誰にもなれない。……しろ君と、アツヤのように。
「爆熱ストーム!」
豪炎寺がジェネシスゴールとは逆方向へシュートを放つ。一見おかしくみえるかもしれないけど、そんなことはない。あれは、
「守兄へのパスだ!」
「何っ!?」
「行け!円堂!」
「メガトンヘッド!」
「プロキオンネット!」
爆熱ストームにメガトンヘッドのパワーが乗せられたシュート。意表は突けた。それでも、ジェネシスは慌てず、ゴールは破れない。強敵だな……ネロ――君之は。
「グランに渡すな!」
鬼道の指示は早かった。ヒロト君を自由にすれば、シュートをまた打たれたらひとたまりもない。
「いいのか?俺にマークを集中させて」
「俺は皆を信じている!」
「信じられるのは自分の力だけ。俺達ジェネシスは、個人個人が最強を目指す」
「グランだけだと思うな!」
「玲名……!」
「……どけっ!」
「しまった!」
玲名がパスを出した先には、守兄と鬼道を振り切り、ボールに向かって跳躍したヒロト君がいた。ヒロト君が跳躍したのを見るやいなや、塔子と壁山がゴール前へ走る
「流星ブレード!」
「ザ・タワー!」
「ザ・ウォール!」
「ムゲン・ザ・ハンド!」
ダブルディフェンスもムゲン・ザ・ハンドも破られてしまったけど、ラインを割る前に滑り込んだ条兄がボールを弾いて、点にはならなかった。助かった……。
「いいぞ!綱海!」
「おう!ちょっとカッコ悪いけどな!」
「全然!ナイスディフェンスだったよ!」
「へへっ。ま、俺にかかればこんなもんだぜ」
「すみません。俺が止めなきゃいけないのに……」
「気にすんな!」
「それより、どうしたら奴のシュートを止められるか考えろ!」
シュートは弾いたものの、完全にジェネシスに翻弄されていた。先制点を許している以上、追加点をやるわけにはいかないから、守りに集中せざるを得ない。
豪炎寺達も戻って、ディフェンスに加わる。皆の負担が減った代わりに、攻め手がなくなった。ギリギリのところで、ゴールを守るのが精一杯。このままじゃ、ワンサイドゲームだ。
……もし、この流れを変えられるような、プレーができたら。
「……!」
「そう簡単に追加点はやらない!」
「君に俺を止められるかな」
「止められるかじゃなくて、止めるんだよ!」
今ならやれる。根拠なんてどこにもないけど、何故か、そう確信できた。
「流星ブレード!!!」
「水龍ッ!!!」
流れ星が駆け抜けた。腰を軽く落として、呼び起こした大きな龍で迎え撃つ。呑み込もうとぶつかったそばから、弾けた水が飛び散っては消えていく。
でも、引かない。押し返すように水を補う。絶対、ここで抑えるんだ!
「負けてたまるかァ!」
「美波!」
「まさか……!」
「ぐっ」
水の塊が今度こそ弾け飛んだ。これでも、ダメだったのか。膝をついて、どっと押し寄せてきた疲労を感じながらも、目をボールから離さない。
ヒロト君のシュートは、ゴールから大きく逸れて、ラインを割った。……完全にじゃないけど、次はジェネシスのボールになってしまうけど、止められた、か。
「凄いじゃないか美波!」
「こりゃあ俺達も負けてられないぜ!」
「うん。なんとか、ね」
「って、へろへろじゃん。立てんの?」
「大丈夫、立てる」
疲れたけど、前程じゃない。 それに、どんな形であれ、止められたことには違いないんだ。
「どうだ!ヒロト!」
「……強くなったね、美波ちゃん」
「エイリア学園を倒す。それから、ヒロト達を助けるためにね!」
「助ける?俺達を?……そんなこと」
「頼まれてないね!だから、勝手にやってる!」
信じるもののために戦う。今は、この戦いは、それだけでいい。
何か言いたげなヒロト君をよそに、雷門側はざわめいていあ。何があった。皆の視線を追うと、ベンチでしろ君が立ち上がっていた。
「しろ君……」
「監督!僕を試合に出して下さい!僕は皆の役に立ちたいんです!」
「……選手交代!」
瞳子さんから交代が言い渡された。靴紐を結び直して前を向くしろ君の表情は、決意に満ち溢れている。
「さあ、行きなさい。吹雪くん!」
「はい!」
恐怖を振り切るように、グラウンドに踏み出す。これは、しろ君にとって、とても大きな一歩だ。
「いいんだな」
問いかけに頷いたしろ君の両肩に、守兄が手を置く。頼んだぜ。それだけで、十分だった。
「よし、吹雪にボールを回すぞ!」
「うん!」
「大丈夫かな……」
「大丈夫さ、アイツなら。吹雪は自分で決めてグラウンドへ戻ってきた。俺達に出来る事は、アイツにボールを繋げる事だ!」
そうだ。しろ君は今、自分の意思でここに立っている。皆なために。そんなしろ君にあたし達が出来るのは、一緒に戦うことだ。
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