第30話 対決!円堂VS豪炎寺!!
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少し離れた所に転がっていたボールを拾って、黙々とリフティングを試す。佐久間のおかげで、感覚が戻ってきた。佐久間様々だ。
10、11 、12……と心の中で数えてたら、「美波ちゃん」と声をかけられた。しろ君だ。
「どしたのしろ君」
「えっと……佐久間くんと仲良いんだね」
「え、佐久間?うん、仲良いよ。最初は喧嘩売り合ってたけど、サッカーを通じて仲良くなれたんだ」
あの頃は差がありすぎて一方的だったけど……それは流石にしろ君にも言わない。
「……そうなんだ。佐久間くんとはどういう関係なの?」
「んー、友達でサッカー仲間かな。あとペンギン」
「ペンギン?」
「うん。佐久間、ペンギン好きだからね」
「美波ちゃんもペンギン好きなの?」
「動物は大体好きだよ。ほら、しろ君も見たことあるでしょ?皇帝ペンギン2号!あれはね、ゴッドハンド対策で出来た技なんだ」
「へえ……。美波ちゃんは佐久間くんのこと、好き?」
「もちろん!大切な仲間だからね」
そろそろ話し終わったかと佐久間達の方を見たら、丁度鬼道がベンチから立ち上がっているところだった。
帝国イレブンはそれを静かに見ていて、そんな彼らを見渡して「ありがとう」と言った鬼道はすっきりとした表情を浮かべていた。
そんな鬼道を見ている佐久間も穏やかな笑みを浮かべていて、けれどどこか少し寂しそうでもあって。
何を話してたのか聞こうと思ったけど、多分佐久間は「大したことじゃない」って言うだけだろうから、やめた。
練習試合再開。鬼道の表情はちょっと硬くて、立向居も相変わらず悩んでる。どっちが先でもいいから、何か糸口が掴めればいいんだけど……。
「あっ」
シュートから目を逸らしていた立向居の顔面に、未完成のデスゾーンが盛大に直撃した。隣に座る佐久間も「派手にやったな……」と零す。
状況は違うとはいえ、地区予選決勝を思い出した。立向居はまだやれそうだけど、衝撃が残っているのか足元がおぼつかない。
それでも容赦なくシュートを撃ちに入る鬼道は、鬼だ。いやまあ、これは試合なんだし、一分一秒が惜しい。本番だって、相手が待ってくれる訳でもない。
ハラハラしながら見守ってると、ふらつきながらも手を伸ばした立向居は、何かに気づいたような顔になった。
そのまま当たって倒れ込んでしまったけど、両手を見つめる目は真剣だ。もしかして、ついにムゲン・ザ・ハンドを完成形を掴めたのかも!
「「「デスゾーン!」」」
「シュタタタタン、ドババババーン!」
止められこそしなかったものの、立向居の雰囲気はさっきまでとは明らかに違う。なんだろう、この感覚。
「うーん……」
「どうした?」
「なんか、沢山ゴッドハンドを出す感じだなって」
名前に無限ってつくくらいなんだから、沢山のゴッドハンドで受け止めるとか?それこそ、吹っ飛ばされないようにドババババーンと押さえる感じ。
条兄と話す立向居は笑顔で、究極奥義を見れる日も近いと感じる。一方で、デスゾーンの方は完全に詰まっていた。
タイミングはバッチリだし、回転数も足りてる……と思う。佐久間もああ言ってたんだし。技自体が既にあるものだからこそ、足りないものが分からない。
今まで二度あった帝国との試合を思い出してみる。練習試合に地区予選決勝。両方、帝国はデスゾーンを使っていたっけ。
順々に跳躍して回転を合わせて、同時に蹴り込む。守兄も鬼道も土門もピッタリ合ってるのに、雷門というだけで何でこうも上手くいかないんだ。
そう考えていたら、ゴール前から源田が、鬼道にボールを集めるよう指示を出した。
「とことん付き合うぜ」
「寺門……」
「鬼道、タイミングは帝国の時と同じなんだよな?」
「ああ、全く同じだ」
何を話しているのかは分からないけど、守兄と話していた鬼道がもハッとした表情になる。
「何か見つけたな、鬼道」
「何かって?」
「見てれば分かるさ」
鬼道を見ている佐久間の目からは、鬼道に対する絶対的な信頼の色が見えた。
「行け!」
辺見によって蹴り上げられたボールへ、三人が跳躍した。さっきと同じ?……いや!
「まだだ……まだ!」
「回転のタイミングが合っていない!?どういうつもりだ、鬼道?」
「デスゾーンはタイミングを合わせないといけないんじゃ……」
あえて回転のタイミングをバラバラにして、回り続けている。そして鬼道の合図で一斉に蹴り込んだ。
回転を合わせないで放ったデスゾーン。威力を落とさず、呆気に取られた立向居の横を通り過ぎてゴールへと突き刺さった。……か、完成した!
「デスゾーンの完成だ!」
「凄い!凄いっす!」
「でも、どうして出来たんだ?」
「タイミングだ。帝国と雷門は違うチーム。雷門には雷門のタイミングがある」
「そうか!俺達三人のタイミングで打ったから出来たのか!」
「ああ。成功したのは皆のおかげだ」
「いや、お前達の努力の成果だ。それに、これで終わりじゃないんだろ?」
「終わりじゃないって?」
そう尋ねれば、鬼道は少し笑って頷いた。
「デスゾーンを超える必殺技の特訓だ」
***
凄いパワーを感じさせる紫色の光が、フィールド全体を照らした。
「凄い……!凄いぞ鬼道!」
「これが、デスゾーン2だ!」
「デスゾーン2……。いける!これなら、エイリア学園に通用する!」
「うん!凄いパワーを感じた!」
まだ実践で試したって訳じゃない。確証なんてどこにもないけど、絶対にいけるって自信が湧いてくるくらい。
帝国は全員の意思統一、雷門は個性のぶつかり合い。帝国と雷門ではチームカラーが違う。だからあえて回転をズラす事で、デスゾーンは完成した。
そして、たった今、進化した。それがデスゾーン2。
「デスゾーン2は、雷門だからこそ……お前が雷門の一員になったからこそ、出来た必殺技なんだ」
静かにそう言った佐久間は、微笑みながら続けた。
「鬼道、お前の個性が発揮される、一番輝く場所は雷門なんだ。いいチームを見つけたな」
「佐久間……」
どこか寂しそうに感じる佐久間の笑顔に、思わずすぱんと背中を叩く。一番が雷門だと言ってくれるのは嬉しいけど、鬼道はそれだけじゃない。
「鬼道の原点は帝国なんだからね!雷門に来ても、それは変わらない!」
「ははっ、そうだな」
「前にも今でも仲間だって言ってたよ。ね、鬼道!」
「おい引っ張るな」
「いたたたた!あーもー、さっ君もほら!」
「そうだな……。よし、鬼道。来い」
「お前も乗るんじゃない」
「あれ?」
「どうした」
「何か、音が……」
和気藹々とした雰囲気になっていたその時、落下音が聞こえたと思うと、ドンッとフィールドに重たい物が落ちた音が響いた。
これが何か、あたし達はもう知っている。張りつめた空気の中、緊張の面持ちで落下点を見ていれば、煙が晴れたそこにはガゼルとバーンが立っていた。
後ろには九人の選手がいて、お日さま園で見たことのある顔もちらほらいた。ダイヤモンドダストの選手に、まだ戦ってない選手は……プロミネンス?
そして名乗られたチーム名は、カオス。
「猛き炎プロミネンス」
「深遠なる冷気、ダイヤモンドダストが融合した最強のチーム」
「我らカオスの挑戦を受けろ!」
「宇宙最強が誰なのか、証明しよう!」
次は晴矢のチームかと考えてたのが甘かった。まさか、二つのマスターランクチームによって結成された、混合チームで挑んでくるなんて。
予想もしなかった事態と、これから繰り広げられるだろう試合に、冷たい汗が流れた。
→あとがき
10、11 、12……と心の中で数えてたら、「美波ちゃん」と声をかけられた。しろ君だ。
「どしたのしろ君」
「えっと……佐久間くんと仲良いんだね」
「え、佐久間?うん、仲良いよ。最初は喧嘩売り合ってたけど、サッカーを通じて仲良くなれたんだ」
あの頃は差がありすぎて一方的だったけど……それは流石にしろ君にも言わない。
「……そうなんだ。佐久間くんとはどういう関係なの?」
「んー、友達でサッカー仲間かな。あとペンギン」
「ペンギン?」
「うん。佐久間、ペンギン好きだからね」
「美波ちゃんもペンギン好きなの?」
「動物は大体好きだよ。ほら、しろ君も見たことあるでしょ?皇帝ペンギン2号!あれはね、ゴッドハンド対策で出来た技なんだ」
「へえ……。美波ちゃんは佐久間くんのこと、好き?」
「もちろん!大切な仲間だからね」
そろそろ話し終わったかと佐久間達の方を見たら、丁度鬼道がベンチから立ち上がっているところだった。
帝国イレブンはそれを静かに見ていて、そんな彼らを見渡して「ありがとう」と言った鬼道はすっきりとした表情を浮かべていた。
そんな鬼道を見ている佐久間も穏やかな笑みを浮かべていて、けれどどこか少し寂しそうでもあって。
何を話してたのか聞こうと思ったけど、多分佐久間は「大したことじゃない」って言うだけだろうから、やめた。
練習試合再開。鬼道の表情はちょっと硬くて、立向居も相変わらず悩んでる。どっちが先でもいいから、何か糸口が掴めればいいんだけど……。
「あっ」
シュートから目を逸らしていた立向居の顔面に、未完成のデスゾーンが盛大に直撃した。隣に座る佐久間も「派手にやったな……」と零す。
状況は違うとはいえ、地区予選決勝を思い出した。立向居はまだやれそうだけど、衝撃が残っているのか足元がおぼつかない。
それでも容赦なくシュートを撃ちに入る鬼道は、鬼だ。いやまあ、これは試合なんだし、一分一秒が惜しい。本番だって、相手が待ってくれる訳でもない。
ハラハラしながら見守ってると、ふらつきながらも手を伸ばした立向居は、何かに気づいたような顔になった。
そのまま当たって倒れ込んでしまったけど、両手を見つめる目は真剣だ。もしかして、ついにムゲン・ザ・ハンドを完成形を掴めたのかも!
「「「デスゾーン!」」」
「シュタタタタン、ドババババーン!」
止められこそしなかったものの、立向居の雰囲気はさっきまでとは明らかに違う。なんだろう、この感覚。
「うーん……」
「どうした?」
「なんか、沢山ゴッドハンドを出す感じだなって」
名前に無限ってつくくらいなんだから、沢山のゴッドハンドで受け止めるとか?それこそ、吹っ飛ばされないようにドババババーンと押さえる感じ。
条兄と話す立向居は笑顔で、究極奥義を見れる日も近いと感じる。一方で、デスゾーンの方は完全に詰まっていた。
タイミングはバッチリだし、回転数も足りてる……と思う。佐久間もああ言ってたんだし。技自体が既にあるものだからこそ、足りないものが分からない。
今まで二度あった帝国との試合を思い出してみる。練習試合に地区予選決勝。両方、帝国はデスゾーンを使っていたっけ。
順々に跳躍して回転を合わせて、同時に蹴り込む。守兄も鬼道も土門もピッタリ合ってるのに、雷門というだけで何でこうも上手くいかないんだ。
そう考えていたら、ゴール前から源田が、鬼道にボールを集めるよう指示を出した。
「とことん付き合うぜ」
「寺門……」
「鬼道、タイミングは帝国の時と同じなんだよな?」
「ああ、全く同じだ」
何を話しているのかは分からないけど、守兄と話していた鬼道がもハッとした表情になる。
「何か見つけたな、鬼道」
「何かって?」
「見てれば分かるさ」
鬼道を見ている佐久間の目からは、鬼道に対する絶対的な信頼の色が見えた。
「行け!」
辺見によって蹴り上げられたボールへ、三人が跳躍した。さっきと同じ?……いや!
「まだだ……まだ!」
「回転のタイミングが合っていない!?どういうつもりだ、鬼道?」
「デスゾーンはタイミングを合わせないといけないんじゃ……」
あえて回転のタイミングをバラバラにして、回り続けている。そして鬼道の合図で一斉に蹴り込んだ。
回転を合わせないで放ったデスゾーン。威力を落とさず、呆気に取られた立向居の横を通り過ぎてゴールへと突き刺さった。……か、完成した!
「デスゾーンの完成だ!」
「凄い!凄いっす!」
「でも、どうして出来たんだ?」
「タイミングだ。帝国と雷門は違うチーム。雷門には雷門のタイミングがある」
「そうか!俺達三人のタイミングで打ったから出来たのか!」
「ああ。成功したのは皆のおかげだ」
「いや、お前達の努力の成果だ。それに、これで終わりじゃないんだろ?」
「終わりじゃないって?」
そう尋ねれば、鬼道は少し笑って頷いた。
「デスゾーンを超える必殺技の特訓だ」
***
凄いパワーを感じさせる紫色の光が、フィールド全体を照らした。
「凄い……!凄いぞ鬼道!」
「これが、デスゾーン2だ!」
「デスゾーン2……。いける!これなら、エイリア学園に通用する!」
「うん!凄いパワーを感じた!」
まだ実践で試したって訳じゃない。確証なんてどこにもないけど、絶対にいけるって自信が湧いてくるくらい。
帝国は全員の意思統一、雷門は個性のぶつかり合い。帝国と雷門ではチームカラーが違う。だからあえて回転をズラす事で、デスゾーンは完成した。
そして、たった今、進化した。それがデスゾーン2。
「デスゾーン2は、雷門だからこそ……お前が雷門の一員になったからこそ、出来た必殺技なんだ」
静かにそう言った佐久間は、微笑みながら続けた。
「鬼道、お前の個性が発揮される、一番輝く場所は雷門なんだ。いいチームを見つけたな」
「佐久間……」
どこか寂しそうに感じる佐久間の笑顔に、思わずすぱんと背中を叩く。一番が雷門だと言ってくれるのは嬉しいけど、鬼道はそれだけじゃない。
「鬼道の原点は帝国なんだからね!雷門に来ても、それは変わらない!」
「ははっ、そうだな」
「前にも今でも仲間だって言ってたよ。ね、鬼道!」
「おい引っ張るな」
「いたたたた!あーもー、さっ君もほら!」
「そうだな……。よし、鬼道。来い」
「お前も乗るんじゃない」
「あれ?」
「どうした」
「何か、音が……」
和気藹々とした雰囲気になっていたその時、落下音が聞こえたと思うと、ドンッとフィールドに重たい物が落ちた音が響いた。
これが何か、あたし達はもう知っている。張りつめた空気の中、緊張の面持ちで落下点を見ていれば、煙が晴れたそこにはガゼルとバーンが立っていた。
後ろには九人の選手がいて、お日さま園で見たことのある顔もちらほらいた。ダイヤモンドダストの選手に、まだ戦ってない選手は……プロミネンス?
そして名乗られたチーム名は、カオス。
「猛き炎プロミネンス」
「深遠なる冷気、ダイヤモンドダストが融合した最強のチーム」
「我らカオスの挑戦を受けろ!」
「宇宙最強が誰なのか、証明しよう!」
次は晴矢のチームかと考えてたのが甘かった。まさか、二つのマスターランクチームによって結成された、混合チームで挑んでくるなんて。
予想もしなかった事態と、これから繰り広げられるだろう試合に、冷たい汗が流れた。
→あとがき