第30話 対決!円堂VS豪炎寺!!
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鍵は帝国学園にあると言った鬼道は既に監督に話を通してあったらしく、帝国学園に行くことになった。
久しぶりに見た帝国学園は相変わらずどっしりと構えていて、鋼鉄の要塞を連想させる。まさしく帝国って感じ。
「あまりいい思い出がないっす……」
「ちょ、壁山!」
壁山が呟きが気になって声をかけたら、慌てて鬼道に謝り始めた。影山の陰謀に落ちてきた鉄骨と思うところはあるけど、帝国は鬼道が元いた学校だ。
当の鬼道は「気にするな」と言って、前を見据えて歩き出す。あたし達も顔を見合わせて、後を追った。
誰もいなくてがらんとした廊下を通って、着いたのはグラウンド。鬼道はあたし達の方に向き直って言い放った。
「円堂、土門。デスゾーンをやるぞ」
デスゾーン。つまりは帝国の連携技。復唱した土門が、首を傾げながら問いかける。
「でも、円堂のじいちゃんの裏ノートに書かれてる技の方がいいんじゃねえか?」
「デスゾーンだ」
「……やろうぜ!土門!」
「円堂……」
「鬼道には何か考えがあるんだよ!」
「なるほどな……。じゃなきゃわざわざ帝国まで来る訳ないか。よし、乗った!」
「土門をメンバーに入れたのは、もしかして帝国出身だから?」
「まあな」
ディフェンダーだけど、土門には連携シュート技もある。そしてリベロの守兄に、ミッドフィルダーの鬼道。
バランスとしてはいいし攻撃の幅も広がると思う。けど、言い方は悪いけど、エイリア学園に通用するかどうか。
そう思って聞いてみたら、「身につけた上でもう一段階上を目指す」と言われた。監督からも許可は得ていると。流石は鬼道だ。
各々軽く走ったり、ストレッチして準備運動をする。不意に視界に入ったアフロディは、じっとしろ君を見ていた。
「どしたの、アフロディ」
「いや……どうして彼は練習しないんだい?」
事情を知らないアフロディからしたら至極全うな疑問だけど、返答するのに言葉が詰まる。けど、遅かれ早かれ知っておいた方がいい。
二つの人格があること。サッカーが出来なくなってしまったこと。話し終えた後、アフロディは深く頷いた。
「でも、しろ君は残るって決めたんだ。あたし達の力になりたいって言ってくれたんだ」
「ああ。サッカーが好きだから、どんなことがあってもサッカーを続けたいって思ってるんだ。だから俺達は待つことにした。吹雪が自分の力で復活することを信じて」
また一緒にフィールドに立って共に走りたい。そう思ってるのは、皆同じだ。
深刻そうに、何かを考え込むような仕草をしたアフロディ。少し重くなった空気を振り払うように、ぱんっと守兄が手を打ち鳴らした。
「俺と鬼道と土門はデスゾーン、立向居はムゲン・ザ・ハンド。他の皆も、それぞれ自分のメニューで特訓だ!」
デスゾーンは三人でボールを囲んで回転して、合図をした時にボールが自分の正面に来るようにタイミングの練習。
ムゲン・ザ・ハンドは、目を閉じて音だけでシュートを止める練習で、条兄ぃがシュートを打っている。
他のメンバーは、パスなんかの連携の調整。こういうのでも細かいところでミスを無くせば、かなりの強化だ。
あたしは……ポジション、ベンチ。下手に混ざれば邪魔になるから、ひたすら帝国学園のボール磨きをする。場所を貸してもらってるんだし、これくらいはね。
タオルを動かしながらデスゾーンの方に聞き耳をたてる。帝国では鬼道がタイミングを指示していたけど、今回は鬼道自身も撃つから難しい、か……。
そういえば鬼道、デスゾーン開始だとか言ってたな。あれ、タイミングの指示だったんだ。
「出来るのかな、俺達に」
「出来る!自分を信じ、仲間を信じ、出来るって信じれば、必ず出来る!」
「出来るって信じれば、必ず出来る……」
心の底からヒロト達とまた楽しいサッカーをしたいって願えば、また出来るかな?
籠一つ分のボールをピカピカにして、デスゾーンも鬼道からおまけの合格が出た頃、大人数の足音が聞こえてきた。
「やってるな、鬼道」
「来てくれたか、佐久間!源田!皆!」
「お前達!鬼道、皆も呼んでたのか?」
「ああ、久しぶりだな」
やってきたのは、佐久間に源田と、帝国学園サッカー部。会うのは本当に久しぶりだ。佐久間と源田は真・帝国で会ったけど……。
皆がユニフォームを着てる中、佐久間だけ帝国の制服姿だ。松葉杖が痛々しい。顔をしかめる鬼道に、佐久間は苦笑いしながら「心配するな」と声をかけた。
「これでも順調に回復してるんだ」
「雷門の監督が紹介してくれた最新治療が、よく効いているみたいだ」
「瞳子監督が?そうか……よかったな、鬼道」
「ああ」
「治ったらまたサッカーやろうね」
「もちろんだ。俺の方は、まだ少し先だけどな」
……そっか。源田は禁断の技は一回で済んだけど、佐久間は。思わず俯いたら、気にするなと気を遣われた。大変なのは佐久間なのに。
顔を上げれば佐久間はアフロディを見ていた。一触即発になったらどうしよう。不安をよそに、佐久間の表情は穏やかだった。
「……話は鬼道から聞いた。お前も俺達と同じように、影山に利用されていただけだ。鬼道や円堂達を、よろしく頼む」
「……!」
少し驚いた表情をしたアフロディが、静かに頷く。よかった。帝国も、アフロディと和解出来たんだ。
「さあ鬼道。始めようか、練習試合」
「練習試合?」
寺門が帝国学園のユニフォームを二枚取り出すと、鬼道に渡した。それを鬼道は守兄と土門に差し出す。
「まずは着替えてくれ」
「え、帝国学園のユニフォーム?」
「これからお前達には、帝国側としてプレーしてもらう」
「デスゾーンを習得する為なんだな?」
「ああ」
「よし、分かった!」
受け取った守兄が着替える為にベンチへ向かう。土門も懐かしそうにユニフォームを広げた。
「あ、これ」
「どしたの土門」
「この背番号、帝国にいた頃の俺のだ。多分、予備だと思う」
「そっか!鬼道が前に今も仲間だって言ってたけど、土門も同じだね」
「まあな。……なんだよ美波、その顔!」
「土門が照れてるなーって!そういや鬼道の分は?」
「俺のは持ってきている」
「土門にも持ってくるように言っておけばよかったのに」
「……」
「痛い痛い」
無言で頬をつねられた。だって、せっかくなら予備じゃなくて自分のユニフォームでやりたいじゃん!
着替え終わった三人が、源田達とフォーメーションの打ち合わせをして、フィールドに入る。地区予選以来の雷門VS帝国だ!
「でも、どうして円堂くん達が帝国側に?」
「デスゾーンは帝国が開発した必殺技。習得には実際に俺達帝国とプレイした方がいいって、鬼道がね」
「言われてみれば……」
「けど、なんか変な感じ」
元々帝国の鬼道や土門はともかく、守兄が帝国のフィールドプレイヤー用のユニフォームを着てるなんて、ちょっと不思議な気持ちになる。
「何変な顔してるんだよ、美波」
「守兄は雷門なのになって思っただけ」
「相変わらず円堂が好きだな」
「ずっと一緒にサッカーしてきたからね。鬼道はやっぱり赤が似合うな、目も赤だし」
「美波、ゴーグルを外した鬼道を見た事あるのか?」
「うん」
そんなことより試合だ。これはデスゾーンだけでなく、ムゲン・ザ・ハンドの実践練習でもある。立向居の方はまだ掴めてないみたいだけど……。
寺門からのキックオフで練習試合が始まった。辺見からパスを受けた鬼道が上がっていく。
「鬼道!君とやりやってみたいと思ってたんだ!」
一之瀬が鬼道からボールを奪おうと向かっていくけど、対する鬼道は余裕そうにフッと笑った。
次の瞬間、上がってきていた胴面にパスを出して、一之瀬を抜いた。しかもパスを出すとき、後ろを見てなかった。
「す、凄い。鬼道には動きが全部分かってるんだ」
「俺達も一緒にプレーしてきたからな。理屈とかそういうのじゃなくて、体が覚えてる」
「それだけ沢山練習したんだね。雷門に転校した今でも、繋がってるチームメイト、か」
そう言ったら、佐久間は誇らしげに、そして照れ臭そうに笑った。……本当は、佐久間も試合に出たかっただろうな。
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久しぶりに見た帝国学園は相変わらずどっしりと構えていて、鋼鉄の要塞を連想させる。まさしく帝国って感じ。
「あまりいい思い出がないっす……」
「ちょ、壁山!」
壁山が呟きが気になって声をかけたら、慌てて鬼道に謝り始めた。影山の陰謀に落ちてきた鉄骨と思うところはあるけど、帝国は鬼道が元いた学校だ。
当の鬼道は「気にするな」と言って、前を見据えて歩き出す。あたし達も顔を見合わせて、後を追った。
誰もいなくてがらんとした廊下を通って、着いたのはグラウンド。鬼道はあたし達の方に向き直って言い放った。
「円堂、土門。デスゾーンをやるぞ」
デスゾーン。つまりは帝国の連携技。復唱した土門が、首を傾げながら問いかける。
「でも、円堂のじいちゃんの裏ノートに書かれてる技の方がいいんじゃねえか?」
「デスゾーンだ」
「……やろうぜ!土門!」
「円堂……」
「鬼道には何か考えがあるんだよ!」
「なるほどな……。じゃなきゃわざわざ帝国まで来る訳ないか。よし、乗った!」
「土門をメンバーに入れたのは、もしかして帝国出身だから?」
「まあな」
ディフェンダーだけど、土門には連携シュート技もある。そしてリベロの守兄に、ミッドフィルダーの鬼道。
バランスとしてはいいし攻撃の幅も広がると思う。けど、言い方は悪いけど、エイリア学園に通用するかどうか。
そう思って聞いてみたら、「身につけた上でもう一段階上を目指す」と言われた。監督からも許可は得ていると。流石は鬼道だ。
各々軽く走ったり、ストレッチして準備運動をする。不意に視界に入ったアフロディは、じっとしろ君を見ていた。
「どしたの、アフロディ」
「いや……どうして彼は練習しないんだい?」
事情を知らないアフロディからしたら至極全うな疑問だけど、返答するのに言葉が詰まる。けど、遅かれ早かれ知っておいた方がいい。
二つの人格があること。サッカーが出来なくなってしまったこと。話し終えた後、アフロディは深く頷いた。
「でも、しろ君は残るって決めたんだ。あたし達の力になりたいって言ってくれたんだ」
「ああ。サッカーが好きだから、どんなことがあってもサッカーを続けたいって思ってるんだ。だから俺達は待つことにした。吹雪が自分の力で復活することを信じて」
また一緒にフィールドに立って共に走りたい。そう思ってるのは、皆同じだ。
深刻そうに、何かを考え込むような仕草をしたアフロディ。少し重くなった空気を振り払うように、ぱんっと守兄が手を打ち鳴らした。
「俺と鬼道と土門はデスゾーン、立向居はムゲン・ザ・ハンド。他の皆も、それぞれ自分のメニューで特訓だ!」
デスゾーンは三人でボールを囲んで回転して、合図をした時にボールが自分の正面に来るようにタイミングの練習。
ムゲン・ザ・ハンドは、目を閉じて音だけでシュートを止める練習で、条兄ぃがシュートを打っている。
他のメンバーは、パスなんかの連携の調整。こういうのでも細かいところでミスを無くせば、かなりの強化だ。
あたしは……ポジション、ベンチ。下手に混ざれば邪魔になるから、ひたすら帝国学園のボール磨きをする。場所を貸してもらってるんだし、これくらいはね。
タオルを動かしながらデスゾーンの方に聞き耳をたてる。帝国では鬼道がタイミングを指示していたけど、今回は鬼道自身も撃つから難しい、か……。
そういえば鬼道、デスゾーン開始だとか言ってたな。あれ、タイミングの指示だったんだ。
「出来るのかな、俺達に」
「出来る!自分を信じ、仲間を信じ、出来るって信じれば、必ず出来る!」
「出来るって信じれば、必ず出来る……」
心の底からヒロト達とまた楽しいサッカーをしたいって願えば、また出来るかな?
籠一つ分のボールをピカピカにして、デスゾーンも鬼道からおまけの合格が出た頃、大人数の足音が聞こえてきた。
「やってるな、鬼道」
「来てくれたか、佐久間!源田!皆!」
「お前達!鬼道、皆も呼んでたのか?」
「ああ、久しぶりだな」
やってきたのは、佐久間に源田と、帝国学園サッカー部。会うのは本当に久しぶりだ。佐久間と源田は真・帝国で会ったけど……。
皆がユニフォームを着てる中、佐久間だけ帝国の制服姿だ。松葉杖が痛々しい。顔をしかめる鬼道に、佐久間は苦笑いしながら「心配するな」と声をかけた。
「これでも順調に回復してるんだ」
「雷門の監督が紹介してくれた最新治療が、よく効いているみたいだ」
「瞳子監督が?そうか……よかったな、鬼道」
「ああ」
「治ったらまたサッカーやろうね」
「もちろんだ。俺の方は、まだ少し先だけどな」
……そっか。源田は禁断の技は一回で済んだけど、佐久間は。思わず俯いたら、気にするなと気を遣われた。大変なのは佐久間なのに。
顔を上げれば佐久間はアフロディを見ていた。一触即発になったらどうしよう。不安をよそに、佐久間の表情は穏やかだった。
「……話は鬼道から聞いた。お前も俺達と同じように、影山に利用されていただけだ。鬼道や円堂達を、よろしく頼む」
「……!」
少し驚いた表情をしたアフロディが、静かに頷く。よかった。帝国も、アフロディと和解出来たんだ。
「さあ鬼道。始めようか、練習試合」
「練習試合?」
寺門が帝国学園のユニフォームを二枚取り出すと、鬼道に渡した。それを鬼道は守兄と土門に差し出す。
「まずは着替えてくれ」
「え、帝国学園のユニフォーム?」
「これからお前達には、帝国側としてプレーしてもらう」
「デスゾーンを習得する為なんだな?」
「ああ」
「よし、分かった!」
受け取った守兄が着替える為にベンチへ向かう。土門も懐かしそうにユニフォームを広げた。
「あ、これ」
「どしたの土門」
「この背番号、帝国にいた頃の俺のだ。多分、予備だと思う」
「そっか!鬼道が前に今も仲間だって言ってたけど、土門も同じだね」
「まあな。……なんだよ美波、その顔!」
「土門が照れてるなーって!そういや鬼道の分は?」
「俺のは持ってきている」
「土門にも持ってくるように言っておけばよかったのに」
「……」
「痛い痛い」
無言で頬をつねられた。だって、せっかくなら予備じゃなくて自分のユニフォームでやりたいじゃん!
着替え終わった三人が、源田達とフォーメーションの打ち合わせをして、フィールドに入る。地区予選以来の雷門VS帝国だ!
「でも、どうして円堂くん達が帝国側に?」
「デスゾーンは帝国が開発した必殺技。習得には実際に俺達帝国とプレイした方がいいって、鬼道がね」
「言われてみれば……」
「けど、なんか変な感じ」
元々帝国の鬼道や土門はともかく、守兄が帝国のフィールドプレイヤー用のユニフォームを着てるなんて、ちょっと不思議な気持ちになる。
「何変な顔してるんだよ、美波」
「守兄は雷門なのになって思っただけ」
「相変わらず円堂が好きだな」
「ずっと一緒にサッカーしてきたからね。鬼道はやっぱり赤が似合うな、目も赤だし」
「美波、ゴーグルを外した鬼道を見た事あるのか?」
「うん」
そんなことより試合だ。これはデスゾーンだけでなく、ムゲン・ザ・ハンドの実践練習でもある。立向居の方はまだ掴めてないみたいだけど……。
寺門からのキックオフで練習試合が始まった。辺見からパスを受けた鬼道が上がっていく。
「鬼道!君とやりやってみたいと思ってたんだ!」
一之瀬が鬼道からボールを奪おうと向かっていくけど、対する鬼道は余裕そうにフッと笑った。
次の瞬間、上がってきていた胴面にパスを出して、一之瀬を抜いた。しかもパスを出すとき、後ろを見てなかった。
「す、凄い。鬼道には動きが全部分かってるんだ」
「俺達も一緒にプレーしてきたからな。理屈とかそういうのじゃなくて、体が覚えてる」
「それだけ沢山練習したんだね。雷門に転校した今でも、繋がってるチームメイト、か」
そう言ったら、佐久間は誇らしげに、そして照れ臭そうに笑った。……本当は、佐久間も試合に出たかっただろうな。
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