第31話 奇跡のチーム!ザ・カオス!!
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カオスとの試合は明後日。皆疲労が溜まっているからと今日はもう練習を切り上げて、明日の練習に備えて休むことになった。
明日はデスゾーン2を強化して、ムゲン・ザ・ハンドの完成を目指すことになっている。
二つのマスターランクチームの混成チーム。しかも半分は対戦経験がない。カオスの実力は未知数だ。明日だけで、どれだけ精度を高められるか。
何にせよ、ジェネシスに勝つ為には、越えなきゃならない壁だ。……あたしにはそれ以外にも壁がある訳だけども!
「今日も気合入れていくぞ!」
そんな訳で次の日。守兄の掛け声と共に、練習は始まった。
守兄、鬼道、土門はデスゾーン2の強化。立向居は条兄とムゲン・ザ・ハンドの完成。
残りは攻撃の要になる豪炎寺とアフロディを中心に、フォーメーションの確認。
課題を絞っての練習。今日からあたしも復帰だ。とはいえ本調子ではないということで、様子を見つつだけども。
数日間、殆ど練習してないんだ。先を行く皆とのズレはどうしても出る。連携の調整をして、合わせて、出来るだけ前の状態に近付ける。
協力してくれた佐久間の為にも、早く元に戻さないと。
「美波ちゃん、調子はどう?」
「まあまあかなあ……」
「この数日でディフェンスのキレが落ちたわね」
「う、なっちゃん手厳し……いやどんどん言って!どこらへん!?」
「えっ!一瞬そう感じただけだから、具体的には……」
「あ、そうだ。ビデオ録ってますよ!見ますか?」
「ありがと春ちゃん!」
ドリンクを飲みつつ映像を確認する。確かに、反応がワンテンポ遅れてるような?いや、皆も速くなってるんだ。
「……あ、今の。プレスをかけるのが少し遅れたから、つられた……合わせたのかしら?木暮くんがスピードを落としてるわ」
「うわ、確かに!……なんか、なっちゃんって、トレーナーとかオペレーターとか向いてるかも」
「そうかしら?」
生徒会長や理事長代理業務で培った、こう、見る目や分析力があるというやつだ。伸ばせば武器になると思うんだよなあ。
……にしても思ってたよりズレがある。大きい訳ではないし、間に合ってはいる。注視しなければ気付かない。
でも、試合ではこれが命取りになるかもしれない。次はもう一歩前に出てみよう。それからスピード……スピード、か。
「……ねえ、美波。風丸くんが、原因?」
突然の問いかけに、考えてた事は全部吹っ飛んでいった。
「なんで」
「カマをかけただけよ。美波がここまで調子を落とすなんて、考えられる原因は限られているわ」
秋も春ちゃんも気付いてたような顔だ。……この様子だと、皆にバレてそうだな。一郎太を知らない条兄以外。
「一人で悩んで、抱え込まないで。美波は一人じゃない。仲間が沢山いる。周りを頼ってもいいのよ」
「私達、ここまでやってきたんだから!試合には出られないけど……荷物を一緒に持つことは出来るよ」
「そうです!一人では難しい壁は、皆で力を合わせて乗り越えればいいんですよ!」
「……違うよ」
雷門とエイリア学園――いや、お日さま園。どっちも大事で、どっちつかずで。
あたしは皆と違うんだ。……だから、一郎太を傷つけた。
「……大丈夫。一郎太とは、戦いが終わったらちゃんと話す。前は顔見て話せなかったんだけど、今度はちゃんと向き合うって決めたから」
「決めたんだね。なら私、応援するよ。頑張れ、美波ちゃん!」
「美波先輩なら大丈夫です!風丸先輩だって、美波先輩と向き合いたいって思ってる筈です!」
「一度決めた事は、最後までやり遂げなさい。これは」
「「「理事長の言葉と思ってもらって構いません!」」」
「もう……!」
秋、春ちゃんと声を揃えて先に言えば、なっちゃんは呆れ混じりに微笑んだ。
「なんか楽しそうだな」
「あ、塔子。リカも、休憩?」
「まあね」
「ほら、ウチらも頼れ!言え言え!吐け吐け!」
「いたた」
「程々にしとけよ、リカ」
ヘッドロックをかけてくるリカから逃げつつ考える。
……話しても、いいかのな。瞳子監督も関わるから、全部は無理だけど。
友達なんだって。助けたいんだって。
思いきって言ってみようか。そう思って、あたしが口を開くより早く、着信音が鳴り響いた。
画面を見て「ごめんなさい」と一言断りを入れたなっちゃんが、携帯を片手に離れていく。理事長からかな。
「なんや、忙しない」
「仕方ないよ。夏未さん、最近生徒会の仕事が詰まってるみたいだから」
「生徒会ィ?」
「夏未さん、生徒会長なんですよ。だから、学校が使えない間の生徒の対応もしてるんです」
「あれ、今夏休みだよな?なのに生徒の対応?」
「休みの間も活動予定のあった部活の活動場所がなくなったから、公民館やスポーツセンターの手配をしてるんだって」
「グラウンド使えるのがやっとやしそらそうなるわ」
「練習の為に優先してもらいましたからね……。ここだけの話、予算と経費のやりくりもありますから」
「それって、元新聞部の情報網?」
「内緒です!」
「あー、パパも言ってたよ。破壊された学校への支援計画が進んでるって」
皆の話に、あたしは何も言えずにいた。
エイリア学園――お日さま園に肩入れしてばかりで、事の大きさを、忘れては思い出す。
再建された校舎は、所々ブルーシートがかかっている。部室はまだ囲いの中で、イナビカリ修練場も入れない。
同じような状態の学校は、全国にあるに違いない。それだけの事を、彼らはしたんだ。
「……ちょっと、美波!」
「わっ!?ど、どしたのなっちゃん。電話は?」
「終わったわよ。美波こそどうしたの、ぼんやりして」
「あはは、なんでもないよ。それより、なっちゃん忙しいんだってね。休めてる?」
「心配してもらう程ではないわ。木野さんも音無さんも協力してくれているから」
「あ、吹雪」
塔子の声に視線を向けると、さっきまでベンチで練習を見ていたしろ君が、校門の方へ歩いていくのが目に入ってきた。
「しろ君……」
「吹雪くんが気になる?」
「……うん。ちょっと行ってくる。守兄!しろ君と気分転換がてら散歩して来るね!」
「ああ、分かった!……待てよ。それって、二人っきりの……!!」
「待て待て円堂!落ち着け!」
「ほら、吹雪も今はそういう時期だし。な?」
雷門中を出てしろ君を探す。すぐ追いかけたから、そう遠くない所にしろ君はいた。
「しーろ君!散歩ならあたしも付き合うよ!」
「美波ちゃん……ありがとう」
「どこ行きたい?行きたいとことかある?」
「ううん。稲妻町のこと、よく知らないから」
それもそうだ。稲妻町に来たのは、今回で二回目なんだから。
「美波ちゃんは?」
「特に決めてない!しろ君と歩こうかなって」
とりあえずしろ君についてってるけど、こっちの方向は河川敷だ。まこ達に会えるかもしれないし、行ってみようかな。
そんな事を考えてたら、しろ君はあたしをまじまじと見た後、小さく息を吐いた。
「女の子が考える事はそれなりに理解出来ると思ってたけど、美波ちゃんは難しいな……」
「え、どういう意味?」
「ふわふわしてて、気がついたらどこかに行ってしまう……そんな感じ」
「難しい事を考えるのが苦手なだけだよ。考えるくらいなら、体動かす方がよっぽどいいし!」
「キャプテンみたいだね」
「双子だからね」
とはいえ、考えすぎて不調に陥ってたのが、つい昨日までのあたしだ。皆にも迷惑かけちゃったし。
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明日はデスゾーン2を強化して、ムゲン・ザ・ハンドの完成を目指すことになっている。
二つのマスターランクチームの混成チーム。しかも半分は対戦経験がない。カオスの実力は未知数だ。明日だけで、どれだけ精度を高められるか。
何にせよ、ジェネシスに勝つ為には、越えなきゃならない壁だ。……あたしにはそれ以外にも壁がある訳だけども!
「今日も気合入れていくぞ!」
そんな訳で次の日。守兄の掛け声と共に、練習は始まった。
守兄、鬼道、土門はデスゾーン2の強化。立向居は条兄とムゲン・ザ・ハンドの完成。
残りは攻撃の要になる豪炎寺とアフロディを中心に、フォーメーションの確認。
課題を絞っての練習。今日からあたしも復帰だ。とはいえ本調子ではないということで、様子を見つつだけども。
数日間、殆ど練習してないんだ。先を行く皆とのズレはどうしても出る。連携の調整をして、合わせて、出来るだけ前の状態に近付ける。
協力してくれた佐久間の為にも、早く元に戻さないと。
「美波ちゃん、調子はどう?」
「まあまあかなあ……」
「この数日でディフェンスのキレが落ちたわね」
「う、なっちゃん手厳し……いやどんどん言って!どこらへん!?」
「えっ!一瞬そう感じただけだから、具体的には……」
「あ、そうだ。ビデオ録ってますよ!見ますか?」
「ありがと春ちゃん!」
ドリンクを飲みつつ映像を確認する。確かに、反応がワンテンポ遅れてるような?いや、皆も速くなってるんだ。
「……あ、今の。プレスをかけるのが少し遅れたから、つられた……合わせたのかしら?木暮くんがスピードを落としてるわ」
「うわ、確かに!……なんか、なっちゃんって、トレーナーとかオペレーターとか向いてるかも」
「そうかしら?」
生徒会長や理事長代理業務で培った、こう、見る目や分析力があるというやつだ。伸ばせば武器になると思うんだよなあ。
……にしても思ってたよりズレがある。大きい訳ではないし、間に合ってはいる。注視しなければ気付かない。
でも、試合ではこれが命取りになるかもしれない。次はもう一歩前に出てみよう。それからスピード……スピード、か。
「……ねえ、美波。風丸くんが、原因?」
突然の問いかけに、考えてた事は全部吹っ飛んでいった。
「なんで」
「カマをかけただけよ。美波がここまで調子を落とすなんて、考えられる原因は限られているわ」
秋も春ちゃんも気付いてたような顔だ。……この様子だと、皆にバレてそうだな。一郎太を知らない条兄以外。
「一人で悩んで、抱え込まないで。美波は一人じゃない。仲間が沢山いる。周りを頼ってもいいのよ」
「私達、ここまでやってきたんだから!試合には出られないけど……荷物を一緒に持つことは出来るよ」
「そうです!一人では難しい壁は、皆で力を合わせて乗り越えればいいんですよ!」
「……違うよ」
雷門とエイリア学園――いや、お日さま園。どっちも大事で、どっちつかずで。
あたしは皆と違うんだ。……だから、一郎太を傷つけた。
「……大丈夫。一郎太とは、戦いが終わったらちゃんと話す。前は顔見て話せなかったんだけど、今度はちゃんと向き合うって決めたから」
「決めたんだね。なら私、応援するよ。頑張れ、美波ちゃん!」
「美波先輩なら大丈夫です!風丸先輩だって、美波先輩と向き合いたいって思ってる筈です!」
「一度決めた事は、最後までやり遂げなさい。これは」
「「「理事長の言葉と思ってもらって構いません!」」」
「もう……!」
秋、春ちゃんと声を揃えて先に言えば、なっちゃんは呆れ混じりに微笑んだ。
「なんか楽しそうだな」
「あ、塔子。リカも、休憩?」
「まあね」
「ほら、ウチらも頼れ!言え言え!吐け吐け!」
「いたた」
「程々にしとけよ、リカ」
ヘッドロックをかけてくるリカから逃げつつ考える。
……話しても、いいかのな。瞳子監督も関わるから、全部は無理だけど。
友達なんだって。助けたいんだって。
思いきって言ってみようか。そう思って、あたしが口を開くより早く、着信音が鳴り響いた。
画面を見て「ごめんなさい」と一言断りを入れたなっちゃんが、携帯を片手に離れていく。理事長からかな。
「なんや、忙しない」
「仕方ないよ。夏未さん、最近生徒会の仕事が詰まってるみたいだから」
「生徒会ィ?」
「夏未さん、生徒会長なんですよ。だから、学校が使えない間の生徒の対応もしてるんです」
「あれ、今夏休みだよな?なのに生徒の対応?」
「休みの間も活動予定のあった部活の活動場所がなくなったから、公民館やスポーツセンターの手配をしてるんだって」
「グラウンド使えるのがやっとやしそらそうなるわ」
「練習の為に優先してもらいましたからね……。ここだけの話、予算と経費のやりくりもありますから」
「それって、元新聞部の情報網?」
「内緒です!」
「あー、パパも言ってたよ。破壊された学校への支援計画が進んでるって」
皆の話に、あたしは何も言えずにいた。
エイリア学園――お日さま園に肩入れしてばかりで、事の大きさを、忘れては思い出す。
再建された校舎は、所々ブルーシートがかかっている。部室はまだ囲いの中で、イナビカリ修練場も入れない。
同じような状態の学校は、全国にあるに違いない。それだけの事を、彼らはしたんだ。
「……ちょっと、美波!」
「わっ!?ど、どしたのなっちゃん。電話は?」
「終わったわよ。美波こそどうしたの、ぼんやりして」
「あはは、なんでもないよ。それより、なっちゃん忙しいんだってね。休めてる?」
「心配してもらう程ではないわ。木野さんも音無さんも協力してくれているから」
「あ、吹雪」
塔子の声に視線を向けると、さっきまでベンチで練習を見ていたしろ君が、校門の方へ歩いていくのが目に入ってきた。
「しろ君……」
「吹雪くんが気になる?」
「……うん。ちょっと行ってくる。守兄!しろ君と気分転換がてら散歩して来るね!」
「ああ、分かった!……待てよ。それって、二人っきりの……!!」
「待て待て円堂!落ち着け!」
「ほら、吹雪も今はそういう時期だし。な?」
雷門中を出てしろ君を探す。すぐ追いかけたから、そう遠くない所にしろ君はいた。
「しーろ君!散歩ならあたしも付き合うよ!」
「美波ちゃん……ありがとう」
「どこ行きたい?行きたいとことかある?」
「ううん。稲妻町のこと、よく知らないから」
それもそうだ。稲妻町に来たのは、今回で二回目なんだから。
「美波ちゃんは?」
「特に決めてない!しろ君と歩こうかなって」
とりあえずしろ君についてってるけど、こっちの方向は河川敷だ。まこ達に会えるかもしれないし、行ってみようかな。
そんな事を考えてたら、しろ君はあたしをまじまじと見た後、小さく息を吐いた。
「女の子が考える事はそれなりに理解出来ると思ってたけど、美波ちゃんは難しいな……」
「え、どういう意味?」
「ふわふわしてて、気がついたらどこかに行ってしまう……そんな感じ」
「難しい事を考えるのが苦手なだけだよ。考えるくらいなら、体動かす方がよっぽどいいし!」
「キャプテンみたいだね」
「双子だからね」
とはいえ、考えすぎて不調に陥ってたのが、つい昨日までのあたしだ。皆にも迷惑かけちゃったし。
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